超ド級! リアルを超越した海鮮づくし - いわない温泉 高島旅館

いわない温泉 高島旅館
伝説。そう、自分の中ではまさしく伝説級だった。夏本番の時期に訪れた「いわない温泉 高島旅館」のことだ。何がすごいかって、料理ですよ。アワビを筆頭に新鮮な魚介類がこれでもかと出てくる。びっくりしたなぁもう。

あんなのは後にも先にもあの夜だけじゃないかって気がする。あまりの衝撃に肝心の温泉の印象が薄まってしまったが、温泉じたいもなかなか結構である。ただし、とにかく熱い。

風呂も食事も突き抜けちゃってて、北海道のスケールの大きさをあらためて感じずにはいられない。本当にびっくりしたなぁもう。

いわない温泉・高島旅館へのアクセス

この度のグループ旅行はお天気に翻弄されっぱなしだった。新千歳空港からレンタカーで支笏湖・羊蹄山・ニセコを回って岩内へ向かう予定だったが、外の景色は雨に煙って何も見えやしない。

これじゃいかんと急きょ方向転換してニッカ余市蒸溜所を見学。どうにか観光の格好をつけた我ら一行は高島旅館のある岩内町へと向かった。

インバウンド狙いなのか、IWANAI RESORTなる横文字のスキー場があるから、そこを目指すつもりで行けばいい。最後は山をどんどん登っていく道を走る。途中、高島旅館の看板があるところで脇道に入るのだが、我々はあえていったん通過してさらに先へ進む。

登りきったところが「いわないリゾートパーク マリンビュー」というオートキャンプ場になっていた。直接の利用者でなくても入れる場内の展望台から岩内の街と海を撮影。天気が天気だけにインスタ映えはしない。
いわないリゾートパーク マリンビューと岩内の景色
夜景も良さそうだ、なんて思いつつマリンビューを後にし、坂を少し下って高島旅館に到着。


ちょっとしたリゾート感もある館内

磯の香りが物語る旅館の特長

ではチェックイン。フロントやロビーの付近は漁港や魚市場を思わせる磯の香りが漂っていた。ふーん、ここはお魚自慢の宿なんだな…そんな言葉で表せるレベルじゃないと夕食のときに思い知らされるのだが…。

旅館名からすると純和風なイメージを持ってしまうけど、館内はグレード感のあるコテージ風。たとえばロビーはこんな感じ。
高島旅館 ロビー
ロビーから外へ出ると洒落たテラスになっており、テーブル、チェア、ハンモックやブランコがあった。土砂降りの雨に打たれてとても利用できる状況ではなかったが。
高島旅館 テラス
2階に上がるとこんな感じ。通路右手の部屋は山側。通路奥の左手には海側の客室もある。
高島旅館の2階

各種完備の広い部屋

我々が案内されたのは山側客室。8畳+6畳の二間に広縁が付いた、当館で最も広い部屋だ。いやいやすいませんね。
高島旅館 客室
6畳の間がこちら。室内はすっかり和風である。
高島旅館 客室その2
もちろんシャワートイレ・洗面所あり。金庫あり。冷蔵庫の中身は空だったか、それとも別精算ドリンクが入っていたかをチェックし忘れた。あとWiFiあり。近くにリゾート施設があるし、秘湯というほど山や森の奥深くじゃないから、携帯のアンテナもそれなりに立つとは思う。

窓ガラス越しに撮った外の景色がこちら。天気が天気だけにインスタ映えはしない。
高島旅館 山側客室からの眺め

シャワーが大活躍するお熱いお風呂

サウナのような熱気がこもる内湯

高島旅館のお風呂について事前に「熱いので云々」と説明があった。そうかぁ、あつ湯かぁ…自分はぬる湯党なのでね。まあいい、行ってみよう。大浴場は1階の奥にある。途中の廊下の突き当たりには懐かしきマッサンのポスターが。
マッサンのポスター
男湯の脱衣所はL字型の細長い通路風だったと思う。湯あがりの水分補給用にウォーターサーバーを置いている。地元の水ならうまい(はず)。壁に貼られた分析書には「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉、低張性、中性、高温泉」とあった。やっぱ高温泉か。

内湯と露天風呂は別々の入口。まずは内湯の浴室へゴー。さっそくムワッとした熱気に包まれた。ほとんどサウナじゃないかというくらいの熱気である。

熱いがお湯そのものはなかなか結構

右手に5名分の洗い場、左手の窓際に6名規模のタイル浴槽があって無色透明のお湯で満たされていた。洗い場から2本のシャワーを引っ張ってきてお湯の中に突っ込んであったのは、水を加えて冷ましているんだろう。野沢温泉みたいに浴槽内に加水して調整する流儀っぽい。

おそるおそる入ってみると、たしかに熱い。慣れてくればしばらく浸かっていられるけど長湯はできない。シャワー2本で水を加えてこれだから、源泉の温度は相当なもんだ。ちなみに当館の風呂は源泉かけ流しである。

温度を抜きにすればなかなか結構なお湯だ。重曹泉の系統ながら食塩泉的な潮の香りをほのかに感じる。刺激の少ないマイルド系だろう。よかよか。

しかし長く滞在することは難しい。お湯が熱いというより室内にこもったサウナレベルの熱気ですぐにのぼせてしまうためだ。換気をもう少しどうにかできればなあ。

外の空気が気持ちいい露天風呂

窓の向こうに見えていた露天風呂へ移動した。こちらにも1名分の洗い場あり。4名規模の木の浴槽に源泉がかけ流しされている。まわりは建物の壁や目隠しの塀で囲われ眺望はない。

外気と降り注ぐ雨が熱冷ましになっているんじゃないかと期待した通り、内湯よりはいくらか入りやすい温度になっていた。屋外だからサウナ的な熱気もないし、これならいいや。

このような特徴差があると、みんながみんな露天狙いで芋洗いになっちゃわないかと心配したが意外と大丈夫だった。雨に打たれることは気にせず、しばらく露天風呂で粘った。

加水が効いてきたときが入り頃

以上は夕方の入浴時の話。夜中に行ったときは露天風呂があまりに熱すぎて入ることができず、逆に内湯がまともな水準の熱さになっていた。翌朝も同様。

おそらく内湯は夜以降にようやくダブルシャワーの加水が効いてきたんじゃないかな。夕方の露天は自分が入る前に誰かがシャワーで加水してくれてたのかもしれない。我々も朝の露天風呂に入る際にはシャワーで加水した。1本しか引っ張ってこられないから冷ますのに難儀したが。

風呂上がりにはなかなか汗がひかない。少し肌がべとつくけど、しばらくするとスベスベ感が出てくる。


異世界に転生したとしか思えぬ、伝説級の食事

夕食で夢のアワビとご対面

高島旅館の夕食は部屋食だった。ただし1階にレストランや大広間があるからプランによるのかもしれない。運ばれてきたスターティングメンバーがこれ。
高島旅館の夕食
見事に海の幸づくし。ウニが当たり前のように出てくるし、なんといっても目玉はアワビ。人生でアワビを食べた記憶がないわ。どこかのおめでたい席で供されたことがあったとしても、1体まるまるではなかったろう。

それがどうだ、いま目の前に1体まるまるのアワビがいるじゃないか。※動物愛護家の方は次の段落を飛ばしてください。

しかもまだ生きている。七輪からの熱を避けるようにモゾモゾ動いていた。殻ごと網の上に置いて熱すると、驚いたように右往左往する動きを見せ、最後は殻の中央に収まってピタリと動かなくなった。かくなるうえはありがたく味わっていただくとしよう。

アワビうめえ。大きめでぷりぷりの海老や白ホッキ貝の刺身も大変結構なり。すっかり浮かれてしまった。

アワビ第2弾とヒラメの活造り

だがアワビはこれだけじゃなかった。さらにお造り状態のやつも出てきたのである! なんじゃこりゃあ。
アワビのお造り
もともと想像していた通りのコリコリ感があるのはこちら。焼いてよし・生でよしのアワビ2連発にはびっくらこいた。それだけじゃない。※動物愛護次段落以下略。

ヒラメの活造りまで出てきたのである。これもまたピクッピクッと動いており、新鮮さは折り紙付きだ。そもそもヒラメは高級魚のイメージがあって口に入ることなどめったにない。もはや感覚がおかしくなってくる。ここは現実世界なのか?

衝撃の体験をさらに超える、衝撃の事実

それだけじゃない。海鮮鍋もありんす。もう魚介類を食べすぎて夢に出てきそうだ。お腹もだいぶきつくなってきた。しかしうまいので食べ進む。
海鮮鍋
焼き魚が出たところでついに限界がきた。魚はモンケと呼ばれるメバル系っぽい。どうにか8割くらいはやっつけたがもう無理。申し訳ないけど残してしまった。あとご飯をちょっと食べて、最後のデザートは別腹で。らいでんメロンというブランドのやつだった。

あまりに豪勢だったんで、宿の予約を担当したメンバーに別のメンバーが「通常プランでこんなに豪華なの?」と尋ねたら、「いや、ひとつ下のプランだけど」との答。えーーーー!!! まじですか!!! アンビリーバボー。

通常プランだとウニの種類がエゾバフンウニになってアワビがもう一つ追加されたりするらしい。おそろしすぎる。

朝もやっぱり海産物+自慢の卵

朝食は1階の大広間にて。ここでもイカ刺しやらイカ塩辛やらの海産物が。種類は失念したが焼き魚も出てきた。
高島旅館の朝食
小さなプライパンは固形燃料で熱してベーコンエッグを作る。使われる卵はとれたて新鮮な有精卵だとか。前夜から旨味成分づくしが続いたので、さっぱりサラダもありがたい。

朝食後はロビーでコーヒーをいただける。優雅ですな。


こんな宿に巡り会えるなんてねえ。岩内の宿の手配に自分が関わることなく、心当たりがあるというメンバーにお任せしたのが結果的に大吉と出た。当人の話だと、かつて大雪山へ行ったときに同宿した人から当館をおすすめされたので、ということだが、それがアワビを筆頭とするあの体験につながるのだから、人生なにが起こるかわからない。

温泉の話がすっかり脇にいっちゃったけど、今回ばかりはまあいいでしょう。

(参考) 2020年・高島旅館 再訪記


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