梅雨入りする前に「ザ・秘湯の旅」と称して栃木の奥鬼怒温泉郷と山形の姥湯温泉・滑川温泉をめぐってきた。どこも秘湯らしい絶景のお風呂を堪能できたし、移動の途中では川俣ダムという、これまたスケールのでかい絶景に度肝を抜かれた。
そんな絶景続きの旅も最終日。仕上げの観光に選んだのが宇都宮にある「大谷資料館」である。長年にわたって石を採掘した後に残された、巨大な地下空間。これは間違いなく旅の趣旨に合う絶景スポットに違いないとふんで行ってみたのだが、予想通り、いや予想以上。旅の最後を飾るにふさわしい迫力の光景であった。
車で東京方面から東北道に乗って大谷資料館へ向かうと鹿沼ICで降りることになると思う。そうして同インターから20分で着く。
我ら一行は前泊地の姥湯温泉をチェックアウトして朝一番で滑川温泉に立ち寄り、福島飯坂ICから東北道に乗って宇都宮ICで降りた。そこからは15分もあれば着く。途中には「ろまんちっく村」という大規模な道の駅があるから組み合わせて回ってもよいだろう。
マイカーで来ると駐車場から資料館入口まで数百メートル歩かなくてはならない。観光バスなら入口近くの専用駐車場まで入っていける特典あり。折しも何台かの大型観光バスから大勢の団体客が出てくるところだった。むむ、運悪くカブっちゃったか。なんとかタイミングをずらさないと人混みに揉まれてしまうぞ。
それが大谷資料館とどう関係するかというと、地下空間を見学しているうちに、目に映る光景から、なぜだかアサシンクリードを連想してしまったのだ。暗く冷たいアサシンの世界観があてはまるように思えたし、入り組んだ地下迷宮のような坑内からは、同ゲームにありがちなシーンが浮かぶ。
鍛え抜かれたアサシンが鷹の目で見つけた天井の隠し部屋へ、壁や柱を飛び移りながら到達し、隠されたアイテムを入手できるとか、そういう想像が膨らむ。もしアサシンクリードをプレイしたことがあるなら、思い出しながら以下を読んでみていただきたい。
しかし当館の真の姿はそれじゃない。入場料800円で見学できる実際の坑内へと進まないことには来た意味がない。我々は一緒になると窮屈な思いをしそうな団体に先んじてさっさと坑内へ。む、思ったより広いぞ。下の写真の通路部に並ぶ支柱とチェーンが人間の股下くらいの高さと考えると、いかに巨大な空間かがわかるだろう。
おお、空気がひんやりする。たしか一桁台の温度だったはず。地上はむしろ熱中症が懸念される暑さだったから、あまりの落差に驚いた。ずっと一定の涼しさを保っているので米の貯蔵庫として使われたこともあったみたいね。
基本的には石のダンジョンみたいな中を順路に沿って進んでいく。石を切り出した跡が四角くくり抜かれただけの単調な穴じゃなく、装飾チックなオブジェやそれなりに入り組んだ構造を持っている。
そして唐突にアート作品が出現。
テレビでよく見かける著名華道家の作品も。
そうして一般見学者が行ける最奥部に来ると、天井の一部がなくて地上の光が差し込んでいるところがあった。Oh, ファンタスティックね。
今まで通ってきたメイン通路を終点側から撮るとこうなる。鉄道や車道のトンネルを思えば不思議はないんだろうけど、結構豪快にくり抜いちゃっても崩れないものなんだな。
最奥部には石のステージになっている場所もあって、このときは小学生チームがステージに上がって合唱を披露していた(もちろん資料館の許可を得ているはず)。こんなところで歌ったら気持ちいいだろうね。立ち止まって聞いていた聴衆からはアンコールの声。うむ、これぞ地下アイドル。
外光が差し込む別の立ち入り禁止エリアでは実際にロケ撮影が行われているように見えた。具体的に何かは知らん。
で、「この作品のこの場面は本坑内で撮影されたものです」を示すパネルが壁にずらーっと並べられた、ホールのような空間もあった。国内のドラマ・映画だけでなく韓流ドラマとかMVとかCMとか、いろいろ。こんな特殊な条件の場所は他にないだろうからね。
訪れたのは平日だったにもかかわらず、結構な人出だった。「穴場の観光地をうまいこと掘り当てたぜ、大谷だけに」なんて調子よく考えていたのは我々だけで、実際はすでによく知られた定番スポットだったというわけか。
だとすると、我々はとんだ思い上がりをしていたわけだ。こっ恥ずかしい事態だ。穴があったら入りたいってなもんだ、大谷だけに。
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そんな絶景続きの旅も最終日。仕上げの観光に選んだのが宇都宮にある「大谷資料館」である。長年にわたって石を採掘した後に残された、巨大な地下空間。これは間違いなく旅の趣旨に合う絶景スポットに違いないとふんで行ってみたのだが、予想通り、いや予想以上。旅の最後を飾るにふさわしい迫力の光景であった。
大谷資料館へのアクセス
大谷といえばかつて渋滞の名所だった東北道・大谷PAのあそこってことでいいんだよね。その大谷地区では昔から良質の石を採掘できたため、地下へ地下へと掘り進んでいった結果、ぽっかり巨大な空洞ができた。現在では石を産出するかわりに映像作品のロケ地や観光資源として活躍している。車で東京方面から東北道に乗って大谷資料館へ向かうと鹿沼ICで降りることになると思う。そうして同インターから20分で着く。
我ら一行は前泊地の姥湯温泉をチェックアウトして朝一番で滑川温泉に立ち寄り、福島飯坂ICから東北道に乗って宇都宮ICで降りた。そこからは15分もあれば着く。途中には「ろまんちっく村」という大規模な道の駅があるから組み合わせて回ってもよいだろう。
日常の世界を離れて地下空間へ
駐車場からすでに岩の世界
現地に近づくと、低層マンションくらいの高さの岩があちこちにボコボコっと突き出した地形になってくる。一般車向け駐車場のあたりはすっかり岩に囲まれていた。マイカーで来ると駐車場から資料館入口まで数百メートル歩かなくてはならない。観光バスなら入口近くの専用駐車場まで入っていける特典あり。折しも何台かの大型観光バスから大勢の団体客が出てくるところだった。むむ、運悪くカブっちゃったか。なんとかタイミングをずらさないと人混みに揉まれてしまうぞ。
ゲームのダンジョンみたいな
本格的な資料館の話に入る前に余談を(ゲームに興味のない方には申し訳ない)。世界的にヒットした海外ゲーム作品に「アサシンクリード2」というタイトルがある。べつに3でもブラザーフッドでもリベレーションでもかまわないのだが、よい子は決して遊んじゃいけない、ビターな大人のためのパルクールアクションだ。それが大谷資料館とどう関係するかというと、地下空間を見学しているうちに、目に映る光景から、なぜだかアサシンクリードを連想してしまったのだ。暗く冷たいアサシンの世界観があてはまるように思えたし、入り組んだ地下迷宮のような坑内からは、同ゲームにありがちなシーンが浮かぶ。
鍛え抜かれたアサシンが鷹の目で見つけた天井の隠し部屋へ、壁や柱を飛び移りながら到達し、隠されたアイテムを入手できるとか、そういう想像が膨らむ。もしアサシンクリードをプレイしたことがあるなら、思い出しながら以下を読んでみていただきたい。
ひんやりする坑内
さて、資料館に入ってすぐのところは坑内の模型やら何やら、ちょっとした展示スペースになっている。資料館という名前から普通に予想される形態はこちらだろう。しかし当館の真の姿はそれじゃない。入場料800円で見学できる実際の坑内へと進まないことには来た意味がない。我々は一緒になると窮屈な思いをしそうな団体に先んじてさっさと坑内へ。む、思ったより広いぞ。下の写真の通路部に並ぶ支柱とチェーンが人間の股下くらいの高さと考えると、いかに巨大な空間かがわかるだろう。
おお、空気がひんやりする。たしか一桁台の温度だったはず。地上はむしろ熱中症が懸念される暑さだったから、あまりの落差に驚いた。ずっと一定の涼しさを保っているので米の貯蔵庫として使われたこともあったみたいね。
おじさんパーティのダンジョン探索
地下で花開いた芸術
中の撮影はOKだが、三脚や自撮り棒の使用・小道具の使用・コスプレなどは迷惑行為として禁止されている。非日常的で幻想的な空間だから、インスタ映えとか映画のワンシーンのような出来を過剰に意識しちゃって、やらかす人が多かったんだろうな。基本的には石のダンジョンみたいな中を順路に沿って進んでいく。石を切り出した跡が四角くくり抜かれただけの単調な穴じゃなく、装飾チックなオブジェやそれなりに入り組んだ構造を持っている。
そして唐突にアート作品が出現。
テレビでよく見かける著名華道家の作品も。
場所により違う顔を見せる
スケジュールがかっちり決まっている団体客の群れは結構足早に近づいてきた。嵐から逃げ切れそうもないのであえてやり過ごし、我々はゆっくり回る方針に切り替えた。とにかく一緒になったら負けだ。そうして一般見学者が行ける最奥部に来ると、天井の一部がなくて地上の光が差し込んでいるところがあった。Oh, ファンタスティックね。
今まで通ってきたメイン通路を終点側から撮るとこうなる。鉄道や車道のトンネルを思えば不思議はないんだろうけど、結構豪快にくり抜いちゃっても崩れないものなんだな。
最奥部には石のステージになっている場所もあって、このときは小学生チームがステージに上がって合唱を披露していた(もちろん資料館の許可を得ているはず)。こんなところで歌ったら気持ちいいだろうね。立ち止まって聞いていた聴衆からはアンコールの声。うむ、これぞ地下アイドル。
ロケの聖地でもある
一般見学者立入禁止のエリアもある。そのうちの1箇所を上から覗き込める場所があった。まぶしいライトや機材らしきものが置いてあるようだ。何かの撮影場所だろうか。外光が差し込む別の立ち入り禁止エリアでは実際にロケ撮影が行われているように見えた。具体的に何かは知らん。
で、「この作品のこの場面は本坑内で撮影されたものです」を示すパネルが壁にずらーっと並べられた、ホールのような空間もあった。国内のドラマ・映画だけでなく韓流ドラマとかMVとかCMとか、いろいろ。こんな特殊な条件の場所は他にないだろうからね。
人気スポットだったんですね
そんな感じで坑内を一周して見学終了。外界へ戻った。地下に潜っていたのは40分ほど。地上に出るとまたクソ暑い。温度変化が激しすぎてか鼻水が止まらなくなっちゃったよ。気分転換に恋人の聖地的な「愛の泉」を貼っておきますね。訪れたのは平日だったにもかかわらず、結構な人出だった。「穴場の観光地をうまいこと掘り当てたぜ、大谷だけに」なんて調子よく考えていたのは我々だけで、実際はすでによく知られた定番スポットだったというわけか。
だとすると、我々はとんだ思い上がりをしていたわけだ。こっ恥ずかしい事態だ。穴があったら入りたいってなもんだ、大谷だけに。
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