源泉ぬる湯にバンザイ当たり温泉 - 磐梯熱海温泉 霊泉元湯

磐梯熱海温泉 霊泉元湯
夏が終わらない・いつまでも暑いと嘆いていたら、いきなり涼しく…いや寒くなった。しかしぬる湯の探求は終わらない。今回は福島県磐梯熱海温泉の共同浴場「霊泉元湯」を体験するのが主テーマ。以前この地を訪れた際に立ち寄りそびれちゃったので忘れ物を取りに行こうというわけだ。

結果的に磐梯熱海温泉で宿泊することはなかったから、本当に霊泉元湯のためだけに郡山から往復した感じになったけど、そうするだけの価値があるすぐれたぬる湯であった。熱めの加温槽もあるので温冷交互浴を堪能することもできる。スケジュールの都合で1時間ほどの入浴となったが、それじゃ短いと感じられるほどで、まだまだ入り続けられる勢いだった。

磐梯熱海温泉 霊泉元湯へのアクセス

磐越西線の盛況ぶり

霊泉元湯の最寄り駅はJR磐越西線の磐梯熱海。東京方面からだと郡山で乗り換えて20分ほど。新幹線を使えば体感的にわりと近い。磐梯熱海駅からは徒歩数分、すぐ着いちゃう。多少の雨なら傘なしで強行突破も可能だ。

てなわけで新幹線で郡山まで来た。乗り換えのため磐越西線のホームへ移動し列車に乗り込むと…うわあー、すっごい混んでるー! 地元利用だけでなく旅行者風情がかなり交じっている(自分もだけど)。座れないばかりか、収まりのいい立ち位置もなかなか確保できない様子。

2両編成だから仕方ないか。そういえば磐梯熱海に以前行った時もやたらと混んでいたなあ。旅行者が乗るような時期・曜日・時間帯はいつもこんなものなのかもしれない。ちなみにインバウンドが多すぎて、ってわけではない。大半は日本人である。

裏路地風の場所にひっそりと

通勤ラッシュは言い過ぎにしても、高い乗車率のまま磐梯熱海に到着。
磐梯熱海駅のホーム
改札を出ると温泉むすめ・磐梯熱海萩ちゃんが小さくお出迎え。
温泉むすめ 磐梯熱海萩
駅ロータリーには足湯コーナーがある。つねに人がいるため直接にカメラを向けるのは遠慮した。通り過ぎてから振り返って撮影するとこんな感じ。右手の建物が足湯コーナーだ。
磐梯熱海駅ロータリーと足湯コーナー
この撮影位置からY字に分かれる道を左へ進むとすぐに「元湯」の建物が現れる。ここかー。
霊泉元湯と間違えた建物
いや違うみたいだぞ。閉鎖されちゃってるし。正解はこの右側にある小路へ入ると見えてくる(冒頭写真)。最もわかりやすい行き方は、駅を出たらすぐ左手の線路沿いの道=湯けむり緑地に沿った道路を進むことだ。こちらが湯けむり緑地でございます。
湯けむり緑地
看板の出ているところを右折すると、このような場所を通る。背後にちらっと見えている4階建ての建物は、初めて当地を訪れた際に泊まった紅葉館きらくや
霊泉元湯の裏手
で、角を曲がれば到着。自分のケースとは反対方向からアプローチすることになる。
霊泉元湯に到着

いくらでも長湯できちゃうぬる湯

レトロ感のある共同浴場

入館してすぐの受付で入浴料をお支払い。600円。ここで靴を脱ぎそうになったが、正解は靴のまま右手の(隣の建物へ移るような感じで移動してから)階段を上がる。昔の写真や温泉の由来なんかが掲示されているから見ておこう。

手前が男湯で奥が女湯。脱衣所には一般的なかごタイプのほか、鍵付きロッカーもある。2種類の分析書が掲示されていて「アルカリ性単純温泉、低張性、アルカリ性、高温泉、泉温47.2℃、PH9.3」と「アルカリ性単純温泉、低張性、アルカリ性、高温泉、泉温29.5℃、PH9.0」だった。

前者が市営泉という源泉で、おそらく後述の小浴槽に使われているのがこっち。後者は市営泉に保護組合泉および元湯源泉という源泉を混合したもので、ぬる湯として有名な大浴槽に使われているのがこっちでしょう。市営泉が加温・消毒ありなため、大小浴槽とも加温・消毒ありということになる。加水・循環なし。

主役の大浴槽のお湯がクオリティ高い

浴室内に洗い場は1名分のみ。「こちらは元湯源泉です」という札があることから、カランのお湯も源泉なのだと思われる。石鹸やシャンプーは置いてない。浴室中央には主役のぬる湯大浴槽があった。真四角に近い形で向かい合わせに8~10名入れるサイズ。

お湯は無色透明で湯の花は意識されず。泡付きは最初のうち気づかないのだが、長湯しているうちに腕のあたりに細かい泡が付着するようになった。匂いは硫黄を連想させる甘い香りをうっすらと感じる。尖ったところがなく万人向き、それでいて本格温泉の特徴をしっかり有しており、消毒の塩素臭など微塵も感じない。いいお湯ですな。

ぬくぬく系でなくクール系のぬる湯だけど寒気を感じてひるむほどではない。むしろとても心地よい。3本の源泉をうまく混合してちょうどいい塩梅の温度にしているのだろう。

3種類の源泉を程よく混合したぬる湯

パイプ式の湯口が3本あるのは、それぞれの源泉に対応しているんじゃないか。1本目は壁から真横に突き出した細いパイプから冷たい源泉をドボドボと落下させている。こいつが元湯源泉かな。2本目は黒いパイプがお湯の中へ突っ込まれて勢いよく源泉を噴出させている。浴槽内のお湯全体と同じくらいの温度だから、こいつが組合泉かな。そして3本目が太いパイプ。お湯の中の終端部から熱い源泉がジュワーッと流れ込んでいる。こいつが市営泉でしょう。

なので陣取る位置が湯尻なのか、湯口付近ならどのパイプの近くなのかで体感温度が微妙に違ってくる。湯口付近は人気があって埋まりやすいけど好みに合わせた位置を狙ってみるのも良し。自分は平均的に混合された温度が気に入って主に湯尻付近を狙った。

大浴槽は深めで、入浴する人の体格によっては、お尻を底にペタンとつけて座るとアゴ上までお湯が来てしまう。なんとなくだが湯尻の方が若干浅くて姿勢を保ちやすい気がした。

小浴槽との交互浴を試してみよう

まあとにかく気持ちのいいお湯で、10分どころか30分、なんなら1時間でも入り続けられるだろう。しかし隣に見える小浴槽との交互浴を試してみたくなるのが人情ってもの。小浴槽は3~4名サイズで深くはない。お湯の見た目は無色透明で一緒だけど浸かってみると明らかに熱め。ちょっと入れば十分に温まる。湯の花・泡付き・匂いの面に目立った特徴なし。

小浴槽に数分入ったらまた大浴槽へ戻る。うーん、すばらしい。浴室と脱衣所を隔てる透明ガラス戸越しに脱衣所の時計をチラチラ確認しつつ…予定の列車を乗り過ごすとダメージでかいからね…まだいける・まだいけると交互浴やぬる湯そのものを堪能したのであった。

最後に小浴槽で軽く締めて1時間の入浴タイム終了。あー、スケジュール都合さえなければまだまだ入り続けてたなー。地名は磐梯熱海なのにぬるい霊泉おそるべし。