新潟下越遠征の最終日、レンタカー起点の燕三条に戻りながら2つの日帰り温泉に立ち寄る計画だ。最初は胎内市にある塩の湯温泉ふれあい館。名前から想像される通り、塩っけの強い温泉だ。なおかつ石油のような匂いがするという。温度は熱めとの評判だから、ぬる湯派おじさんにとって得意分野ではないけど、石油臭には興味があった。
そして当館のすぐ隣にはサンセット中条という入浴施設もあり、追加料金なしで両方に入ることができる。サンセット中条の湯は激熱で知られ、実際とんでもない熱さだった。20秒×3回しか入らなかったけど一応レポートしておこう。
強塩泉としてすぐれているだけでなく、入浴後は全身やタオルが石油臭くなります。
塩の湯温泉ふれあい館・サンセット中条へのアクセス
大雨でちょっと心配する
JR羽越本線中条駅から8kmも離れているので徒歩でカバーするのは厳しい。かつては塩の湯温泉前なるバス停があったようだが、現在は胎内市の路線バスは廃止されてしまい、のれんす号という予約制の乗合タクシーだけになってしまった。
今回は山形県小国町の国民宿舎梅花皮荘からレンタカーで向かう。梅花皮荘では前夜から激しい雨が続いていた。チェックアウトする頃に雨はあがったものの、川が増水して濁流化していた。
新潟側へ戻るための(現実的に考えて)唯一の道路=国道113号は、並行する荒川の水位が前日の時点で結構高かった。梅花皮荘からの県道がR113に合流する際にはアンダーパスで国道をくぐる。その場所が雨や川の状況次第で冠水しそうに思えて怖かった。大丈夫かなあ。
…大丈夫でした。無事に新潟県側へ戻り、道の駅関川で小休止。ここには「ゆ~む」という日帰り温泉のほか足湯コーナーもある。
思い出深い西方の湯
再び出発。日本海が近づくにつれて晴れ間が出てきた。西に向かっていたR113は日本海にぶつかると今度は南下し始める。ところどころに海水浴場・砂浜が現れたけど、これから2湯に入浴しながら燕三条まで戻るには時間に余裕がほしい。寄り道はしないぞ。
とか言いながら1箇所だけ寄り道しちゃいました。親鸞聖人が見守る懐かしの「西方の湯」だ。6年前に行ったんだよな。※中条駅から行きはタクシー、帰りは根性で歩いた思い出。
こちらも塩っけが強くて石油臭ていうか、もっとえげつない匂い。トイレのようだという人もいるが、6年前訪問時点ですでにマイルド化が進んでいたみたいで、まあ常識の範囲ってことにしようやと思った記憶がある。お湯は熱め。
写真を撮ったらまた出発。西方の湯まで来れば塩の湯温泉まで3kmほど。
熱い石油(のような温泉)とふれあおう
匂いがとても個性的
まずふれあい館から。入浴券を券売機で購入して受付に提出する。350円。これでもう隣のサンセット中条にも入れるようになる。廊下に沿って右側に大きいテレビ・椅子・畳の広間、左側に売店コーナー・自販機・男湯と女湯・100円リターン式の貴重品ロッカー。※脱衣所内にも鍵付きロッカーあり。
男湯の前に「本日の温度」みたいな掲示板が立っていた。たしか源泉温度が62.5℃・浴槽内で43.5℃とか、そんな数字。分析書があったからチェックすると「含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩温泉、高張性、中性、高温泉」とのこと。湯使い不明なれど加水・加温・循環・消毒なしの源泉かけ流しと予想される。
浴室に入ったとたんにモアーッと石油臭が鼻をついた。来たぜ来たぜ。新潟県ではここや西方の湯、新津温泉が石油臭で知られるし、北海道の豊富温泉も有名だ。やっぱり石油の採掘・試掘をしていたような土地が関係してるのかね。
カランは9台でシャンプー類はなく固形石鹸だけが置いてある。浴槽は向かい合わせに入るのを遠慮したい細長い四角形で、横一列に12~15名ほど入れそう。中央部だけは凸型に膨らんでいるから向かい合わせも可能か。
石油の生成過程を見ているかのようなお湯
お湯は熱い。湯口に近いか遠いかで明らかに温度が異なるから、熱いのが苦手なら湯尻側を陣取るべきだ。それでも熱いが。湯口側の壁には温泉の由来説明パネルが取り付けられ、どうやらこの温泉は天然ガス採掘の副産物らしい。そういえばR113を走っていたら石油・ガス採掘所ぽい施設が点在していたような。あと風力発電の風車とか。
お湯は黒く濁り、浴槽の底はまるで見えない。湯の花や泡付きもわからなくなるレベル。お湯の匂いを直接嗅いでみてもやっぱり石油臭がする。揮発油というかインクのすごいやつというか。意識が飛ぶ系の身の危険を感じるものではないが、やばいことはやばい。でも気になってまた嗅いでしまう中毒性あり。
あと若干ぬるっとした感触がある。これらの印象を総合すると、やっぱり石油です。この温泉を長い年月かけて圧力かけて濃縮していったら石油になるんだなと納得してしまう。知らんけど。純粋に温泉としてみれば、浴感がよくてすごく温まる、濃ゆくて良質のお湯だ。
窓から外の景色が眺望できるというつくりではない。まあ景色を見ながらのんびり浸かるようなお湯じゃないし。見てると客の回転も早そうだ。地元と思われる皆さん、さっと入ってさっと出ていく。クールダウンを挟みながら長く粘るような入り方ではなかった。
激熱! サンセット中条の湯
ふれあい館から直通可能
ふれあい館で仕上がりきってしまうわけにはいかない。サンセット中条も体験しないと。サンセット中条の外観はこんな感じ。
ふれあい館から行く場合は正面玄関へ回り込む必要はなく、連絡通路経由で行ける。全般にふれあい館以上に公民館的なデザインでハード面はお堅い雰囲気な一方、食堂を備えていて、集まった人々で和気あいあいな様子も感じる。
こちらの男湯前にも「本日の温度」掲示板が立ち、浴槽温度が50℃オーバーに見えたのは頭がボーッとして見間違えたんでしょう。もし本当なら足の指先すらお湯に入れられなかったはず。中は脱衣所・浴室とも小ぢんまりした規模。
入るのに覚悟がいる熱さ
カランは4台。サウナを使う場合は別料金100円が必要になる。浴槽は手前に1名分の水風呂、奥に4名サイズのメイン浴槽。お湯は黒く濁って底見えず。超熱そうだなあと尻込みしていると、脳内に人間国宝のお言葉が…。
“あなた激熱湯が怖くて怖くて仕方ないんでしょう。でもそれでいいの。それでもやるの。それでも湯船に入るのがあたしたち温泉ファンなんでしょうよ。”
しぃぬーるーかぁくーごがぁー、えいっ!…ぐああああ!! 熱いいい!! しかしまったく歯が立たないわけではなかった。角間温泉や小林コスモス温泉に入れたなら何とかなる。夏油温泉大湯に撃退された身だからとあきらめなくていい。自信を持て…とはいえ20秒で出ました。せっかくだから3回繰り返したけどトータル60秒で撤退。
あー熱かった。足の甲がすっごいヒリヒリするな。これは高温のせいだけなのか、あるいは塩の強さも関係しているのか。湯あがり後はまず汗がどっと吹き出し、それが落ち着くと今度は肌がツルテカになる。強塩泉によくあるパターンだ。
塩の湯パワーおそるべし。外は炎天下でもあったし、念のために退館を遅らせてクールダウン休憩の時間を長く取った。ふれあい館に戻ってテレビ前の椅子で意識的に長く粘る。まだあと1湯トライしなきゃいけないからな。体調を整えないと。時間に余裕持たせて行動してたのが吉と出たな。





