良泉かけ流しと緑が映える露天風呂 - 仏岩温泉 鈴森の湯

仏岩温泉 鈴森の湯
秋の上州湯めぐり紀行と勝手に称したグループ旅行もいよいよ最終盤。締めはやっぱり立ち寄り湯でしょう。もろもろ条件を考慮して、みなかみ町にある日帰り施設「鈴森の湯」が選ばれた。調べると口コミ評価はなかなか高い。

ここの特徴はぬる湯があることと深めの湯船、露天風呂からの眺め。源泉かけ流しのお湯はほんのりタマゴ臭がしてすばらしい。

今回は時間の限られた中ではあったが十分に楽しめたし、もっと長湯してもよかったと思えるくらいの居心地の良さであった。

鈴森の湯へのアクセス

鈴森の湯の場所の当たりをつけるのは簡単だ。関越道・谷川岳パーキングエリアを目印にすればいい。地図で見ると同PAのすぐ近くを県道270号が横切っているのがわかるだろう。まさにそのクロスするあたりに当館が存在する。

ただし関越道を使って行く場合、PAから直接下道へ出ることはできないので、水上ICから国道291号→県道270号のルートを取ることになる。

実際の我々は水上ICを下りていったん奥利根3ダムを見学して回り、その後は広大な露天風呂で知られる宝川温泉で締める計画だった。しかしスケジュールの都合により温泉に滞在できるのは1時間ほど。宝川温泉の安くはない料金を考えると、あそこは2時間以上いないともったいない。

ということで計画を変更して鈴森の湯へ向かった。現地には道を挟んだ向かいに駐車場がある。平日だったし止めてある車は非常に少ない。休日どの程度まで混むかは不明。
鈴森の湯 駐車場
見上げればたしかに関越道が見える。長大な関越トンネルの入口がもう目の前で「もうすぐ国境の長いトンネルが始まるぞ」とドキドキする地点だね。
関越道

入って良し、景色良しの好印象な温泉

バーベキューや釣りも楽しめる模様

で、冒頭写真の日帰り温泉入口を抜けると、下のような本館建物が現れる。外壁の見た目は渋い系だが中は新しくてライトな感じだった。
鈴森の湯 本館
あと右側にテーブル席がいくつか並んでいるのが見えるのは、テラスで飲食を楽しめるようになっているんじゃないかと思う。その外側にはバーベキュー場があるっぽい。さらに向こう側には阿能川が流れている(間に木や茂みがあってテラスから川は見えないと思われる)。イワナ釣り場もあるみたいですね。

では入館。まず目に入るのはお食事処。右手に進んで階段を1フロア下りていくところまでは靴を履いたままで行ける。下りたところに下足箱。その番号付きの鍵を料金とともに受付に渡すと同じ番号の脱衣所ロッカーの鍵をくれる。800円。

受付のすぐそばに畳の休憩処とマッサージチェアコーナーがあった。窓の外、ベランダ部分に見えるのは足湯じゃないか。いろいろと凝ってますな。
マッサージチェアコーナー

明るい雰囲気の檜造りの浴室

脱衣所では受付で渡された鍵の番号に対応したロッカーを利用する。見たところ我々以外の客は多くないようで、これならのんびり入れそうだ。掲示された分析書には「カルシウム-硫酸塩泉、弱アルカリ性、低張性、低温泉」とあった。

浴室は全体が檜造りになっていて、使われている木材はまだ新しい感じ。広く取られたガラス窓とあわせて明るく軽やかな雰囲気を醸し出している。ナウなヤングも馴染めそうだ。

洗い場は17名分あったと思う。かなり余裕がある。手前には10名以上いけそうなあつ湯槽、奥にきっちり整列すれば7名規模のぬる湯槽があった。浴槽の縁が檜で内壁はタイルのつくり。

良質のぬる湯に大満足

まず最初にぬる湯槽へ。おお結構ぬるいぞ。体温より低いに違いない。そして深い。立ち湯かと思うくらい深い。中に段差があって、そこに腰掛けることが前提になっているのだ。

お湯の見た目は無色透明。湯の花や目立った泡付きは確認できず。お湯をすくって鼻を近づけると微かにタマゴ臭がする。温泉らしさはしっかりとありつつ癖がなくてぬるいから長湯してくださいと言わんばかりだ。こいつはすばらしい。

このままぬる湯にロックオンでも悔いはないくらいだが、ひとまずひと通り体験してみよう。隣のあつ湯槽へ移動してみると、こちらは適温。他の浴槽から移動してくると相対比較で熱く感じるが、慣れてきて客観的に判断する限りでは熱すぎない適温。

こちらもお湯は深めに入れられている。なんででしょうね。当時の人口密度だとほとんど独占状態だったし、浴室のつくりと湯船の広さもあって、開放感ばっちりだった。自分はぬる湯派だけど、そうでない多数派の皆さんにはおすすめだ。

眺望がすばらしい露天風呂

お次は露天風呂へ行こう。内湯とは別の扉から外へ出る。階段を下りていくとミストサウナがある(故障中)。その先にはなんとトンネルがある。ていうかトンネル状の通路ですけど。トンネルを抜けると12名規模の岩風呂が現れる。

ここもやっぱり深い。しかも腰掛ける段がないから直接体育座りをするとアゴ上までお湯が来ちゃう。温度は40℃を切るくらいで長湯は可能。

露天風呂の売りは周りの景色。目隠しの塀などはない。風呂の奥の縁から下をのぞき込むと阿能川が見える。しかもそこそこ高い3段の落差工があって、ミニ人工滝と思えばなかなかのもの。

加えて木々に囲まれた緑いっぱいの環境は、紅葉したらすごいことになるだろうと思わせた。高台から下界のパノラマ風景を一望させるのとは別の方向性として、日帰り温泉でこれだけ“見せる”露天風呂はそうそうないんじゃないかな。

泉質も良いし満足満足。再度ぬる湯槽へ戻り、そしてまた露天風呂へ浸かって、予定していた滞在時間はあっという間に過ぎた。あーいい湯だった。


食事面も期待できる施設

鈴森の湯のホームページによれば、当湯の運営会社はもともと飲食業を営んでいたという。しかも提供する料理には源泉を使用しているとか。→食事面にも自信ありとみた。今回我々は入浴のみで帰ったが、時間と胃袋に余裕があれば食事処を利用してみるのもいいだろう。

あー、無茶な発想だとわかっちゃいるけど、谷川岳PAと鈴森の湯がつながってくれないかなあ。