重厚な歴史的建造物とローマな千人風呂 - 上諏訪温泉 片倉館

上諏訪温泉 片倉館
春のグループ旅行で諏訪へ行った。諏訪はもちろん有名な温泉地で、いい温泉施設がいっぱいあるのだが、その中に歴史的価値のある建物を日帰り温泉施設として使っている「片倉館」というところがあるそうな。

ほほう、面白そうじゃない。ローマ風呂を思わせる洋風建築の「千人風呂」というのも興味をひかれた。諏訪へ行くなら体験してみるしかあるまい。テルマエ・ロマエの世界観を期待しつつ、いざ片倉館へ---。

いざ片倉館

重要文化財の洋館

片倉館は“それっぽい雰囲気”で最近建てた温泉施設ではなく、本当にガチで歴史的な価値のある建造物なのである。なにしろ国指定重要文化財だ。建てられたのが1928年だから昭和の初め。製糸業から興った片倉財閥が住民のために作った厚生施設らしい。社会貢献ってやつですな。

建物はごつくて立派な大正ロマン風洋館。そのため最初はお偉いさんの社交場とか病院とか役場として使われて途中から温泉になったのかと思ったら、そういう説明は見当たらない。もとから温泉施設だったようだ。当初から温泉でこの建物とは、やってくれるぜ。

旅行前に「絶景温泉100」(高橋一喜、幻冬舎新書、2006)なる本を見つけて読んだら、内湯が絶景という文脈でこの片倉館が紹介されていた。それもあって行ってみたくなったわけだ。

片倉館へのアクセス

片倉館は上諏訪の温泉街に位置する。最寄り駅はJR中央本線・上諏訪。駅から諏訪湖へ出る途中にあって10分かからないくらい。

我々は車で行ったので、中央道諏訪ICから諏訪市街をぬってたどり着いた。国道20号線を使うルートだったと思うが、結構道が混んでいて20分以上かかったのではないか。駐車場は片倉館に隣接してスペースが設けられている。我々が行った平日午後は十分に空きがあった。

また隣には諏訪市美術館があり、こちらは和のテイストでやはり歴史を感じさせる建物。もとは片倉財閥が作った「懐古館」なる展示館だそう。なるほど、製糸業だけに蚕で懐古ね。


これが噂の洋風千人風呂だ!

スマホクーポンを活用すべし

片倉館は2棟からなる。正面向かって左側は市民会館的な文化交流施設。たしか入口に「見学できます」の立て札があったように記憶している。しかし時間の都合でこちらはスルー。

右側の棟が温泉施設。外観だけではとても温泉には見えない。初見だと入るのをついためらってしまうほど。意を決して入ってみると、まず靴を預けるロッカーがあった。100円入れて後で返ってくるやつ。

それから受付で料金を払う。基本的に650円だが、スマホで片倉館のクーポンページを開いて見せると100円割引になる。

思わず館内見学してしまう

館内も外観に負けず年季が入ってる。ボロいとか老朽化というのでなく風格と威厳を感じさせる雰囲気だ。個人的には歴史ある大学とか裁判所とか行政機関の建物を連想した。もし片倉館へ行くなら、せっかくだから風呂以外のこういった要素にも注目したい。

男湯の脱衣所には多くのロッカーが並ぶ。これまた100円入れて後で返ってくるやつ。壁の分析書には「単純硫黄温泉、弱アルカリ性、低張性、高温泉」とあった。

では浴室へ。入ってすぐの右手に洗い場区画があった。壁できっちり仕切ってあって区画の中はよくわからない。ここの洗い場は使わなかったし、なぜか中をチェックしようという気もおきなくて、規模や詳細な様子は不明。

左手には小さなジャグジー風呂。ここは後回しにしよう。

プールのような千人風呂

奥にメインの千人風呂があった。深さのある大きな長方形で、風呂というよりプールのように見える。まあわかっちゃいたけど文字通りの1000人規模ではない。そうねえ、ぎっちり詰めてざっと100名サイズですかねえ。

でもこのときは1~2名の先客しかいなかったから、かなり広々としていた。入ってみるとやや熱めのお湯。そして…おや? 深い、最初の印象以上に深いぞ…なんと、立って入る風呂だった。立った状態で胸元あたりまでお湯が来る。こいつは珍しいパターン。

しかも浴槽の底が玉砂利になっているため足底にくすぐったいような感触がある。いろいろと面白いね。

テルマエ・ロマエの世界観

お湯は無色透明。匂いも特に硫黄を感じるわけではなくはっきりした特徴はない。浴槽内を控えめとはいえエクササイズ風に歩く客もいるし、なんだか本当にプールの光景みたいだ(もちろん泳いでる人はいないが)。

熱めのお湯だからプール…じゃないや千人風呂にずっとつかり続けることは難しい。時おり外へ出て休憩しつつ、浴室の内装を眺めつつ、また入りつつで過ごすことになる。

白を基調とした浴室の内装は洋館に合わせたローマ風で、ビーナス像みたいなのやステンドグラスや壁と柱に細かい装飾があったりして、映画化もされた有名な漫画作品「テルマエ・ロマエ」の世界を彷彿とさせる。時代考証をしっかりやる立場から見たら全然違うのかもしれないけど、まあ細けえことはいいんだよってことで。

気分転換にジャグジー風呂を

なお、千人風呂の一端に仕切りがあって、その向こうが4名規模の洗い場になっている。手前の区画よりもここを使うのが便利そう。あと、窓があっても開放禁止だから熱気がこもりやすく、その意味でも長湯は難しい。

いったん千人風呂を出て先のジャグジー風呂へ行ってみた。ここは3~4名規模。わりと人気でいつも2名程度がいる感じ。入るときは寝湯のような体勢になる。

お湯は全般に千人風呂と一緒で、ただしぬるめ。自分の好みでいえばこちらの方がいい。狭い区画の小さな浴槽だから千人風呂のような開放感はないけどね。気分転換で交互に入るのがよかろう。


ルシウスが出てきそうな温泉

スケジュールの都合もあって、そこそこ楽しんだところで切り上げて出た。2階が休憩所になっており、そこで水分補給をして休んだ後に退出。

片倉館の温泉自体の印象は正直薄いんだけど、浴室の雰囲気やローマ気分にひたれるところは一見の価値あり。立って入るプールみたいな風呂もそうそうあるわけじゃないし、芋洗いの激混みになりそうな感じもないし、都合があうなら立ち寄ってみてはいかがだろうか。

テルマエ・ロマエの主人公ルシウスが時を越えて現れるかも?!

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