3度目の川古温泉・浜屋旅館:みんなで行ったぬる湯の名湯

川古温泉 浜屋旅館
夏の群馬グループ旅行の2泊目は川古温泉。知る人ぞ知る、ぬる湯の名湯だ。自分は過去に1泊したのと1回日帰りで立ち寄ったくらいだが、たしかにいいお湯だった。他のメンバーにも体験してもらいたいと思って何度かおすすめしてきたところ、今回いろいろな要素が噛み合って、ついにみんなで泊まりに行くことが決まったのである。

川のそばの秘湯的な雰囲気もある一軒宿だ。静かに温泉を楽しみたい人にはちょうどいいんじゃないですかね。思い出が勝手に改変されたのか、我々がぬる湯に慣れすぎたのか、思ったほど低温ではなかったが、長湯できるぬるめの良泉であることは変わらない。あと、食事が湯治向けにシンプルかと思ったら予想外のボリュームだった。

川古温泉浜屋旅館へのアクセス

伊香保温泉から榛名湖へ

アクセス面は鉄道+バスだけだと難しい。JR上越線の後閑もしくは上越新幹線の上毛高原から猿ヶ京行きのバスに乗って休石で下車すると、そこまでの送迎サービスはあるようだ(特定のバス便のみ対応、要事前予約)。

我々はメンバー全員が車1台に同乗して行った。1泊目の伊香保グランドホテルをチェックアウトしたら、さてどうしよう。ただ直行したらチェックイン可能時刻まで3時間以上持て余してしまう。伊香保の石段街はこの日程だとどうせ激混みだし、まず駐車場が空いてないでしょう。

特に決め手もないまま、ひとまず榛名湖へ向かった。高原で涼しいかといえば、そんなことはなくて暑い。
榛名湖
せっかく来たからロープウェイでも乗ります?…しかし見上げると山頂付近はガスってる。これじゃあパノラマ風景は見えないな。また今度にしよう。
榛名山頂

3度目の榛名神社

うーん、まだまだ時間が余ってるな。そんな動機で訪れたらバチが当たるかもしれないが、榛名神社へ寄ってみますかね。ってことで人生3回目の榛名神社へ。空きがあった無料の市営駐車場に車を止めて歩いた。坂がきついとかよりも暑さがきつい。

まあ頑張って歩きましたよ。これが終盤近くで見えてくる瓶子の滝。
瓶子の滝
そして本殿へ。参拝の長い行列ができていた。並ぶのも大変なのでお参りはスルーしちゃった。見るだけよ。
榛名神社本殿
本殿の奥は岩(御姿岩)に接しており、独特の景観。落ちてきそうで落ちない岩が不思議だ。
御姿岩
はい、榛名神社はここまで。お次は榛名山を東吾妻・中之条方面へ下っていった。吾妻川のこのあたりはGW頃の一人旅で鳩の湯温泉から移動する途中で走った気がするぞ。あと中之条駅付近は早春の沢渡温泉を思い出すな。

などと思い出に浸りつつ、高山村経由で川古温泉へ。最後の最後の数百メートルがとても狭い道であることを除けば、あとは一般の県道・国道でカバーできる。


秘湯感のある一軒宿

駐車場にだけ注意

駐車場については注意。旅館の数十メートル手前に未舗装駐車スペースがあるからそこに置きましょう。先に荷物を下ろしたいからと旅館のギリギリ近くまで乗り付けてはいけない。そもそもスペースに余裕はないし、だいたい何かの車が置かれていて一時的に停めておく空きもない。しかもUターンする空間もないから詰んでしまうのだ。そうなると泣きながらバックで戻るしかない。

ということをドライバーにアドバイスして無難に駐車できた。到着時の旅館玄関前はこんな感じである。
到着時の川古温泉玄関前
玄関のちょっと手前に橋がかかっており、橋の上から当館の横顔を拝める。そばを流れるのは赤谷川だろうか。自信はないがそういうことにしておこう。
橋の上から見た川古温泉

広くていい部屋に当たった

ではチェックイン。フロントの先が通路+ロビー+グッズコーナーのようになっている。窓から下を覗けば赤谷川が見える。
ロビー
全般に山中の静かな一軒宿という風情である。案内されたのは4階の3間続きとでも言うべき広い和室。6畳+テーブル席のあるリビング空間+8畳なつくり。布団は最初から敷いてあった。
川古温泉 3間客室の8畳部分
上はリビングから8畳間を見たところ。下はリビング全体。その右側に6畳間があると思ってほしい。
川古温泉 3間客室のリビング部分
こんなに贅沢な部屋に泊まれるとは思ってなかったなあ。シャワートイレ・洗面台あり。金庫あり、空の冷蔵庫あり、フリーWiFiあり。電波は弱め。キャリア回線も弱め。最初のうちは熱気がこもるような蒸し暑さを感じたものの、エアコンをつけたら解消した。

窓を開けるのが難しく、ガラス越しの撮影だといろいろ写り込んじゃうので厳しい中、窓から見える景色をどうにか記録したのがこちら。
窓の外の景色

川古温泉、さすがのクオリティ

男湯のアワアワを見逃す(痛恨)

川古温泉の大浴場は地下1階。通路には貴重品ロッカーがある。脱衣所は女湯用・男湯用・混浴用がある。男性なら普通は男湯用へ行くでしょう。脱衣所はそんなに広くないが一度に大勢押しかけるわけでもないから窮屈ではない。

壁に貼られた分析書には「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉、低張性、弱アルカリ性、温泉」と書かれている。泉温39.8℃のPH8.0。加水・加温・循環・消毒なしの源泉かけ流しだ。すばらしい。あとはこの39.8℃が湯船に投入された後に少し冷めて体温前後になっててくれると最高だな。

脱衣所直結の男湯は洗い場が2名分。あとは2~3名サイズの浴槽のみ。お湯の見た目は無色透明で浸かってみると適温だった。熱すぎるということはないけど、ぬる湯でもない。わりと普通な感じの温度だった。まあ思い出通りであって最初からわかっていたことだ。洗身洗髪後や最後の上がり湯としてどうぞ。

自分で書いた過去の体験記によると、男湯は泡付きがすごいそうだ。しかし今回は意識されなかった。「そんなにぬるくないなあ」とだけ思ってすぐ出ちゃったから、単にちゃんと観察してなくて気づかなかっただけの可能性が高い。あとから振り返ればもったいないことをしたなあ。豊富な泡付きを見るとうれしくなるタイプなので。

体感面では一番ぬるかった混浴内湯

脱衣所に別の出口からいったん屋外通路へ出て、右の方へ歩いていくと混浴内湯が現れる。通路側から入っていくこともできるし、先述の混浴用脱衣所を経由して行くこともできる。こちらは洗い場が1名分で、浴槽はやや細長い4名サイズ。

底には丸石が敷かれており、川底を連想させる。現在は掘削自噴の源泉を提供している当湯は、もともと河原に湧き出した源泉を利用していたんだとか。その当時をイメージしたんでしょうかね。浸かっていると、たまにポコっとお湯の塊が浮き上がってくる感触がある。足元湧出泉ぽいけど演出でやっているみたい。これも往時のイメージなのかな。

こちらの内湯はぬるい。ぬるいといっても体温前後ではなくて少し上。過去の記憶が歪んでいる可能性を気にせず印象だけでいうと、湯岐・霧積・霊泉寺松屋の冬期・湯川内あたりのゾーンではないかと思われる。泡付きは見られず。

本命的存在の露天風呂へ

さて、当湯の本命的存在は混浴露天風呂だ。まず手前に飲泉所があるからありがたく飲みましょう。硫黄を連想させるタマゴ臭の風味が後に残り、なんとなく胃腸に効きそう。

露天風呂は大きな岩風呂で、20名か、いやもっと30名近く収まっても不思議はない。完全な円形ではなく、Uの字型ぽいところもあるため、互いに視線が交わらない手前側と奥側の2区画に分かれるような格好になっている。男女で手前と奥を使い分けるとか、カップルは奥側を陣取るとかでうまく棲み分けができそう。なお、女性向けにフロントで湯浴み着を取り扱っているのでどうぞ(男性用もあります、誰も使ってないけど)。

とはいえ、露天風呂にいるのは基本的に男性だ。女湯内に女性専用露天風呂があるし。ただしそちらはぬる湯ではないらしい。一方で混浴露天風呂は体温より若干上のぬる湯である。体感的にぬるかった順で言うと、混浴内湯<混浴露天風呂<男湯、となる。

心地よく長湯することができる

露天風呂も清澄な無色透明湯で湯の花や泡付きは意識されず。匂いは石膏臭にふんわり硫黄香の要素も感じる本格派。入った瞬間は「あれ? 意外とぬるくないな」と思っても、すぐに慣れてなじんでくる。そうなれば体内に熱気がこもる印象も消えて結構な長湯が可能。

今回は特に空気がひんやりしている朝方が環境面でもよかった。逆に夜は熊のことを考えちゃって(妄想が強い)、落ち着かなくてすぐ内湯へ逃げちゃった。

露天風呂に浸かりながら川を見られるわけではないけど、自然環境の中の秘湯って雰囲気はしっかりあって、そういう要素を求めている人には刺さるでしょう。エレベーター内の注意書きを見ると、過去にはヤンチャな客がやらかした形跡もあるが、現在は繁忙期に日帰り入浴をやらないなど客層コントロールはできているようで、変に混雑しないし、騒がしくもなく、静かに温泉に集中できた。


食事面も思い出に残りそう

ジビエ感が強くてボリュームたっぷりな夕食

川古温泉の食事は朝夕とも1階の食堂で。夕食は18時半、朝食は8時固定だった。夕食の時間に食堂へ行くと部屋ごとに用意されたテーブル席へ案内される。スターティングメンバー+すぐに運ばれてきた数品がこちら。
川古温泉の夕食 その1
サラダのお肉は自家製生ハムと言っていたような。山の宿なので刺身はマス系でしょう。中央のスプーンが入った小皿は当初判別できなかった。よーく見たら手作りっぽい豆腐であった。猪肉だという鍋もあるし、これだけあれば十分でしょう。と思ったらすぐに岩魚の塩焼きも出てきた。熱いうちにどうぞとおすすめされて、まず岩魚からいただいた。

もっと素朴でシンプルな湯治向きの内容だと予想していたら、実はしっかり食べ応えと味わいのある内容だ。しかも途中で揚げ物まで追加された。これもジビエ肉だったと思う。さすが秘湯の宿。
川古温泉の夕食 その2
メンバー一同が「大丈夫か? 完食できるか?」と心配そうな目を向けてきた。いつものごとく途中でお腹いっぱいになってきちゃったのである。せっかくのなかなか出会えない食材だったし、うまいから締めのご飯含めて完食しましたけどね。

…その晩、夜中に目が覚めたら妙に胃が苦しくて、横になるのをやめて身を起こしたままスマホを1時間くらい見て消化タイムにあてたのはここだけの話。

朝から岩魚をいただける

朝も同じテーブル席で。起床直後はまだ胃がもたれている感じだったが、朝風呂に入ったらだいぶ余裕が出てきた。さあ来い。
川古温泉の朝食
朝から岩魚のたたきとはやるなあ。これだけでご飯がすすんでしまうよ。夕食に出てくることが多い茶碗蒸しが朝に出てくれたおかげで、ふたをした鍋の中身は湯豆腐とともに、ふんわりと胃にやさしい感じでよかった。もちろん望むならばご飯のおかわりは自由。他にセルフでお茶やコーヒーあり。

朝食が8時開始だと食べ終わるのは8時半前後。チェックアウトは10時。たとえ短時間でもラスト入浴へは当然トライする。で露天風呂に入っていたら、他の組もやってきた。川古温泉の客層ならみんなそうするだろうね。

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1回の日帰り訪問を挟んで2度目の宿泊となった川古温泉。お湯のクオリティはやっぱり高い。「川古のみやげは一つ杖を捨て」(来た時は杖をついていても帰る時には杖が要らなくなる)と伝えられるだけのことはある。秘湯の宿といっても、館内のハード面や食事の内容が鄙びすぎているわけではないから、普通に快適に温泉を楽しむ宿としての間口は広い。