山梨県南アルプス市には「樹園」という市営の温泉がある。温泉以外に宿泊施設・研修室・資料館・天文台・BBQ場・テニスコートも備えた総合施設だ。晩秋の山梨グループ旅行の1泊目が南アルプス市であり、2泊目も同県内の近い場所だったから、昼の時間にかなりの余裕があった。そこで樹園に立ち寄り湯しようということになった。
樹園に行こうとしたもうひとつの動機は、我らぬる湯好きが喜びそうな低温風呂があるという情報を入手していたからだ。長い時間まったり浸かっていればリラックスできて気分がいいし、ちょうどいい時間稼ぎにもなる。そして目論見通り、ぬるい温泉で至福の時を過ごしたことに加え、湯口付近では泡付きが強いなど良好な特徴も確認した。
南アルプス市営温泉「樹園」へのアクセス
紅葉を求めて御勅使南公園へ
南アルプス市コミュニティバスが樹園にバス停を設けているようだが、あくまで市内循環的なルートであり、便数の面からも旅行者向きではない。甲府駅から向かうなら御勅使行きのバスで野牛島下車。あとの1kmちょっと・15~20分は徒歩で。
我ら一行は芦安温泉岩園館をチェックアウトした後、まだ紅葉が残っているかもと期待して御勅使南公園へ車を走らせた。ラグビーグラウンドそばの駐車場から散策スタート。いきなり真っ赤な葉っぱが見えてきた。
黄色と赤が混じっているところもある。これはいいんじゃないか。と思ったらピンポイントで鮮やかなところはあっても園内全般でいうと終わりかけだった。
起点からすぐハーブ園に続く。種類とかは全然わからないけど、それなりに開花している。
御勅使川に沿って作られた公園だから川沿いに出ることもできる。遠くに八ヶ岳が見えますね。
入浴前にほどよく運動しちゃった
川沿いに歩くこともできるが、メインのコースは下のような森林ゾーンの中を延々と歩く。最初の駐車場から2kmくらい歩いたんじゃないか。川の上流に向かっているため、わずかながらも上り基調であり、思ったより疲れた。
ついに公園の端までたどり着いた。だがこれで終わりじゃない。イチョウ並木が見られるとのことで、橋を渡って川の対岸へ移動。しかし残念ながらすでに散っていた。仕方ない、対岸から御勅使川と富士山のシルエットを撮影して戻りましょう。
帰りも2kmほど歩いて結構な運動量になった。これで温泉に入ればちょうどいいじゃないか…樹園には車で5分くらいで着いちゃった。敷地内の八田ふるさと天文館の前が駐車場になっている。天文館には入ってないからノーコメント。
さあ風呂だ。お楽しみのぬる湯タイムだ。
湯使い良好、かつ3種の温度設定でみなハッピー
公共施設ぽい雰囲気
入浴料は750円。下足箱は100円リターン式の鍵付きロッカーだったかと思う。小規模ながらお土産コーナーもございます。
湯あがりにちょっと休憩できるロビーがこちら。民間というより市営の雰囲気が感じられる。
大浴場への廊下を進む間に宿泊部屋が集まったらしき区画も見えた。中は見えずドアの並びだけが目に入ったが、やっぱり研修所とか公民館を連想させた。
脱衣所には鍵付きロッカーが並ぶ…100円必要だったかどうかは忘れた。分析書をチェックすると「ナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉、低張性、弱アルカリ性、温泉」の泉温35.7℃、PH8.1。加水なし、加温あり、循環なし、消毒あり。
まず現れるのは高温風呂
浴室は大きく2室からなる。まずはカラン5台+高温風呂室。浴槽は4名規模。お湯は無色透明と思われる。薄緑に見えるのはタイルの色でしょう。温度は42℃前後に設定されているようだ。軽く手だけを入れてみたら、まさしくそれくらいの熱さ。
この高温風呂を一般人が評価するなら、決して熱いわけではなく好適ということになるのだろうが、自分にとっては好みの温度じゃないのでパス。
高温風呂室から奥へ進むと、短い通路ぽくなってて休憩できそうな中庭が見える。その先が中・低温風呂室になっているのだ。
ぬるめの中温風呂と泡付き強めな低温風呂
中・低温風呂室はカランが6台。手前に5~6名規模の中温風呂。こちらの温度設定は38~40℃。おお、熱すぎなくていいんじゃないの。浴槽のつくりやお湯の見た目は高温風呂と同じ。ここなら十分に満足して長く楽しめそうだ。だが実際は最後あがる直前に数分浸かるだけの利用に留まった。
なぜなら、その隣にある低温風呂にすっかり沼ってしまったからである。大きさは中温風呂と同じくらい。温度設定は35~37℃だから非加温か、ほんのちょっとしか加温してないんだろうね。まさに不感温度というやつで、熱くも冷たくもないお湯は忍者のように気配を隠し、ただ身体の浮遊感だけを残す。それが妙に心地よい。
湯の花なし。泡付きもないかなと思ったら、別のメンバーが湯口付近は泡がすごいよと勧めてきた。そこで湯口のそばへ移動してみると、たしかに泡付きが一気に強まった。へー、こりゃすごい。腕も足もアワアワ。なんだか得した気分。匂いは無臭に近い中、なんとなくそれっぽい温泉臭の要素も若干。
低温風呂で過ごすハッピーアワー
他客の姿をほぼ見かけず、いても中温と高温に利用が偏っていたので、低温風呂で思い切り長湯させてもらうことにした。お湯の中でただじっとしているだけでもハッピーアワー。散策で歩いた疲れもあったのか、不感温度の心地よさにだんだん意識がボーッとしてきて、夢とうつつを行ったり来たり。これがぬる湯の醍醐味だ。やめられませんな。
町の銭湯だと浴室の壁に富士山の絵が描いてあったりするけど、ここにはハワイ(?)の浜辺が描いてあった。またガラス窓の向こうには散策の最初に遭遇したような真っ赤な紅葉が見えた。
無限に入り続けられそうな勢いで約1時間、低温風呂で至福の時を過ごし、最後に中温風呂で軽く締めてミッションコンプリート。市営でこんなナイスなぬる湯を提供してくれるなんてうらやましい。南アルプス市万歳ってことで。
おまけ:縄文土器がいっぱいのふるさと文化伝承館
入浴後、次の宿へ向かうにはまだ早すぎるので、敷地内の「ふるさと文化伝承館」を見学することにした。入場無料。
2階では縄文土器を展示していた。国指定重要文化財「鋳物師屋遺跡出土品」とのことだ…この分野は完全に無知なのでノーコメント。
たくさんあります。間近で見られます。
1階はもっと新しい時代の治水・利水の歴史がテーマ。1階2階をあわせてもそんなに広いわけじゃないが、いろいろ見ていると思ったより時間が経っていた。次の宿へ向かうのにちょうどいい時間になってきたかな。
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