帰るついでの塩原観光:木の葉化石園・もみじ谷大吊橋など

塩原ダム
春の栃木温泉旅行は最終日になってスカッと晴れた。この天気で直帰するのはもったいないので少し寄り道して帰ろう。温泉はさんざん入ったからもういい、観光メインで、と話がまとまった。幸いというかなんというか、自分は塩原の観光スポットにほとんど縁がなかった。どこへ行っても新鮮味があるだろう。

あくまで軽めに、疲れを残さない程度に、時間をかけずに各所をつまみ食いしていくことになった。結果的に木の葉化石園・野立岩・もみじ谷大吊橋と塩原ダムを見て回った。本腰を入れるつもりなら他の吊り橋もあるし、竜化の滝をはじめとする数々の滝や源三窟もある。まあでも時間の都合と無理をしないポリシーで。

こんなご時世じゃなくて紅葉の季節だったら人混みがすごかったかもしれないけど、そういうベストの条件から遠かったおかげで全然混雑してなくて、ゆっくり見ることができた。

木の葉だけじゃない木の葉化石園

予想以上にくっきり見える葉っぱ

最終日の朝。チェックアウトぎりぎりまで赤沢温泉旅館のぬる湯露天風呂を楽しんだ我ら一行。朝から身も心もさっぱりして当宿を後にした。まず向かったのは木の葉化石園。ここは散歩ついでに行けるくらい、宿からめちゃくちゃ近い。もうチェックアウトしちゃったから車で行ったが。
木の葉化石園前の地層
建物の脇に地層が見えていた。こういうところから化石がよく見つかるってことかな。解説によれば大昔の塩原一帯は湖だったそうだ。湖の底に積もった木の葉によって形成された地層。へー。つまり当園はそういった化石を展示してるってわけですな。

では入館。料金は4~11月が500円、12月~3月は450円。写真撮影OK。いきなり化石の標本がずらーっと並べられていた。「この植物がこんな化石になるんですよ」と対比してみせる感じで押し花風の標本とセットのやつもある。
木の葉の化石
しかし化石と聞いて抱くイメージよりはるかにくっきりと葉っぱのディテールが残るもんなんだなあ。補助線をいっぱい引いて説明してもらって、「そう言われると葉っぱに見えなくもないね」くらいのもんだと思ってたよ。百聞は一見にしかず。

途中からアンモナイトやら三葉虫やらの化石展示になってくる。ご当地から出土したものじゃないけど。
アンモナイトの化石
進むにしたがって時代が進んできて恐竜の化石やマンモスの牙も見られる。木の葉だけでなない。

鉱石展示に興奮するスカイリム脳

後半は鉱石の展示。もともと石のことはさっぱりわからないが、名前を見て「ん? なんだって?!」と注目させられる鉱石もあった。というのも、2度目の緊急事態宣言によるステイホーム期間中に遊んだスカイリムというRPGでは、武器防具を作る素材に石が使われていたからだ。

たとえば「碧水晶の剣」や「碧水晶の鎧」の作成・強化に必要なのが「研磨されたクジャク石」。その孔雀石があったんですよ。ゲーム内で碧水晶シリーズの装備品は緑色をしていたし、現実の孔雀石も鮮やかな緑色だった。へー。
孔雀石
そしてエルフシリーズの装備品に必要な素材が「研磨された月長石」。当館にもいくつかの長石類が展示されている。月長石ではないが。
長石類
エルフシリーズは黄色~金色なので、中央に鎮座する微斜長石や正長石の色がまさにぴったりくる。ようし、おじさん鍛冶スキルを目いっぱい上げてレジェンダリー装備作っちゃうぞ。ちなみに黒壇の鉱石はなかったけど黒曜石はあった。

…つい脳内で興奮してしまった。本来は化石から悠久の時のロマンを感じるべき施設である。


野立岩と天狗岩

お次は福渡地区の方まで戻りつつ川の中の巨岩・野立岩へ。現地から徒歩1分くらい離れたガソリンスタンドの隣に駐車場がある。下の写真はこの後に対岸の遊歩道へ立ち寄った際に撮った野立岩。
野立岩
道路から巨大な岩へ渡るための小さな橋は床の鉄板がベコンベコンいうからスリルがある。説明によれば、宇都宮城主・蒲生秀行が関ヶ原の戦いの後に会津へ向かう途中、泊まる宿がなくてここで一夜を明かしたらしい。大名クラスが宿に泊まれないなんてことあるの。まだ塩原に街が発達してなかったのかね。川の中の岩をわざわざ選ぶのもよくわからん。馬やお付きの者も岩の上に乗ってたのか。謎は尽きない。

岩の上から箒川の下流方向を見たのがこちら。
野立岩の上から見た箒川
また見上げると天狗岩がそびえ立っている。30分で登っていける遊歩道があるけど今回はパス。高低差を考えたらかなり疲れそう。
天狗岩
いったん車で対岸へ移動して遊歩道を歩く。野立岩の向かいまで来ると野立岩の全体像がはっきりわかるし、先ほどの天狗岩がいいアングルで目に映る。…うーん、やっぱり歩いてあそこまで登るのはしんどそうだな。
天狗岩

もみじ谷大吊橋から塩原ダムへ

揺れの少ない安定した吊り橋

お次は塩原温泉郷を離脱してまもないところのもみじ谷大吊橋へ。前日に立ち寄った森林の駅が併設されている。橋を渡るには300円。
もみじ谷大吊橋
よし渡るぞ。もみじ谷大吊橋は塩原ダム湖にかかる橋で、着いた先にダムがある。この日は水量が多かったようで、橋から水面まではそれほど高く感じなかった。かなり大規模な橋だから揺れはほとんどなく安定している。小さなお子様連れのファミリーも平気で通っている。逆光を避けて橋の中央付近から入口方向を振り返って撮影したのがこちら。
もみじ谷大吊橋の途中で振り返る
渡った先に展望台があってちょうどよい吊り橋の撮影スポットになっている。
展望台から見たもみじ谷大吊橋
それにしても湖面が高い。半分水に沈んだ柵の見えるあたりは本来なら歩道なのに。メンバーのひとりは以前にも来たことがあり、その時はもっと水が少なくて歩道を普通に歩けたそうだ。

放流中の塩原ダム

振り返ると塩原ダムが近い。行ってみよう。天端に工事車両と作業スタッフがいたものの閉鎖されているわけではなくすんなり入っていけた。ややアーチっぽくなっている重力式ダム。高さは60メートル級。
塩原ダムの天端
ちょうど放流中だった。放出された水が落ちる地点の少し先に明るい緑の吊り橋が見える。観光用ではなくてダム関係者の作業用だろう。我々が渡った大吊橋の比じゃないくらいのスリルがありそう。渡ってみたくもあり、みたくもなし。
ダムからの放流
ダム湖側はこのようになっている。やっぱり水が多いような気がするな。
ダム湖(塩原湖)
天端の奥まで行くと関係者専用のトンネル(?)があって道はそこで行き止まり。戻る前にダムの高さがわかるような写真をもう1枚撮って見学終了。吊り橋を渡って駐車場へと戻った。おつかれさまでした。
塩原ダム下流側

千本松牧場に超短時間の滞在

最後は1年前にも行った千本松牧場。中をただ歩き回るだけなら入場無料。各所のアトラクションや体験コーナーは別途有料。とりあえずメイン通りをまっすぐ「どうぶつふれあい広場」まで歩いた。
千本松牧場 どうぶつふれあい広場
どうしよう? 入る? まあいいか、ということで動物とはふれあわずにそのまま引き返した。あとは適当にお土産を物色して出場。疲れを残さず全行程を無事完了した。