夏の霧ヶ峰観光:青い空と緑の草原が続くビーナスライン

白樺湖
真夏に星を見るツアーと題して霧ヶ峰へ行った。残念ながら夜になったらゲリラ豪雨に襲われて星を見るどころじゃなく、その代わりと言うと変だが日中は良い天気に恵まれ、普通に霧ヶ峰観光をすることはできたのである。

霧ヶ峰には小さい頃にたぶん来たことがある。きっとある。あるに違いない。確信めいた直感はあれど具体的な記憶は何ひとつない。

まあ何でもいいや。実質的に初見の気分で臨むことだけは間違いない。スケジュールの都合で初日に八島ヶ原湿原を見学し、2日目に富士見台~白樺湖~引き返して和田峠~三峰茶屋というルートでビーナスラインをドライブ。いかにもな高原の景色は爽やかで、吹く風はエアコンのように涼しい。

夏の花咲く八島ヶ原湿原

大混雑の予感に震える

旅の初日。メンバーの出してくれた車で諏訪まで来ると、市街のスーパーでちょっと買い出しをしてから霧ヶ峰へ向けて坂を登り始めた。出だしの車窓の風景がなんか見たことあるなあ、と思ったら、4年前に立石公園へ行った時に走った道路じゃん。へー、あの道路は霧ヶ峰へ続いていたのね。

30分ほど登り続けて霧ヶ峰一帯のエリアに入った。標高は1600m級だから日差しがジリジリ照り付けていても空気は冷涼。下界と違ってうだるような/生命の危険を感じるほどの暑さではない。さすが霧ヶ峰だ、なんともないぜ。

宿泊先のヒュッテ霧ヶ峰にチェックインする前に八島ヶ原湿原へ寄ってみることになった。途中の道端には怖い看板が…「湿原見学の車は列に並べ。先へ進む車はスルーせよ」みたいな内容。つまり繁忙期には大行列ができるってことだな。やっべー。

湿原に咲く花いろいろ

当時は幸いにも車列が発生してなく、あっさり駐車場へもぐり込めた。湿原の木道コースに入るとすぐに広い範囲を展望できるところがあった。
八島ヶ原湿原
日頃のあれやこれやで北条義時なみにドス黒くなった心が洗われるぜ。木道のところどころに植物の名前を示す札が立っている。たとえばこいつはコオニユリ。
コオニユリ
他にもいろいろな花が咲いていたのだが、八島ヶ原湿原ではあまり撮影しなかったみたいで、状況をうまく表現した写真がございません。
八島ヶ原湿原の木道
湿原を1周するコースが約1時間半。我々はコースの入口付近に留まって深入りせず、20分ほど滞在して宿にチェックインできる時刻になったから引き上げた。主目的は夜の星だからな…体力を温存しておかなければ…しかし計ったようなゲリラ豪雨の襲来でおじゃんになったのは最初に書いた通り。


八ヶ岳と南アルプスと富士山の展望所

霧ヶ峰自然保護センターから富士見台へ

旅の2日目。宿を出た後の最初の訪問地は霧ヶ峰自然保護センター。霧ヶ峰の地形・地質・動植物についての説明や展示がある。中はそんなに広くない。今の高原の風景は手つかずの自然というより火入れ・放牧などによって森林化を防いで草原を維持しているからなのか。ふーん。
霧ヶ峰自然保護センター
併設の展望テラスでは八ヶ岳連峰がよく見えた。右端の雲に囲まれた中にうっすら見えるのは富士山の頭じゃないかな。
展望テラスから見た八ヶ岳
ここから先は、いわゆるビーナスラインを走っていくことになる。まず白樺湖方面へ6~7分ほど走り、霧ヶ峰富士見台なる展望台へ。道中は見晴らしの良い草原が続き、爽やかな高原のイメージ通りで気持ちの良いドライブだ。

富士見台から南の方角を望む。
霧ヶ峰富士見台からの景色その1
まあ見事な緑の草原だ。ぱっと見、思わず駆け出していきたくなるが、実際の現地は河川敷の土手のような生やさしい傾斜じゃないし(普通に転落遭難するだろう)、ボーボーの草は深い。下手すれば熊も出るんじゃね。

ビーナスライン屈指の絶景スポット

富士見台と名乗るだけあって、気象条件があえば富士山も見える。少し立ち位置を変えてやや西寄りに視線を向けてみた。
霧ヶ峰富士見台からの景色その2
下界の人里は茅野市街であろうか。写真中央やや左、雲が集まっているところに富士山の頭がほんのちょっと見える。その左が八ヶ岳で右が南アルプスってところかな。個別の山座同定はできませんが。

見る方角を変えて、南アルプスのようでもあり中央アルプスのようでもある景色がこちら。あの並びは○○山だと言えたらカッコいいんでしょうけどね、そこまでの知識はない。素人なりにそれっぽい絶景を見られたのでヨシ!
霧ヶ峰富士見台からの景色その3

白樺湖で反転、三峰茶屋へ

夏のリゾート感を醸し出す白樺湖

お次はまた6~7分走って白樺湖展望台。へー、あれが有名な白樺湖か。植物についてろくに知らない者の理解だと、白樺=遠目にも白さが目立つ木だと思っているので、白樺の木に囲まれた湖には見えない。奥にそびえるのは蓼科山でしょう。
白樺湖展望台
予定ではここで引き返すことになっていたが、時間に余裕があったし、絶景を見てたら勢いがついた。ようし、こうなったら白樺湖畔まで行っちゃうぞ。展望台からビーナスラインを外れて少し坂を下っていくと、はい、着きました。
白樺湖畔にて
冒頭写真のボート乗り場で借りられるスワンボートが湖面にいくつも浮かんでいた。みなさんキャッキャと楽しそう。賑わいが少なめでちょっと寂しいけど、いかにも夏の一コマって感じで大変結構ですな。

三峰茶屋にも絶景の展望台あり

白樺湖を発ったら来た道を引き返し、ビーナスラインを美ヶ原方面へ。富士見台を過ぎ、自然保護センターを過ぎ、前日の八島ヶ原湿原を過ぎ、さらに和田峠を過ぎて三峰茶屋まで30分くらい走った。ここには売店兼お休み処があるほか、すぐそばに展望台があってわりと広い範囲を見渡すことができる。
三峰茶屋
下の写真は蓼科・車山・八ヶ岳の方角ですかね。
走ってきたビーナスラインの方角
さらに自信はないけど「浅間連山じゃないか」と北の方を撮った1枚が次の写真だったと思う。
浅間連山かもしれない
ビーナスライン沿いはどこも抜けの良い景色に美しい山々、夏だったら爽やかな緑を目にすることができて、大変に印象が良い。これには青空優勢の天気と高原の涼しさによるアシストが大きい。こんなに晴れ渡っているのに、なんで昨夜に限って雨になっちゃったんだろ…。

最後に扉峠まで行ってみようということになり、しかし着いた現地には寂れた店舗跡しかなく、高原のドライブはこれにて完了。和田峠から岡谷へ降りて中央道に乗り、次の目的地を目指したのであった。