関西での会合出席にかこつけた温泉旅は2日目午後から急展開を見せる。神戸三宮から高速バスに乗って徳島へワープしちゃったのだ。それもこれも「47都道府県それぞれで1つ以上の温泉宿に泊まる」の実績解除を達成するため。徳島だけ未湯で残る状況が長く続いてたから、ここで一気に畳みかけようと。
県内に祖谷温泉というぬる湯の秘湯があるのは知っているが、スケジュール上の制約と冬=積雪のイメージから今回は明らかに厳しい。立地を重視して徳島駅前の天然温泉付きホテル・サンルート徳島に決めた。
鉄成分を連想させる赤茶色の湯は非日常感があって、主要都市の駅前ビジネスホテルとは思えない特徴。利便性と旅情を兼ね備えた面白いホテルだ。
ホテルサンルート徳島へのアクセス
神戸から(体感的には)サクッと着いちゃった徳島
旅の2日目、新大阪近くの宿(温泉でない普通のビジネスホテル)から灘温泉水道筋店へ立ち寄りつつ、神戸三宮まで来たのが正午すぎ。神姫バス神戸三宮バスターミナルで徳島行きの高速バスに乗った。明石海峡大橋を渡って淡路島を通過するので車窓の景色が楽しみだな。
と思ってたらあっさり睡魔に陥落。気がついたら大鳴門橋を渡るところまで来てた。そしてまた眠っちゃったりして、2時間の行程を感じないうちに徳島駅前に到着。うおおお、ついに来たぜ、全都道府県フラグの最後を飾る徳島だ!
当館は徳島駅徒歩1分だから迷いようがない。すぐわかる。いったんチェックインして部屋に荷物を置いた後、身軽になってちょっと町を徘徊することにした。まだ15時台で夕飯には早いし。
阿波おどり会館は外せない
駅から続くメインストリートを南西方向に10分ほど歩くと、眉山ロープウェイ・阿波おどり会館・天神社が現れる。
ロープウェイで眉山往復するのと阿波おどり会館見学は時間的に両立しそうにない、もしくはかなりの駆け足になりそうだな。無理せず阿波おどり会館に絞ろう。まず3階の阿波おどりミュージアムへ。500円。入口に阿波おどりロボがいました。
内部は広くはなく、パネル展示を見るだけならすぐ終わる。VRやゲームなど体験型展示が主役なのだろうが、それらはファミリー客を中心に次から次へと占められる状態が続いてて、ぼっちおじさんの入る隙がないからあきらめて、ごく短時間で出た。
しかしそのおかげで2階で行われる16時からの阿波おどり公演に間に合った。40分間で1300円。専属連による阿波おどりを見たり、レクチャーを受けて自分も踊ってみたりできる。
公演後は隣の天神社を見学。学業と関連が深いらしく、菅原道真公像や、さすると知恵がつくといわれる知恵の牛像がある。
さて17時近くになった。どこかで食事してからホテルに戻ろう。夕食の話は後ほど。
利便性高い現代的ホテルで安心感あり
当ホテルのフロントは3階にある。こちらがフロント前のロビー。
館内はレトロとは対極の新しさ。スタッフ対応もビジネスホテルの標準的な作法に則っており、とてもスムーズに物事が進む。万人が安心して快適に滞在できるだろう。
西本館(ウェストタワー)と東別館(イーストタワー)からなり、案内された部屋はウェストタワー10階のシングル洋室。客室の中では最上階じゃないか?…高級な特別室が11階にあるかもしれんが。いやーすいませんね。
現代的ホテルにあるような設備はWiFi含めてひと通り揃っており不都合はない。温泉宿に泊まると風呂あがりに缶ビールを飲むのが常だが、今回は前日の会合の席で飲みすぎていたため酒を欲する心がまったくなかった。ゆえに自販機がどこにあるとかはチェックしてません。必要ならそのへんのコンビニで買えるでしょう。
テレビは今風に情報端末を兼ねている。大浴場混雑状況は(おそらくコロちゃん対策の頃の)人数制限措置を受けて「混んでいます」が表示されやすいように調整されているみたい。気にしすぎるといつまでも大浴場に行けないので注意。
窓から見える景色はこんな感じ。道路向かいのショッピングセンターかな。
眉山の方角ではないけど別の客室からであれば見えるかもしれない。少なくとも廊下の一部の窓からは眉山が見えた。
記念すべき全国制覇、最後のピースは「びざんの湯」
最上階の大浴場
阿波おどり会館~夕食をすませてホテルに戻ったのが18時すぎ。部屋の情報端末で大浴場混雑状況をチェックすると「混雑しています」だったからしばらく待った。19時をすぎてもまだ同じなので、とにかく行ってみるかと11階へ。大浴場「びざんの湯」はウェストタワー11階にあるのだ。イーストタワー宿泊者は11階まで上ってから連絡通路でウエスト側へ移動できる。
大浴場へは室内着+スリッパの格好で、かつ手ぶらで行ってOK。まず受付カウンターがあり、そこでスリッパ用ロッカーの鍵とタオル&バスタオルを受け取る。それから男湯の入口でスリッパをロッカーにしまう。
脱衣所にも鍵付きロッカーあり。泉質の説明は2通り…「ナトリウム-塩化物冷鉱泉、高張性、弱アルカリ性、温泉」と書かれた張り紙と、「含鉄(II)-ナトリウム・マグネシウム-塩化物冷鉱泉、低張性、中性、冷鉱泉」と書かれた正規の分析書フォーマットぽいやつ。後者によれば泉温19.5℃、PH6.9。加温は当然あり、循環・消毒もありと思われる。加水は不明で、してないかもしれない。
立地からは想像できない赤茶色のにごり湯
浴室を見渡すと客は数人いるものの混雑というほどではない。試しに来てみて正解。かけ湯は冬だとブルッとくる程度にぬるい。洗い場は6名分+奥の別室風のところに3名分。
内湯浴槽は細長い四角形で、あえて向かい合わせにならずとも横一列に7~8名は入れそう。見事な赤茶色のにごり湯で満たされて浴槽の底はまったく見えない。おおおーすごいな。駅前ビジネスホテルのイメージからは想像できない泉質だな。湯口付近の壁には「以前は砂・石でろ過していましたが、そのままの温泉を投入するようにしました」と説明書きがある。好判断を支持します。
当時は湯口からの投入が止まっているかわり、浴槽中央付近から常時ボコッ、ボコッとお湯が盛り上がっていた。あのへんから別途投入があるのだろうか。夜には気づかなかったが翌朝来た時には、そのボコッと同時にあぶくの塊が周辺に広がっていく様子を確認できた。いわゆる泡付きとは違うけどなんか得した気分。
では入湯。ちょい熱め?…でもすぐに慣れて適温という感覚になる。すぐに出なければならないほどの高温ではない。見た目と分析書の記述から含鉄泉のイメージを持って匂いを嗅いでみたところ、金気臭は意外と感じられず。匂いに関してはわりとおとなしい。あと感触的にはヌルヌル・ツルツルよりはキシキシ寄りかな。
非温泉だが露天風呂もあり
露天風呂があるようですな。内湯浴槽脇の扉から外に出られるし、奥の別室風のところからも外に通じている。外にはそれっぽいジャグジー装置と大きめの陶器風呂らしきものが並んでいる。
ジャグジーの湯は無色透明で明らかに非温泉。隣の陶器風呂は水風呂だった。温泉目当てで来ていたおじさんはすぐに内湯へ戻った。
内湯の赤茶色温泉はなかなかいいんじゃないか。冬場はよく温まってホッとするし。極端に鉄臭くないのは逆に万人向きかもしれない。浴室から出る際に赤茶色湯が肌に残らないようシャワーやかけ湯で洗い流すか、せっかくの温泉だから残しておくかは個人の好みでどうぞ。自分は半々で対応した。
徳島グルメ的な食の体験もそれなりに
夕食は徳島ラーメン麺王スペシャル
一般のビジネスホテルと同様に夕食は付かない。そこで阿波おどり会館を見学した後に外で食べることにした。ホテル内にもいくつかレストランはあるが、今宵はお酒を飲みたい気分じゃなく、ご当地B級グルメにしたくて徳島ラーメンを求める気分だったから、駅前繁華街をふらふら探した。
…すぐ目につく場所にありました。徳島ラーメン麺王。後日調べたら高松・岡山・神戸・京都にも店舗を展開するチェーンだったけど関東にないし、自分にとっては珍しいお店だからいいんだよ。
地元らしき客と旅行者らしき客が交じって結構な盛況ぶり。店外の券売機の前には軽く列ができている。一瞬ひるんだがここであきらめるわけにはいかない。列に並んで呼ばれるのを待った…10分くらい?でカウンター席に座って差し出した食券は全部入りの麺王スペシャルじゃあ~! 思い出づくりじゃあ~! 徳島ラーメンはたぶん初めてなんじゃあ~!
麺王スペシャルは煮卵入りだった。うっかりしてた、生卵が無料だったからトッピングしちゃったよ。ラーメン版のスタミナ丼って感じで圧倒的ですな。粉にんにく・ごま・辛もやしなどの味変要素を加えて自分好みに仕立てながら完食。
あーもうお腹いっぱい。替え玉には進まず終了。なお替え玉には白麺(普通)・赤麺(唐辛子)・黒麺(ブラックペッパー)・緑麺(柚子胡椒)があった。面白いね。
調子に乗っていろいろ盛っちゃった朝食ビュッフェ
朝食ビュッフェ付きプランを予約していたので7時頃に2階の食事会場へ行った(なんと6時半から入れる)。空席には余裕があり、単身で2人掛けテーブルに座っても問題ない状況だが、この後2~4人連れ組がどんどん来るかもと思って自重してカウンター席に座った。※結果的にどんどん来なくてずっと余裕あり。
用意されている品は、リゾート地の巨大観光ホテルと比べるのは酷としても、それなりに十分多彩であった。調子に乗って少しずつたくさん取ってきたのがこちら。手前の揚げ物は魚のすり身をカレー風味のフライにした、徳島ならではのフィッシュカツというもの。
これだけいろいろいただけたら満足ですわ。そもそも周囲のお客さんは観光客風もいるけどビジネス客風が多く、自分みたいにあれこれ盛って時間をかけて食べてる人がいない。忙しい朝の食事って感じで、パン+サラダ+α程度をさっと片付けて出ていくパターンが多いようだった。
自分だけがのん気にしちゃってすいません。とかいいながら最後のコーヒーまでゆっくり楽しませてもらいました。会場を出たのが7時50分くらいだったな。
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ついにやりました、全都道府県制覇。コロナでお出かけ自粛ムードが数年レベルで続くなんてこともあったし、その後はリベンジ消費とインバウンドブームで予約が取りづらかったり、昨今は物価高によるお値段面でのハードル…決して楽な道のりではなかった。
今回もし当ホテルがなかったら「徳島行きたいけど…さすがに無理か」と相変わらず先延ばしにしていただろう。入ってみたいと興味をそそられる温泉を備え、冬は雪ガーと心配しなくていい地域かつ交通至便で、決断に足るお高すぎない価格帯という条件を満たしたサンルート徳島様々であった。












