アクティビティー派の湯宿の酸性泉 - 岳温泉 マウントイン

岳温泉 マウントイン
秋の福島遠征では二本松市安達の旅館に泊まった。翌日は本降りの雨。外を歩き回るような観光は避けたい。節約のため在来線を乗り継いで帰ることに時間を費やす案もあったけど、それもなんだかなーって感じ。

二本松といえば、安達太良山の方に行けば有名な岳温泉があるじゃないか。かなり昔に1回、現在のように温泉に興味を持つようになってから1回、それぞれ泊まりで訪れている。

日帰り入浴に対応している施設がどこかしらあるはずだから行ってみるか。雨がひどいから露天風呂はなくていい。内湯だけでOK。と思って調べてみると「マウントイン」というアクティビティー好きな人向けの宿が見つかった。お湯はさすがの岳温泉クオリティーで良し。

岳温泉マウントインへのアクセス

いろいろ考えちゃって…

岳温泉を選んだのには季節への考慮もある。これから秋を越して冬に突入していくと、雪や凍結を気にして北の方・山の方・日本海側には行きづらくなる。そんなこと言ってたらスキーも雪見風呂もできなくなっちゃうけどね。冬の行動範囲の狭さは毎年課題ではあるのだが、身についた思考パターンを変えるのはなかなか難しい。

冬~早春にかけてはどうしても伊豆・湯河原・房総、あと天気次第で箱根・甲府・常磐に限られてしまう。それらの温泉は無色透明湯か黄褐色~烏龍茶色の黒湯くらいでバリエーションに乏しくなる(それが悪いわけじゃないが…)。硫黄系の濁り湯はない。例外は箱根の一部いわき湯本くらいか。

なので今を逃すと少なくとも春まで数カ月ご無沙汰になるであろう硫黄系濁り湯に入っておこうと考えたわけだ。

※その後、冬でも行動範囲を狭く限定しすぎないようにもっとチャンレンジしようと決意し、あれこれ試しているところ。

雲の中の温泉街

宿泊先の智恵子の湯をチェックアウトして安達駅からJR東北本線で隣の二本松駅へ。霞ヶ城公園で菊人形まつりをやってるみたいですね。あいにくの天気で残念。
二本松駅の菊
二本松駅から路線バスに乗って25分ほど、終点の岳温泉で下車。そもそも駅付近の平地の時点で安達太良山が雲の中に隠れて見えない状況だったが、バスが山の中腹へ向かって登っていくにつれ、車窓の景色も白く霞んできた。雲の中へ突入しつつあるな。岳温泉に着くと完全に霧の中だった。そして雨はより強く降っている。
岳温泉のメイン通り
この雨では温泉街を散策する気にならない。加えてもうひとつ別の野望を抱えていたためスケジュールにも制約があった。70分後のバスで二本松駅へ戻らなければならなかった。熱めの岳温泉で長湯することはないだろうけど、あまりのんびり過ごしてもいられない。

マウントインは上の写真のメイン通り沿い。バス停からダッシュすればすぐだ。本降りの雨でも傘なしで強行突破できる。やってやったぜ。


まろやかになった酸性泉を楽しめる

いかにもアクティビティー好き向けの宿

では入館。フロントで日帰り入浴の旨を告げて料金をお支払い。700円。館内の雰囲気は昔ながらの和風旅館とは違うし、洋風ホテルとも違う。まさにアクティビティー好きな客層に振ったんだなという感じ…うまく言い表せないが。カフェ&バーはこちらでございます。
カフェ&バー
その隣は温泉宿にあるなんて予想もつかないドライブシミュレータールーム。なんだろう。気になるなあ。しかし今は温泉に集中だ。
ドライブシミュレータールーム
こんな空間もありました。とにかくアクティブだ。
登山関連?の空間
奥へ進めば湯あがり休憩コーナーやキッズルームもある。大浴場の手前にはコインいらずのロッカーがあって利用させてもらった。ただし一部は鍵がきちんと機能していなくて使えない。

ふだんのお湯は半透明、特別なミルキーデイに白濁する

脱衣所で分析書をチェックすると「酸性単純温泉、低張性、酸性、高温泉」と書かれていた。泉温54.5℃、PH2.4。岳温泉だし、特に書いてなくても加水・加温・循環・消毒なしでしょう。

源泉の湧出場所についての説明も掲示されてて、詳しくは忘れちゃったけど、安達太良の鉄山直下から8kmをずーっと引湯してきてる。その間にまろやかな湯になるというのは過去にどこかで読んだ通り。

浴室に入るとかけ湯槽や水風呂らしき小さな浴槽が計3つほどあったものの全部空っぽ。その奥に「熱めの湯」と書かれた高温浴槽。ここはあとで入ってみよう。

左に折れるとメイン空間。「ぬるめの湯」と書かれた主浴槽に6名分の洗い場だ。主浴槽はL字の形をしており、向かい合わせなしで8名ほどのサイズ。中を覗き込むと完全な濁り湯ではなかった。浴槽の底がわかるくらいの半透明だった。そういえば以前ご当地の宿(陽日の郷あづま館)に泊まった時もそうでしたね。うっかりしてた。

ただし後日の調べによると、源泉の引湯パイプに湯の花が詰まらないように落とす作業をする日=ミルキーデイには、削ぎ落とされた湯の花が大量に混じって見事な乳白色の濁り湯になるんだとか。へー。

適温でゆったり入れる主浴槽

とにかく入ってみよう。ぬるめの湯とはいっても普通に熱い適温。若干白っぽい半透明の湯の中には白い粒状の湯の花がたくさん舞っている。ミルキーデイじゃなくても多いな。諸々の状況から硫黄系なのは間違いないはずなんだけど露骨なタマゴ臭はしない。もっと控えめな、やさしい感じ。

また酸性泉だからピリピリ刺激がくるかといえばそんなことはない。肌への当たりはむしろ良い。長い距離の引湯でまろやかになるというのはこういうことなんだろうか。各地にある温泉は中性~アルカリ性が多くて、酸性泉は珍しい印象だから、まろやかな浴感で入りやすい=すなわち貴重な機会にしっかり堪能できるわけだから好都合。

湯口からの投入量はまあまあ。温度を抑えるためか、いったんボウル状のくぼみに滞留してから流れ込んでくる仕掛けみたいね。あふれたお湯は浴槽奥側の縁の切り欠きから流れ出るようになっている。バッチリかけ流しですな。

恐れすぎなくていい高温浴槽

さあて、高温浴槽にも入るか。45℃という怖い数字が見えるぞ。思い切って浸かってみたら思い切り熱い。しかし45℃の数字から想像される激しさはなく、痛いほどの刺激は感じられない。もちろん長く入ることはできないが、意外と大丈夫だった。

基本的には主浴槽と同じ特徴。心持ち、ワンノッチ、濁りが強いかなという気がしなくもない。湯船の目の前には避難シェルター=クールダウン休憩用の椅子が置かれている。活用させてもらいました。

主浴槽→休憩→たまに高温浴槽→長め休憩の繰り返しで50分近く経過したところでさすがにもう十分。バスの時間も気になるし、潮時とした。脱衣所を出たら安達太良のおいしい水サービスを見つけたから飲んでみた。あーうまい。
安達太良のおいしい水
今回の訪問で様子がわかったマウントイン。素泊まりか朝食のみプランで良ければ(地元のお店と提携した夕食プランはある)、一人泊OKだしリーズナブルだし、いいかもしれない。温泉もアクティビティーのうちだと思えば自分にも泊まる資格はあるかな。


おまけ:おじ3/怒りの郡山

岳温泉の後は、もうひとつ別の野望に向けて行動開始。ところが自分じゃどうにもならない外的要因のトラブル発生によってあっけなく頓挫。途中の郡山まで移動したところで行動を続ける意味がなくなってしまった。あーちくしょー。

この怒りを紛らわすには野望のためだった予算を流用し、うまいものを食べて飲むしかないと、早めの夕食を兼ねて駅ビル内の飲食店へ。会津のものが売りみたいだから馬刺しを狙ってみたところ、お品書きの値段を見たら怖くて泣いちゃった。じゃあ酒菜セットを注文。
酒菜セット
ビール1杯じゃ足りないぜ。調子こいて日本酒を追加。最後の十割そばまで完食して怒りは鎮まった。ミルキーデイの岳温泉のようなそば湯が引湯(咽頭)を経て、気持ちがまろやかになりました。