おさるの川沿いでさくっと源泉かけ流し - 蟠渓温泉 ひかり温泉

蟠渓温泉 ひかり温泉
夏の北海道遠征2日目は登別からオロフレ峠を越え、壮瞥・洞爺湖を経由して、さらに先へ進む計画だった。いつものごとく宿に着くまでの間に立ち寄り湯するつもり満々。一番わかりやすいのは洞爺湖岸に温泉街があるから、そこで探すことなんだろうけど、あまのじゃく的にちょっとひねってみたい気持ちもあった。

そこでいろいろ調べてみると、壮瞥と大滝の境界付近に蟠渓温泉があるのを知った。明治期に開湯した歴史を持ち、旅館が何軒か営業しているみたい。いいんじゃないか。さらには日帰り専門のひかり温泉もある。ここなら旅行者も気軽に利用できそうだ。ということでひかり温泉へ。ガッツリあつ湯と適温湯を源泉かけ流しで体験できる。

ひかり温泉への道

オロフレ峠を越えて

2日目の朝、カルルス温泉鈴木旅館をチェックアウトして洞爺湖登別線を壮瞥方面へ。カーブは多いものの道はしっかり整備されてて走りやすい。温泉めぐりしてると、中には秘湯のようなロケーションもあって結構な酷道を走らされることがあるから、すっかり疑り深くなっちゃっていけませんな。

トンネルを抜けたところに展望所らしき駐車場が見えたので入ってみた。オロフレ峠道路史碑があるだけで展望はあんまり。すぐに出発。
オロフレ峠道路史碑
本家本元のオロフレ峠展望台が別途あるらしく、寄ってみようと思ってたら見逃して通り過ぎてしまったようだ。※道路沿いに標識と駐車場が存在すると思い込んでいたせいで気づけなかった。実際はどこかで脇道に左折してしばらく走らなければならないようだ。

明らかに峠のピークを過ぎて下り坂になってしまって、今さら引き返してうろうろと探す気にもなれず、うー残念。と思ってたら黄渓駐車場というのが現れた。寄ってみよう。ちなみに黄渓には硫黄鉱山があったらしい。
黄渓駐車場から眺める洞爺湖
遠くにうっすらと洞爺湖+中島が見えた。写真左端で頂上付近が雲に隠されているようにも見える山は有珠山じゃないか。なかなかの展望所として機能しているな。黄渓でOK。

ひかり温泉は国道沿いで見つけやすい

こうして国道453号まで下ってきたら、洞爺湖とは反対の大滝方面へ右折。10分もかからずに橋を渡ることになる。渡った先はT字路で、右に行くと湯人家という旅館、左に行くと蟠岳荘という旅館やひかり温泉がある。橋の上から撮影した長流川がこちら。
長流川
上流の河原におさるの湯という野湯があるはずで、帰りに現地と思しき場所付近まで走ってみたが、工事現場のようになっていて河原まで近づけない雰囲気だった。

目的のひかり温泉は道路沿いに大きな熊さんの看板が出ているからすぐわかる。
ひかり温泉の看板

本格源泉かけ流しをコンビニ的気軽さで利用できる

かつての旅館の名残

車を置いてよい場所には車止めと「P」マークが設置されてる。6~7台分あったかと。加えてバイク専用の駐車場あり。敷地内では湯神様を祀っていた。
湯神様
最も目立つ正面建物は廃墟な雰囲気。当館の歴史を紐解くと、もともと伊藤温泉旅館として営業していたそうだから、その時代の宿泊棟だろう。その後いったん閉館となるも、ひかり温泉として継承され旅館営業を続けるが、それも閉館。新オーナーの下で日帰り温泉として復活した由。
かつての伊藤温泉旅館かもしれない
復活した日帰り温泉は冒頭写真にあるような別の建物だ。扉の前に「ヘビが入るからすぐドアを閉めるように」という旨の注意が書かれている。スネーク潜入ダメ、ゼッタイ。
ヘビ侵入の警告

小銭のご用意を

中に入ると有人のフロントに相当する場所はなかった。無人の野菜直売所みたいに料金箱へ入浴料を投入する仕組み。500円。小銭がないと管理人さんに連絡して両替してもらうかお釣りをもらうことになりそう。ぎりぎり100円玉5枚持っててラッキーだったぜ。タオルとか小物の商品が置いてあるから、500円分購入して入浴料とあわせて1000円札で払うという手も使えそうだ。

そこには貴重品ロッカーもあって、続いて右=女湯・左=男湯に分かれる。脱衣所の分析書によれば「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」とのこと。別の紙だと泉質が単純温泉になっている。加水・加温・循環・消毒いずれもなしの源泉かけ流しが素晴らしい。

ガツンとくる高温湯

浴室の洗い場は場所を分散するようにして4名分。シャンプーやボディソープは備え付けてある一方で、温泉の環境を守るために一般のシャンプーなどの持ち込みは控えるようにとお願いが書いてあったような気がする。湯質にかなり気を使っているようで頼もしい。

浴槽は高温湯と中温湯の2つ。中温湯に先客が入っていて、狭いわけじゃないけどなんとなく避ける気分で、最初は誰もいない2~3名規模の高温湯へ入ることにした。…おぉぅ、熱ぅーい。熱めの適温というか、明確にあつ湯の部類に入れてもいいくらいの熱さだった。ガンガンくるぜえ。

常時投入するような湯口は見当たらない。湯を溜めた後は湯守が様子を見ながら適宜足していく方式のようだ。お湯の見た目は無色透明。はっきり目立つ湯の花や泡付きも見られない。透き通った清澄なお湯って感じだ。匂いを嗅ぐと、なんと表現していいかわからない定番的な温泉臭がする。尖っていたりエグい特徴はないので嫌いな人はいないと思う。などなど、いろんな点でカルルス温泉に似ていると思った。個人の感想です。

中温湯にて独占タイム発動

続いて中温湯へ移動した。ちょうど先客が出ていく素振りを見せたため、独占タイムの始まりでもあった。

中温湯は4~5名規模。温度以外のお湯の特徴は高温湯と一緒。浸かってみるとちょうど中くらいの適温って感じ。ぬるくはない。ただし高温湯から移動してきた直後は温度差による錯覚でしばらくぬるく感じるため、意外と長く入っていられた。

こちらも常時投入式の湯口なし。また熱いと感じるなら蛇口から加水可のようだ。自分はぬる湯派とはいえ、湯守のデフォルト設定をしっかり体験するため、あえて加水するのは見送った。加水とは別の蛇口…お湯を溜めるのに使う源泉が出てくる蛇口?…は塩の塊のような析出物と緑青色がこびりついて温泉の威力を物語っていた。

中温湯浴槽の壁にはひかり温泉の略歴や蟠渓温泉マップが掲示されている。ふむふむ、参考になりますな。

高温湯と中温湯を数往復しているうちにすっかり仕上がってきたし、予定の時間が近づいてきたのであがることにした。あーさっぱりしますねー。しかも妙にポカポカしてきたぞ。光の速さで効果が現れたようだ。