利便性とコスパが良い気楽なホテル - 湯田温泉 ホテル喜良久

湯田温泉 ホテル喜良久
湯田温泉は山口市の中心部にほど近く、アクセスの良さや飲食店の充実といった繁華街の利便性を享受できる温泉地だ。湯量豊富で1日2000トンもの湧出を誇るとか。遠征の旅程を考えると初日の投宿地にちょうどよかったので、湯田温泉で宿を探すことにした。

しかし一人旅に対してNGだったり料金お高めだったり素泊まりプランしか提供しないパターンばかりで壁にぶつかった。そこで典型的な食事付き旅館でなくB&B式の温泉付きビジネスホテルに発想を切り替えると候補はいくつか出てきた。

中でもホテル喜良久は、週末もそこそこリーズナブルなお値段に抑えられてて、朝食サービスが結構充実している。これで温泉付きならいいんじゃないですかね。

湯田温泉 ホテル喜良久へのアクセス

雨の長距離ドライブ

ホテル喜良久の最寄り駅はJR山口線の湯田温泉。徒歩10分だから遠くはない。街歩きを兼ねてぶらぶら行けばちょうどいい。きちんと資料で調べたり現地を広く視察したわけじゃないが、ホテルのある一帯は起伏の少ない市街地に見えた。駅から当館までの間にきつい坂や歩きにくい悪路はないと思う。

自分は山口宇部空港でレンタカーを借りていた。まず100km近くを頑張って走り、山口市っていうかむしろ津和野じゃないのっていう場所に位置する柚木慈生温泉で日帰り入浴を敢行した後、走ってきた距離を半分ほど戻るような形で湯田温泉まで来たのである。

この日は強めの雨が降っており、運転はなかなか大変だった。柚木慈生温泉までは優先的に高速を使い時間を節約する一方、湯田温泉への戻りは国道9号を使った。山口線や阿武川と並走する区間が多く、晴れていれば景色を楽しめるドライブになっただろう。

SLと長門峡には縁がなく

山口線といえばSLやまぐち号。走ってるところをちょうど見かけたりしないかなーと期待したけど、世の中そんなに甘くない。運行時間帯を外れていた。

ちなみに途中で通った道の駅・長門峡がSLを見るのに好都合なロケーションらしい…軽く偵察してみようかと迷って結局スルーした。加えてちなみに長門峡は「ちょうもんきょう」と読む。うっかり「ながときょう」と読んでしまい恥をかいたエピソードは後ほど。

山口市の中心部に入ると完全なる市街地の様相に変わった。道路はよく整備されてて安心感がある。ただし温泉街は狭い路地が多くて、歩行者や対向車を交わすのに気を使う。ホテル喜良久は敷地内に駐車場あり。わりと埋まっているから、うまく空きスペースを見つけてほしい。


温泉を抜きにしてビジネスホテルとしてみてもグッド

総理大臣が見守るロビー

駐車場に接して温泉舎(ゆのや)というスポットがあった。温泉のビジュアル化をコンセプトにした源泉施設とのこと。
源泉施設・温泉舎
飲泉場があったけど補修工事のためしばらく休止だって。
温泉舎の飲泉場
では入館してチェックイン。一般的なビジネスホテルの作法だからスムーズに進む。ロビーはこうなっている。宿泊者向けの無料コーヒーサービスあり。
ロビー
山口出身の総理大臣の額に思わず目が行ってしまった。日本史を彩る錚々たる名前がずらり。
山口出身の総理大臣の額が並ぶ
ビジネスホテルだから機能性に全振りして遊びが一切ないわけではなく、大浴場へ向かう廊下にはこんな一角もある。
大浴場へ続く廊下

新しくて快適な部屋

案内された部屋は2階のスタンダードシングル。内装・設備面は新しくてきれい。エレベータ内で見かけたスーペリアシングルの写真を見て「自分の部屋はスーペリアじゃないか」と勘違いしそうになったほど、スタンダードでも十分なグレード感。
ホテル喜良久 スタンダードシングル客室
おなじみユニットバス+洗面台+シャワートイレの3点セットあり。金庫なし、空の冷蔵庫あり、WiFiあり。有線LANの口もあります。備え付けの浴衣あり。テレビで大浴場や朝食会場の混雑状況をチェックできるのは便利だね。
大浴場と朝食会場の混雑状況をチェックできるテレビ
ビジネスホテルに求められる要素はひと通り揃っており、安心感とともに快適に利用できた。そして窓の外はこんな感じ。駐車場でございます。
窓の外の景色
一点だけ注意するとすれば、上下階の移動は小さめのエレベータが1基のみ。階段は扉に「常時閉鎖」と書いてあって非常時以外に利用できなさそうだった。朝風呂・朝食・チェックイン/アウトの客が集中するタイミングはエレベータ待ちの発生を想定した方がいいかも。


静かで平和な大浴場で湯田温泉を体験

部屋で混雑状況をチェックしたら大浴場へゴー

ホテル喜良久の大浴場は1階奥にある。チェックインから翌朝9時までいつでも利用可。19時までは日帰り客も受け付けている。男湯女湯の入れ替えはない。

脱衣所の分析書によれば「アルカリ性単純温泉、低張性、アルカリ性、高温泉」とのこと。PH9.2。63℃の源泉を浴槽では41℃にして提供。メモに残ってないからはっきりしないが、加水・循環・消毒はたぶんあり。湯田温泉の源泉は集中管理方式だからどこも似たような湯使いかと思われる。

浴室の洗い場は5名分。シャンプー・コンディショナー・ボディソープはポーラのやつと馬油のやつがあった。お好きな方をどうぞ。

スタンダードな無色透明湯

浴槽はひとつ。向かい合わせを許容して8名程度ですかね。湯口はセンサーで自動制御されているらしく、誰かが湯船から出ていくと、ジャーッと一定時間お湯が吐き出される仕掛けになっていた。

ただし浸かっている最中にどこからともなく噴流を感じる。湯口そばの底近くの側壁に設けられた穴からジェット式に噴き出しているようだ。奥側を陣取るとこの流れを強く感じるから、避けたければ手前側にすること。

お湯は無色透明で湯の花や泡付きは見られない。温度は適温。まさに脱衣所で見た説明書き通りの41℃級だ。匂いを嗅ぐと若干の塩素消毒を連想させる要素がある。ようするに強烈な個性や濃ゆい成分を印象付ける特徴はないのだが、アルカリ性由来と思われるツルっとした感触が少々あった。

混雑しそうに思えるけど心配いらないかも

窓の向こうは無骨なコンクリートというわけではないけど、目を見張る景色が広がっているわけでもない。街中ですから。

初日は空港着が昼過ぎだったこともあって何かとせわしなく、空港→柚木慈生温泉→喜良久チェックイン→外で夕食、までこなしてから夜一度だけの入浴となった。翌朝は起床後に一度入浴。ぬるいお湯に長くゆっくり何度も…というお得意のパターンが通用しない41℃湯だから、まあいいでしょう。

最後に混雑について。ホテル全体と浴場の規模感から、客の思惑が集中しやすい時間帯の混雑を懸念したが、実際はそうでもない。そもそも部屋のテレビで混雑状況を確認してから行ってるし。朝6時過ぎなんかは朝風呂狙いでいかにも混みそうだなと覚悟してたところ、まったく平和だった。独占の瞬間さえあったくらい。団体さんが連れ立って大集会という不運に出くわさなければ大丈夫でしょう。


湯田温泉の地の利を活かした食事戦略

夕食は近くの湯けむり横丁で

ホテル喜良久は夕食付きプランがない。そこで夕食は自力で解決する必要がある。市街地だからコンビニなりスーパーなり外食チェーンなり、いかようにもできそうだけど、せっかくだから旅行ぽくお酒の飲める店を探すことにした。当館1階エレベーターホールに近所マップが紹介されているから参考にどうぞ。
近所マップ
…と言いつつ、すでに行くあてがあった。当館へ来る途中に「湯けむり横丁」という飲食店が集まったスポットを見つけていたのだ。徒歩数分で近いし。
湯けむり横丁
なんとなく入りやすそうな雰囲気だった「焼き鳥居酒屋ひろ」さんのカウンターに無事着席(17時の開店まで少し待ってから入店)。焼き鳥とアルコールがセットになったほろ酔いセットはお得そうだったが、焼き鳥以外も少しずついろいろ食べたかったので、一品ずつ頼むことに。
焼き鳥居酒屋「ひろ」の一品料理
QRコード経由でスマホから注文するシステムは気楽でありがたい。焼き鳥ができあがった頃、ビールの次のお酒を悩んだ結果、思い切って地酒3種飲み比べセットを注文。いくつかの銘柄から3種を指定する。よくわからんので適当に五橋と長門峡と、あと1種は忘れた、すいません。
地酒3種飲み比べセットと焼き鳥
この時に「ながときょう」と口走ってしまい、「ちょうもんきょうですね」と言い直されて間違いに気づいた次第。お恥ずかしい。うまい日本酒だったという以上の3種の違いは正直わかりません(カッコつけてみたかっただけよ)。焼き鳥はさすがの出来でグー。お酒にも合う。思ったより飲み食いしちゃったなあ。

なかなか充実している朝食バイキング

朝はホテル内の朝食バイキングを利用した。※急に朝食付きにしたいと希望しても対応不可だから、予約時に朝食付きプランを選ぶのが無難。

開始時刻=7時・7時半・8時の中から7時半を選択した。行ってみるとわりと混み合っている。相席をお願いしない限り空きを見つけられない雰囲気で「あーこりゃ難民化したな」と覚悟を決めかけたら、奥の座敷の広間が思いきり空いていた。助かった~。

リゾート地の観光ホテルのバイキングと比べるのは酷だとしても、カジュアルな街中ビジネスホテルにしてはメニューが充実している。和洋どちらの組み立ても可能で、気分に合わせて取ってきたのがこちら。
ホテル喜良久の朝食バイキング
このボリュームでも自分にしては頑張った。実際ずいぶんお腹が膨れたし。梅干し・香の物と一緒に取ったのは、山口で親しまれている“しそわかめ”といい、ふりかけのような役割だ。味噌汁の乾燥した具はやたら膨らむから欲張って入れすぎないように注意。コーヒーはロビーまで行かずとも会場に用意されてるから食後にどうぞ。派手な食材はなくとも、一つ一つは取ってみたくなるような品で、満足できる内容だった。

 * * *

事前に勝手に想像していたのと違って、とても新しくてきれいだったのはポイント高い。誰もが安心して快適に利用できるだろう。温泉面で強烈な印象を植え付ける要素はないものの、湯田温泉を気楽に体験できるのが良い。喜良久だけに。

近所の飲食店はバラエティに富んでいて楽しめそうだから、喜良久に泊まって夕食を外に求めるのはむしろ「あり」だと思った。なかなか結構な朝食バイキングとあわせて旅の思い出にどうぞ。