最上階の展望風呂が自慢です - 土肥温泉 土肥ふじやホテル

土肥ふじやホテル
今回の旅の目的は河津桜を見ること。それは初日でクリアしてしまい、南伊豆で1泊した。そうして翌日とんぼ返りだといかにもせわしないので、戻りつつ途中でもう1泊する計画を立ててあった。

2泊目の宿として決めたのが西伊豆の海に近い土肥温泉「ふじやホテル」。最上階に展望露天風呂を持つ大規模なホテルだ。

温泉もさることながら、やはり魚づくしの料理てんこ盛りが印象深い。伊豆の海沿いというと、海の幸が食べ切れないほどドーン! を期待してしまうが、まさにその通り。実際に食べ切れなかった。

土肥温泉「ふじやホテル」へのアクセス

1年前に別のメンバーと伊豆へ行ったときには静かな山里の船原温泉に泊まった。その船原温泉から海に到達するまで西進したところが土肥になる。

東京方面からだと新東名と伊豆縦貫道で月ヶ瀬ICまで行き、あとは国道136号を西に進めば土肥に着く。途中には世界遺産の韮山反射炉があるし修善寺も通るから、立ち寄り先には困らないでしょう。

静岡以西からだと清水~土肥間をフェリーに乗るという技もある。しかし我々が訪れた日は強風でフェリーが欠航したらしい。そういうリスクはあるね。

実際の我々は前泊地の弓ヶ浜温泉・季一遊をチェックアウトした後、石廊崎→雲見→堂ヶ島と西伊豆の海沿いをゆっくり北上して、15時過ぎにはふじやホテルへ入ることになった。天気が荒れてきたし、今日はもう部屋でのんびりしましょう。

当宿の前には山川が流れており、河口まで200メートルくらい。しかし地上からでは海がはっきり見えない。※下の写真は天気が回復した翌朝に撮ったもの。
ふじやホテル前に流れる山川

ちょっといいお宿の雰囲気あり

文人資料室のあるホテル

エントランスのところでお香を焚いたような香りがしてきた。ちょっといい宿でよくある演出だ。やりますな。なにやら由緒ありそうな打掛が飾ってあったりするし。ちなみにロビーはこんな感じ。
ふじやホテルのロビー
またフロントの少し奥には文人資料展示室なるものがある。正直なところ自分にはよくわからないものが多いのだが、川端康成の直筆の手紙なんかがあったな。土肥ゆかりの文人は結構いるようだ。
文人資料室
朝になると文人資料室の前に長机が設置されて干物売り場と化す。資料室に入りづらくなるため、じっくり見たければ前夜のうちがおすすめ。

2間続きの広大な部屋(ただし山側)

さてチェックインして案内された部屋は4階の、なんと、2間続きの12畳+12畳。人数に対してめちゃ広い。わざとそういうプランを選んだんだけどね。もちろんこれは特殊なプランで、当ホテルでも一般的な広さの部屋が主体である。ねんのため。
ふじやホテル 12畳+12畳客室
奥の間の電気をつける前に写真を撮ったため暗く見えるけど、もちろん明るくなる。もともと別の2部屋をつなげたように見えるものの、奥側のふすまは開かなくなっていて、出入口・シャワートイレ・洗面台は手前側のしか利用できない。

金庫あり、別途精算ドリンク・お酒入りの冷蔵庫あり。WiFi完備。不都合なく快適に過ごせるだろう。なお、広いかわりに山側の客室で海は見えないといっても、我々はそういう要素を求めていないから問題なし。

海側の客室だった場合の眺望について、参考までに同じ4階のエレベータ付近の窓から撮影してみた。ガラス窓+網戸越しですが。もっと上の階ならさらにはっきり見えるはずだ。
4階からの眺望

海が見える展望風呂

強風だったのが誤算

ふじやホテルの大浴場は最上層の7階にある。この高さまで来ると上の写真よりもずっと海が目立つようになる。履物を脱ぐところから外の屋上ぽい区画へ出られるようになっていて、展望台や貸切露天風呂などがある。しかし当時は強風のため出られず。

素直に大浴場へゴー。手前が男湯で奥が女湯。入れ替えはない。脱衣所の床はちょっといい宿にありがちな畳敷きだった。やりますな。着衣はカゴに入れる方式だが別途で貴重品ロッカーがある。

掲示された分析書には「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」とあった。加水・加温なし、循環・消毒あり。

熱すぎないのがありがたい内湯

内湯には10名分の洗い場。そして10名以上いけそうな内湯メイン浴槽がある。一面ガラス張りで露天風呂と下界の景色が見通せる。高温泉で熱いんじゃないかと覚悟して入ったら、わりと適温だった。

お湯の見た目は無色透明で、塩素臭くはなく潮の香りのような要素もある。万人向けの入りやすい温泉といえる。巨大な玉ねぎのような形をした湯口が湯船の隅っこからニョキッと生えているのが目に付いた。

隣には2名規模のジャグジー風呂もある。メイン浴槽より微妙にぬるいといえばぬるいか。気のせいかもしれないくらいの微妙な差だが。翌朝6時過ぎに行ったときには泡が出ていなくて、ぬるめのような気もしなくはない第2浴槽と化していた。

荒天により露天風呂は参考外

大浴場の売りであろう露天風呂は、実のところ印象が薄い。当時は風があまりに強くて露天風呂にはごく短時間しかいられず、印象を刻みつける前に出ていくことになったからである。

3~4名規模の岩風呂を満たすお湯の特徴は内湯と同様。屋根はなかったと思う(上から雨粒が当たるのを感じたので)。

ビル屋上の手すり風の柵があって、その先に下界の景色が広がる。土肥の町と、その先に海だ。風が強くなければじっくり眺めたんだけどな。日が暮れたら夜景がきれいかもしれない。

と、書いてて思い出したが、夜は風呂に入らんかったわ。温泉狙いで来たのに、なんでだろう。なんでだなんでだろう。食べて飲んだらぐったりしちゃったんだっけな。あーもったいない。


伊豆に来た気分を盛り上げる食事

文字通り、食べ切れないほど出てきた夕食

ふじやホテルの食事は朝夕とも3階の食事処で。グループごとに半個室のテーブル席が割り当てられる。夕食のスターティングメンバーがこれ。
ふじやホテル 夕食
これなら食べ切れる量じゃないかと決めつけるのは早計。まだ序の口に過ぎない。予約したプランはアワビか伊勢エビかを各自の希望で選択できて、金属製の鍋は希望者向けのアワビ。土鍋の具は手前に置いてあって、中にそばが入ってた。

まもなく舟盛りキターーー!
舟盛り
希望者向けの伊勢エビはこちらに盛られている。刺身がこれだけあると最後まで残ってしまい、みんなで手分けして完食したものの、まあエライ量だわ。もちろんお味も良し。

金目鯛の煮付けや、もはや覚えてないけど他にもいろいろ出てきてお腹がはちきれそうだった。しかもほとんどが魚介類。伊豆に期待した要素をきっちり満たしてくれた。

締めのご飯はほんのひと口だけ。もったいないけど仕方がない。わずかとはいえ食べ切れず残してしまった品もあった。デザートは泣く泣くお断りしようとしたら、部屋までお持ちくださいとのこと。部屋で休憩して21時頃に食べたのだった。

朝食もおかずがいっぱい

朝は同じ場所でオーソドックスな和食。アジの干物は下にアルミホイルを敷いて焼くので、身が鉄板にくっついてしまう“あるある”が起きない。良い配慮だ。
ふじやホテル 朝食
ご飯のお供がいっぱいあるんだけど、なにせ前夜の山のようなごちそうがまだ消化しきれていない感じで、胃袋に余裕がない。おかずの大半をご飯なしで単独で食べることになった。

食後は1階の文人資料展示室や売店の並びにある洒落たラウンジでコーヒーをいただける。上に書いた通り朝の文人資料展示室前は干物売り場になっているから、お土産を探してみよう。


ふじやホテルはちょっといい宿のポジションにある(基準は人それぞれだろうが自分的には)。今回は広さとコスパで客室を選んだが、他に上層階の海側とか露天風呂付きとか贅沢な要望向けの部屋も提供されている。

西伊豆の中では比較的行きやすい土肥温泉で展望露天風呂に入り、海の幸ドーンで舌鼓を打ち、リフレッシュするにはちょうどいいですね。