栃木遠征の初日に泊まった明賀屋本館には宿泊者特典サービスがあった。姉妹館「彩つむぎ」のお風呂にも無料で入れるのだ。明賀屋本館は塩原温泉郷の中でいうと塩の湯温泉になるけど、彩つむぎは塩釜温泉に分類される。両者は場所も離れていて移動は車じゃないと厳しいと思う。
このサービスはチェックイン~アウトまでの特定の時間帯に限られ、先に彩つむぎへ立ち寄ったり、逆にチェックイン後に向かうなんてことはできない。そこで明賀屋本館にチェックインした後、夕食前に軽くビールを一杯…を我慢して車を運転していった。
内湯と露天風呂があり、どちらも適温。露天風呂では泡付きが見られる。そして箒川を望む恵まれたロケーションも特長だ。
塩釜温泉 彩つむぎへのアクセス
七ツ岩吊橋の近く
彩つむぎはJR那須塩原/西那須野駅と塩原温泉バスターミナルを結ぶ路線バスの七ツ岩吊橋停留所から徒歩1分。七ツ岩は未訪なれど近隣の野立岩・天狗岩はかつて見学したことがあるなあ。あの辺だったのか。ちなみに宿泊した明賀屋本館の最寄り停留所である塩原塩釜からでも徒歩5分で行ける。
塩原といえばしっかり観光したことがない。上述の野立岩・天狗岩と木の葉化石園・もみじ谷大吊橋くらい。少しは観光ぽいことをするかと翌朝に回顧(みかえり)の滝を目当てに回顧園地へ行ってみたところ、どこが滝だかわかりませんでした。
うーむ仕方ない、先へ進もう、と車を走らせると立て続けに2つの滝が現れた。ひとつは仙髷(せんぜん)の滝。横着して運転席から撮影している。
もうひとつは連珠の滝。
ほかに布滝・抛雪(ほうせつ)の滝・竜化の滝もあるようだけど、時間の都合でまた今度。
明賀屋本館宿泊者の特典サービス
明賀屋本館は14時からチェックイン可能なので、14時ちょうどくらいを狙ってチェックインし、まずそちらの川岸露天風呂を体験してから部屋でひと休みすると15時半になっていた。狙いの彩つむぎ入浴特典は15~22時・翌6~9時と決められているから、今から向かえばちょうどいい。
彩つむぎのお風呂を利用するにはどうすればいいのかとフロントで尋ねてみると、入浴券をくれたりするわけじゃなく、明賀屋から彩つむぎへ電話で「○○様がそちらへ向かいます」と一報入れてくれるらしい。なるほど。
徒歩だと移動に片道30分かかってしまうから車を使った。場所は塩原街道沿いだからすぐにわかる。駐車場は十分に空きがあり、宿泊客の邪魔になることもなさそうだから遠慮なく止めさせてもらった。庭の桜(?)がきれいですね。
我、彩つむぎのお風呂を体験する
内湯と露天風呂は別の場所
駐車場の時点でお迎えの方が待っていた。話は通っているはずだが念のため明賀屋本館の宿泊者である旨を告げて案内してもらう。さあ入館するぞ。
いつもの調子でロビーとかお土産コーナーを写真に残したい気持ちは正直あったものの、ただの入浴特典利用者がスマホを取り出して物珍しげに館内を撮りまくったら変な目で見られそうだな。まさか浴場内も撮影する気か?!と警戒されそうだし、やめておこう。
お風呂は玄関から通路を右へ進んだところにある。内湯と露天風呂は別々の場所にあって裸のままでは移動できない。じゃあまず大石風呂と名付けられた内湯へ行ってみよう。脱衣所の入口に分析書が貼ってあって「ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物温泉、低張性、中性、高温泉」とあった。源泉温度は52℃。
畳コーナーがある大石風呂
浴室は長屋のように奥に長い構造。洗い場は5名分。これまた奥に長い形をした浴槽は横並びで10名入れる規模。中央付近の壁側に巨大な石が張り出している。これが大石かな。もともとこの場所にあった石をそのまま生かして作った風呂なんだとか。
お湯の見た目は無色透明。湯の花や泡付きは見られない。匂いは明賀屋のお風呂で手に染み付いちゃった金気臭のせいで判然としないが、泉質相応のそれっぽい温泉臭かと思われる。温度は適温。指に作ってしまった小さな傷口にやけに滲みるなあ。結構塩気が強いのかもしれないぞ。お湯をなめるまではしないけど。
浴槽のさらに奥は8畳ほどの畳の間になっていた。休憩コーナー?…一番奥は窓ガラス越しに箒川を覗き込めるようになっている。気分良くクールダウンしてくださいってことかな。
離れのような露天風呂浴場
さてと、長時間浴を楽しむようなぬる湯じゃないし、露天風呂にも行かなきゃならない。内湯はそろそろこの辺で。湯あがりは妙にさっぱりとした感覚になる。リフレッシュ感があって結構ですな。
露天風呂へ行くには下駄に履き替えて屋外の専用通路へ出る。中庭を通り抜けると洒落た離れのような和風の建物に到着した。中の左側に男湯、右側に女湯。脱衣所には棚+かごと鍵付きロッカーあり。しかしロッカーは鍵をひねってもロックできない。やり方がまずかったのかしら。無人だったからまあいいや。
脱衣所を出たら飛び石を伝って奥の岩風呂へ進む。洗い場はない。浴槽は不規則な形状ゆえ、ゆったり入ろうとすると6名くらいの規模に見える。
泡付きするお湯と川の景色に満足する
お湯は無色透明。細かい白い粒々は湯の花のようでもあるし泡のようでもある。なぜなら浸かってしばらくすると肌に細かい泡が付着し始めるからだ。つまり泡付きあり。この点が内湯との大きな違いだ。個人的には、泡付きがあると新鮮で良質なお湯に出会った気がして喜んでしまう。やったぜ。
温度は適温。湯口から離れると、内湯よりも気持ちぬるめかなあという感じ。その湯口では投入されたお湯が落下する付近で時おりボコッと泡が浮かんでくることがあった。あれが泡付きの源なのか。そういうことにしておこう。
岩風呂の奥はウッドデッキ風になっている。下半身の高さくらいのパネルが目隠しとなって、風呂に入ったまま川を見ることはできないが、ウッドデッキに立てば箒川が作る渓谷風の景色を拝める。ただし七ツ岩吊橋が近くに架かっており、うっかりするとこちらが見られてしまうかもしれないから要注意だ。
ふむふむ、内湯と露天で小一時間経ったかな。そろそろ宿に戻りますかね。あとは部屋でごろごろしてたら夕食でしょう。湯あがりにリラックスして夕食を楽しみに待ちながらだらだら過ごす時間が好きなのよね。しかも塩釜の湯のおかげでさっぱり感Maxで絶好調。最高ですな。
【この旅行に関する他の記事】