酸性泉の温冷交互浴で夏バテ解消 - 奥蓼科温泉郷 渋・辰野館

奥蓼科温泉郷 渋・辰野館
とうとう本気の夏が来てしまった。体温と同じくらいの温泉は最高のぬる湯だが、体温と同じくらいの気温は狂ってる。しかも平気で体温を超えてくるし。こんな時は少しでも涼しい高地へ逃げるしかない。

心当たりはあった。2年前に訪れていた奥蓼科である。標高1500~1800mもあって森林に囲まれているから結構過ごしやすくて避暑にはもってこいだ。1回経験ずみということで道路状況などの勝手はわかっているし、運転にも不安はない。

昼間の立ち寄り湯は奥蓼科の渋・辰野館にした。白濁硫黄系の酸性泉を、加温したやつと冷たいやつで交互に入るスタイル。これがとっても気持ちいい。夏は特に爽快感が増すのでやみつきになりますね。

渋・辰野館へのアクセス

夏のせいでなにもかもがダルい

土日祝や年末年始・8月の平日であれば、JR中央本線の茅野駅から1日2本のバス便を利用できる。それに乗ってしまえば宿の前がバス停だ。計画をしっかり立てておけば大丈夫そうですね。

今回はマイカーで。休暇カードを切って平日に出発したにもかかわらず高速道路が意外なほどの渋滞。多くの学校が休みに入る時期だったからファミリーのお出かけが多かったか、トラックなどの物流が動くタイミングに当たったか。

談合坂SAでブランチの時間としたけど、暑くて食欲がないなー。丼やカレーは重いし、そば・うどん・ラーメンだと熱いんだよな。…結局そうめんになった。地獄の夏は始まったばかりだというのに、早くも夏バテのような食生活になっている。

タンパク質がないのはまずいかと思い、双葉SAでアジの唐揚げを買い食いして補給完了。なお野菜を欠いてるけどまあいいや。あとは旅館の食事でカバーしよう。

2年ぶりの湯みち街道と御射鹿池

淡々と走り続けて諏訪南ICを出る。カーナビの指示通りに走るだけとはいえ、車窓の景色はどこか記憶に残っている。そうそう、こう来てこう行ったんだよなー、とか。で、県道191号=湯みち街道に入ったら、あとは山道をどんどん登っていく。狭めではあるが片側1車線が確保された道路なので運転の難易度は高くない。

途中で観光スポットの御射鹿池を見学した。2年ぶりの再会。今日もきれいな緑色ですな。風で波が立っちゃって、池の全面が「まるで鏡のよう」とはいかず。
御射鹿池 その1
ついでにもう1枚。
御射鹿池 その2
この先の道路は狭く・勾配は急に・カーブはきつめになる。路面も荒れ気味。しかし交通量は極少ないため対向車などめったに来ない。焦らなくて大丈夫。ただし野生動物には注意しよう。いきなり路上に鹿がいたりしたから。写真を撮ろうとあたふたしてたら逃げちゃった。


鄙び秘湯感たっぷりな信玄の湯

渋いレトロな温泉旅館

本館と思われる正面の建物はかなり渋いレトロ感がある。渋だけに。でも右手に見える建物はもっと近代的だ。宿泊棟なのだろうか…よくわからない。
隣にあった近代的な建物
左手にはさらにレトロ感を増強した建物が見える。たぶん今は使われていない旧館ってところじゃないか。
旧館ぽい建物
では入館。フロントで日帰り入浴の旨を告げてお支払い。1650円。下足箱の横に貴重品ロッカーがあります。ロビー空間がこちら。他のお客さんが入らないようにやや斜めアングルで撮影した。正面の窓から見える木立がまるで絵画のよう。
ロビー
3つあるという大浴場はいったん2階へ上がって左に進む。そしてまた階段で1階へ下りて、というふうにどんどん行くと、まず一般の男女内湯が現れる。こちらは洗い場があるかわりに非温泉。

さらに進んだつきあたりのような場所が信玄の湯。手前が女湯で奥が男湯だったかな。脱衣所を覗くと無人のようだった。よっしゃ独泉~。脱衣所か廊下に掲示されてた分析書によれば「単純酸性冷鉱泉、酸性、低張性、冷鉱泉」で泉温21.2℃、PH2.71。湯使いは不明。

夏向きのひんやり冷たい源泉槽

浴室に洗い場なし。全体的な雰囲気は木造の鄙びた秘湯ムード満載でとてもよい。一番手前のミニ浴槽ぽいやつは「こちらは入れません」と書いてある。

中央の源泉槽は中が深くなっており、立ち湯スタイルなら4名いけるサイズ。最も目立つ特徴は浴槽の中央付近へ向かって、打たせ湯のように上からドボドボと温泉が落ちていることだ。その勢いは強く、お湯が結構飛び跳ねてくる。

浸かってみたら水風呂級に冷たい。しかし夏だから意外とすんなり入れた。しばらくじっとしていると冷涼感でむしろ心地よくなってくる。お湯の見た目は透明~半透明と言うべきだが、硫黄系に特有の白い湯の花が大量に舞っているため濁り湯のように見える。

匂いを嗅ぐと、硫化水素臭の気配はあってもそれほど強くはない。まあ脱衣所や浴室に入った時点で硫化水素臭がするので、慣れてしまったせいかもしれない。とにかく酸性で硫黄系で冷たいという特徴がレアであるばかりか、夏にはぴったりで、こりゃあたまりませんな。

加温槽との温冷交互浴にハマる

体が冷えてきたと思ったら隣の加温槽へ。こちらは2~3名サイズ。やっぱりちょっと深いかな。40~41℃の適温の湯は完全に真っ白に濁っており、浴槽の底どころかわずかな先もまるで見えない。

明らかな湯口というのがないので、浴槽内のどこかから加温した源泉を入れているのだろう。あとは源泉槽と接した縁の一部が切り欠き状になっていて、冷たい源泉が少しずつ入ってくる仕掛けになっているみたいだ。

信玄の湯に露天風呂はない。上の源泉槽と加温槽へ交互に浸かるスタイルが推奨される。冷たい方は人によって好みの差があるだろうけど、可能なら温冷交互浴してみてほしい。慣れてきてハマるとやみつきになる。

露天風呂を備えた森の湯

こちらでも大活躍の冷たい内湯源泉槽

体内時計で30分くらい経ったかなと思ったところで信玄の湯を出た。廊下の脇道のようなところから階段でさらに下へ。そこに森の湯という浴場がある。手前が男湯で奥が女湯。

こちらも浴室に洗い場なし。信玄の湯まではいかなくてもやっぱり鄙び秘湯感あり。内湯浴槽+露天風呂という構成になっており、内湯が加温槽で露天が冷たい源泉槽だ。お湯の特徴については温泉フリークのマニアックな目で吟味しない限り、信玄の湯との違いはわからないだろう。源泉槽(露天風呂)に打たせ湯的仕掛けがあるのも信玄の湯と同じだ。

内湯・露天ともに4名サイズで深いことは深い。「深さ90センチあります」と注意書きの札が立ってたからね。深さの急激な変化でバランスを崩して転ばないように注意しよう。

爽やかな気分になる露天風呂

露天風呂の向こうには森が広がっている。手前に見える白樺の木がいい感じだ。温泉の質と露天風呂からの眺めが、いかにも涼しげで爽やかで、すっかり気分が晴れてくる。いい時に来たなあ。

森の湯でも温冷交互浴に励み、だいぶ満足したところであがった。服を着てスマホで時間を確認すると、信玄の湯と森の湯でトータル1時間近く滞在していたようだ。まあそうでしょうね。なにかに取り憑かれたように交互浴してたもん。

昼も夜もサウナのような地元の暑さに心身ともおかしくなりかけていたところ、当湯のおかげですっかり生き返った。助かったぜ。