偉大なる三郷めぐみの湯を記憶に焼き付けるための再訪

早稲田天然温泉 めぐみの湯
2025年秋のこと。良質の湯を誇る南関の雄・三郷「めぐみの湯」が老朽化のため2026年3月末をもって閉館するとの情報が流れてきた。えーーー、残念! 都市部の日帰り温泉であれほどのクオリティはそうそうない。1回しか行ったことがない身で偉そうに語れる立場ではないが、終わってしまうのはまことに惜しい。

そこで最終日まで4~5ヶ月を残すこの時期の週末に再訪してみた。以前は15時開始だったのが、自分の行動パターンに合わせやすい12時開始に変わって、便利になっていた。お湯は相変わらず濃ゆい強塩泉のにごり湯で実に頼もしい。

※予定を早めて2026年1月に閉館したらしい。いずれにせよ、ありがとう&お疲れ様でした。

再びのめぐみの湯を求めて三郷へ

最寄り駅はJR武蔵野線の三郷または新三郷。どちらからも徒歩15分程度だ。

行きは新三郷で下車。現地まで歩くとちょうど12時開店くらいの時刻だけれども、まずは駅前の「ららぽーと新三郷」に向かう。めぐみの湯で入浴した後は併設の食事処で昼夜兼用の飲食をしようと目論む一方、地元を出発する際に朝昼兼用のつもりでファストフード店を利用しちゃったため、腹具合を考慮してインターバルを空けたかったのだ。
ららぽーと新三郷
しかし、ぼっちおじさんがショッピングモールに来てもやることがない。アパレルにもインテリアにも興味がないし、お腹が空いてないからグルメにも用がない。ペットショップで子犬を眺めるくらいか。それもあまり熱心だと不審者に思われてしまう。きかんしゃトーマスタウンなんかに入ったらもっと不審者に思われてしまう。

カフェに入るのが最も無難なれど、入浴後に飲食したいのに、先にコーヒーで胃をちゃぽんちゃぽんにするのもなあ…結局モール内をぶらつきながら休憩ソファを渡り歩いてスマホいじりか読書するくらいしかなかった。この所在なさは老後・リタイア後の人生を象徴するようで怖いわ。

天下の商業施設に1円も落とさないという非道を働き、2時間ほど時間を稼いだ後は徒歩でめぐみの湯へ。タイパ原理主義者がみたら発狂する過ごし方ですな。


偉大なる湯、南関の雄

生源泉100%かけ流し

では入館。100円リターン式の下足箱→券売機(土日1400円)→受付と流れるように進む。その奥のロビー的なコーナーがこちら。
ロビー的なコーナー
よく見ると壁に当湯のテーマソング楽譜が貼ってあるぞ。…だめだ、どうしても前橋ゆ~ゆのテーマソングが浮かんできてしまう。
めぐみの湯のテーマソング
大浴場は2階。男湯の入口に分析書が掲示されていた。また脱衣所にも別の分析書が見られた。総合すると「含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩温泉、高張性、中性、高温泉」で泉温46.1℃、PH7.2。おそらく加水・加温・循環・消毒なし…当館では生源泉100%かけ流しを謳っている。脱衣所には100円リターン式ロッカーが並ぶ。

内湯には中温風呂と高温風呂

浴室に入るとかけ湯&23名分の洗い場。この時点でなんとも表現し難い温泉臭が立ち込めている。奥にはサウナと水風呂、もっと奥に3つの内湯浴槽があった。

左側が6名サイズの細長い四角形浴槽で、お湯は黄土色に濁っており浴槽の底は完全に見えない。湯の花や泡付きは見られず。熱すぎない適温で入りやすい。男湯の温泉浴槽の中では一番温度が控えめだった。ガツンとくる強烈さは他の浴槽に譲るものの、濃ゆいお湯には違いない。油断すると出た際にクラッとめまいがするから注意しよう。

中央の3名サイズの正方形的な浴槽はあつ湯だった。ぬる湯好きとしてはちょっと体験してすぐ出た感じ。壁に温泉の由来や効能を説明したパネルがある。右の3名サイズの浴槽は無色透明湯。真湯でしょう。

露天風呂の浅い区画はゆっくりできる

露天風呂もある。露天エリアの半分はチェアを並べた休憩コーナーで残り半分が露天の浴槽。岩風呂ではないがそれっぽい雰囲気に作ってある。

手前の浴槽は3名サイズの浅い区画+4名サイズの普通の深さ区画からなる。浅い区画だと胸下だけがお湯に浸かる体勢となり、のぼせにくくしてゆっくり入りたいニーズには合っている。お湯の特徴は内湯と一緒で温度は熱くもぬるくもないジャスト適温。

そういえば匂いについて書くのを忘れていた。かなりはっきりとした金気臭がします。南関東の塩化物泉から連想してアブラ臭やモール臭を予想したくなるが、ここは含鉄泉を思わせる金属の匂いだ。

ジンジン効いてくる濃ゆい源泉

湯口からの投入量は十分多い。あふれたお湯は浴槽の縁からオーバーフローするのではなくて、湯口の反対側に設けられた石組みの洞穴(?)へ吸い込まれていくようになっている。内湯も露天も浴槽の素材や床面に赤茶色の析出物がこびりついていた。

露天奥の浴槽は5名サイズで普通の深さ。温度はやや熱め。湯口と吸い込み穴のつくりは隣と同様。立地的に眺望をバーンと見せるわけにはいかず、目隠しの囲いをされているが、頭上はオープンなので相応に開放感はある。

夏から秋を飛ばしていきなり冬が来たような頃だった。手先足先を筆頭に冷えた体がジンジンと温まっていくのが感じられるのは、ぬる湯派といえども正直ほっとする。やはり良きクオリティの湯ですな。閉館までの間にもう来ないと決めたわけじゃないけど、これが最後の機会になる可能性は小さくない(実際これが最後になった)。惜しむように1時間の入浴を楽しんだのであった。

軽くなっちゃった最後の(?)晩餐

湯あがり後は2階の食事処へ。セルフサービス方式になっていた(ただし前回の記憶が薄れているため、以前とどこがどう違うのかはわからない)。

まず券売機で食券を買う。最後かもしれない記念に居酒屋気分でお酒やらつまみやら、いろんなものを注文してやろうと意気込んでいたのに、いざとなると「あまりお腹が空いてないなあ」…最初は軽く生ビールと枝豆で様子見しよう。
食事処のビールと枝豆
あとは気分で追加メニューを、と思っていたら、なんだかもう十分になってしまった。弱い。感謝の気持を込めて飲食面でも貢献したかったのに、すっかり弱くなったなあ。自分も老朽化しちゃったみたいね。