沼田市の旧利根村地区にある南郷温泉しゃくなげの湯にふと目が留まった。川場村からの帰りに立ち寄れそうな温泉を探していた時のことだ。観光客もウェルカムな日帰り施設ぽいし、源泉100%かけ流しだし、露天風呂もある。いいんじゃないか。
赤城山の方へ登りかけた場所なので沼田市街よりも雪リスクはありそうだが、延々と山道を走るわけじゃないし、何とかなるだろうと決断。…結果的に大丈夫でした(春先の時期)。
思ったより規模が大きくて今風の建物。若干の白濁があり、軽い硫黄香を漂わせるお湯は、結構なお点前でございますな。混雑は言い過ぎにしても、わりと多くのお客さんが出入りしてて、人気の程がうかがえる。
南郷温泉しゃくなげの湯への道
人気を集める道の駅「川場田園プラザ」
鉄道派向けのアクセス方法は、JR上越線の沼田駅から南郷線というバス路線を利用して、終点の南郷下車で徒歩1分。9人乗り小型車両・1日4便・土日祝運休がネックか。
自分は車だから時間面の自由度はあった。川場村の宮山温泉・民宿休み石をチェックアウトして、まず向かったのは近くの道の駅「川場田園プラザ」。道の駅満足度調査で1位を取った人気施設だそうで、じゃあ行ってみるかと。数十台~100台超え規模の駐車場が第7まであるほど大勢来ることが想定された設計。
中は広い。観光案内所+物産館+トイレなんてチャチなもんじゃねえ。もっと壮大なものの片鱗を味わうことだろう。この写真だって一部の範囲しか収まってないからね。
土田酒造も見学しておこう
しかし園内で紹介されていた酒蔵の方が気になってしまい、早々に方針転換して道の駅を出発し、土田酒造を訪れた。古民家を移築した展示館(レストランだと思い込んで入らず)・工場・直営店からなる。
工場1階の廊下からガラス越しに酒造りの現場を見学できる。2階通路には醸造用ポンプが置いてあった。
せっかくだから直営店で何か購入していきますか。ぼっちおじさんにとって取り扱いやすい180mlや300mlボトルの日本酒はなかったので、思い切って720mlのやつを1本買った。しばらくもつだろうと思ったら4日後に飲み干していた。おそるべき地酒。
途中で薗原ダムへどうぞ
では南郷の方へ向かうとしよう。川場村から南下して沼田市に入り、旧白沢村そして旧利根町地区を走る。南郷の手前で薗原ダムへの分岐が現れたから、ついでにダムにも寄り道した。この形状は重力式ですな。
下の方で放水してました。
天端は車が通れる道路になっており、上流側の薗原湖は水位低め。
はい、観光はここまで。帰宅時間を考えたらもう温泉に集中しないとまずい。当館は県道62号沿いだから走っていればすぐにわかる。
源泉かけ流しを気軽に楽しめる人気施設
道の駅のような雰囲気もある
駐車場はまあまあの収容力で余裕を持って止められた。敷地内には冒頭写真の本館の他に農産物直売所や食事処がある。ちょっとした道の駅のような雰囲気だ。入館すると季節柄のひな飾りが。
滞在時間に応じて料金が変わる。今回は最短の3時間券700円で十分だ。左手の通路を進むと湯あがり休憩スペースとともに男湯・女湯の入口が現れる。もっと奥には有料コインロッカーもあるみたいだ。
この文章を書いている時点でもう記憶が曖昧になっちゃったけど、脱衣所に鍵付きロッカーあった気がする。分析書によれば「アルカリ性単純温泉、弱アルカリ性、低張性、高温泉」だった。加水・加温・循環・消毒いずれもなしの100%源泉かけ流し。ほほう、すごいじゃないか。
ぬるめで広い内湯はお湯が新鮮
浴室は10名分の洗い場、内湯メイン浴槽、ジャグジー小浴槽、あと水風呂らしきものからなる。サウナは関心外なので有無すらチェックしてないけど、あってもおかしくはない。ジャグジーが温泉か非温泉かは確認せず。内湯に関してはひたすらメインだけに集中してた。
そのメイン浴槽は15名、いや20名いけるかもしれないサイズ。お湯は半分白く濁ったように見えて、しかし白濁とは表現しづらい、どちらかといえば無色透明の仲間に入れたいくらいな透明度だった。あんまり見たことのない微妙なラインの色だなあ。
浸かってみるとややぬるめ。後述の露天風呂がはっきり熱かったので、ぬる湯好きとしては内湯の方がマッチしていた。わりとじっくり入っていられる。湯の花の白い微粒子が確認できる一方で泡付きはなし。匂いについてはほのかに硫黄香を感知した。ええでええで。
当時は大混雑とは言わないまでも客は多めだったが、湯使いが良いからお湯の状態はフレッシュに保たれているような浴感でたいそう良かった。滞在中はこの内湯メインを旗艦として重宝させてもらった。
熱めが好きなら露天風呂がおすすめ
露天風呂は2つ用意されている。出てすぐのところに4名サイズの小浴槽。湯口や縁は木でできている。内湯と似たようなお湯でもっと無色透明に近い。温度は内湯よりやや熱い適温。ジャグジーの泡が出ていたような…(記憶があやふや)。
奥には7~8名サイズの大浴槽。こちらもデザインとしては小浴槽に似ている。一部が屋根の下になっていたかな。浸かってみたらはっきりと熱かった。適温の範疇を超えてあつ湯のゾーンに入りかけているぞ。ここに長くいるのは難しい。短時間勝負で臨もう。
すぐそばに数脚のチェアが置いてあるのは一時的なクールダウン需要だな。そこに座って休憩しつつ、折をみて露天大浴槽へ再び挑むかのようなオーラを発している一群がいたし。好みの温度帯から外れているとはいえ、内湯と行き来して温度の違いによる味変を楽しむにはちょうどいい。
…なんだかんだで1時間近く滞在した。じゃあそろそろあがりますか。失礼を承知で言うと、あのロケーションで当時あれほどのお客さんが入っていたのだから、なかなかの集客力ではないだろうか。湯質のなせるわざですな。おかげで肌がすべすべだ。しゃくなげより一足早く開花しちゃったようなもんだよ。