群馬の四万温泉といえば草津・伊香保と並ぶ有名な温泉地だ。国民温泉保養地の第一号に指定された経歴の持ち主でもある。子供の頃に行ってるはずなんだが、どんなところだったか全然記憶にございません。
そこで秋の上州湯めぐり紀行の1泊目として訪れることにした。宿泊先は「あやめや旅館」。湯治系の渋い鄙び宿と気張って行くような高級宿と、二極化しているようにみえる四万温泉においては中庸でバランスの取れた旅館だ。
ぬる湯派の自分にはやや熱かったが、お湯そのものはじんわり効いてくる感じで良い。新館の部屋は快適。食事は文句なし。これならお値段以上といえる。
実際の我々は最初に吾妻峡・八ッ場ダムを見学した後、国道145号で中之条町の中心部まで引き返してから353号へ合流。少し北上したところに中之条ダムと四万湖があったから、ちょっとだけ見物。べつにダムマニアではないんだけどね。
さらに北上を続けて、ついに四万温泉街に到着した。地図で調べると当地は群馬・新潟・長野の県境に近い。山に阻まれて車道は通じていないが、東は猿ヶ京や法師温泉、北は苗場リゾート、西は野反湖で、野反湖から北へ山越えすれば秋山郷の切明温泉に達する。思えば遠くへ来たもんだ。
南北に連なる5つの地区(日向見・ゆずりは・新湯・山口・温泉口)からなる四万温泉の中で、あやめや旅館は新湯地区のメイン通りから1本外れた細い道沿いにある。車は旅館の方で四万川近くの桐の木平駐車場へ移動してくれた。
ちなみに四万川はこんな様子でごわす。
なので素朴な民宿要素が強いのかなあと思っていたら、我々が案内された新館はしっかりしたつくりであった。階段を上がって2階の部屋へ。
おお、10畳あるじゃないか。広さは十分。しかもまだ新しい感じできれいだし、いいじゃないですか。もちろんトイレ・洗面所付き。金庫あり。別途精算のドリンク・お酒が入った冷蔵庫あり。
扇風機だけでなくエアコンもあるのでご安心を。ネット環境については、携帯のアンテナは普通に立つし、フリーWiFiも利用可能。人数によってはコンセントが不足するかもしれない。
山側の部屋だったから窓の外は斜面と木。とくに眺望は求めていないので気にしない。
また当館は「お子様の温泉デビュー」を謳っており、小さい子連れの宿泊・入浴に対応することを考えて運営しているようだった。たとえば廊下にあったおもちゃ置き場。
そして大浴場の前には絵本のコーナー。
一応補足しておくと、たしかに浴室内でお父さんと一緒に入浴するちびっ子をよく目にしたが、ここに来る子はみんなしっかりしているね。叫んだり走り回ったり湯船で泳いだりもせずに行儀よくしていた。自分の子供時代だったら高確率でやらかしとるで。
浴室内にカランは7つ。8名以上いけそうな内湯とあわせて十分な規模でしょう。お湯の見た目は完全な無色透明。湯の花は見られない。
浸かってみると熱めだった。自分はぬる湯派なので好みのレンジではないけどマジョリティ層には受けそうだ。雪見風呂を楽しむような冬の時期にちょうどいいかも。さっぱりマイルドながらもじわじわ効いてくる感じはよろしい。
消毒の塩素臭はとくに意識されず、むしろ石膏泉的な匂いをちょっと感じなくもない。全般に刺激や癖がなくて万人向けだ。
温泉街の建物が周囲に立ち並ぶ場所柄、目隠しの塀に囲われて眺望はない。湯口には塩のようなカルシウムのような白い析出物の塊がこびりついていた。さすが四万さん。
長湯する温度じゃないが、ちっとも混み合わないから気分的にはゆっくりできる。我々が入浴した時には内湯と露天を合わせて他に0~2名といったところ。露天風呂の取り合いみたいなことも起きないし。貸切風呂があるそうだからファミリーなんかは主にそっちへ行ってるのかもしれない。
お湯はやっぱり熱めで露天の方が内湯よりも少しだけぬるい。あらためて観察すると湯口に白い塊がこびりついているだけじゃなく、お湯が通る石の部分が茶褐色に変色していた。
やはりすいていて自由に動けるから露天風呂を独占させてもらった。いや~、相変わらずじわじわ来るわ~。思わず「あ゛ー」とか「う゛ー」とか唸ってしまうやつだな。※実際は声に出してません。
夕食のスターティングメンバーがこれ。群馬だけにお造りの中に刺身こんにゃくが入ってる。
焼き魚は鱒系だったと思うが正確には忘れた。鍋物は群馬名物おきりこみうどん。ぶ厚くて平たい麺が特徴だ。コシがあるというよりは柔らかい。
他に天ぷらが出てきたと思う。なんだかんだで結構お腹いっぱいになった。ご飯は釜飯。着席時すでに温めた状態で出来あがっていた。釜飯だとなんとなく秋っぽさがあるし、お焦げの部分がまたうまい。結構ですな。最後デザートで締めて終了。
お粥とは別に普通のご飯も提供される。しかしお粥だけでお腹が膨れてしまい(いつも朝はそんなに食べないんで)、普通のご飯まで手が回らなかった。うーん、もったいない、少しでも食べておけばよかったかな。まあ仕方ない。
朝食の後は入浴ファイナルを楽しんでからチェックアウト。精算後にはビスケットと飴の小袋をもらった。お子様向けのおみやげってところでしょう。そういえばチェックアウト時のフロントにはお子様連れファミリー客が数組いたな。彼らのニーズをうまく取り込めているようですな。
そんなところへ我らおっさんグループが泊まってしまったわけだが、まあいいか。雰囲気が合わないわけでもなかったし、静かに過ごせたし、全然大丈夫。実質初めての四万温泉を体験できて満足である。
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そこで秋の上州湯めぐり紀行の1泊目として訪れることにした。宿泊先は「あやめや旅館」。湯治系の渋い鄙び宿と気張って行くような高級宿と、二極化しているようにみえる四万温泉においては中庸でバランスの取れた旅館だ。
ぬる湯派の自分にはやや熱かったが、お湯そのものはじんわり効いてくる感じで良い。新館の部屋は快適。食事は文句なし。これならお値段以上といえる。
四万温泉「あやめや旅館」へのアクセス
今回は車利用のグループ旅行。東京方面からだと関越道・渋川伊香保ICで下りる。なぜだか恒例の出口渋滞を乗り越えて国道17号→353号へと進んだら、あとは353号をひたすら進む。実際の我々は最初に吾妻峡・八ッ場ダムを見学した後、国道145号で中之条町の中心部まで引き返してから353号へ合流。少し北上したところに中之条ダムと四万湖があったから、ちょっとだけ見物。べつにダムマニアではないんだけどね。
さらに北上を続けて、ついに四万温泉街に到着した。地図で調べると当地は群馬・新潟・長野の県境に近い。山に阻まれて車道は通じていないが、東は猿ヶ京や法師温泉、北は苗場リゾート、西は野反湖で、野反湖から北へ山越えすれば秋山郷の切明温泉に達する。思えば遠くへ来たもんだ。
南北に連なる5つの地区(日向見・ゆずりは・新湯・山口・温泉口)からなる四万温泉の中で、あやめや旅館は新湯地区のメイン通りから1本外れた細い道沿いにある。車は旅館の方で四万川近くの桐の木平駐車場へ移動してくれた。
ちなみに四万川はこんな様子でごわす。
いい感じで過ごせる新館
ではチェックイン。全10室との情報や外観から受ける印象と同様、館内も小ぢんまりとした雰囲気。アットホーム感があるね。なので素朴な民宿要素が強いのかなあと思っていたら、我々が案内された新館はしっかりしたつくりであった。階段を上がって2階の部屋へ。
おお、10畳あるじゃないか。広さは十分。しかもまだ新しい感じできれいだし、いいじゃないですか。もちろんトイレ・洗面所付き。金庫あり。別途精算のドリンク・お酒が入った冷蔵庫あり。
扇風機だけでなくエアコンもあるのでご安心を。ネット環境については、携帯のアンテナは普通に立つし、フリーWiFiも利用可能。人数によってはコンセントが不足するかもしれない。
山側の部屋だったから窓の外は斜面と木。とくに眺望は求めていないので気にしない。
お湯も風呂場も万人向けでゆっくりできる
お子様の温泉デビューを応援
浴衣に着替えたらさっそく風呂へ。当館の大浴場は新館1階にある。たしか夕食の間に男湯女湯が入れ替わったと思う。また当館は「お子様の温泉デビュー」を謳っており、小さい子連れの宿泊・入浴に対応することを考えて運営しているようだった。たとえば廊下にあったおもちゃ置き場。
そして大浴場の前には絵本のコーナー。
一応補足しておくと、たしかに浴室内でお父さんと一緒に入浴するちびっ子をよく目にしたが、ここに来る子はみんなしっかりしているね。叫んだり走り回ったり湯船で泳いだりもせずに行儀よくしていた。自分の子供時代だったら高確率でやらかしとるで。
やや熱めのさっぱりしたお湯
それはさておき、夕方の時点では手前側の浴場が男湯だった。脱衣所の広さは旅館の規模に見合ったもの。掲示された分析書には「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉、低張性、中性、高温泉」とあり、2箇所の源泉を混合していた。加水・加温なし、循環・消毒あり。浴室内にカランは7つ。8名以上いけそうな内湯とあわせて十分な規模でしょう。お湯の見た目は完全な無色透明。湯の花は見られない。
浸かってみると熱めだった。自分はぬる湯派なので好みのレンジではないけどマジョリティ層には受けそうだ。雪見風呂を楽しむような冬の時期にちょうどいいかも。さっぱりマイルドながらもじわじわ効いてくる感じはよろしい。
消毒の塩素臭はとくに意識されず、むしろ石膏泉的な匂いをちょっと感じなくもない。全般に刺激や癖がなくて万人向けだ。
少しでもぬるいのがよければ露天風呂へ
続いて併設の露天風呂へ。こちらは2~3名サイズ。外気に触れる分だけ内湯よりもややぬるめになっている。しかし夕食直前に入りに来た時は内湯並みに熱くなっていた。温泉街の建物が周囲に立ち並ぶ場所柄、目隠しの塀に囲われて眺望はない。湯口には塩のようなカルシウムのような白い析出物の塊がこびりついていた。さすが四万さん。
長湯する温度じゃないが、ちっとも混み合わないから気分的にはゆっくりできる。我々が入浴した時には内湯と露天を合わせて他に0~2名といったところ。露天風呂の取り合いみたいなことも起きないし。貸切風呂があるそうだからファミリーなんかは主にそっちへ行ってるのかもしれない。
男女入れ替え後の風呂も同様
夕食後からは奥側の浴場が男湯になる。基本的には同様の構造で浴室のカランは5つ。内湯のサイズはひと回り小さいように見える。8名まではいけそうだけどね。逆に露天風呂は同じ2~3名サイズでも若干余裕があるように感じた。ちなみに露天風呂にはひさしがあるから雨でも大丈夫。お湯はやっぱり熱めで露天の方が内湯よりも少しだけぬるい。あらためて観察すると湯口に白い塊がこびりついているだけじゃなく、お湯が通る石の部分が茶褐色に変色していた。
やはりすいていて自由に動けるから露天風呂を独占させてもらった。いや~、相変わらずじわじわ来るわ~。思わず「あ゛ー」とか「う゛ー」とか唸ってしまうやつだな。※実際は声に出してません。
温泉気分とともに味わう食事
夕食は群馬名物をどうぞ
あやめや旅館の食事は朝夕とも本館1階の大広間で。当時は仕切りで2区画に分けられてた。我々は他の2組ほどと同じ区画に入り、朝と夕では違う区画に案内された。プランの違いとかかな。夕食のスターティングメンバーがこれ。群馬だけにお造りの中に刺身こんにゃくが入ってる。
焼き魚は鱒系だったと思うが正確には忘れた。鍋物は群馬名物おきりこみうどん。ぶ厚くて平たい麺が特徴だ。コシがあるというよりは柔らかい。
他に天ぷらが出てきたと思う。なんだかんだで結構お腹いっぱいになった。ご飯は釜飯。着席時すでに温めた状態で出来あがっていた。釜飯だとなんとなく秋っぽさがあるし、お焦げの部分がまたうまい。結構ですな。最後デザートで締めて終了。
朝食のお粥はおかずと思え
朝はスタンダートな和定食。量はこれくらいで十分でしょう。お粥とは別に普通のご飯も提供される。しかしお粥だけでお腹が膨れてしまい(いつも朝はそんなに食べないんで)、普通のご飯まで手が回らなかった。うーん、もったいない、少しでも食べておけばよかったかな。まあ仕方ない。
朝食の後は入浴ファイナルを楽しんでからチェックアウト。精算後にはビスケットと飴の小袋をもらった。お子様向けのおみやげってところでしょう。そういえばチェックアウト時のフロントにはお子様連れファミリー客が数組いたな。彼らのニーズをうまく取り込めているようですな。
そんなところへ我らおっさんグループが泊まってしまったわけだが、まあいいか。雰囲気が合わないわけでもなかったし、静かに過ごせたし、全然大丈夫。実質初めての四万温泉を体験できて満足である。
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