ロックだぜ。岩石づくしの高知東部観光 - 室戸岬と龍河洞

室戸岬
高知県さらには四国の中でも有名な岬といえば室戸岬と足摺岬。秋の四国旅行の前半で足摺岬はすでに訪れていた。であるならば、室戸岬にも行っておかないと、どうにもすわりが悪い。

拠点となる高知市から室戸岬まで、レンタカーで往復するだけでも結構な時間がかかるので、そこそこ強引なプランなんだが、ここまで来たらやるしかない。

結果的には強引だろうがなんだろうが行っておいてよかった。足摺とはまた違った印象的な地形を見られたのは貴重な経験。波打ち際から山上の展望台まで、いろいろな視点から室戸岬の景色を堪能した。

さらに帰り道では龍河洞という鍾乳洞にも立ち寄った。ここもすごいぞ。おかげで濃密な一日になったな。

室戸岬へのアクセス

高知市から東へ2時間

松山・道後温泉で四国入りした自分を含む温泉班一行は4日目にして本隊と合流、みんなで旅の主目的をクリアした(詳細は割愛します)。その夜は繁華街の飲み屋でカツオをはじめとする土佐の海鮮づくしと地酒。いやー愉快愉快。もう思い残すことはない。

と言いつつ、主目的と並ぶ重要なミッション=室戸岬観光が最終日に残っていた。朝8時にはホテルを出てレンタカーを調達。東へ向けていざ発進。

高速道路でパパっと行くことはできない。香南市の一部に高知東部自動車道が部分開通しているくらいで、基本的には国道55号をひたすら走るのみ。少なくとも2時間はみておかねばならない。

阪神タイガースが秋季キャンプを行う安芸市を過ぎた頃、道の駅「田野駅屋」で休憩。ここは土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の田野駅に併設されている。ご当地キャラは田野いしん君。お客さん多し。
道の駅 田野駅屋

できれば立ち寄りたい羽根岬

室戸市に入ると羽根岬なるスポットがあった。
羽根岬
ただ岩があるだけの海岸ではない。大昔に海底だったことを示す独特の跡が岩の表面に残されているのだ。生物が這い回ったり水の流れによる痕跡らしい。下の写真がそうかは素人なんでわからないけど、たしかに不思議な凹凸がある。
羽根岬の特徴的な岩
そういう岩は色が黒い。黒というか白さも感じさせる備長炭っぽい。へー、不思議な色だなあ。羽根岬は室戸岬そのものではないが、さくっと見るだけでも立ち寄りたい場所である。


室戸岬とその周辺めぐり

恋人の聖地になってる室戸岬展望台

いよいよ室戸岬に着いた。中岡慎太郎像の近くに車を止めて歩き回ってみることにした。
中岡慎太郎先生像
まずは慎太郎像の横から登っていく室戸岬展望台。傾斜が結構きついぞ。まあそのおかげで冒頭写真のように見晴らしはいい。角度を少しずらして見たのがこちら。足摺岬のような人を寄せ付けぬ切り立った崖ではなく、波打ち際まで行ける岩礁地帯の風情。
室戸岬展望台からの景色
この展望台は「恋人の聖地」認定されており、ハートマークを象った銘板が設置され、そばのカメラスタンドの支柱はカップルが南京錠をぶら下げる、ありがちな状態になっていた。

岩だらけの海岸に接近

では展望台から見えた海岸付近へじかに行ってみよう。海岸線と並行して遊歩道がついている。ある場所は人間の身長をはるかに超える節理状の岩に囲まれていた。なぜだか古代の野外劇場を想像しちゃったのが自分でも謎。
室戸岬海岸の節理
もっと開けた場所もある。海から突き出た岩、岩、岩。船ではとても近づけない。と思ったら沖に航行する船が。あそこまで行けば水深あるのかな。
岩だらけの海岸
海のすぐそば、潮だまりまで寄ってみたのがこれ。やっぱり岩が普通じゃない。水はきれいに澄んでいるね。
潮だまり

弘法大師ゆかりの御蔵洞納経所

続いて車で1キロほど離れた御蔵洞(みくろど)納経所へ。ここには2つの洞窟(?)がある。下の写真の左が御厨人窟、右が神明窟。洞窟前のスペースに駐車可能。
御厨人窟と神明窟
洞窟内で落石が相次いだため、中へ入るにはヘルメット着用が必要。また自己責任が強調されている。近くの納経所でヘルメットを借りることができるので、あとは自分の心構え次第でどうぞ。

自分は、ええもちろん入りました。岩は落ちなかったが水滴がやたら落ちてくる。中はすぐに行き止まりで祭壇が設置されていた。振り返れば青い海が見え…ないね。写りが白飛びしちゃってるし。撮影条件が整えば海が見えるはず。
御厨人窟内から外を見る
神明窟の方も同様。入口がぐぐっとカーブしているので、洞窟の奥にいてはどう頑張っても海は見えない。

復旧を待つ乱礁遊歩道

近くの海岸はかなり岩がちで、名前の付いた奇岩がいくつか見られる。たとえばエボシ岩。
エボシ岩
そしてビシャゴ岩。
ビシャゴ岩
これらを結ぶ岩伝いの乱礁遊歩道もあるのだが、残念なことに台風だか大雨だかのせいで荒れてしまって通行止め。車道から個別にアプローチせざるを得ない。しかも弘法大師行水の池もすっかり濁っちゃてて。
弘法大師行水の池
本来なら澄んだ水が見どころなんだろうけど…濁り湯の温泉かよ。

最御崎寺のお隣にある室戸岬灯台

さてお次は室戸岬灯台。半島の背骨を縦断する室戸スカイラインに入ってわりとすぐに着く。四国霊場第二十四番札所の最御崎寺前の駐車場が使えた。きつい坂のアップダウンをこなして200メートルほどで灯台を拝める。中には入れない。
室戸岬灯台
ここも恋人の聖地。しかし高台から見下ろすのは岬の先端からずれた方角。一面海って感じになってしまう。

車へ戻る途中で最御崎寺(ほつみさきじ)にお参りした。八十八ヶ所を回ろうってんじゃないけども、せっかくなんで。こちらは虚空像菩薩がご本尊。
最御崎寺
第二十三番札所の薬王寺は徳島県にあって当寺院までは80キロ近くも離れている。実際の歩く距離はもっとあるだろう。こりゃあ大変だ。ところで灯台まで行っておいて何だが、このあたりで最もいい景色は駐車場付近から見る室戸漁港だと思う。
室戸漁港

猫がいっぱい、室戸スカイライン山頂展望台

さてさて室戸岬の文脈でラストを飾るのは室戸スカイライン山頂展望台。駐車場にはなぜかたくさんの猫ちゃんがいます。路上でのんびり昼寝してます。運転には気をつけよう。
駐車場で昼寝する猫ちゃん
展望台へ上っていくと、ここも恋人の聖地。岬の先端方向はテレビ・ラジオ中継局の施設に視界を遮られている。かわりに半島の西岸と東岸を同時に見られる。西岸はこちら。
室戸スカイライン山頂展望台から西を見る
東岸はこちら。
室戸スカイライン山頂展望台から東を見る
なるほどね、これが室戸岬か。台風と紐付いたイメージしかなくて、実際どんなところかなんてまったく知らないし、意識もしてなかった。いやあ勉強になりました。何がと問われても困るがとにかく勉強になりましたわ。

文字通り漁港直結「みなと食堂sato」

高知空港への帰路の途中で昼食タイム。道の駅「キラメッセ室戸」のレストラン「鯨の郷」をあてにして行ったら、なんと30分待ちの大混雑。あきらめて即興で見つけたのが奈半利町にある「みなと食堂sato」。
みなと食堂sato
ここは立地がすごい。まじで港の中、岸壁の目の前に店があるのだ。漁港直送どころの騒ぎじゃない。すぐそこに漁船が停泊してたりする。

注文したのはカツオのたたき定食。こうなったら最後までカツオで攻めるぜ。
カツオのたたき定食
見ての通り分厚く切ったカツオが大サービス状態。食べても食べても減らねー。完食するのに他のメンバーの1.5倍くらいの時間をかけてしまった。お待たせしました。


鍾乳洞かつ弥生時代の遺跡でもある龍河洞

洞窟の中は真っ暗

スムーズに事が運んだので時間に余裕ができた。あともう1箇所ってことで香美市の龍河洞へ行くことに決定。香南市の野市付近で国道55号を外れて7キロあまり山側へ入っていく。

駐車場から土産物店の並ぶ小路を抜けて長い階段もしくはエスカレーターを上ると洞窟入口。この時期はハロウィーン企画をやってたみたいね。
龍河洞 入口
一般コースの入場料は1200円のところ、あるメンバーの割引技がきいて1000円ですんだ。入口で強力なライトを手渡される。洞窟内は照明のない場所がほとんどなのだ。

変わった形の鍾乳石がてんこ盛り

最初のうちは狭い洞穴って感じだけど徐々に鍾乳洞らしくなってくる。珍しい形をしたやつには名前が付いている。
青龍石
滝のあるところへ出た。ここのように幻想的な雰囲気を演出するために色付きの照明で照らす場所もある。
記念の滝
その隣には、これ岩なの? カーテンじゃないの? と思える鍾乳石が。なんじゃこりゃあ。
天降石と絞り幕
もはやダンジョン。
奥の千本?
もはやキモい。
裏見の滝?
最大の見せ場は名前からしてこれかな。お釈迦様と聖母マリア様が並ぶ連星殿。
連星殿

気がつけば山を登ってた

あとは写真に残していないが、振り返ると大空間とか、そこにプロジェクションマッピングとか、弥生時代の住居遺跡とか。中でも弥生式土器が長い年月を経て石灰華にコーティングされちゃった「神の壺」が見ものだ。温泉の析出物に包まれた湯船みたいなもんか。

入口から出口まで30分くらい。洞窟内はずっと上り基調のため、最後は山の中腹に出てくる。そこからは歩いて下山する(整備された石段だから問題ない)。
龍河洞を出たところ
各所に存在するお土産屋さんはやけに刃物屋さんが多い。モノは良さそうなのだが…我らにはミスマッチで買えない。すまんす。


こうして最終日も濃い内容で締めくくられた。いやあ、あれだけ豪快な景色がいっぱいだと、幕末の英雄みたいに豪快な人物がいっぱい出てくるわけだな。知らんけど、そういうことにしておこう。


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