お湯&コスパ良しの穴場宿 - 蔵王温泉 ホテルオークヒル

2016年秋に一人旅で蔵王温泉を訪れ、ホテルオークヒルに泊まった。温泉街の中心から外れたところにあるのだが、おかげで静かな環境で落ち着いて過ごすことができるし、リーズナブルなお値段で泊まれるのはありがたい。

肝心のお風呂は蔵王温泉の特徴をよく表す、源泉掛け流しのお湯を楽しめる。蔵王の定番どころではないけれど、ちょっとした穴場として検討に加えてみてはいかがだろう。

【本記事は2017年1月に公開した内容を再構成したものです】

ホテルオークヒルへの行き方

蔵王温泉は比較的行きやすい。JR山形駅から蔵王温泉行きのバスで35分。終点で下りればいい。

ホテルオークヒルはバスターミナルを背にして左方向にあるが、せっかくだから正面やや右斜め前から入るメインの温泉街(高湯通り)を歩いていこう。昔懐かしい情緒とタマゴ臭があふれる石畳の道だ。

一番奥の酢川温泉神社へ上る長い急階段の手前を左に折れて道なりに行くと、体育館のあるY字路へ出る。右が蔵王スカイケーブルの上ノ台駅。目指すホテルは左。Y字路の次の分岐を右に曲がればホテルオークヒルだ。玄関は建物をぐるーっと半周した裏側にある。

わき目もふらずにすたすた歩けばバスターミナルから10分くらい。自分は温泉街の途中にある「すのこの湯 かわらや」へ立ち寄り入浴してから行った。


おまかせプランで和室へ

ではチェックイン。フロントの向かいに、ソファのようなベッドのような感じのインテリアが設えてあり、待合所兼休憩コーナーのようになっている。大浴場から客室へ戻る際に通過するところだから、ここで一服していきなさいということだろうか。近くにはコーヒーマシンが置いてあった(有料)。

今回は部屋おまかせプランで予約していた。用意された部屋はたしか3階の8畳和室+トイレ・洗面付き。他に洋室もあるようだ。

部屋は格別新しいわけではないが清潔にしっかりと管理されている。冬はスキー客が来るから暖房はバッチリ。セントラルヒーティングみたいなのがあったと思う。窓から見えるのは山の景色(雄大なパノラマとかではない)。手前には林の木々。


パワフルな蔵王の湯

酸性硫黄泉の大浴場

ホテルオークヒルの大浴場は1階へ下りてフロントの横を抜けた先にある。男湯女湯は固定されていて最後まで入れ替えはなかった。

当時は脱衣所で分析書をチェックする習慣はなかったが、ホテルオークヒルのホームページによると「酸性-含鉄・硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉」あるいは「含硫化水素強酸性明ばん緑ばん泉」とのこと。ばばんばばんばんばんの歌を思い出す。

じりじりと効く内湯

大浴場には3つの浴槽がある。まず内湯。先客は3人くらい。洗い場はたくさんあって変則五角形のタイル張り浴槽もまあまあ大きい。繁忙期のピークはわからないけどこの日は全然余裕。

いざ入らん。遠くからだと白く濁って見える湯を湯船の中で見ると、半透明っぽい感じで10センチくらい先までは見える。消しゴムかすのような湯の花が大量に舞っていた。

強いタマゴ臭が温泉気分を盛り上げる。じりじりと効いてくる感覚で、よくいわれる「ピリピリ来る」と表現するほどではなく、そんなに熱い湯だとも思わなかった。…だがそれは最初だけ、やはりあまり長くはつかっていられない。次第にお湯に圧倒される感じで、やがて小休止を余儀なくされ、出たり入ったりを繰り返すことになる。

おすすめの小露天風呂

ひとまず内湯を切り上げてすぐ隣の小露天風呂へ。広めのベランダ風の一角に1~2名サイズの檜風呂が備え付けてあった。お湯は外気に触れる分だけ内湯よりややぬるくて好みだ。マイルド感が増して若干入りやすい(といってもまだまだパワフル)。

周囲は壁に囲まれ、わずかな隙間から遠くの木々を望むことはできるが、眺望を楽しむものではない。自分は良いと思ったけど一番人気ではないみたいで、ここに入って来る者はあまりない。独り占めのチャンスは多そう。

紅葉の終わりかけの時期に行って、夕方はまあ大丈夫、夜と朝は寒い寒い言いながら湯に飛び込むような状況だった。冬はどうなっちゃうんだろうね。

グループ客・長湯向きの大露天風呂

いったん内湯へ戻り別の出口から階段を下りて大露天風呂へ行った。大といっても5~6名規模の岩風呂である。屋根付き。

温度は他の2つと比べてはっきりぬるいから長く入るにはよいだろう。ただ内湯や小露天の後だとお湯の個性が薄まった感はある。刺激が恋しくなってまた内湯へ戻ってしまった。

しかし、いかにもな露天の風情の演出や外の眺めという観点からすると、一番人気は大露天風呂ではないかと思われる。グループ客が談笑しながらずっと入ってたし。


ホテルオークヒルの食事

やっぱり芋煮でしょう

ホテルオークヒルの食事は朝夕とも1階レストランで。テーブル同士の間隔に余裕があるから「ぼっち」でもどうにか格好がついて居づらさはない。

夕食のメニューは宿泊プランによって変わる。自分は国産牛のすき焼きコースにした。せっかくだから地元山形牛のコースにすべきだったかも…経費節減(?)で1ランク落としてしまった…それでも十分満足したが。

山形といえば芋煮。きっと出てくるんだろうなと期待した通りに出てくれたのでよかった。なぜだか芋煮をずっと誤解していて、肉抜きの肉じゃがのようなものを想像していた。里芋だったのね。すまし汁で牛肉も入っているのか。へぇー。

そのほか、刺身・天ぷらなどひと通りのものがあったと思う。すき焼きが煮える前にそれらをつついていたらもうお腹いっぱいになってしまった。量は十分すぎるほどだ。もちろん味のほうもOK。

ウインター・ハズ・カム

朝食はあまり覚えていないが典型的な旅館の和食だった。食べながら窓の外を見て、小雨が降っているなと思ったら、見る間に雪に変わってびっくりした。


湯めぐりにもお得な宿

お湯・食事・その他の水準的に、1万円ちょっとで泊まれるというのはかなりお得ではなかろうか。

しかも、ここホテルオークヒルは老舗の吉田屋旅館の姉妹館とのことで、宿泊客は吉田屋旅館のお風呂を無料で利用できる。また蔵王の共同浴場(上湯・下湯・川原湯)も無料になる。旅程の都合でスルーしてしまったのは、もったいなかったかな。


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【参考:奥州三高湯】
山形の蔵王温泉・白布温泉と福島の高湯温泉は奥州三高湯と呼ばれ、名湯として評価が高い。