開放感と絶景が楽しみな手作り露天風呂 - ニセコ黄金温泉

ニセコ黄金温泉
北海道遠征の最終日は長万部から新千歳空港へ戻っていく。往路は白老~登別~壮瞥~洞爺湖経由という、どちらかといえば海寄りだったから帰路は趣向を変えて違うルートにしたい、なんて考えてしまう欲張りなおじさん。ニセコ~喜茂別~支笏湖経由がいいのかな。

すると途中で立ち寄り湯するとして、どこがいいだろう。調べてみると蘭越町に黄金温泉があった。※一般にニセコ黄金温泉と呼ばれる場面が多いこと、ニセコ温泉郷を構成する1湯なのがわかりやすいこと、場所のイメージがつきやすいことから、ここではニセコ黄金温泉とする。

本格的な源泉かけ流しであり、熱めなアワアワの内湯と、ややぬるめで晴天時には景色が良さそうな開放的な露天風呂がある。

ニセコ黄金温泉への道

雨なんて聞いてないよ~

最終日の朝、長万部の二股らぢうむ温泉で目覚めると雨だった。旅行前の予報では3日間とも晴れとのことだったが状況が突如変化して、今日は気圧の谷が通過する日になってしまったらしい。

朝食時間の頃までゲリラ豪雨的に降って、そのあとは止んだものの鉛色のどよ~んとした空が1日中続きそうな気配。ニセコ黄金温泉の露天風呂の絶景は大丈夫かと心配になってきた。

まあ気にしてもしょうがない。行くしかないのだから。あとはなるようになれで出発。国道5号に復帰したらJR函館本線に沿うように北上して黒松内町の道の駅くろまつないで小休止。パン・ピザ工房が売りのようだね。しかし宿の朝食ですでに満腹のため、おいしい水で淹れたコーヒーのみをいただく。

魔の左カーブには注意

あらためて出発。蘭越町に入ると昆布温泉の看板が目につくようになってきた。同じ場所ではないけれど黄金温泉も近くなってきてるはず。昆布駅を過ぎたら国道5号から道道343号へ左折、そのまままっすぐでいいのに、すぐに現れた道なり感の強い左カーブ=昆布温泉方面へ誘導されてしまった。

カーナビをみて間違いに気づき、ルート再計算にしたがって別荘地のような丘陵をぐるーっと回って正しい道へ復帰したけど、10kmほどの遠回り。やっちまったー。魔の左カーブですな。復帰して「ニセコキャンプ場黄金」を通過するとすぐに当湯に着いた。キャンプ場の利用者もたくさん来そうな位置関係だね。

ちなみに車なしだと、昆布駅から3km・45分を歩くか、ニセコ駅からニセコ町のデマンドバスを利用するかって感じになるみたい。


高いポテンシャルを示すニセコ黄金温泉

手作りとは思えぬほど作り込まれた温泉

ここは地元の農家の方による手作り温泉だそうで、そう言われればそんなふうにも見えるし、一方で「個人でここまで作り込むのか?!」と驚きもする。駐車場は詰めれば10台入りそう。敷地内に足湯コーナーやバーベキュー場がある。
足湯コーナー
本館内ではなく屋外の小屋のようなところが受付兼軽食売店になっている。500円お支払いして本館へ。靴置き場はあまり広くない。地元客+旅行客が集中する繁忙期には靴があふれてしまうかもしれんな。脱衣所も広くはないがまあまあ立ち回り可能。

100円戻らない式のコインロッカーあり。壁に貼ってある分析書には「ナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩温泉、低張性、中性、高温泉」と書かれていた。源泉温度43℃台、PH7.0だったかな。明記されてないものの、おそらく加水・加温・循環・消毒なしの源泉かけ流しと思われる。

泡付きに注目したい内湯

小ぢんまりとした浴室にカランは2台。シャンプー・ボディソープあり。二股らぢうむ温泉で洗身洗髪を見送っていたので、こちらを活用させてもらった。洗い場付近の壁が白いのは硫黄による変色じゃなくてペンキで塗ったんじゃないかと推察する。

内湯浴槽はひとつで4名サイズ。岩風呂風になっており、配された岩が赤く変色している。これは…析出物がこびりついて赤くなったんでしょう。お湯の匂いを嗅いでみたらはっきりと金気臭がしたし、お湯の中には金属粉のような湯の花が舞っている。

ささ濁りのお湯は熱めで長湯するタイプではない。頑張って浸かっていると、身体中にびっしりと泡が付着しているのに気づいた。おおーすげえー。泡付き豊富なのはぬるい温泉が多い中、熱い系でこの泡付きの強さは不思議だなあ。

全般に黒い板壁と、洗い場付近が白い壁、そして浴槽の赤く変色した岩…白黒赤の三役揃い踏みだ。ファースト・Z・ジークアクスのガンダムかよ。何を言ってるのかわからねーと思うが、内湯の爆泡はゼクノヴァ級。

開放的な露天風呂と釜風呂

露天風呂へ行ってみませう。ゆるいスロープを歩いて5~6名サイズの岩風呂へ入っていくようになっている。もちろんスロープを無視して直接ざぶんも可能。内湯と比べて濁りは強く、泡付きは弱く、温度はぬるめ。内湯にはなかったヌルっとした感触があった。

ゆっくり浸かるならここですかね。露天エリアは広く、壁に囲まれてる感がほぼないし、遠くの景色まで見渡せるに違いない。残念ながら当時はどんより曇り空で遠くは霞んで見えなかったけども。この露天風呂の奥にもうひとつ、一瞬岩風呂に見えるのがあって、よく見たら池でした(池だよな?)。間違って入らないように(池だよな?)。

露天風呂のそばには各1名用の寝湯×1と釜風呂×2が設置されている。パラソル付き。わりと人気で埋まりやすい。空いた隙を狙って入ってみたら、内湯と露天風呂の中間くらいの温度だった。3つの比較では一番奥の釜風呂が一番ぬるめだった。

釜風呂は足を伸ばせず体育座りの姿勢となり、ちょうどお尻に当たる部分から泡を含んだお湯が湧き上がってくるため、妙にお尻が刺激されそうな感じでむずむずしてしまう。両太ももの間から湧き上がるようにうまく姿勢を作ろう。

2つの名山を望むナイスな環境

ほかにクールダウンのためのチェアと、打たせ湯を兼ねたチェアがある。椅子に座って北海道の涼しい風に当たりながら景色を眺めるのも悪くない。あとは天気さえ良ければなあ。下の写真は帰り際に駐車場から撮ったものだが、だいたいこんな景色だった。
ただただ曇り空が見えるだけ
本来であればニセコアンヌプリと羊蹄山がばっちり見えるみたい。すごいじゃん。想像しただけでも最高のシチュエーション。実際この目で見てみたかったな。

てな具合で小一時間の入浴を終える頃にはすっかり仕上がってしまった。お湯と好天時に予想される景色のクオリティが見事である。なるほどねー。来た甲斐があったわ。帰路のルートを変えてみようと思いついたのは正解だったようだ。


【参考:ニセコ温泉郷の他の温泉】