残暑の山梨遠征の2泊目は、ぬるい温泉がいいとなればやっぱりアレでしょう、たまにふと行きたくなる下部温泉でしょう。下部温泉のある身延町の隣が早川町。この旅は早川町の湯めぐりを中盤までのテーマとしていたから、場所のつながり的にもちょうどいい。逆にあっさり着きすぎて時間が余りまくっちゃうかと心配したほどだ。※実際はあちこち寄り道したせいで余らなかった。
下部温泉はこのブログが対象とする2016年以降で3回、ぎりぎり対象外の2015年を含めると4回、宿を変えながら訪れている。そして今回も宿を変えて梅ぞ乃さんを選んだ。なんだか品のある和の雰囲気が良き。お風呂は新源泉でヒヤッとしないぬくぬく系ぬる湯。かえって万人向きでは。
下部温泉 梅ぞ乃への道
秘境ロマンに誘われて雨畑へ
初日に泊まった早川町ヘルシー美里から梅ぞ乃まで25km、車で直行すると40分で着いてしまう。そこで西山温泉蓬莱館と奈良田温泉白根館へ立ち寄り入浴した。早川町の奥の方まで来たから、下部までそこそこ遠くなった。これなら…うーん、まだ時間が余るな~。
よし、思い切って雨畑地区へ行ってみるか。雨畑ダムに雨畑湖、早川の本筋とは別の意味で秘境ロマン成分が多そうな隠れ里のイメージで、気になる場所だったのだ。
県道37号を身延方面へ戻りながら途中の分岐を曲がって雨畑方面への県道810号に入る。この県道はちゃんと舗装されているけど狭い。まじで狭い。しかも先の見えないカーブだらけ。90度カーブの直後に離合不能なトンネルというパターンも出現。対向車もたまに来る。興味本位のサンデードライバーはやめとけ(人のことは言えない)。
泣きを入れながら到達した雨畑ダムは見学に対応してない感じで付近に駐車する場所もない。もちろん路肩すらなく、あきらめて通過。ヴィラ雨畑という温泉宿まで来た。学校の跡地を利用したみたいね。ヘルシー美里と同じだ。
吊り橋は渡らずに戻る
この先の運転が不安になって戻ろうか迷ったが、もうちょっと攻めることに。ヴィラ雨畑のすぐ先に吊り橋の見える雨畑湖景観スポットあり。ゆるキャン△で志摩リンが渡った橋かな。自分は渡らず見るだけ。
ここで生活してる人がいるってことはどこかにUターンできる場所もあるだろう。もうちょっと攻めることに。
いよいよ道は狭くなり、もうあきまへん。発電所の先の児童遊園地というところでUターンして引き返した。この県道が林道に接続して静岡側の井川まで…途中区間は復旧未定の通行止めながら…続いてるってのがすごいな。復旧して通れたとしてもバイクか自転車じゃないと無理そうだな。
あとは下部温泉まで直行。JR身延線・下部温泉駅から線路沿いの道路を300mほど進んだところが梅ぞ乃だ。この300m区間の道も車1台分の幅しかないから注意。場所的には当地で最大規模を誇る下部ホテルの隣地になる。
よさげな雰囲気に満ちた梅ぞ乃
離れを擁する純和風旅館
赤い壁が特徴的な建物の立つ敷地を奥へ進むと駐車スペースがある。建物の前は大きな鯉が何匹も泳ぐ本格庭園風の池。
ではチェックイン。ロビーはこんな感じ。洒落たジャズ風のBGMが流れている。
向かいはなんだか芸道の場みたいな。浴衣置き場もあり、自分の体にあったサイズをここから持っていく方式。
お土産コーナーもございます。かくし最中はウェルカムお菓子として部屋に置いてあった。
館内のあちこちにさりげなく品の良い雰囲気のものが飾られていたりする。結構ですな。自分にはそれ以上の深いことはわかりませんが。
ほかには中庭に離れのような別棟が見えた。どうやら特別客室と茶室のようだ。
電車が見える部屋
案内された部屋は2階の7.5畳+広縁和室。布団は最初から敷いてあった。
この部屋はトイレなし、洗面台あり。最も近い共同男子トイレは小×2+和式個室1+シャワートイレの洋式個室1。100円入れるけど鍵を回すと即座に戻って来る金庫あり、別途精算のビール・チューハイ・ワイン・ジュースなどが入った冷蔵庫あり、WiFiあり。もちろんエアコンあります。
ベーシックな和風を基調として部分的に和モダンを加えた雰囲気。設備面は適宜更新されている様子で管理状態は良好。いいじゃないですか。部屋はJR身延線側を向いており、これには鉄ちゃんもニッコリ。自分は鉄ちゃんじゃないけどわざわざ時刻表を調べて待ち構えちゃいましたよ。
下部温泉にゆっくり浸かりましょう
新源泉を提供している
チェックイン時に説明されたこと=「下部温泉はぬるいと言われますが、最近の暑さで熱源が影響されたのか、そんなにぬるくないです」…えっ、そうなの!? ぬる湯をあてにしてきたのに普通の温度だったら残念だなあ →結果的にはまあまあなぬる湯でひと安心。
大浴場は1階廊下のつきあたり。最初は左が男湯で右が女湯、翌朝になったら男女入れ替わっていた。まずチェックイン直後に左の男湯へ。脱衣所だったか廊下だったかで分析書をチェックできて「単純硫黄温泉、低張性、アルカリ性、高温泉」だった。PH9.4、泉温49.4℃。加水なし、加温・循環・消毒あり。
下部温泉には約30℃の旧源泉と、わりと普通に熱い新源泉があって、こちらは源泉名から判断しても新源泉で間違いない。入ってヒヤッとするのは旧源泉。新源泉のみを使う場合はぬるめに調整して提供するスタイルが多いイメージを持っている。知らんけど。
下部温泉らしい清澄なぬる湯
浴室はコンパクトに見えるつくりで5名分の洗い場と2つの内湯浴槽からなる。コンパクトといっても大きい方の浴槽は縁に沿って8名入れてもおかしくないから、旅館の規模を考えたら十分かと。その浴槽はぬるめの調整で、旧源泉のようにヒヤッとすることはないけど、人肌レベルでぬくぬくしながらの長湯が可能だ。
お湯は無色透明。淡黄色ぽく見えるのはタイルの色でしょう。湯の花・泡付きなし。匂いに硫黄の要素は感知せず、逆に塩素臭もしなかった。いわゆる無色透明無味無臭ってやつに近いんじゃないか。もちろんただの沸かし湯とは浴感が全然違います。
下部の湯は松平定信のように清らかであれと思っているからこれでいい。田沼のごとく濁ったおじさんが世間の垢を落とすには、白河のごとき温泉が必要なのだ。
小さい浴槽は適温の湯
小さい方の浴槽は2~3名規模で適温の湯。サブとしてワンポイントアクセント的に入ることになった。ぬるい方に15分→サブに数分みたいなパターンで。ぬるい方はその気になればもっと長くいけちゃうから、自分にあったローテを組んでみよう。
浴室は木の雰囲気を前面に押し出しつつ、モダンな要素もあり、昔ながらの鄙び感を求めると肩透かしを食うが、逆に古びたところがないので万人向きの清潔感・安心感がある。全面ガラス張り風の窓の向こうは整えられた庭で情緒あり。
ぬる湯にたっぷり入ってやろうと目論んだところ、チェックイン直後は終始独占状態で40分、いったん部屋で休憩してから再び行ったら別のグループと序盤一緒になる形の準独占30分。夕食後にも企んでいたけど飲みすぎ食べすぎにより動けなくなって中止(たまにやらかす)。
もう一方の浴室も同じようなつくり
前夜の反省から、翌朝は8時の朝食前に2回入る作戦とした。5時台に行って1時間弱、7時前にも行って30分。朝は男女入れ替わっており、右の浴場へ。
全般に同じつくりだ。前日の男湯をひと回り小さくした感じかな。洗い場は4名分。ぬるめ浴槽と適温浴槽がどちらも3~4名規模になっていた。まあ広さがどうあれ自分のローテの組み方は変わらない。せっかく下部へ来たのだからと言わんばかりにぬるめ浴槽中心に浸かっていた。
硫黄成分やアルカリ性のおかげか、湯あがり後の肌がやけにすべすべになる。1泊だけじゃ肩こりが消えた・胃腸炎が治った系の改善効果まではわからなかったけど、それなりに体が軽くなった気はする。あと夜はぐっすり眠れました。いまから思えば、夜の入浴をあきらめた一因に「眠気に勝てず」があったかも。
旅館の雰囲気に合ってる、いい感じのお食事
夕食は新鮮ヤマメを甲州ワインとともに
梅ぞ乃の食事は夕食が部屋出し、朝が1階個室の広間を仕切った個室だった。泊まる人数やプランによって左記の通りとは断言できないので決めつけないでね。で夕食時、最初に部屋へ運ばれてきたのが以下の品々。
食前酒には自家製梅酒。あと甲州ワインが一杯ついてくるプランだったらしく、自分で選んで予約しておきながら覚えてなかった。さっそくいただこう…ふむ…この味わいは、今世紀の笛吹左岸ですか(シャリア・ブル)。
インフレ著しいご時世にうなぎが含まれてるってのがすごいな。こりゃあたいそうな一品を、かたじけなすび。豆乳鍋の具材には肉だけじゃなく鱒系の身も用意されていた。鍋ができあがる頃には煮物・天ぷら・ヤマメ塩焼きなどが追加されて、さらに賑やかになった。ヤマメはここの庭の池で育てて食事の直前にさばいてるみたいね。新鮮でうまいわけだ。
飲みすぎ食べすぎに注意(反省)
こうなると最初のワイン一杯では足りない。冷蔵庫から白ワインの300ml(?)ボトルを取り出して飲み始めた。アルコールも料理も適正量を超えちゃってるなあ。食後にお風呂へ行く余力はないかもしれんなあ。
一応完食して、控えめながら締めのご飯と汁物もいただいたが、デザートまでは手が伸びなかった。冷蔵庫に入れて夜食にしてもいいですよとのお言葉をいただき、デザートは夜食として…正確には寝落ちしちゃったので朝5時に…いただきました。
うわーもう腹いっぱいだし酔いが回っちゃったよ。軽い休憩のつもりで横になったらいつの間にか寝ていた。21時すぎにいったん目覚めたものの、胃の苦しさと酔いと眠気に勝てず、夜の風呂はあきらめた。
朝ごはんに特製味噌汁をどうぞ
朝はデフォルト8時。準備ができると部屋に内線がかかってくる。1階へ向かうと広間を仕切った個室へ案内された。着席してから運ばれてきたのを含めてこのような感じ。
ご飯はお櫃から好きなだけよそってください。バイキングでない定食式のおかずに肉じゃがは意外と珍しいかもしれない。サラダはしゃっきり野菜にさっぱり系ドレッシングなのがうれしい。マヨネーズを全面にべっちょりされるのが個人的に苦手なので…やるなら端っこにちょこんと乗せるだけにして、混ぜる混ぜないを選ばせてほしいのよね。
味噌汁についてコメントしておかねばならない。当宿では身延町特産の曙大豆を使った味噌づくりに力を入れている由。その味噌で作った味噌汁でしょう。田舎味噌ぽい風味で塩辛すぎないまろやかさとコクがある。おかわりしたくなる一品。実際できるかは知らんけど。
* * *
下部温泉の宿はどこも素朴な風情で気に入っているのだが、梅ぞ乃はプラスして品の良い雰囲気ってところかな。高級路線のようでいて一人泊OKだったり自分の懐事情でなんとかなるお値段だったのはありがたい。お風呂は新源泉による人肌のぬる湯。ひんやり系を意図して狙うのでなければ、万人向きで身体になじみやすいぬる湯を楽しめる。
おまけ:富士五湖まわりで帰る
本栖湖から精進湖へ
梅ぞ乃をチェックアウト後、温泉はもういいや。しかしただ直帰ってのもな。あえて富士五湖まわりで帰ってみるか。過去に下部温泉へ来た時に富士五湖まわりで来たことがあるので、その逆コースとなる。特に未踏の精進湖・西湖を目標に。
まず道の駅しもべでお土産を物色。ゆるキャン△とのコラボが目立つ。
それから甲州いろは坂という急坂・急カーブ続きの道を登って本栖湖へ。各務原なでしこはここを自転車で登ったのかよ。筋力体力どんだけ~。残念ながら本栖湖で見る富士山は雲が邪魔してシルエットの一部がかすかに見える程度でした。
じゃあ次、精進湖。はい。
西湖とこうもり穴
西湖の前にこうもり穴というところへ行ったら、隣の展示館でクニマスを見ることができた。田沢湖とさかなクンが関係してるやつかな。フラッシュ撮影禁止。
こうもり穴そのものは料金350円。洞窟入口までは青木ヶ原樹海の中を歩く。
こちらが入口。内部の写真はすべて、変にぶれたりぼやけていたりするから割愛。まさかの超常現象じゃないだろうな。
昼はこうもりの活動時間じゃないこともあって会えないと思った方がいい。内部は天井の低い箇所に注意。何度も頭をぶつけてしまった。借りたヘルメットをかぶってなかったら危なかった。
で、最後に西湖。はい。
富士五湖のあたりですでにくそ暑い。帰宅すればもっと暑いだろう。あーあ、涼しくなるのはまだまだ先か…。






















