洞爺湖有珠山ジオパーク:見どころを回れるだけ回る

洞爺湖と昭和新山
梅雨のさなかに行われた北海道旅行は前年のリベンジを意識した内容となった。たとえば洞爺湖・有珠山。1年前に訪れてはみたものの、ひどいゲリラ豪雨に襲われてとても観光どころじゃない。何もできないまま、ほうほうの体で立ち去った。悔しいです。

このままじゃ終われない、と2020年、再び同エリアを周遊する計画を立てた。天気予報によれば予定日はよく晴れる模様。今度こそ決めてやる。

そして実際に良好な天気の下、洞爺湖と有珠山と昭和新山をがっつり見ることができたのである。翌日もまたやって来て、取りこぼしたスポットを拾いつつ洞爺湖を“ほぼ”一周した。前年とはまったく対照的な、理想に近い結果を残すことができた。嬉しいです。

洞爺湖がよく見える場所

サイロ展望台

旅の初日は神威岬と神威岩、2日目は羊蹄山の美景、いずれも雨風のせいで見ることが叶わなかった前年のリベンジを果たしていた我ら一行。3日目のターゲットは洞爺湖エリアだ。天気予報通りの快晴の中、ニセコ五色温泉旅館をチェックアウトして洞爺湖へ向かう。天気が崩れる気配はまったくないので気持ちにすいぶん余裕があった。

最初に着いたのが洞爺湖北西にあるサイロ展望台なるドライブイン。ここは2年前の冬にさっぽろ雪まつりの団体パックツアーで立ち寄ったことがある。そう考えると洞爺湖には3年続けて来たことになる。
サイロ展望台
売店を抜けて反対側の出口を出ると、高台から湖を見下ろす展望広場になっている。おお、今日はよく見えるわ。
サイロ展望台から見える洞爺湖
近くにヘリコプターの発着場があって、観光客向けの遊覧飛行をやっていた。長短3種類ほどのコースがあるみたい。自分のお財布事情だと利用するのはちょっとためらってしまうが、一生の思い出に乗ってみるのはありかもしれない。その時は乗りませんでしたけど。

洞爺湖園地

2008年のG8サミット会場となったホテルを遠くに眺めつつ、一気に湖の南岸までやって来た。この一帯は洞爺湖温泉街にあたり、レイクビューのホテルがいっぱい並んでいる。たぶん洞爺湖園地だと思うけど、駐車場のある見学スペースからの景色。
洞爺湖
洞爺湖の真ん中にある島が目立ってますね。遊覧船で島へ渡れるけど当時は休み。小さなスワンボートだけが湖面のあちこちに浮かんでいた。ちなみに写真左端にうっすら写っているのは羊蹄山だ。


有珠山と昭和新山

ロープウェイで山上へ

ここまで来れば有珠山・昭和新山は近い。ちょっと走って昨年の因縁が残る昭和新山駐車場に車を止めた(因縁=料金を払って駐車場に入れたけど何もできずにすぐ引き返したというだけだが)。まずはリベンジのひとつ、はっきりくっきりの昭和新山だ。
昭和新山
距離が近いから迫力がある。標高400mの溶岩ドームってすげーな。この日も頂上付近からもくもくと煙を上げていた。

敷地内に有珠山ロープウェイ乗り場がある。往復1800円。ふだんは15分間隔の運行で、客が多く集まると臨時便も出すようだ。片道6分で山頂駅まで運んでくれる。山頂駅の隣は展望テラスになっていて、冒頭写真のように昭和新山と洞爺湖を一望のもとに見渡せる。下の写真は洞爺湖方向に専念して撮ったもの。
有珠山から見た洞爺湖
スマホの通常撮影だとこれが限界。パノラマ撮影とかならもっと迫力あるかも(やり方がわからん)。

有珠山火口原展望台

さて山頂駅から10分ほど歩いてもうひとつの見学スポット・有珠山火口原展望台を目指そう。ステイホーム中の運動不足・お出かけ不足がたたって足腰が弱ったのか、大したことないはずの上り坂がきつい。最後の階段もつらい。実際の距離よりも長く歩いたように感じながらようやく着いた火口原展望台がこちら。
有珠山火口原展望台
見えてる峰は有珠一家のリーダー的存在の大有珠。他に有珠新山や小有珠なんかがある。で、火口原という名前はたぶん次から来ている→左の方へ目を移すと…。
銀沼火口群
かつては沼だったのに今はその面影もなく噴煙を上げるようになってしまった銀沼火口群だ。ばりばり活動中ですな。我々はここで引き返したが、もし体力・時間に余裕があって装備に抜かりがなければ、外輪山遊歩道をさらに奥へ進むこともできる。片道40分。
外輪山遊歩道入口
ちなみに当時は天気が良くて噴火湾越しに駒ケ岳が見えたし、「あのへんは恵山じゃないか?」という会話まで交わされたほどだった。恵山は2年前の函館旅行で行ってたのでね。なんとなく感慨深い。
有珠山から見える駒ケ岳
その後は登別へ移動してこの日の洞爺湖観光は終了。


壮瞥滝と壮瞥公園

旅の4日目は前日と打って変わって雨。地獄谷・大湯沼・倶多楽湖といった登別エリアの観光は雨の中だった。詳細は割愛します。その後、場所を移せば雨じゃないかもしれないと期待を込めて、再び洞爺湖方面へ車を走らせた。

狙い通り、オロフレ峠を越えて壮瞥町まで来ると雨はあがってた。ラッキー。さっそく壮瞥滝へ向かう。洞爺湖の水はこの滝を落ちて流れ出ているそうだ。中禅寺湖に対する華厳の滝みたいなもんか。駐車場から5分くらい歩くと滝の前に着く。水の勢いが結構すごいね。
壮瞥滝
続いては洞爺湖を見下ろす高台の壮瞥公園。アプローチの道が狭くて入口がわかりにくい。「熊注意」の看板なんかがあるし。ちょっとドキドキしながら上っていくと広くはないが開けた場所へ出てきた。なるほど、丘の上から洞爺湖とご対面できるわけか。前日ほどの好条件ではないけど、なかなかの見晴らしが得られた。
壮瞥公園から見える洞爺湖
見る方角を変えると昭和新山や壮瞥の田園風景なども視野に入る。とくに何の施設があるわけではないが、そんなにたくさんの人は押し寄せて来ないだろうし、穴場かも。


昭和新山の熊牧場

怠け熊と芸人熊

お次の新山沼展望公園は割愛します。それから前日に続いてまた昭和新山駐車場に入った。ここに併設されている熊牧場を見学するためである。850円。入場時に熊の餌と人間の餌(=お菓子)を渡される。
昭和新山熊牧場
中はそれほど広くない。まあ全方位戦略の動物園じゃないし。熊のいるゾーンはいくつかに分かれており、子熊ゾーンはやっぱりじゃれ合う子熊が可愛いね、遠くから見ている分には。子熊はお腹を壊してしまうから餌をやらないでね。

大人の熊はさすがにヒグマだけあってでかい。あの巨体に対峙して抵抗できる術はない。出会った時点でアウトな奴らだわ。ゾーンによって全員寝そべってだらけまくっているグループと、
だらけグループの熊
「餌ちょうだい、ちょうだい」ポーズを取る芸達者なグループがあった。
芸達者グループの熊

餌をキャッチさせるのが意外と難しい

ただ、芸達者な熊めがけて餌を投げ入れてもキャッチできずに落としてしまい(彼らの足元が坂になってるから遠くへ転がってしまう)、拾いにいく間にカラスに横取りされるパターンが大半だった。もうちょっと頑張れよ。

カラスを避けて確実に渡したければ、ゾーンを真横から見学できる一角があるので、そこに設置された筒から餌を転がせば直接に近い形で受け渡しができる。

他にアライグマ舎もある。そこでも筒越しに餌を渡すことが可能だ。餌を見ても誰も動こうとしない中、特定の1頭だけが何度もおねだりしに来た。ちゃんと洗うようなポーズを取ってから食べてくれる。


足かけ2日で洞爺湖ほぼ一周

あとは洞爺湖沿いを反時計回りに走って、えぼし岩公園などに立ち寄りつつ、北岸の「とうや水の駅」に到達した。ここでまた洞爺湖を眺める。旅の終りが近いこともあって静かな、たそがれ的なムードにひたる。
とうや水の駅から見える洞爺湖
水の駅からあと少し走ればサイロ展望台に達し、一応は洞爺湖一周フラグが立つ。しかしもう夕方だし、天気が怪しくなってきたし、変にコンプリートにこだわらず新千歳空港へ向かうことになった。3泊4日の旅もこれにて終了。

こうして洞爺湖エリアのリベンジにも成功。とくに前半は天気も良くてばっちりだった。有珠山にロープウェイで上ることまで含めるとやっぱり晴れるに越したことはない。今年は天候を味方につけることができて本当に良かった。