石垣島の北から南まで。観光スポット13選

石垣島 川平湾
今回の旅先である波照間島へ本州から直行することはできない。いったん石垣島を経由する必要がある。そこで我ら一行は初日を石垣島観光にあてて翌朝の船で波照間島へ渡った。また、帰りは羽田への便に乗るまでの半日の間にも石垣島を回っている。

本記事では石垣島の観光スポットについて書いてみようと思うが、時系列のストーリー形式だと、どうもうまくまとまらない。そこで各エピソードを4つのグループに分類して再構成した。

分類先のグループは、海の景色・灯台・洞窟・ダムの3種類と、あと“その他”。数が多いからショートコメントの羅列になっちゃったし、割愛した見学先もある。

海の景色のおすすめスポット

1. 川平湾

川平湾
石垣島といえばここ。定番。いかにも南国風なエメラルドグリーンの海と白い砂浜に目を奪われる。現地へ到達せずとも、車で走っていると川平湾を展望できる場所がいくつかあった。「今夜は雨が降ります」という予報に向かって雲がどんどん厚くなってきてる中でこの青さだもんなあ。
川平湾を展望する
現地の浜を歩いてみると、海面のスカッとした青さはやや減退していたが、砂粒は超白くて超細かい。映画やドラマに出てきそうな雰囲気であることは変わらない。
川平湾の白浜
近くの展望台から見下ろすと冒頭写真のような風景になって鮮やかさが際立つ。グラスボートで湾内めぐりすれば、魚を観察する楽しみもあるから、時間に余裕があればどうぞ(我々は時間の都合でパス)。

2. 玉取崎展望台

玉取崎展望台からの景色
石垣島の北側は細くくびれており、玉取崎展望台から見下ろすとくびれの両側に青い海を見ることができる。構図的には函館山からの夜景を連想した。

肉眼だとしばらくその場を離れたくないほど鮮やかできれいだったのに、スマホで撮ったら上の写真のように微妙に渋い感じになってしまった。にわかに黒い雲が湧いてきたせだろうか。雲のかかっていない方角を狙って一番うまく色が出たのがこちら。
玉取崎展望台からの景色その2
なお、玉取崎展望台へ看板を見ながら進んだら、国道390号から枝分かれするアプローチ道路を経て駐車場にたどり着いた。しかしカーナビはなぜか目的地に到着した扱いにしてくれなかった。国道沿いのバス停近くに古びた駐車スペースと古びた狭いアプローチ道があったけど、ナビはそちらを想定していたのだろうか。

3. バンナ公園

バンナ公園 エメラルドの海を見る展望台
バンナ公園そのものはバンナ岳を取り巻く一帯に設けられた広大な公園で、遊歩道・吊り橋・広場・さまざまな展望台がある。海の景色という切り口でいえば「南の島の展望台」「渡り鳥観察所」もいいけど、ここでは「エメラルドの海を見る展望台」をあげておこう。当時見えた色はエメラルドではなかったが…。
竹富島の島影
石垣島から近い竹富島はかなりくっきり見える。そして西寄りに目を向けると、遠くの方にうっすらと西表島も見えた。
西表島の島影
西表島の手前に少し濃い筋が2つ見えるうちの左側は朝ドラ「ちゅらさん」の舞台にもなった小浜島と、右の小さい筋は嘉弥真島ではないかな、たぶん。ばっちり晴れてる時に来てみたかったね。


海といえば灯台も見逃せない

4. 平久保埼灯台

平久保埼灯台
石垣島最北端。柵があって灯台のすぐそばまで近寄ることはできない。むしろここは海の景色グループに分類してもいいくらい、海がきれいに見えるスポットだ。東の方角がとくに感動的。午後だと逆光にならなかったし。
石垣島最北端の海
それにしても風がめっちゃ強い。風に抗して立っているのが楽ではないし、うっかりすると体ごと持ってかれそうになる。スマホを取り出すと風に飛ばされそうだった。身につけているものを含めて、いろいろ気を付けましょう。観光スポットとしてはおすすめ。多少遠くてもわざわざ行く価値あり。

5. 御神埼灯台

御神埼灯台
ここは灯台そのものよりも、その先の遊歩道から行く断崖絶壁が見どころと言いたい。我々の好奇心を刺激して巧みに誘い込む小径。
御神埼灯台の奥へ続く小径
なんとなく北海道の神威岬を連想した。そんなにたくさん歩かなくても、わりとすぐ先端に達するのだが、波の向こうに一風変わった岩が見える。落ちそうで落ちないやつ。
落ちそうで落ちない岩
ご当地はテッポウユリの自生地であり、訪れた当時も多少咲いていた。4月頃がおすすめとのこと。

6. 観音埼灯台

観音埼灯台
ここは灯台のすぐそばまで行ける。灯台は円柱形じゃなくて角柱形をしていた。車で向かう場合、近くへ行けるだけ行ったどん詰まりに1~2台停めておけるスペースがある。混んでる時は近所の唐人墓に立ち寄るついでにそこの駐車場を利用するのをおすすめする。

観音崎は夕日スポットでもある。西側に海が開けていて沈む夕日が美しい、らしい。当時は残念ながら曇っていてベストな眺めではなかった。
観音崎の夕日(晴れていれば)
この状況で日没までずっと佇んでいなくてもいいか、早めに切り上げて飲みに行きますか、という展開になった。それはそれでうれしいでござる。


結構本格的な鍾乳洞あり

7. 石垣島鍾乳洞

石垣島鍾乳洞
すいません、なめてました。小規模で短い洞窟かと勝手に思っていたら結構長かった。1周30分と説明されている。我々はじっくり見ながら50分かけてゆっくり歩いた。上から下から鍾乳石がニョキニョキ。

途中に水琴窟という音を奏でる一角があった。水滴が落ちる地点に金属製の皿を置いて、地点ごとに異なる音が鳴るようにしている。また別の場所ではイルミネーション演出をしていたり。単に通路があるだけじゃなく細かい仕掛けあり。
イルミネーション演出された鍾乳洞
後半にあったトトロと名付けられた鍾乳石が面白かった。
トトロ?
…うん、まあ、そう言われればトトロに見えなくもないね。

8. サビチ鍾乳洞

サビチ鍾乳洞
こちらはもっと規模が小さい。奥まで進むと行き止まりじゃなくて外へ抜けることができて、その先が海になっているのが特徴。とりあえず入口付近には貯蔵中のお酒がずらり。

三角コーンのようにはっきりした形の鍾乳石というよりは“ふわっとした”形状が目立つ。あいまいな形容でなんだか分からないでしょうな。代わりといってはなんだが、同時に露出したサンゴの化石群をはっきりと確認することができる。
サンゴ化石群
外へ抜けて海側へ出ると、隠れ家風の落ち着けるいい場所があった。
隠れ家風の入り江

ダムは漢のロマン

9. 石垣ダム

石垣ダム
石垣島にはいくつかダムがあるけど灌漑用のアースダム・ロックフィルダムがメインで、一般にイメージされるような高低差の大きい重力式やアーチ式ではない。

石垣ダムも然り。このダムのスケールを感じるには、ダムのすぐそばよりもバンナ公園内のカンムリワシ展望台から見下ろすのがよいと思う。
カンムリワシ展望台から石垣ダムを見下ろす

10. 底原ダム

底原ダム
ここは天端がはてしなく長い。とても歩き通そうという気にならない。車両は通行止めである。あっさりあきらめて写真だけ撮って終わりにした。天端の入口に2体のシーサー。

高低差はなく、下流側は川の土手ぽい坂があって、あとはずっと草地。水はきっとどこか脇の方にある放水路を通じて流しているのだろう。
下流側は土手のような草地
典型的なダムらしさは薄いが天端の長さからして堤体のスケールは半端ない。

11. 真栄里ダム

真栄里ダム
こちらも同じようなつくり。車でダム管理事務所の方まで近づいていったアプローチ道がそもそも天端だった(管理事務所はゲートが閉まっていて立入禁止だった)。放水路がこちら。
真栄里ダムの放水路
真栄里ダムと底原ダムは近いからセットで見学できるだろう。

12. 名蔵ダム

名蔵ダム
到着直前に「え、こんな狭いところを入っていくの?」って分岐があったんじゃなかったかな。台湾農業者入植の碑の案内板しか立ってないし、まさかと思って違う方へ進んでしまったりした。道迷いに注意。

ここの天端も結構長くて車両は通れないが、遠くてもゴールが見えているから頑張る気になる。反対の端まで歩いてみた。
名蔵ダムの放水路
放水路のあたりの干からび風・ひびわれ模様が何ともいえず。


その他といえどもインパクト大

13. 米子焼工房シーサー農園

米子焼工房シーサー農園
おなじみシーサーを陽気で派手な感じにアレンジした焼物を展示販売している工房。ポジティブシンキングの塊であるソレは、友好的で愛らしい宇宙人のようにも見える。結果的に何も買わずにすみません。

びっくりしたのは店の奥に農園が広がっていて…いや、農園じゃなく巨大オブジェの展示場というべきか。人間よりずっと大きい米子焼シーサーがあちこちに建立されていた。この大きさでこのデザインは、なんとなく岡本太郎を連想してしまった。
不思議な気分になってくる光景
中にはもうシーサーだかなんだかわからないやつらも。不条理系の夢に出てきそうでやばい。

 * * *

こうして挙げてみると結構いろんなところへ行ったんだな。コース選定を石垣島旅行経験者におまかせしたのが良かったのだろう。我々が興味を持てそうなスポットを中心に、押さえるべきところは押さえて効率的に回れたと思う。