前回の群馬遠征と同じメンバーで今度は山梨へ行った。季節はもうすっかり晩秋。現地の紅葉は終わっちゃってる可能性が高いだろうな。ぬる湯好きの一同だが、ぬる湯王国山梨であれば行き先の候補には事欠かない。いろいろ検討した結果、自分にとっては初訪問の場所ばかりとなり、新規開拓が捗ることなってありがたい。
1泊目の宿は南アルプス市芦安温泉の岩園館だ。前から気になる存在だったものの一人泊にはちょっとハードル高い感じがしていたから、ちょうどいい機会といえる。源泉かけ流しのお湯が良かったなあ。露天風呂は「ぬるめ」と「とてもぬるい」があり、季節的に前者がちょうどぴったりだった。
芦安温泉 岩園館へのアクセス
大渋滞を耐え忍び
前回群馬と同じメンバーの愛車で向かう。日程面を考えたらどうせ渋滞に巻き込まれるとわかっていたので、初日は観光の予定を入れず、旅館に到着したら終わりでOKくらいのつもりで朝はゆっくり出発。案の定、中央道は渋滞真っ盛りだった。進まねー、全然進まねー。
渋滞を抜けてようやくたどり着いた談合坂SAでは、なんとか空きを見つけて駐車できたからいいものの、あやうくあきらめて素通りせざるを得なくなるところだった。当然フードコートは大混雑。外の出店で焼きおにぎりを買い食いしたのが遅めの昼飯となった。
以後は順調。甲府南ICを出て下道を走っていたら、いつの間にか環状道路という無料高速道路みたいなところを走っていた。すごい便利じゃん。すぐに中部横断道南アルプスICまで来ちゃった。あとは御勅使川に沿って県道20号(南アルプス街道)をしばらく走ると芦安の集落に着く。
千段の滝見学は…なしよ
集落の中心を過ぎて道が細く・上り勾配が急になった先に当館が現れた。
近くには瀬戸千段の滝遊歩道がある。三段の滝→覗きの滝を経て千段の滝展望デッキまで15分。行ってみるかという話も出たが、遊歩道を埋め尽くす落葉が深くて難儀しそう。やっぱりやめました。
ちなみに遠方から鉄道で行く場合、まず甲府駅から路線バスで御勅使まで行くと、あとは要連絡で旅館の送迎サービスがあるみたい。バスの本数には注意。
夏季登山シーズンには甲府駅から広河原まで行く登山者向けバスが芦安を通る(岩園館前にもバス停が設置されているのを見た)。ただしちゃんと理解してないので話半分でお願いします。詳しくは自身でお調べを。
アットホームでレトロな雰囲気を残す旅館
本館と東館がある
ではチェックイン。フロント前のビールなどを収めた冷蔵ケースやロビーの方向を眺めるとこうなっております。
フロントのカウンター下には甲斐犬の写真が。ここで飼ってる(飼ってた)のかな。実際に目にすることはなかった一方、猫ちゃんがのそのそと歩くのは見た。※警戒されてすぐ逃げちゃったので交流できず。
決して小規模ではないが、どことなく家族経営的でアットホームな雰囲気を感じるし、昭和レトロな要素も残っている。露天風呂へ通じる1階廊下には南アルプスの山々に関する説明や芸能人・有名人のサイン色紙が飾ってあったりする。
建物は玄関やフロントのある本館と食事処のある東館、そして露天風呂棟からなる。館内にエレベーターはない。
御勅使川の見える広い部屋
案内された部屋は本館2階の角部屋で10畳+10畳という十分すぎる広さだった。こいつはありがてえ。布団は最初から敷いてあった。
リビング側の10畳がこちら。金庫あり、空の冷蔵庫あり、WiFiあり。
室温調整はヒーターと扇風機で。クーラー機能を提供するエアコンは見かけなかったな。夏でも涼しい地域なんだろう。室内にシャワートイレが付いてる反面、洗面所はなくて共同のステンレス流し台式のやつを使う。最初の入室の際に浴衣のサイズを尋ねられ、備え付けの標準サイズに合わない人の分をあとで持ってきてくれた。
窓の外の景色がこちら。御勅使川と紅葉の残る山が見えていい感じ。
飲泉もできる良質の源泉をかけ流し
カランのお湯も温泉です
岩園館の大浴場は内湯と露天風呂が別々の場所に分かれている。内湯は本館2階。我々の部屋から近くて便利だった。途中の廊下には温泉卓球のできるコーナーあり。
手前が男湯・奥が女湯で時間による男女入れ替えはない。脱衣所には一般的な棚+かご。分析書によれば「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉、アルカリ性、低張性、高温泉」とのこと。泉温43.7℃、PH9.26。カランのお湯も温泉です、なんて張り紙もあったな。
浴室に洗い場は6名分。カランから出てくるお湯はたしかに温泉だった。たぶん温泉だと思う。温泉なんじゃないかな…ま、ちょっと覚悟はしておけ。正直なところ自分には判断つかなかったけど、お湯の当たりが柔らかいような気はした。
一般向け普通な温度の内湯
奥に5名サイズの内湯浴槽がひとつ。清澄な無色透明の湯がダラーっとあふれてオーバーフローしている様子から循環じゃないだろうし、加水・加温・消毒もしてない源泉100%かけ流しと思われる。なぜなら岩でできた湯口にコップが置いてあって飲泉できるようになっていたからだ。試しにちょっと飲んだら、わりと普通にいける味。
浸かってみると適温。熱すぎることはない。湯の花や泡付きは確認できず。匂いは微かに石膏臭が感じられた。いいんじゃないでしょうか。露天はぬるめなので、ぬるくないのが良い人はここが一番合うと思う。ぬる湯派の自分は夕食前とチェックアウト直前にそれぞれ短時間利用した。
あと誰得情報を加えるならば、現在の湯口の反対側にも人工的に壁から生やしたような、滝のようにドボドボと落とすタイプの湯口が取り付けられていたが、お湯は出てなくて枯れていた。
ぬるめの心地よき露天風呂
東館を抜けて奥の棟へ
夕方第1弾・第2弾と夜、そして翌朝起床後には露天風呂へ行った。夕方第2弾だけは黄昏時の独泉という状況が熊出没妄想を膨らませてしまい15分で出たが、ほかは仲間がいたおかげで50分~1時間の長湯をした。
本館から露天風呂へはまずこのような屋外通路を通って東館に移る。
東館へ入ったところにあるロビー兼湯あがり休憩所がこちら。
すぐに階段で2階へ上り、再び屋外通路を通る…夜になるとクリスマス電飾風のライトアップあり。通路の先が露天風呂棟で手前に女湯・奥に男湯。男女入れ替えなし。
季節によっては人気爆発しそうな下の湯(仮称)
脱衣所から露天エリアへ出ると、かけ湯コーナーに2名分の洗い場。そして岩風呂が2つ。仮に上の湯・下の湯と呼ぼう(実際そんなに高低差があるわけではない)。上の湯には湯口があって内湯と同様に飲泉コップが置かれている。
下の湯には湯口がなく、上の湯との仕切りに空けられた隙間を通じて上の湯からお湯が少しずつ流れ込むようになっている。この構造からして上より下の方がぬるくなっていると予想されたし、実際その通りだった。
まず下の湯にトライしたところ「とてもぬるい」ため、気合を入れて&時間をかけてゆっくり肩まで浸かる感じになった。いくらぬる湯派といえども晩秋の屋外でこれは厳しい。
晩秋にはベストのぬるさだった上の湯(仮称)
次に上の湯にトライしたところ、こちらは一瞬だけ「普通の適温かな?」と感じた後はすぐに慣れて、ぬる湯レンジ上限くらいのぬくぬくした快適感覚になった。熱さを感じずのぼせないから連続何分でも浸かっていられる。なので結果的に上の湯ばかり入ることになった。
お湯の特徴は内湯と一緒で石膏臭の主張がより強くなっている。思わず何度もくんくんと嗅いでしまう。湯あがり後の肌のスベスベ感および体の芯から温まるポカポカ感といい、浸かっている間にウトウトと眠気に誘われる魔力といい、こりゃあ大変結構なお湯ですな。
真上は屋根が覆っていて周囲はぐるっと岩が配置されているけど眺望はそれなりにある。それらの岩には白い析出物が塊になってこびりついており、温泉力の確かさを物語っていた。
登山の猛者をも満足させるであろう、たっぷりのお食事
ボリューミーな夕食にギブアップ(自己防衛本能)
岩園館の食事は朝夕とも東館1階の大広間にて。露天風呂へ行くのと同じようにして東館に入ればすぐだ。各テーブル席は十分に間隔を取ってあり他客の存在は気にならない。
夕食のスターティングメンバーがこちら。一気出しだからとはいえボリュームに圧倒される。
魚の刺身、馬刺し、川魚の塩焼き、天ぷら、すき焼き鍋…単体で主菜になれるやつらがずらっとお出ましだ。こういう旅館飯を期待して来ているので歓迎するし、実際喜んでいただいたのであるが、ビールで胃が膨れたこともあって一部を残す羽目になった。悔しいです。
締めのご飯も「少なめで」とお願いすべきだったな。普通に盛られて結局残しちゃった。日本人として米を無駄にするのは大罪なわけで、闇のカルマポイントが上昇してしまう。今後どこかで報いを受けることになるだろう…熊との遭遇だけはやめてほしい。
しかし、膨満感の苦しさで動けなくなる前にギブアップしたおかげで夜の入浴へ行けた点については、これまでの失敗談が生かされたといえよう。ただでは転ばん。
朝はしっかり完食できました
朝食も同じテーブル席で。重箱風のフタを取ったら多彩な品がグッドモーニング。
湯豆腐は旅館飯の定番ですね。ウインナーの隣りにある「朝からハンバーグ?!」と思ったやつは、あるメンバーによると豆腐ハンバーグとのことだったが、自分の舌では豆腐ベースだと認識できなかった。違いのわからない男。
これだけのおかず群が揃っていればご飯が進む。しかし当然のごとくおかわりせず。朝はそんなに受け付けませんので。それでも昼抜きで大丈夫なくらいだった。考えてみたら南アルプス連峰の玄関口にあたる場所の宿だから登山客も多いだろう。体力モリモリな健脚自慢の客であれば朝夕ともペロリとたいらげてしまうのかもしれない。
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ぬる湯好きの観点からみても、湯質そのものをみても、すぐれた温泉だった。露天風呂の「下の湯」にほとんど入れなかったのは残念だが(根性なしの自分が悪い)、もう少し暖かい季節ならいいだろうし、いっそ夏であればベスト湯船に躍り出る可能性がある。普通に再訪ありな宿だし、季節を変えてまた来てみたいですね。













