貸切風呂と海鮮で自分をねぎらう宿 - 今井浜温泉旅館 心のどか

今井浜温泉 心のどか
2025年最後を飾る一人忘年会のつもりで行く伊豆遠征なのだから、温泉に加えて海鮮グルメも楽しみにしたいところ。前年は西海岸の雲見だったので今年は東海岸を狙ってみた。体験の幅を広げる意味で未湯の場所にしてみよう、と考えて検討した結果、河津の今井浜温泉「心のどか」に決めた。

一人泊にはややハードル高そうな「大人の隠れ家」的な宿みたいだが平日泊だったことや、料理控えめプランが可能だったことにより、お得感のあるお値段で利用できた。

大浴場がなく貸切風呂のみであること+宿の雰囲気を考えると、少人数の大人 or 小さい子連れ家族がしっぽりと過ごすのに向いている。料理は控えめプランとは思えぬ内容でばっちりだった。

今井浜温泉 心のどかへのアクセス

駐車するには少々心の余裕が必要

場所的には海岸の目の前ではなく高台へ少々上ったところになる。最寄り駅は伊豆急行・今井浜海岸で徒歩5分だから近い(坂の上り下りはある)。

今回はマイカーで。先に大川温泉磯の湯へ立ち寄り入浴した後に熱川→2年前に泊まった白田温泉→稲取を通過して今井浜へやって来た。カーナビにしたがって国道を離れて脇道の坂を上っていくとやがて当館が現れた。

しかし駐車場は間口が狭めで奥に長い構造。バックで入っていかないと後々厳しい…なんて、入る手前で考えているうちに背後に別の車に付かれちゃって、いったん当館を通り過ぎて態勢を整えようとするも、道は狭くなるし背後の車をやり過ごすスペースがなかなか見つからないまま想定外に先へ先へ進まされるなど、てんやわんやの一幕あり。

河津の観光スポット・峰温泉大噴湯公園

いったん話題を変えて…河津で観光といえば桜が有名だけど、12月じゃ全然関係ない。バガテル公園のバラも季節外れでしょう。そこで2年前に工事休みでフラれた峰温泉大噴湯公園へ行ってみた(実際は翌朝に当館をチェックアウトしてから行った)。入場無料。
峰温泉大噴湯公園
櫓から湯煙がもくもくと立ちのぼっているが、これはまだ本気じゃない。入口に「次の噴き上げ時間は~」と案内が書かれており、あと15分ほどで大きな噴き上げが起きる模様。すでに10名以上がその時を待ち構えていた。

櫓の前には温泉でゆで卵を作るための熱湯槽と最後に冷やすための冷水槽がある。元となる卵は売店で売っている。だいたいみんな作ってましたね。
櫓の前のゆで卵づくり槽
さあ時間だ…キターーー!!!
東洋一の大噴泉
小雨がぱらつく暗い空だから、いまいち映えないのは仕方がない。たしか30mほどの高さまで噴き上げるそうだし噴出当初は50mもあったらしい。さすが東洋一の大噴泉。ちなみに公園内には足湯コーナーもある。


しっぽり静かに過ごしたい方向けのお宿

再び心のどかの話題に戻って…ではチェックイン。思っていたよりも小規模な宿だ。広いロビーやレクリエーション室などの設備がないかわり、少人数でしっぽりと“心のどか”に過ごせるような雰囲気づくりが意図されているようだ。

玄関~フロント前のスペースを階段の途中から撮影したのがこちら。奥に見える食事処にアルコール類の自販機が設置されている。
フロント前の空間
館内にはインストBGMが流れている。洒落てるけどジャンルはなんて呼べばいいのかわかりません。ジャズではないと思う。季節柄クリスマスソングも含まれていたような。

案内された部屋は2階の6畳和室。まず入ると水回り系のスペースになっており、ふんわりお香の匂いがする。扉の内側のすぐそばに鍵を引っかける突起が取り付けられてるのは便利。タオルハンガーもこのスペースに置かれている。その奥に6畳部屋。布団は夕食後に敷いてくれる方式。
心のどか 6畳和室
シャワートイレあり、洗面台あり。金庫なし、空の冷蔵庫あり(中に水ボトルとグラスが冷やしてあった)、WiFiあり。滞在中に特に不都合は感じなかった。部屋の2面に窓があり、一方の景色は高台の斜面だから割愛して、もう一方はこんな感じ。
窓から見える景色
山側の部屋なので海は見えない。別の部屋にはオーシャンビューを楽しめるタイプもあるようだ。


貸切風呂でのんびりしましょう

峰温泉を引いてるっぽい

心のどかのお風呂は1階に貸切風呂が2室ある。料金不要かつ予約不要で空いていれば自由に利用できる。室内に入って内鍵をかけると、外側のランプが点灯して使用中を示す仕掛け。気の利いたことに2階にも同様のランプが設置されており、1階まで下りていかなくても空きがあるかどうかを確認できる。

チェックイン1番乗りっぽい様子だったし、誰もいない今のうちに入っておくか。夕方遅い時間になるほどノーチャンスの可能性が出てくるしな。というわけでチェックイン直後にさくっと体験。

2室のうち手前側にトライ。内部は宿の規模なりでそれほど大きくはない。脱衣かごは4つほどだったかな。掲示されている分析書には「ナトリウム-塩化物温泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」とあった。泉温は96.5℃でPH8.3。源泉名が「元湯(峰20号)」だから峰温泉を引いているのだろうか。加温なし、加水・循環・消毒あり。96℃もあったらさすがに加温しないよね。

万人向き適温の内湯

浴室も小ぢんまり。洗い場は2名分で四角い内湯浴槽は2名サイズ。小さい子連れファミリーなら3名いけるかも、ってくらい。浴槽を覗き込むとお湯は完全に無色透明であることがわかった。

浸かってみると適温。刺激的なあつ湯ということはなくて万人向きに程よく調整されている。自分はぬる湯派なのでもっと体温レベルにぬるくていいが、大半の人には、冬でもあるしこれがベストなんじゃないかな。

お湯は無色透明無味無臭ってやつで若干の消毒臭を感じなくもない。強烈な個性はないけれども、浴槽の縁などの要所要所に白い析出物の形跡が見えるし、湯口はそれっぽいデザインで温泉気分を演出している。

おこもり感のある露天風呂

すぐ外に露天風呂もありんす。1~2名分のサイズ。お湯の特徴は内湯と同じ。浴槽内の一部からプクプクと泡を噴き出している。ジェットとかジャグジーというような強いものではなくて、もっと微量でやさしい感じ。

小さな空間を塀で囲っているため眺望がどうのというタイプではない。貸し切りの個室感・おこもり感を堪能するタイプだ。周辺はきれいに整えられて洒落た雰囲気を醸し出している。まあそういうコンセプトの宿ですから。

露天風呂に浸かりながら心の中で自分をねぎらう…この1年、俺はよくやったよ。辛いこともあったけどよく頑張った。さあゆっくりしてくれたまえ…一人忘年会なんで、すべてが自作自演のセルフ慰労。悲しいけどこれ現実なのよね(スレッガー中尉)。

奥側の貸切風呂も同様のつくり

夕食前にダメ元でチェックしたら未体験の奥の貸し切り風呂が空いていた。チャーンス。行くしかない。こちらも概ね上記と同様のつくり。洗い場はやはり2名分だが浴槽がクォーター円のような形状をしていて大人でも3名いけそうに見える。

露天風呂は似たようなものでやはりプクプク泡装置が付いていた。こちらでもセルフ慰労を…しつこいのでやめておきましょうか。

奥側は夕方第2弾の1回だけで、ほかのトライ時には使用ランプ点灯中だったため、夕方第1弾と就寝前と朝起床後は手前側を使った。2つの貸切風呂に実際大きな違いはないのだろうが、印象的には、1~2名なら手前側、3名や大柄な者2名であれば奥側だと収まりがいいような気がする。


一人忘年会の気分を満たしてくれるお食事

控えめプランとは思えぬ豪勢な夕食

心のどかの夕食は部屋出し。時間は18時固定。部屋に置かれたお酒のメニューを眺めていたら料理が運ばれてきた。控えめプランなのに刺身盛りがしっかりボリュームあり。少し食べ始めちゃってますがこんな様子。
心のどかの夕食(控えめプラン)
お酒は12月のおすすめとのことで「伊豆のにごり酒」を。一般名詞ではなくて銘柄名が伊豆のにごり酒なのだ。にごり酒特有の甘さと、微量の炭酸ガスという説明から連想される清涼感もあって飲みやすい。アルコール度数を忘れてグイグイいってしまいそう。

うーん、刺身を堪能したぜ。これぞ一人忘年会の醍醐味。その後は豚しゃぶだ。こちらも肉・野菜とも十分な量である。おじさん的にはもうご飯で締めても不足はない状態のところ、なんと金目鯛の煮付けが出てきた。
ご飯と金目鯛の煮付け
このインフレのご時世に、お得な控えめプランなのに、いやあすいませんね。伊豆の金目鯛とくればご飯が進んでしまう。しかもおそろしいことに、この後カレイの唐揚げまで追加されたのだ。うぉぉすげぇ。デザートも終わってふと気づくと、若干お腹が苦しくなっていた。この苦しい感覚は夜中まで続いた。控えめどころか満腹プランだぜぇ。

海を眺めながらの朝ごはん

朝食は8時固定。なので朝風呂を計算に入れても6時半までは寝床でぐっすり寝てた。温泉効果のおかげか、本当によく眠れた。すっきりした目覚めで1階の食事処へ行くと、部屋では見えなかった海がちらっと見える。水平線にうっすら写っているのは新島でしょう。
食事処から見える海
案内されたテーブル席にはすでに料理が並んでいた。
心のどかの朝食
伊豆ぐり茶にブランド卵の鳳凰卵。アジの干物は頭も骨も全部ばりばり食べられるそうだ。試したら本当にばりばり食べられちゃった(頭付近の太めの骨を2本残したが)。おかずはてんこ盛りだけど、ご飯は多めに盛られているから、おかわりなしですんだ。※もちろんおかわりしたければ可能。

部屋に戻ったら急にまた眠気が襲ってきたのでチェックアウト前に仮眠を取った。本当によく眠れる宿だなあ。

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宿の規模とスタイルからして、羽目を外した宴会や大勢で騒ぐような雰囲気じゃないので、少人数で心のどかにしっぽり過ごしたい方はどうぞ。温泉面は温泉通を唸らせるというような玄人受けするタイプではないが、自由に利用できる貸切風呂は一般のニーズにマッチしていると思われるし、なぜかよく眠れる源泉・峰20号。そして食事面は今回の控えめプランでも自分には十分だった。もし標準プランだったらすごい海鮮祭りになってそう。