観光客もなじみやすい共同浴場 - 下諏訪温泉 遊泉ハウス児湯

下諏訪温泉 遊泉ハウス児湯
例年ゴールデンウィークは旅行しない。基本しないんだが微妙に該当する日程で甲信方面へ遠征することにした。とはいえこんな書き入れ時に“おひとりさまOK”の温泉宿はなかなかない。あったとしてもかなりの割増料金になっていることが多い(旅館予約サイトで見つけた9,999,999円には笑った。普通に一人泊不可にするよりは本当にこの値段で泊まってくれる孤独な大富豪がワンチャン存在するかもしれない)。

初日は諏訪へ。駅徒歩圏内に温泉施設がいっぱいあって、歩きオンリーでも、多少の悪天候でも、なんとかなりそうだ。実際には紆余曲折を経て下諏訪の共同浴場「遊泉ハウス児湯」が1湯目となった。熱いのが特徴の下諏訪温泉だけど露天風呂はぬるめで入りやすかった。

遊泉ハウス児湯へのアクセス

テキトーに勘だけで諏訪へ向かう

今回の湯めぐり遠征はかなりテキトーだった。もちろん宿泊先や往路の高速バスは事前に予約を取っている。訪問先もだいたい決めてある。しかし「こういう乗り継ぎをして何時にここへ行って何分間滞在してから…」みたいなスケジュールをほとんど考えてない。なんとかなるやろ感だけで乗り切ろうという。

朝、新宿バスタで岡谷行きの高速バスに乗り、上諏訪駅前で降りたら正午過ぎ。さて、とりあえず諏訪湖を見るか。周辺を歩く人の姿はまばら。
諏訪湖
以前に訪れたことのある間欠泉センターへ行ってみると、機器故障のため「間欠泉の噴き上げは当面の間休止します」だって。そのせいか館内は稼働してない感・ひっそり感が半端ないし、実質休館ってところだ。

仕方ない、お向かいのタケヤ味噌会館へ行ってみるか。あそこで豚汁をいただけたはず…休止してました。機能していたのはお土産コーナーのみ。コロちゃん対策かな。飲食系はいろいろ難しいですね。豚汁目当ての人間にとっては実質休館ってところだ。

上諏訪ロックダウン説

じゃあいよいよ日帰り温泉にトライしますかね。温泉宿が密集する上諏訪ともなれば候補には困らない、って?…んなこたーない。1軒目=「外来入浴お断り」の張り紙で1アウト。2軒目=「日帰りやってません」で2アウト。3軒目=「今日はやってないんですよ」で3アウト、チェンジ。アキサミヨー。

うーん、ネットで調べて日帰りやってるところから選んだし、公式サイトやツイッターで最新情報をチェックしたつもりだったが甘かった。コロちゃん対策極まれり。おそらく地域内の全施設が足並み揃えて同じ対応をしてくるに違いない。日帰り専門施設の片倉館ならOKの可能性ありといえども、すでに体験ずみだしなあ。あそこまで引き返して万が一「県外客お断り」とかだったらダメージでかいしなあ。で、もう上諏訪を発つことにした。

下諏訪は大丈夫だった

気を取り直して、お隣の下諏訪の共同浴場だったら大丈夫やろ、と能天気に電車で1駅先の下諏訪へ移動。もし共同浴場が地元民限定とかだったらあきらめて下社見学したり宿場町散策に切り替えようと腹を括った。

下諏訪駅から諏訪大社 下社秋宮の方へ1km弱歩くと昔の宿場町の雰囲気が色濃くなる。4年前の旅行の際に見学した「しもすわ今昔館おいでや」の前を通り、坂を上りきって北西方向へ向きを変えて少し進んだところに目当ての遊泉ハウス児湯があった。

ちなみに数ある共同浴場の中から当湯を選んだのは、露天風呂があること、熱いだけでなくぬるい浴槽もあるとの口コミや観光客向けとの情報を見かけたことによる。有名な旦過の湯はいかにも激熱そうだし。


浸かった後はさっぱりする良泉

かけ湯からしていきなり熱い

幸い営業中で県外客を排除する様子もなかった。入館して券売機で入浴券を買う。240円。受付で「石鹸・シャンプーはありませんので」と注意喚起あり。まあ大丈夫です。廊下の奥にあった休憩所は利用不可の措置あり。まあそのくらいは大丈夫です。

主目的である男湯の脱衣所へと進んでいくと、シンプルな木箱風の脱衣棚と100円ロッカーが並んでいた。旅の荷物をロッカーに入れられるのはありがたい。掲示されている分析書には「単純温泉、弱アルカリ性、低張性、高温泉」とあった。循環あり、加水・加温・消毒なし。綿の湯源泉と旦過第一源泉の混合らしい。自分には細かいことはよくわからぬが。

浴室入ってすぐのところにかけ湯槽が2つ並んでおり、右側が水。左側はめちゃくちゃ熱い。いきなり上半身へドバッと浴びせると悲鳴を上げかねない。足元から少しずつ慣らすようにかけていくべし。洗い場は10名分。当時の客入りなら全然余裕。

メインの内湯はやはり熱いがお湯は本物

内湯は浴槽が2つ。メインは8~10名サイズ+その横に3名分のジェットバスがくっついたもの。そこに無色透明のお湯がたっぷり注ぎ込まれていた。循環ありといいつつ縁からオーバーフローしているし、そのおかげで浴室の床を歩く際にツルッと滑りそうになる。

浸かってみたら熱い。下諏訪の湯は熱いという情報を目にして覚悟していた通りに熱い。うぉー、こりゃキますね。しかし湯質はさすが。ほんのりと硫黄の香りがするのであった。そして少しのあいだ浸かっただけで、立ち上がった際にクラっとめまいが。キますな~。

ジェットのある方は湯口から最も遠くなる。少しは温度が下がるかと思って移動してみたが体感的には変わらなかった。いやーそれにしても熱い。長くは入っていられない。

サブとなるもうひとつの浴槽は3名分の打たせ湯。ここはお湯がぬるめだった。ほっとする温度だね。座湯のような姿勢で腰から下だけお湯に浸かり、上から落下してくるお湯の筋に当たる。なかなか結構だけど同じ温度で普通に入れる湯船はないものか。

ぬるめの露天風呂は満足度高し

そうだ露天風呂もあった。小さめの2~3名サイズで御影石ぽいつくり。当時の雰囲気だと他の人がいる時にお邪魔しづらく、暗黙の交代制みたいなノリで使われていたから、入れ替わりの隙をみてトライ。

お湯の特徴は内湯と同じ。温度はうれしいことにぬるめだった。これならゆっくり入れる。敷地の隅っこに作りましたという感じで四方を建物と塀に囲われ、もちろん外の町の景色は見えない。とはいえ独占状態でのんびり入っていられるだけで十分な満足感を与えてくれる。

適当な頃合いでまた内湯へ戻り、熱さに圧倒されながらまた露天風呂へ行き…を繰り返して、最後に内湯で締めた。下諏訪の共同浴場へ来たからにはあつ湯の印象を刻みつけておくべきだろう。風呂あがりは変に後を引くこともなく。あー、さっぱりした。

 * * *

遊泉ハウス児湯はそこそこの規模に露天風呂付き、ローカル色強すぎず鄙びすぎず、また当時空いていたおかげかもしれないけどアウェー感もなくて、観光客にもなじみやすい浴場だと思われる。

打たせ湯や露天風呂はぬるいから、内湯の慣れない熱さに打ちのめされて数分でギブアップ終了という消化不良な展開にもなりにくいはず。下社秋宮見学の際は立ち寄ってみてはいかが。