今回の湯めぐり最終日の朝を那須で迎えた。なんだか半年前の遠征と似た状況になってるな…(1)最終日に栃木県北の那須・塩原地域にいる、(2)単に直帰するのもアレだな~、(3)立ち寄りでラスト1湯する余裕あるね、(4)せっかく車で来ているから電車で行きにくいところを狙いたい。
半年前の時は大田原市の温泉へ行ったんだった。じゃあまたその近くで別の温泉にトライしてみるか。と思っていろいろ調べて、同じ大田原市のホテルアオキに狙いを定めた。癖が強くないラスト向きの温泉を源泉かけ流し、かつ苦手なあつ湯でなく、ぬるめの風呂があるらしいのが決め手。
ただの無個性じゃなくてしっかりした温泉らしさを感じられる良泉。飲泉もできる。
那須野ヶ原温泉「ホテルアオキ」へのアクセス
那須高原を下るついでに弁天吊り橋を見学
電車で行きにくいところという条件をつけたけど、電車+バス+徒歩でなんとかなるみたい。那須塩原駅東口から大田原市役所方面の市営バスで那須赤十字病院下車、そこから徒歩15~20分で行けるようだ。やっぱり行きにくい?
自分の場合は朝9時台に那須高原の旅館ニューおおたかをチェックアウトし、そのまま直行するとまだ早いので、那須をちょっとウロウロするつもりだった。ロープウェイ乗り場が近いから、スカッと晴れていれば往復乗ってみる手もあるが、今日は山の上の方が雲に覆われてて展望が良くなさそう。次の機会にしよう。
そこで2つの吊り橋の見学に切り替えた。まず弁天吊り橋。閉業した那須マウントホテルのゲート近くに遊歩道入口がある。下り基調の道を5分ほど歩いたら橋が見えてきた。吊り橋撮影に適した展望台が近くにある。
揺れるは揺れるけどしっかりした構造であまり怖くはない。なお、休暇村那須からアプローチする遊歩道もあることが後に判明した。おそらくそっちの方がアクセスしやすいと思われる。
規模が大きくて観光客も多いつつじ吊り橋
続いては賽の河原・那須湯本の手前まで下りていったところのつつじ吊り橋。現地へ向かう途中に那須高原展望台があったから車を止めた。遠くに望む那須野が原が良いね。あの一帯のどこかにホテルアオキがあるのかな。
つつじ吊り橋には専用駐車場が整備され、ほぼ無人だった弁天吊り橋とは対照的に団体客がぞろぞろ歩くほどのメジャー観光地だった。橋の規模も違います。
大規模な分だけ安定性は増す一方、床の一部は鉄格子状になっていて下が丸見え的なスリルあり。橋の途中から南を向くと、わりと抜けの良い眺望が展開している。
さあ吊り橋シリーズ終了。この地区を去る最後に賽の河原と殺生石を遠くからチラ見して(以前見学したことあるし時間の都合により1枚撮影して終わり)、本格的にホテルアオキへ向かったのであった。
単純泉の良さを強調したような温泉
正面玄関からお入りください
さあ着きました。半年前の遠征でラスト1湯とした与一温泉は、同じ大田原市内の丘の上・林の中っていう環境だったが、ここホテルアオキは完全に平地・街の中といってもいいくらいの環境だ。一見すると温泉が湧いている土地には思えないという意味での驚きがある。敷地内に砂利敷駐車場あり。
玄関の右側に「露天風呂入口」「那須野ヶ原温泉入口」と誘導するような標識がついているけど、実際はそっちじゃない。近くまで行くと「正面玄関からお入りください」みたいな注意書きがあるのに気づく。ってことで正面玄関からフロントへ。
確か券売機で入浴券を買ったんだっけな。平日800円、土日祝900円。フロントに差し出すと、スタンプをためてお得なポイントカードを渡された。旅行者なんです~とむげに断るのも悪い気がして受け取っておいた。いつか再訪するかもしれないしな。
エントランス付近はこんな感じ。階段の手すりがなんだか凝ってるな。
100%源泉かけ流しの湯使いに感心
大浴場は1階奥。脱衣所には100円リターン式ロッカーあり。分析書をチェックすると「アルカリ性単純温泉、低張性、アルカリ性、高温泉」である。感心したのは湯使い。加水・加温・循環・消毒すべてなしの源泉かけ流しなのだ。やってくれるぜ。
浴室には2名の先客がいたものの、まもなく出ていって、ほとんど最初から独占状態だった。洗い場は10名分。向かって左奥に4~5名サイズのジャグジー風呂。温度はややぬるめ。しかしここはちょっと試してすぐに出た。
向かって右奥がメイン内湯浴槽だ。半円ぽい形をしていて、詰めれば20名いけるんじゃないかと思えるサイズ。浴槽中央に丸い柱が立っている。お湯の見た目は無色透明。そのお湯がドバーッと床の上にあふれてくるのが湯量の豊富さを物語る。踏むとツルッとすべりそうなお湯なので、転ばないように気をつけてね。
浸かってみたら適温だった。ぬる湯派のおじさんとしてはもっとぬるくてもいいけど、世間一般的には歓迎される温度ではないかと思う。湯の花は確認できず。肌がなじんでくると若干の泡付きが生じる。匂いはなぁ…膝に矢を受けてしまってな…じゃなくて、鼻が花粉症のような状態で使い物にならなくなってしまってな。でも軽めのアブラ臭があるような気がする。
ややぬるめで飲泉もできる露天風呂
じゃあ露天風呂へ行ってみますかね。露天エリアへ出てから建物の周囲に沿った通路を少し歩くと、急に開けて岩風呂が現れた。一部は屋根の下で日陰、残りは陽光を受けたお湯がまぶしく輝いている。奥に立つ岩が湯口になっており、流れ出る源泉の通り道がどす黒く変色していた。すげー。
また、手前にチョロチョロと流れ出る小さな湯口が?…と思って見たら飲泉所だった。飲んでみたところ、特に不快な苦みエグみはなくて結構いける。後味に硫黄を思わせるタマゴ風味あり。
お湯の特徴は内湯と一緒。温度はややぬるいから長めに入っても簡単にはのぼせない。紫外線強めにジリジリ攻めてくる初夏の日差しを避けて日陰のところでじっとしていた。風はまだ爽やかだからベンチでクールダウンすると気持ちがいい。露天風呂とベンチの往復でかなり仕上がった。
小一時間楽しんだ後、内湯で軽く締めてからあがった。なるほど、これがホテルアオキの温泉か。なるべく日常からかけ離れた体験を求めて、尖った主張や強烈な個性を評価軸にされるとつらいが、総じて良好なクオリティのお湯であった。
脂の乗ったカルビではなくて、結局ここに帰ってくるよなっていうおいしいお米のような温泉というべきかな。
おまけ:道の駅 那須与一の郷
帰りの高速に乗る前に道の駅・那須与一の郷へ行った。精悍な与一像がお出迎え。
併設の那須与一伝承館で与一に関する各種展示や竹工芸品を見学できるようだ。時間の都合によりパスしてすまんす。
見ておきたかったのは那須神社の方だ。道の駅のすぐ隣りくらいの場所になる。余裕で歩いて往復可能。
楼門をくぐって拝殿へ。令和の大修理をやるみたいね。
このたびの温泉めぐりを無事に終えたお礼を…いや、家に着くまでが遠足だからな。この先の帰路の無事を祈っておいた。