ノスタルジックな町並みの濃ゆ〜いお湯 - 俵山温泉 白猿の湯

俵山温泉 白猿の湯
山口遠征で長門湯本温泉まで来ていたおじさん。そこから車で20分くらいのところに俵山温泉があった。いい機会だからまとめてクリアしちゃいますかね。俵山温泉は長門湯本・湯田・川棚とともに防長四湯に数えられる由緒正しき温泉地だ。

事前調査によれば、俵山温泉街の中で内湯を持っている旅館は稀で、基本的には共同浴場を使う外湯文化が残っているとのこと。ノスタルジックな町並みも見どころらしい。なるほど。

共同浴場には「町の湯」「白猿の湯」があり、どちらも観光客を受け入れているが、旅行者がふらっと気軽に入りやすそうに思えた白猿の湯を利用した。ぬるめの浴槽があったのは良し。源泉かけ流しの効き目の強いお湯だった。

俵山温泉 白猿の湯へのアクセス

路線バスあり、車なら温泉街入口に駐車場あり

JR美祢線の長門湯本駅に着きさえすれば、当駅~俵山温泉を通るバス路線に乗り換えればいいけど、美祢線が代行バスで運行されていたりで状況的にちょっと読みにくい。だったら、山陽路から来るのであれば下関か小月駅から、下関~小月~俵山温泉を通る大泊行きバスでいいかも。本数は1~2時間に1本あるし。山陰路からであれば長門市駅から逆方向:長門市~長門湯本~俵山温泉を通る下関行きバスになる。

自分は宇部空港でレンタカーを借りていた。旅の2日目に長門湯本温泉・恩湯へ立ち寄り入浴し、入浴間隔を空けるためにちょっくら休憩してから、さあ俵山へ向かいましょう。しつこく降り続いた雨もようやくあがりそうだ。

カーナビの指示にしたがって県道34号を進む。つづら折りの坂道を登りながら、ふと横を見ると高速道路みたいな直線道路があるんですけど…こちらが苦労して越えようとしている峠をトンネルであっさりとぶち抜いている様子がカーナビの地図にも示されていた。そっちで良かったんじゃないの?

損したんだか得したんだか。ちなみにその高速道路は翌日利用することになる(無料だった)。とにかくも無事に俵山温泉へ到着。温泉街の道路は狭そうだったから、無理に進入せず温泉街入口の無料駐車場に止めた。隣は熊野神社。
俵山温泉の熊野神社

ノスタルジックな町並みを歩く

駐車場から白猿の湯までは徒歩3分。たしかにノスタルジックな情緒がいっぱいだ。
俵山温泉街
のちに白猿の湯で見かけたポスターと同じ構図になるなと思って帰り道で撮影したのがこちら。
俵山温泉街 その2
うーん、プロが撮ったようにはエモくなりませんね。街灯がともる夕暮れ時じゃないし。そして途中にあった町の湯がこちら。
町の湯
かつては川の湯という共同浴場もあったが、ずいぶん前に閉鎖されてしまった由。白猿の湯は川の湯源泉を利用しているそうだ。
川の湯跡
川の湯跡のすぐ先が白猿の湯だった。1階が売店で入浴施設は2階になる。結構規模が大きいですね。


外湯文化を担う白猿の湯はこんな温泉

いろいろ併設している共同浴場

1階の隅っこにペット湯があった。
ペット湯
2階へ上がる階段の踊り場には足湯コーナーや、
足湯コーナー
呑み湯まである。※現在はコロちゃん対策のため使用禁止。
呑み湯
ようし、入館するぞ。
白猿の湯入口
館内にもちょっとした飲食やお土産、小物類を売ってるコーナーがある。まず下足箱へ靴をしまい、券売機で入浴券を買う。大人850円のところ、JAF会員は700円ですんだ。

入浴指南をチェックしておこう

廊下に分析書が貼ってあって「アルカリ性単純温泉」とのこと。加水なし、加温・循環・消毒あり。ただし1号湯という浴槽だけは100%源泉かけ流しのようだ。別の紙には「まず1号湯に10~15分浸かって云々…強い温泉なので入りすぎに注意」的なことが書いてある。

男湯・女湯前の湯あがりにうだうだできるスペースに上述のエモいポスターが貼られていた。脱衣所では20円コインロッカーを利用できるので、車のキーや財布やスマホをしまえて好都合。

浴室は新しいような古いような…モダンな21世紀風には違いないが、天井はコンクリートむき出しに見える。もともとデザイナーズ風打ちっぱなし仕上げだったとしても、くすんだ変色がこびりついて劣化したかのように見せる。温泉成分の侵食だとしたらおそるべし。

洗い場にカランは12台。こちらは新しめで安心感あり。内湯浴槽は1号湯・2号湯と並んでおり、軽く触ってみたら1号湯はぬるめで2号湯は熱めだった。ぬるいのが好きだし入浴指南も「まず1号湯」と書いていたから1号湯へ。

ぬるめながら長湯が難しい不思議な1号湯

1号湯は8名規模の浴槽に無色透明の湯。時おり湯の花の浮遊が見られ(「お湯の中の白い浮遊物は湯の花です」と壁に札が貼ってある)、泡付きは意識されず。そしてアルカリ性ゆえのヌルつきがうっすらと。山口はこういうお湯が多いね。

湯口からの投入はそこそこ多い。オーバーフローしたお湯は、浴槽の縁全体からあふれ出すかわりに、奥の縁の上に設けられた穴へ吸い込まれていくようになっていた。

温度は39℃と説明されてた気がする。体感もそんなもんだ。数字上は長湯可能なはずだけど、思った以上にグワーッと攻めて来る感覚がある。かなり効き目の強い温泉なんじゃないか。源泉かけ流しがもろに直球ズドンで浸透してくるようだぞ。ほかで体験したぬる湯のように30分連続とかは無理だった。10分程度でいったん出て小休止したくなるし、その都度くらっとめまいが。

10名規模の2号湯は熱めの適温。こちらに短時間浸かってから1号湯へ戻ると、温冷交互浴効果で1号のぬるさが際立って、心地良さがアップする。またマイクロ・ナノバブルという装置が2組設置され、ぶくぶくと細かい泡が浮かんでは消えていた。ジャグジー的なやつですかね。

強力なお湯であることを実感させられる

露天風呂もある。細長い形で15名いけそうな岩風呂だ。しかし熱そうだったし、一部の客のご歓談場と化していたためあえて入らず。休憩用のチェアが置いてあって、当時は風が涼しかったからクールダウンにちょうどよかった。1号湯を出て小休止する際に活用させてもらった。

ということで主に1号湯への10分セットを繰り返すことに時間を費やして小一時間でタイムアップ。効き目の強い源泉かけ流しの湯に浸かり、ほどよい気だるさ…を通り越して妙な倦怠感に襲われそうになっていた。自分の中で「だうーん現象」と呼んでいるやつだ。これが過剰に進行すると、いろいろと調子が狂ったり気力が減退したりでまずいことになる。

幸い深刻なレベルまでいかなかったものの、久しぶりのだうーん現象だぜ。やっぱり「強い温泉に注意」と言わしめた1号湯をなめてはいけない。