湯・食・住をちょっと贅沢気分で - 老神温泉 源泉湯の宿 紫翠亭

老神温泉 源泉湯の宿 紫翠亭
秋の群馬グループ旅行の2泊目を老神温泉とした。沼田市にあって吹割の滝見学と組み合わせたりするのにちょうどいいロケーションだ。1泊目が赤城温泉だったから、赤城山を越えて向こう側へ下りれば近いという意味で連携が良いこともメリットだった。

※赤城温泉側から山を登るルートはかなり難儀な道路なのでおすすめしない。また、実際の我々は全然違うエリアを観光してから沼田へ向かったため、赤城山越えも吹割の滝見学もしてない。

お世話になったのは老神温泉街の入口に立つ紫翠亭。グレード感のある「ちょっといい宿」だ(日程を工夫してお得なお値段で利用)。さすが全方位的に贅沢な非日常気分を味わえる宿。温泉は主に適温だが露天風呂がぬるめで入りやすい。

老神温泉 紫翠亭へのアクセス

老神温泉へ向かうと見せかけて謎の反転

JR上越線の沼田か後閑駅、あるいは新幹線の上毛高原駅からバス便が設定されている。ただし温泉街は幹線道路=国道120号を外れたところにあり、老神温泉に寄ってくれる便は多くない。旅行者目線だと14,16,17時台に着く3便のみ。後閑・上毛高原から乗る場合は16時台着の1便しか選択肢がないようだ。

沼田・上毛高原からであれば宿の送迎バスを利用する手もある。1日1便で完全予約制。

我々は2日目の朝に赤城温泉・御宿総本家をチェックアウトして老神から離れる方向=前橋中心部へ向かった。夏に行った日帰り温泉・ゆ~ゆにあと少しで再会しそうだなと思った交差点を折れて再会ならず。続く高崎市街を抜けて1年半前に行った達磨寺にあと少しで再会しそうだなと思った地点もスルー。

最終的には富岡製糸場に着いた。こちらも1年半前に来たことがある再会スポット。未訪のメンバーがいたので来てみたのだ。前回と同じく市営宮本町駐車場に車を置いた。製糸場まで徒歩5分くらい離れているけど周辺の駐車料金相場に比べると安い。

もはや沼田から遠く離れた世界遺産の紹介ですが…

はい、再びの富岡製糸場でございます。入場料1000円。
富岡製糸場
詳細は割愛。前回は時間の都合で駆け足のダイジェスト版になったが、今回はじっくり説明を読むなどして濃い見学ができた。
西置繭所2階からの眺め
前回スキップした首長館や
首長館
寄宿舎も見ましたよ。
寄宿舎
結局2時間近く滞在したみたい。結構なボリュームなので、もし行くなら十分な時間を取って計画に組み入れることをおすすめする。

では出発。富岡ICから高速で沼田ICまで一気にワープ。あとは国道120号を東へ進むだけ。カーナビが指示する交差点を右折して坂を下ると温泉街。真っ先に現れたのが目指す紫翠亭だった。


ハイクラス宿の実力を見せつける

万事しっかりしており安心感ばっちり

館内にインバウンド客は見かけなかった気がする。リタイアした高齢日本人のお仲間グループが多い印象。そういう客層に安心感を与えるハイクラスな雰囲気だからね。前夜泊まった宿とは対極のポジショニングだ。雑食系の我々はいろんなタイプの宿に泊まっちゃうけど。

こちらがお土産コーナーでございます。
お土産コーナー
ラウンジではお茶・コーヒー・炭酸飲料などのフリードリンクサービスあり。朝食時のコーヒーもこちらでどうぞ。
ラウンジの向かいは池+滝みたいな中庭を眺める空間だ。右手の建物は大浴場へ向かう通路になっている。
中庭
エレベーターホールのところに各種サイズの浴衣が積まれており、自分に合ったサイズを持っていく。案内された部屋は5階(玄関・フロントはLB=2階)。5階の廊下の窓から見えた景色は北寄りの方角だと思う。武尊山なんかが見えるわけではないけれど。
5階廊下の窓から見た景色

贅沢気分で浮かれてしまう部屋

5階の部屋は501(たぶん特別室)が「雪」、そのほかは「雪~」から始まる名前が付いている。我々の雪なんちゃらは10畳+広縁的小部屋+2台のベッドルーム。前室や水回り空間は別途確保されてて余裕ある広さ。
紫翠亭 10畳+ベッドルーム和室
こちらがベッドルーム。
ベッドルーム
こちらが広縁的な小部屋。
広縁のような小部屋
当然ながらきれいなシャワートイレときれいな洗面台あり。金庫あり、空の冷蔵庫あり、WiFiあり。金庫は鍵や暗証番号ではなくて、スティックを所定の穴にはめ込んでからハンドルを回すと開く方式。ベッド以外の布団はチェックイン時に「敷いてもらうか・自分で敷くか」を訊かれた。我々はセルフでOK。

ちょっといい宿って感じで贅沢気分で浮かれちゃいますな。窓の外はこんな感じ。廊下の窓とは反対の方角になる。
窓の外の景色
かつて泊まったことのある穴原湯東秀館はどこだろう。おそらくもっと右手にあるため写ってない気がする。


すべすべ肌になれる温泉大浴場

内湯はやや熱め

紫翠亭の大浴場は2階(LB)通路の先。手前が女湯、奥が男湯で男女入れ替えはなかった。下足箱付近に分析書が貼ってあって「単純温泉、低張性、中性、高温泉」の泉温47.1.℃、PH7.2。老神5号泉と10号泉の混合。別の説明板では老神5号泉のみの「単純温泉、中性、低張性、温泉」となっている。脱衣所のかごを置く棚の上段と下段の中間部が、部屋のキーを保管するための鍵付き小ロッカーになっていた。

浴室は宿の規模に対して余裕ある広さではないが、いつ行っても全然混んでなかったから、人が多すぎて困る場面はまずないと思われる。洗い場は13名分。

内湯は3名規模の正方形に近い小浴槽と6~7名規模の細長四角形な中浴槽が並んでいる。どちらもお湯は無色透明。一瞬「クリアな薄緑色かな?」と認識しちゃうけど、それは浴槽のタイルの色でしょう。2つの浴槽にはっきりとした特徴の違いは感じられない。どちらかが源泉風呂だったりとか?…そうなのかなあ。正直わかりません。

温度はやや熱めかなと思う程度の適温。湯の花や泡付きなし。匂いにもすぐにピンとくるような印象はなく、無色透明無味無臭ってやつなんだろう。ツルツル・とろとろといった感触もないから印象の面では弱いが、入浴後の肌がすべすべになる作用はかなりのものだったから侮れない。

洒落た雰囲気の男女入れ替え制露天風呂

内湯から2箇所の露天風呂に出られる。一方の「星見の湯」は男湯と女湯の両方に通じていて、夜20時30分を境に男性タイムと女性タイムが切り替わる。なので男性陣は早めに体験しておこう。夕食後に酔いや眠気でチャンスを逃す予感がするなら夕方のうちにどうぞ。

星見の湯は8名規模の円形浴槽で、お湯の特徴は温度を含めて内湯と同様。一部は屋根が覆っていたかもしれない。目の前は庭園風に整えられ、その奥は塀が立っていて眺望はない。

夕方ちょっと入ったきりで実際のところはわからないが、星見の湯というくらいだから夜に狙いたいお風呂なのかもしれない。そういえば夜はライトアップ演出があるってどこかに書いてあったような…。体験した中では最もおしゃれなムードのあるお風呂だった。

ぬるめでゆっくりできる男女別露天風呂

もう一方の露天風呂は男湯専用(女湯には女湯専用の露天風呂があるはず)。5名規模の四角い浴槽は全体が屋根に覆われている。お湯の特徴は概ね内湯と一緒だけど、温度がやや低くてぬるめ。ぬる湯と呼ぶまではいかずとも長めにゆっくり入れる。ぬる湯派のひいき目込みで言わせてもらえば、浴感はここのお湯がベストで、朝食後のラスト入浴の際には若干の泡付きも見られた。

露天エリアそのものは浴槽に比して広く、庭園風の空間は星見の湯よりもずっと広い。外界の眺望はやっぱりないのだが広い空間のおかげで開放感はある。昨今の情勢を鑑みるに、熊が入ってきそうにない構造は夜の露天風呂のハードルを下げてくれる優位性があるね。

先にも書いた通り、入浴後はお肌がすべすべになる。強烈な個性がないからといって温泉効果がないわけじゃない。おとなしいフリをしてしっかりと爪痕を残してくる温泉であった。


秋の味覚の豪華メンバーが勢揃い

きらびやかな品々が並ぶ夕食

紫翠亭の食事は2階(LB)の食事処で。夕食は18時と18時半から選べた。行ってみると個室に通され、すでに並んでいたスターティングメンバーがこちら。
紫翠亭の夕食
おおー、宿のグレードにふさわしくきらびやか、きらびやかにございます。前菜だけでもお品書きびっしり。烏賊うに焼きとか地鶏松風焼き(トリュフ入り)なんてのがあるぞ。うーん、この香りはさすがトリュフ、って感想を抱けなかったポンコツおじさん。豚に真珠。

しかも刺身をうっかりすべて醤油でいただいてしまった。ちーがーうーだろー! こんにゃくは酢味噌だろー。我ながらポンコツすぎる。ちなみに本まぐろの上には金粉が。猫に小判ならぬ金粉。

台の物は見ての通りすき焼きだ。しかも上州牛。久しぶりにまとまった牛肉を食べたぜ。蓋をされてる方は鴨肉と里芋のあられ餅とのこと。途中でさわら西京焼きも追加され、豪華な秋の宴となった。ビールもたくさん飲んでお腹いっぱい。

締めのご飯は地元産コシヒカリ。いつものごとく胃袋の限界をにらみながらぎりぎりの戦いとなったが、おかわりできなくとも残さず完食したのは殊勲といえよう。

舞茸香る朝ごはん

朝食もいくつか選択肢がある中で8時を希望。夕食と同じ個室に通され、ご飯と味噌汁の到着を待って撮影したのがこちら。
紫翠亭の朝食
固形燃料で温めるやつは一般に湯豆腐、たまに焼き魚・ベーコンエッグなどがあるけど、ここはなんと舞茸だった。香りがすごいですね。トリュフの香りはわからなかったが、この舞茸ははっきりわかる。専用の塩でどうぞ。

サケの切り身は大きめだし、ほかに漬物系もあるからご飯は進む。ほかのメンバーは当然のごとくおかわりしていた。自分はまあ、無理せずってことで。

食後はラウンジでコーヒーを。普通のレギュラーコーヒーに加えてカフェラテやカフェモカも作れる。ラウンジそのものにゆとりがあるし、朝食を8時にしたのがよかったのか、全然混んでなくて優雅に過ごせた。あとはラスト入浴に行けば完璧だ。

 * * *

ハイクラス宿で部屋も料理もちょっと豪華に…というニーズにはぴったりかと…なおガチ富裕層のことは知らん。下手を打てない誰かをお連れする旅行にはいいんじゃないかと思う。それでいて目玉が飛び出るほどのお値段でなく、ささやかな夢を叶えてくれるちょうどいい塩梅の宿。

温泉面は濁り湯だとか硫黄の匂いが強いだとか絶景の秘湯だとかじゃないので、どうしてもインパクトの弱さは否めないが、ぬるめ露天風呂の浴感と入浴後のすべすべ感はなかなか。自分も途中までは正直ピンとこなかったけどラスト入浴であらためて、最上位クラスとは言わないまでも「これは評価しなければいけない湯では?!」と思い至った次第。老神温泉がそういう侮ってはいけない温泉なのだろう。


おまけ:トップ級の人気を誇る道の駅

最近このメンバーで近場を旅行する時は、最終日のチェックアウト後に寄り道せずスパッと帰ることがほとんど。午後から始まりだす高速渋滞を避けたいし。

とはいえお土産を物色したいということで、道の駅「川場田園プラザ」へ寄った。道の駅人気ランキングの常連で1位を取ったこともある施設。どんなところか見てみたい思惑もあったので。※個人的には1年半前に体験ずみ。
道の駅 川場田園プラザ
産地直売所・お土産売店・グルメ・体験工房・遊び場など手広く展開している。園内は広くて、芝生のところも多くて、ちょっとした散策を楽しめる。ふと見上げると武尊山は雪化粧が始まっていた。
武尊山(だと思う)
もう冬の気配かよ。令和の四季は秋が短い。夏に侵食されてほぼないと言っていい。雪の影響を受ける北関東以北はこれで打ち止め、来春までしばらくお休みかな…そろそろこの自制的縛りを打破したいものだが…という思いが、その後のウインターチャレンジと名付けた活動へとつながっていく。