リノベ湯宿の源泉かけ流し風呂とお肉まつり - 秋保温泉 曽良一

秋保温泉 曽良一
仙台の奥座敷として知られる秋保温泉。秋保大滝を見に行く途中で通ったことはあるけど、温泉は未体験だった。たしかコロちゃんへの警戒が強かった頃、1軒のホテルで立ち寄り入浴を断られて「じゃあ秋保温泉はもういいや」とスルーしたのだった。

その後はなかなかタイミングが合わず、特に宿泊は全般に手が届かない相場感のイメージもあって避けていた。しかしこのたびの宮城遠征2泊目を検討するにあたって、ものは試しで秋保を調べてみたら、曽良一という旅館が自分の経済力で対応できそうだった。一人泊OKの空室もあってちょうど良し。今風にリノベーションした雰囲気の旅館であり、ちゃんと源泉かけ流しのお風呂を備えているのは推せる。

秋保温泉 曽良一へのアクセス

かなり余裕を持った計画

秋保温泉ともなればさすがに交通手段の面で難はない。仙台駅から秋保温泉行きの路線バスが出ている。それに大規模な旅館・ホテルが多く、もしそれらに泊まったなら宿側が送迎サービスを提供してくれることだろう。

今回は1泊目が鳴子で2泊目が秋保だった。東鳴子の勘七湯をチェックアウトした後、昼間は鳴子地域で湯めぐりするのも悪くなかったが、事前の計画段階では天気がわからない。大雪の可能性もあり得たし、それでJR陸羽東線が減便したり大幅遅延する世界線も想像された。なので朝イチ速攻で鳴子を離れる計画を立てていたのだ。

実際はむしろ正反対、暖かくて雪などない状況だったけど一応計画通りに行動し、在来線を乗り継いで正午すぎには仙台に着いた。AER展望テラスへ寄ってから、
AER展望テラスからの眺め
コーヒーショップで長めの休憩を取った。

秋保/里センターへ立ち寄るのもあり

その後は秋保方面行きの快速バスに乗車。こいつは仙台駅を出発したら秋保地区まで35分間ノンストップという有能な便なのだ。

曽良一へ直行するなら、仙台→秋保/里センター→薬師→秋保温泉湯元で下車すればいい。バス停のすぐ近くだ。もし時間があれば秋保/里センターへ寄ってみるのも一興。観光案内所・お土産売店・いろいろな展示・足湯(冬は休み)などを備えた道の駅的な施設である。ここから当宿までは徒歩10分。

自分は行きが宿直行、帰りに秋保/里センターへ立ち寄った。メイン館には秋保の里についての各種説明や展示あり。しかし記念に撮影したのは温泉むすめ・秋保那菜子ちゃん。
温泉むすめ 秋保那菜子
別館ではひなまつりの展示をやっていた。華やかなり。
ひなまつり展示
また、施設の裏手の遊歩道から磊々峡(らいらいきょう)を見学することができる。名取川が作った峡谷だ。結構深いね。
磊々峡
逆方向を見るとこうなっている。
磊々峡 その2
というような、行楽客が多く集まる大規模観光地・秋保温泉の中心部に曽良一はある。


モダンにリニューアルした旅館

ではチェックイン。オシャレでかっちょええロビーですね。館内は全般に元々あった旅館を今風にリノベーションしたような雰囲気が強い。※元は佐藤屋旅館という名前だったらしい。
ロビー
典型的なフロントというものはなくて、受付役のスタッフさんがロビーに立っていて必要な応対をしてくれる。精算やらがあればいったん奥に引っ込んで用件を処理してまた出てくるという寸法だ。

お土産コーナーとかビールの自販機とかは見当たらなかった(ソフトドリンク自販機は大浴場前にある)。全16室の規模でフロア面積はそれほど広くないから仕方ないか。

案内された部屋はたしか最上階。外観が5階建てだから5階だったのかな。一人泊には十分すぎる8畳+広縁和室。布団は夕食が終わった後に敷きに来てくれる方式。
曽良一 8畳客室
シャワートイレ、洗面台あり。金庫あり、水入りボトルとグラスを冷やした冷蔵庫あり、WiFi情報は見当たらず。客室もリノベーションされたのか、おなじみの和風旅館スタイルを残しながらもどことなく新しい感じがして、いい部屋に泊まってるなーという気分にさせてくれる。

室温調節はエアコンじゃなくて壁のダイヤルを弱・中・強に回すセントラル空調。弱でもあっという間に暖かくなる(なりすぎるくらい)ハイパワーだ。バス通りに面した部屋なので窓の外の景色はこんな感じ。向かいの大規模旅館が見えます。
窓から見える景色

曽良一にて秋保温泉を初体験

湯守のこだわりが垣間見える

曽良一のロビーにはイラスト入りで湯守のコメントを載せた張り紙が見られ、温度調整の工夫についていろいろ書かれていたと記憶している。源泉管理にこだわる姿勢が見られるお風呂なら期待できますな。

そんな曽良位置の浴場は1階。一方の端に「磊々の湯」、他方の端に「里の湯」という浴場がある。最初は磊々の湯=男湯で里の湯=女湯なのが21時をもって男女が入れ替わる。チェックイン後に一休みしてから磊々の湯へゴー。ダイニング広間を通り過ぎた先にある。

脱衣所には一般的な棚+かごが並ぶ。掲示されている分析書には「ナトリウム-塩化物温泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」と書かれていた。泉温52.2℃(使用位置で42.0℃)、PH8.0。夏は温度調整の加水あり、加温なし、循環あり、消毒あり。

オシャレな感じに作ってある磊々の湯

浴室は和スタイリッシュな雰囲気。オシャレなロビーを気に入ったのならこちらのお風呂場も気に入るでしょう。洗い場は5名分。岩風呂ぽいつくりの内湯浴槽は、リッチな気分でゆったり入ろうとするなら6名サイズだが、その気になればもっともっといける。

お湯は無色透明。浸かってみたら適温だった。使用位置で42℃とする分析書の記述からしてまあそうかなっていう温度。湯の花はほとんど見られず、泡付きもなし。お湯の匂いは最初の一瞬だけ甘い硫黄香を連想して「おっ、やるじゃん」と思ったら、以後は無臭になった。後述の源泉かけ流し風呂が無臭だったので最初の印象は単に気のせいだった可能性はあるとして、少なくとも塩素臭はしない。

全面ガラス張りの窓の向こうに露天風呂が見える。行ってみよう。こちらの岩風呂は浴場の2面の外壁(窓)に沿って細長いL字形をしており、横一列に並んで6名サイズ。お湯の特徴は内湯と同様で、外気で冷めるせいか内湯よりも若干ぬるい。でも適温の範疇だ。

塀に囲まれているため眺望はない。そのかわり竹庭風のデザインがうまいですな。夜は磊々の湯へ行ってないのだが夜間はライトアップ演出されていてもおかしくない。また頭上に屋根はあったかと思う。

里の湯は源泉かけ流し!

夕食後は21時まで待って里の湯へ。こちらは小さめの浴場2つからなり、どちらも源泉かけ流しを謳っている。専ら温泉のために遠征してきたおじさんとしては注目・注力したくなるね。2つある小浴場を位置関係から右浴場・左浴場と呼ぼう。21時すぎに行った際は右に2名ほど先客の気配があったため無人だった左へ。

脱衣所は磊々の湯に比べたら小さい。掲示されている分析書は磊々の湯とそっくり同じだった。加水・加温・循環・消毒がいずれも「なし」になっている点だけが違っている。

浴室は4名分の洗い場と4名サイズの長方形のタイル浴槽がコンパクトにまとまったつくり。お湯は(少なくとも外見上は)磊々の湯と変わらない。浸かってみたら…うおー熱い。こりゃあ熱いぞ。まあせっかく源泉かけ流しなんだし、と思ってしばらく粘ったところ、源泉が効きすぎたのか、出た際にくらっとめまいが。温泉成分により床が若干すべりやすい感もあるので転倒注意。

ぬるめでとても良かった里の湯・右

左浴場を短めに切り上げて、試しに右浴場を覗いたら無人だったので、これ幸いと右へスイッチ。こちらも分析書の記述は同じ。浴室は左よりもさらに小さめで洗い場は3名分、台形の浴槽は3~4名サイズ。しかし最も気に入ったのはここだった。なにしろお湯がぬるめだったから。ぬる湯派なので温度にウェイトをおきがちなのは許してほしい。

長めにゆっくり入れるのがうれしいですね。しかも翌朝トライした時には底付近がいっそうぬるくなっており、大好物のゾーンに入っていた。これだよこれ。うひょひょひょ(挙動不審)。

里の湯については、さっぱりというかすっきりというかシャッキリするような浴感が強かった。源泉かけ流しの字面を意識した脳が「情報を食っている」状態にすぎないのかもしれぬが、フレッシュな源泉が肌を通じて与えた感覚だと信じましょう。


幸せを呼ぶ曽良一のお食事

牛ステーキ将軍が率いる夕食お肉まつり隊

曽良一の食事は1階ダイニングのパターンと部屋食のパターンがあってチェックイン時に案内される。今回は朝夕とも部屋食だった。夕食を18時に希望して待っていると、ほぼその時間に運ばれてきたのがこちら。
曽良一の夕食
予約したのが肉料理のプランだったため、お肉まつりとなっております。前菜からして軟骨系のコリコリしたやつと鴨肉・チーズを豚肉で巻いて揚げたやつだ。刺身もちょっとある。もちろんこれだけのはずがなく、まもなくして3品+ご飯・お吸い物が追加された。
2種の牛ステーキ、フカヒレほか
今宵の主役を務めるのが牛ステーキ。塩わさび、または胡麻だれでどうぞ。仙台牛ともう一種のブランド牛が何だったか忘れてしまったが、ネットで調べると日高見牛みたい。とろけるように柔らかいのと歯ごたえしっかりのがあって、どっちがどっちかは不明。まあ両方とも超うまい。

根菜と鶏肉をあわせたやつに加えてフカヒレまであるし。うわー贅沢だなあ。幸せすぎて後々どこかで帳尻あわせの不幸が襲ってくるんじゃないかと心配になるほどだ。…心配をよそに幸せはまだ続く。
せり鍋
せり鍋だそうだ。中に鶏肉団子が入っている。いやーもう盛りだくさんの肉々しいメニューでお腹いっぱい。ササニシキを使ったというご飯はちょっとしか食べられなくて残念無念。これが帳尻あわせなのか?

なお、夕食後はドアノブに目印の札を下げておくと、しばらくして片付けに来てくれる。その後しばらくしてから布団を敷きに来てくれる。

朝は定番系でさっぱりと

朝食は希望した8時頃にやって来た。まず部屋の端に寄せていた座卓を中央付近へ戻すのに支障がない程度に布団を移動させ、座卓を移動させ、それから料理が運ばれた。
曽良一の朝食
おっ、なんかさっぱりしてて良さそう。秋保の源泉みたいですね、と無理やり結びつけてみる。前夜が肉々しいカーニバルだったから朝はこんな感じの定番系がちょうといいのでは。とろろと焼鮭があればご飯のお供にはお困らない。ちなみにご飯はササニシキから別のブランド米に変えているそうだ。なんだっけ、忘れちゃった…秋保米という地元で作ってるお米のような気がする。

食後はコーヒーを求めて1階ロビーへ。そこにコーヒーメーカーがあるのを事前にチェックしていたのだ。しかしすでにガラスサーバーは飲み干されて空っぽだった。や・ら・れ・たー。みんな目ざといなあ。もしや前夜のハッピーの帳尻あわせ?

 * * *

とってもエコノミーってわけじゃないけど、秋保温泉の中では手が届きやすい宿だと思う。特に一人泊だとその感が強い。100%完璧とは言わないまでも、しっかりリノベーションされていて居住性は良し。巨大な高層ホテル・旅館よりは小規模な方が落ち着くという人に向いている。今回のお肉づくしに限らず料理は満足いく水準だと思うし、お風呂もシャレていたり源泉かけ流しだったりでいいんじゃないかな。


おまけ:仙台城跡の見学

チェックアウト後は秋保/里センターへ寄り道しつつ仙台駅に戻り、すぐさま仙台城跡へ向かう。るーぷる仙台という市内循環バスは積み残しが出るくらい混んでいたため地下鉄で国際センター駅まで行って20分歩いた。結構な上り坂で疲れちゃった。

苦労の甲斐あって伊達政宗公とご対面。ベタな観光地だけど来てみたかったんだよね。
仙台城跡 伊達政宗公騎馬像
高台ゆえに市街地を展望できる。あれは広瀬川か。広瀬川〜流れる岸辺〜♪
仙台城跡から市街を望む
想い出は帰らずともおじさんは帰らきゃいけない。最後に護國神社を参拝しまして、
宮城縣護國神社
今度は国際センター駅まで坂を下る。膝が笑っちゃうよ。こうして瀬音ゆかしき杜の都を後にしたのであった。