お得感が半端ない、一人旅向きのお宿 - 上諏訪温泉 民宿すわ湖

上諏訪温泉 民宿すわ湖
2026年最初の湯めぐりは「ウインターチャレンジ」と題したシリーズの第2弾として長野県の温泉へ行くことにした。雪国に慣れていない自分が長野県を冬の旅行先に選ぶことは十分にチャレンジだったのだ。現実問題として厳冬に対する装備・スキルを持ち合わせてないので「栄えた街中に温泉宿がある」「駅から遠くない」条件で選んだのが上諏訪温泉。

中でも民宿すわ湖はとってもエコノミーに泊まれてお風呂の温泉はかけ流し。露天風呂は貸し切り制だし、内湯も実質は暗黙の貸し切り制みたいに使われ、競争率の課題はあるけど毎回独泉入浴できた。食事面もお値段を考えたらかなり充実した内容。しかも当たり前のようにソロの方々がいる。一人旅の心強い味方だ。

上諏訪温泉・民宿すわ湖へのアクセス

最強寒波が手加減してくれてラッキー

出発当日が「10年に1度の最強クラス」と各ニュースが脅す寒波にぶつかってしまった。大丈夫かなあ。とりあえずバスタ新宿を出発した高速バスは何事もないかのように快調に走る。外は晴れており、気温はむしろ暖かくないか?…どこが最強寒波なんだ?…途中で休憩に立ち寄った双葉SAもきれいな富士見日和。風は強いが寒さは全然厳しくない。
双葉SAから望む富士山
ところが小淵沢を過ぎた頃から様子が一変する。青空は消え、あたり一面すっかり湿った雲の下に入り、軽いホワイトアウト状態で横殴りに雪が吹き付けてくる。周囲の地面や家の屋根には白が目立ってきた。やばいよやばいよ、ウインターチャレンジ第2弾にして正念場かよ。

と心配してたら茅野のあたりから、曇りながらも空に明るさが戻ってきた。雪もほぼやんだ。あーよかった。バスは岡谷ICを経て上諏訪駅に無事到着。まずは温泉むすめ・上諏訪雫音ちゃんにごあいさつ。
温泉むすめ 上諏訪雫音

冬の諏訪湖はどうなってるの

普通に町を歩き回れる状況とはいえ、まだ最強寒波への警戒を解く段階ではない。明日の天気はわからないし、夜中に雪が積もったらまともに歩けなくなるかもしれないんで、今のうちに諏訪湖を見ておこう。最強寒波というなら御神渡りが発生しているかもしれないしな。
諏訪湖
…御神渡ってませんでした。強風で波が立ってるうえ、体感としても我が地元よりは寒いが湖を氷結させるほどとは思えない。まあいいや。その足で諏訪湖間欠泉センターへ。定期的に高く吹き上がる間欠泉を見られるスポットだったはずだが、今は高い吹き上がりなしで自噴を続ける状態になっているとの由。
諏訪湖の間欠泉
湖畔公園の足湯は数名が利用中だった。見てたら温泉に入りたくなってきた。そろそろ民宿すわ湖へ移動しよう。
湖畔公園の足湯
もし上諏訪駅から当宿まで直行するなら、平らな市街地の整備された道を徒歩10分ちょいだ。若干の雪くらいならなんとかなりそうですね。


レトロで居心地のよい空間

ではチェックイン。民宿にもいろいろあるけど、こちらは一般民家的な雰囲気はあまりなくて、レトロ要素の濃い旅館風である。ロビー兼湯あがり休憩所がこちら。将棋セットや超昭和なブラウン管テレビが置かれていたような。あと缶ビールの自販機もあった。
ロビー
奥のガラス戸の向こうが中庭に面した軒下となっており、内湯や露天風呂へ通じる通路でもある。チェックイン前後から次第に吹雪いてきて中庭は白くなってきていた。風情を感じますねー。
雪の中庭
案内された部屋は2階の5.5畳+広縁和室。広縁部分が大きめなので一人で泊まる分には結構余裕のある空間に思われるのと、なんとなく収まりのいい具合に感じられて居心地はよい。なお布団は最初から敷かれていた。
民宿すわ湖 5.5畳客室
トイレ・洗面所は共同。2階にはシャワートイレ個室+洗面台が2組用意されている。水回りは広めで新しめできれい。客室内に金庫なし、空の冷蔵庫あり、WiFiあり。タオル・バスタオル・フリーサイズの浴衣は備え付けてあって追加オプションとかではない。エアコンはあったはずだが暖房に活躍したのは石油ファンヒーターだ。

道路側に面した部屋なので窓から見えるのは車道と住宅街。
窓の外の景色
上諏訪温泉は1本の道路の両脇に旅館・ホテルがずらっと立ち並ぶ、いかにも観光地なパターンもあれば、住宅地の中に旅館がポツポツと点在するパターンもあるようだ。


冬の寒さをはね返す温泉パワー

独泉を狙いやすい運用方式

民宿すわ湖のお風呂は1階。中庭ゾーンの軒下へ出てから右手に行けば男女別の内湯。左手から再度建物内に入り、別館 or 新館的な雰囲気の中を奥へ奥へと進むと、追加料金や予約不要で何度でも利用できる男女共用の貸切露天風呂。

チェックイン直後は露天風呂が利用中だったため、まず内湯へ行った。つきあたりの手前が女湯、奥側が男湯で男女の入れ替えはない。貸し切り制と明記されてはいないが、それほど広い浴室ではないし、先客の気配があるとなんとなく遠慮してしまうのは自分だけかな?…とにかく自分が利用中はつねに独泉で他客がやって来ることはなかった。暗黙的な貸し切り制のノリでお互いに融通を利かせてる可能性はあるな。

夕方2回目を狙った際は利用中(あきらめた)、夕食後を狙った際も利用中(30分後に再トライして成功)、起床した5時半頃は一発で成功、朝食後のラスト入浴を狙った際は利用中(20分後に再トライして成功)、という具合に利用中にぶつかるケースがわりと多かった。遠慮してしまう性格の人は、少し待ってから再トライするとなんとかなるので、あきらめずに狙っていこう。

熱めの湯は湯かき棒で適温に

脱衣所には棚+4名分のかご。掲示されている分析書によれば「単純温泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」とのことで、泉温は55.2℃、PH8.19。温度調整の加水あり、加温・循環・消毒なし。

浴室に洗い場は2名分。壁に湯かき棒が立てかけてあるし「湯が熱い場合は湯かき棒でかき混ぜてから入ってください」とも書かれている。実は初入湯の際は湯かき棒を無視して入ったら、ずいぶんと熱かった。2回目から使うようにしたら熱すぎない適温になった。しっかり活躍してくれるようだ。

壁から生えたパイプ状の湯口から3名サイズのタイル浴槽に注ぎ込まれたお湯はクリアな薄緑に見えるけど、たぶん底のタイルの色じゃないかと思う。※翌日立ち寄った上諏訪の別の温泉施設の湯は明らかな緑色を呈していたので、ここのお湯も実際に薄緑色の可能性はある。

鮮度の高さを窺わせる泡付き

湯口の隣の蛇口は加水用だろうか。とにかく入ってみたら熱かった。こりゃー熱い。ただし初回の感想であって、2回目以降は湯かき棒を使ったおかげか、普通の適温だった(先客が蛇口から加水したんじゃないよな~)。湯面には保温用のシートが浮かべてある。こいつをどかして入った場合は、出る際に湯面を覆うようにシートを戻しておきましょう。

湯の花はそこそこ見られる。匂いはしっかりと温泉臭でヨシ。一番感心したのが泡付きだ。二の腕のあたりに結構付着する。湯口からの投入量はチョロチョロといった感じだが、湯船の大きさに対してはきっと十分で、お湯の鮮度が保たれているのだろうと思うと気分がいい。

肩透かしの最強寒波といっても寒いことは寒い。冷え切った身体に適温の湯は、ぬる湯派の自分も生き返る心地ですな。入浴後はお肌がツルテカに。温泉効果ばっちり。


チャンスを逃さず入りたい、人気の露天風呂

夕方2回目の内湯トライは利用中によりあきらめて、ダメ元で露天風呂へ行ってみた。廊下の一番奥にある。※下の写真を撮影後はスマホを部屋に戻したので風呂場へは持ち込んでいない、念のため。
露天風呂へ続く廊下
おおっ、ラッキーなことに空いてるぞ。チャンスは今しかない。入らせてもらおう。実際のところ、このときを除くとチェックイン直後も夜も起床後も朝食後も、すべて利用中であきらめざるを得なかった。思った通り競争率は高いな。ちょいちょいチェックして少ないチャンスをものにするしかあるまい。

入口の戸にかかっている札を「入浴中」の文字が表を向くように返して…札を戸から外して近くの椅子の上に置くパターンが多かった…中に入って内鍵をかける。脱衣所の様子は内湯と一緒。

洗い場はあったはず。カランは1~2台だったかと。3~4名サイズの岩風呂の奥側にはやはり保温シートが浮かべてある。面倒なのでシートはそのままに、手前側にちょこんと陣取らせてもらった。温度面を含めてお湯の特徴は内湯と同様。

露天風呂はおそらく中庭に面しており、中庭が見えればちょっとした雪見風呂になっただろうけど、そうすると庭越しにこちらも覗かれてしまうのでそれはない。高い岩と木戸でしっかりと目隠しされていた。木戸前に広げられた赤い和傘がおしゃれですね(夜はライトアップ演出されるみたい)。


充実した食事内容はお得感が半端ない

すき焼きを中心に脇役も多彩な夕食

民宿すわ湖の食事は朝夕とも2階の大広間で。夕食を例にすると開始時間に18時・18時半・19時のような明確な区切りはなくて「18時~20時半の間にすませてください」というような柔軟なルールになっている。18時に行くと、部屋名に対応した座卓の上にすき焼きセットが用意されていた。

着席するとすぐに気づいてもらえて海鮮系が運ばれ、このような内容で夕食スタート。
民宿すわ湖の夕食
刺身はマグロとえんがわの2種。加えてジャンボな海老の塩焼き。お酒はビールじゃなくて日本酒にしようっと。注文時に「味わい深い系か・すっきり辛口系か」と訊かれたので味わい系をお願いしたら「じゃあ真澄だな」とつぶやいてたから真澄でしょう(自分の舌では判断できない)。グラスからこぼれるほど注がれてました。

途中で天ぷらも出てきたと思うし、メインのすき焼きが牛肉たっぷり。お値段を考えたらちょっと信じられないラインナップだ。ありがたくいただこう。すき焼きは最初から割り下で煮てもいいけど関西風を取り入れてみた。先に牛脂で肉を焼いてから割り下を投入して野菜を加える。本格的なガスコンロだから火力は十分。思ったより早くできました。
完成したすき焼き
肉を半分くらい温存した状態でこれだからね。食べても食べてもなくならねー状態。締めのうどんもあったんじゃないかな。セルフで取りにいくご飯と味噌汁はおかわり自由だし、最後はデザートも登場。おそるべし。

朝食は酪農系に意識が向く

朝は7時から8時半の間にすませるルール。朝寝坊する気もないので7時きっかりに参戦。セルフのご飯と味噌汁を取ってきてこの内容。
民宿すわ湖の朝食
霧ヶ峰や八ヶ岳高原が近い土地柄だからなのか、酪農系の品に力が入っているような。明太子の隣のやつは何かと思ったら、クリームチーズに昆布をあわせたものだった。あとはヨーグルトのほかに高原牛乳など。

明太子・焼き魚・梅干しの三位一体の攻撃により、珍しくご飯をおかわりした。こいつぁ朝から元気がいいわえ。食後のコーヒーはインスタントの粉とドリップ式の本格派が用意されている。特にこだわりないので手早くインスタントで。

広間の様子から察するに、おひとり様率がとても高いようだった。温泉ひとり旅の聖地として知る人ぞ知る宿なのかもしれんなあ。

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ほぼ満室に違いないと思われる日程だったため競争率の課題は出てきたが、そこをうまく立ち回れば貸し切りで、もしくは独泉チャンスを発揮して、良好な湯質を享受できる。加えてあの内容の2食付きなのに1渋沢札でお釣り出まくりのお値段。お得度はかなり突き抜けている。自分はコスパ厨じゃないつもりだが当宿のパフォーマンスには本当に恐れ入る。上諏訪だけに神っすわ。