お風呂と静岡おでんのハッピーアワー - 梅ヶ島温泉 湯元屋・虹の湯

梅ヶ島温泉 湯元屋
静岡市は南北に広い。静岡といえばずっと海の街というイメージを持っていたのだけど、北の方はずいぶんと山深いところで、南アルプスの懐に入っちゃってる感じ。奥静岡=「オクシズ」なる愛称で呼ばれるエリアだ。

オクシズには温泉が多い。そのひとつ、梅ヶ島温泉に師走の一人旅で行ってみた。いやあ寒かった。寒さで気持ちも体も縮み上がってしまう。そんな心と体をやさしく温めてくれる「湯元屋」をおすすめしたい。

湯元屋併設の日帰り温泉「虹の湯」に入って、食堂で静岡おでんなんか食べたら、もう幸せいっぱい。こりゃたまりませんな。

梅ヶ島温泉「湯元屋」へのアクセス

梅ヶ島温泉は静岡市内だけど、JR静岡駅からの距離はかなりある。鉄道で来た場合、静岡駅から「しずてつジャストライン」の梅ヶ島温泉行きバスで約2時間。なんと2時間ですよ、こりゃ長い。このバスは2~3時間に1本しかないのでしっかり時刻表を調べていこう。

バスの終点・梅ヶ島温泉か、ひとつ手前の梅ヶ島温泉入口を下車、歩いて数分のところに湯元屋がある。道がヘアピンカーブになってる先端のところ。

目の前の赤い橋を渡った先に「おゆのふるさと公園」があって、そこの高台から梅ヶ島温泉街全景を撮ったのが、これ。左手にふたつ並んで見える建物のうち左が虹の湯、右が湯元屋だ。実際はふたつでひとつと思って良い。
おゆのふるさと公園から見る梅ヶ島温泉街
静岡市中心部ではあんなに広大だった安倍川もここでは相当小さめ。空はスッキリ晴れていても空気が冷たく寒い。早いとこ風呂で温まろう。


やさしい硫黄泉の源泉かけ流し

お土産コーナーから行くお風呂

湯元屋に入ってすぐのところがお土産コーナーになっている。そのレジカウンターで店主に入浴したい旨を告げ、700円を支払った。教えてもらった通り、お土産コーナー奥のドアを開けると階段になっており、2階が虹の湯の入口になっていた。
虹の湯入口
男湯のドアを開ける。脱衣所は限られた空間を工夫して逆コの字形をした狭い通路状であった。大勢が同時に利用するのはちょっと厳しそうだ。服や荷物は鍵付きロッカーに入れる。壁の分析書には「単純硫黄温泉、低張性、アルカリ性、温泉」とあった。

ヌルヌル+タマゴの内湯

浴室に入った瞬間、もわっとした湯気の中で硫黄らしいタマゴ臭が鼻をついた。いいよいいよー。他に客はいない。独占だ。

洗い場は3名分、内湯浴槽も3名規模といったところ。さあて、と意気込んで歩を進めると、足の裏につるつるすべる感触が。うっかり油断すると転びそうだ。源泉かけ流しで浴槽からあふれてくるお湯の特徴からくるものだろう。

タイル張りの内湯浴槽につかる。お湯は無色透明。店主に「うちのお湯は熱めだから」と言われていたが、おそれていたほどではなく、適温の範疇。これなら大丈夫。そして予想した通りヌルヌルとまとわりつくような感触がする。

お湯をすくって鼻を近づけると微かな硫黄の匂いがした。強い刺激はなくやさしい系で、かつ美肌に効きそうなアルカリ性ヌルヌル、そこに加えて硫黄の控えめな主張という、なかなか満足度の高い万人向けの浴感だ。それを源泉かけ流しで楽しめるなんて、いいよいいよー。

ぬるい露天風呂

この内湯浴槽だけでも十分満足だったが、奥に露天風呂があった。外は寒いけどどうしよう。せっかくだから入ってみるか。

露天エリアはかなり小さい。2名規模の浴槽のまわりを竹柵で囲ってある。だから外の景色は見えず(道路に面したあの立地で外が見えるようだったら、逆にこっちも見られてしまう)、頭上の空とわずかに覗く山の一部を見ることになる。

露天風呂の上に銀色のシートがかぶせてあった。シートを少しめくって身体を滑り込ませる。…ぬ、ぬるい。シートがあってもお湯が冷めてすっかりぬるくなっていた。

“ひやあつ”入浴が結構な極楽

だがそれは悪いことではない。内湯との間を仕切る壁に小さな穴が空いており、内湯浴槽からのお湯が流れ込んで、湯口の役割を果たす仕掛けになっていた。その穴の近くに頭を持ってくれば、上半身はじんわり温かい。

一方、足を伸ばせば下半身は湯口から遠ざかり、ぬるい領域に位置する。頭寒足熱の逆パターン・頭熱足寒だが思いのほか気持ちいい。頭熱のおかげでゾクッとくることがなく、足寒のおかげでのぼせることがない。絶妙のぬる湯加減となっていつまでも入っていられる。

頭上に流れる雲を見ながら、あー極楽極楽と長湯してしまった。最後に内湯にちょっとつかって終了。出る時にちょうど新しい客と入れ違いになったから、いい潮時だ。


静岡おでんとジビエで一杯

いやー、いい風呂だった。気分良く湯元屋の食堂コーナーへ向かった。テーブル席は埋まっていたので小上がりの座敷へ。そちらもグループ客がまったりしていたり、一部の卓には「予約席」の札が見えた。なかなかの盛況だ。

ビールとつまみを注文する。ここ湯元屋の特徴は静岡おでんとジビエ。どちらも自分にとっては珍しい非日常的なメニューだ。これはもういくしかないと、おでん4品に鹿刺しを頼んでみた。来たのがこちらにございます。
湯元屋の静岡おでんと鹿刺し
おー、うまそう。おでんは真っ黒な汁の中からサルベージされたもので、見るからにすんごいダシがしみてそう。実際その通りだった。ビールが進む。

鹿刺しの方は全然臭みがない。堅すぎたり筋っぽかったりすることもなく、パクパクいける。わりと洗練された味だった気がする。他にも猪串なんていうメニューもあったが、お腹いっぱいになってしまい、このあと旅館で出る夕食のことも考えて自重した。事情が許せば試してみたかった。

虹の湯に入って湯元屋の静岡おでんやジビエをつまみつつ一杯なんて、かなりやばいハッピーアワーだ。ここでずっとダラダラしていたいと思ってしまう。病みつきになりそうな魅力を備えたお店であった。


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