冬の旅行は雪の心配があるところを避けなければならない、地元南関東+伊豆くらいの範囲に限定しなければならない…年々強まるこの自分縛りを打破すべく立ち上げたコンセプト「ウインターチャレンジ2026」の一発目に選んだのが那須だ。2026といいながらまだ2025年の12月だけど、細けえことはいいんだよ。
お世話になったサンバレー那須は敷地内に複数の宿泊館を擁する。今回泊まったオリエンタルガーデン館の大浴場は、冬の自分縛りに従っていたらほぼ接触機会のない白濁硫黄泉なのが魅力。しかも好みのぬるいお湯から一般受けしそうな熱め適温まで選択肢が広くて良し。なおかつ別館フォレストヴィラの大浴場も利用できる。
那須温泉ホテルサンバレー那須へのアクセス
送迎バスのおかげでチャレンジしやすい
チャレンジといっても無謀なことはできない。「自分で車を運転しない」「地元の冬の服装で間に合う」「雪道を長く歩かされる可能性がない」を考慮して、那須塩原駅までの送迎サービスがあるサンバレー那須に目をつけた。
那須高原の上の方というわけではないから地元の冬にあわせた服装でも大丈夫でしょう。もし想定外の低温だったとしても、送迎バスを出てすぐホテルに駆け込めば大きなダメージはないはず。
今回は経費節減のため各駅停車の旅で宇都宮へ。そこで黒磯行きに乗り換える。その際、あえて最適・最短な乗り継ぎダイヤではなく、1本早すぎるくらいで宇都宮に到着するようにした。なにか(遅延とか)起きた場合のバッファと余裕を持ったトイレ休憩と長時間着席し続けてこわばった身体のリフレッシュを意図したものである。
黒磯行きは3両編成と短くなるが、乗客も相応に少なくなる。那須塩原まで1時間かからないので、東京方面から宇都宮までの長い時間を乗り通した身には大したことはない。ていうか居眠りしてたら着いちゃった。
いろいろなアクセス手段あり
那須塩原駅の西口を出て、あたりをキョロキョロすると、当館の送迎バスが停まっているのがわかった。ちなみに送迎は電話窓口への事前予約制なので忘れないように注意。バスの乗車時間は40分ほど。
上記とは別の、JR佐野→小山→宇都宮の各駅で拾ってくれて帰りは送ってくれる送迎付き専用プランもあるようだ。※こちらのバスは有料。
さらには那須塩原や黒磯駅からの一般路線バスでお得に往復できるワンコインバスなる企画もあるようだ。いろいろ考えられてますな。
オリエンタルガーデンの様子
景徳鎮が展示されている
送迎バスは敷地内をフォレストヴィラ→オリエンタルガーデン→ガーデンスウィートの順に停車する。自分はオリエンタルガーデンで下車してチェックイン。典型的な観光ホテルの雰囲気で、客層もファミリーや団体で来ているシニアが目立つ。
入口付近にはお土産コーナーがございます。
こちらはフロント前のロビー。2階には景徳鎮の陶器がずらっと並んでいた。オリエンタル~。
2階へ上って景徳鎮を近くで眺めるの図。
その場所からロビー奥側をのぞき込むの図。フリードリンクコーナーがありんす。
次の写真は2階の廊下から中庭プールをのぞき込むの図。もちろん閉鎖中だ。
標準的な設備は整っていて利便性は十分
案内された部屋は2階のツイン洋室。ホテルに期待される装備はひと通り揃っており、シャワートイレ・洗面台・ユニットバスあり。
浴衣は1階にサイズ別に積んである中から自分に合うやつを持っていく。備え付けのスリッパが、つま先をキュッと締め付けるようにすぼまっており、足の小指とスリッパが擦れて皮が剥けてしまって歩くのに難儀した。もっとルーズなやつがあるといいね。
金庫あり、空の冷蔵庫あり、WiFiあり。ペットボトルの水やティーバッグのお茶・コーヒーも置いてあった。ベッドの枕元にはスマホ充電用のOAタップが生えていて便利。
窓は一部をドア式に開閉するタイプで全開できないため、外の景色を撮影するとこうなる。向かいの建物はオランジェリーという多目的スペースだと思われる。
オリエンタルガーデンの大浴場・湯処ひのき
風呂あがりの一杯が充実してた
オリエンタルガーデンの大浴場「湯処ひのき」は1階奥。専用通路を歩く時点でもう硫化水素臭がプ~ンと漂ってきた。これだよこれ。チャレンジした甲斐があったぜ。通路へ入る前には暗証番号式の貴重品ロッカーあり。
そして通路の先に男湯(左/手前側)と女湯(右/奥側)。男女の入れ替えなし。脱衣所には一般的な棚+かごと、おそらく暗証番号式のロッカー。脱衣所に冷水サーバーを置いてる施設は多いけど、ここでは冷水・炭酸水・スポーツドリンク・スポドリ炭酸入りの4種を提供している。そこでスポドリ炭酸を飲むようにしたら、風呂あがりのビールを求める心が消えて、夕食までビールなしですんだ。
脱衣所の分析書によれば「単純硫黄温泉(硫化水素型)、中性、低張性、高温泉」とのこと。泉温42.4℃でPH6.8。加水なし、加温・循環・消毒あり。
旅情を増幅させる檜風呂+白濁硫黄泉
浴室に入ると硫化水素臭がさらにパワーアップで歓喜。冬場はこういう泉質のお風呂をあきらめろと自らを縛っていたのは、一体なんだったのか。チャレンジした甲斐があったぜ。洗い場のカランは10台。シャンプーは馬油のやつだった。
洗い場の向こうには真四角に近い檜風呂。四辺に沿って並べていけば10名は収まりそうなサイズ。湯口からじゃんじゃん投入されている一方、お湯がオーバーフローして出ていく様子は見られないので、このあたりが循環ってことなのかな。
お湯は白く濁って浴槽の底はまるで見えない。浸かってみたらやや熱めの適温だった。この季節だと一般にはこういう熱さを求める客が多いだろう。湯口横の温度計の針は42℃を示していた。甘酒に漂う酒粕のようなわかりやすい湯の花は確認できず。
匂いを嗅ぐたびに印象がころころと変わり、金気臭を連想することもあれば、腐卵臭に近いと思うこともあり、あるいは焦げ臭を感じた時もあった。なかなかに複雑ですな。匂いの強さそのものが控えめなために、想起されるイメージが揺らぎやすいせいかもしれない。なので変な刺激やクセのある匂いではない。
露天風呂はいろいろある
次に隣の別室の半露天風呂へ。半露天というよりは内湯に近い、クォーター露天と言いたくなるスペースだ。内湯からだけでなく脱衣所からも直接行き来できるように見える。横一列に4名ほどが収まるサイズの檜風呂が設置され、こちらは内湯よりもぬるめになっていて長く入りやすい。
さらに内湯の奥から別の屋根付き露天エリアへ出ると、水風呂・適温風呂・ぬる湯風呂の3つが設置されている。やはり檜づくりだ。内湯に近い方の適温風呂は横一列の4名サイズで内湯と同じくらいの温度。目前の林を見ながらの湯浴みとなる。熱め好きが露天風呂を堪能したければここ一択になるだろう。ぬる湯派の自分はあまり利用しなかった。
最も気に入ったぬる湯露天風呂
最も多く・長く浸かったのが内湯から遠い方のぬる湯風呂だ。説明板に40℃と書いてあったけど、体感はもっとぬるかった。湯口のそばを陣取っても十分にぬるい。足元に若干ヒヤッとした流れを感じる瞬間もある。いいねー。冬もこれでいい。季節と好みの問題から敬遠するお客さんも多そうで、全然混みあわなかったのがなにより。独占チャンスありまくりで大歓喜。逆に夏場は人が集中するかもしれない。
30分連続で浸かったままでも全然平気でのぼせないし、冷たさに耐える要素も皆無な絶妙の温度。その気になれば1時間でも居座れるのでは。まあ実際は15~20分経過したら半露天へ移動したり、内湯に数分入って温冷交互浴風にしたりと、細かくスイッチングしたけれど。
露天風呂としての眺望は広がるパノラマ風景でなく目前の林。強風に揺れる枝がザーザーと海の波のような音を立てる。かなりの音量ゆえ、日没後の暗い状況で聞くとちょっと怖くなるくらいだ。
好きなぬる湯風呂があるし、そんなに入る機会のない泉質だからという思いも重なって、夕方2回・夜1回・朝起床後1回・チェックアウト前に最後の1回、計5回も入っちゃった。身体が硫黄臭くなってしまったかもしれない。
フォレストヴィラの大浴場・森の湯
内湯は「りんご湯」をやっていた
宿泊者はフォレストヴィラの大浴場「森の湯」も利用できる。オリエンタルガーデンからフォレストヴィラは100mほど離れているが、浴衣姿で強行突破した。※園内を移動するためのシャトルバスもあるらしい。
こちらがフォレストヴィラ。森の湯は地下1階。
手短に説明すると男湯には内湯1+露天風呂3があって、いずれも熱め適温だったため、夕方軽くトライしただけですませ、あとは前述の湯処ひのきに集中することになった。
15名サイズの内湯浴槽は多数のりんごが浮かぶりんご風呂スタイル。説明書きを参考にすると、無色透明のお湯は「弱アルカリ泉+マグネシウム泉の混合泉」なのだろう。脱衣所の分析書は弱アルカリ泉側についての記載と思われる「ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」だった。泉温63.3℃、PH8.3。マグネシウム泉についての分析書は見当たらず。湯使いも不明。
露天風呂には白濁硫黄泉もあり
露天エリアへ出てすぐにあるのが白濁硫黄泉による5名サイズの岩風呂。その奥のメイン岩風呂は川のように細長い形状をしていて10名以上が余裕で並べる。こちらのお湯は無色透明。内湯と同じ泉質でしょう。屋外の景色というよりは露天エリア内の庭園を眺める感じ。
最奥部の木の浴槽は4名サイズ。泉質面は内湯と同じ表記だけどお湯が透明じゃない。黄色みのある半濁りだった。なんですかね。
ということで森の湯は2種(硫黄泉&2種の混合泉で計3種とも考えられる)の泉質を楽しめる。普通の熱さを好む方向け。
オリエンタルガーデンの食事は中華バイキング
夕食は自分のペースで好きにやれて結構よかった
オリエンタルガーデンの食事は朝夕とも1階の中華レストラン万里にて。中華料理がメインのバイキングである。夕食は17時半なら最もスムーズにご案内できますというので17時半にした。
開始時刻ちょうどに行ってみたらすでに長い行列が…しかし順次受付をすませてテーブル席へ案内されていき、長時間並んだり空席待ちで止められることはなかった。
提供される品は揚げ物、エビ蒸し餃子、焼売、青菜、エビチリ、麻婆豆腐、その他いろいろ。炭水化物的なものは白飯以外に炒飯、焼きそば、ラーメン、うどんなど。ライブキッチンでは牛ステーキや寿司・刺身、そして北京ダックが提供されていた。狩人となって集めてきたのがこちら。第2弾を取りにいく下心があるから第1弾はこれくらいで十分だ。
北京ダックなんて人生で数えるほどしか口にしたことがない。へー、こういう味だっけー、という感想しか抱けなかった庶民の悲しさよ。もう1個取ってきて味の記憶を確固たるものにしておけばよかったかな。ビールとともに完食し、続いて第2弾。
ピンク色のがエビ蒸し餃子で、たこ焼きのように見えるのが海鮮チヂミボール。あと牡蠣味噌鍋という和風の汁物も取ってみた。今冬はまだ牡蠣を食べてなかったので。こうして第2弾ですっかり満腹になり、最後に麻婆豆腐をかけてアレンジした炒飯を少々いただき、デザートなしで終了。
自分の嗜好とペースに則って食事できるのがバイキングのいいところだろう。制限時間は90分を目安にとのことだったが、70分くらいで「ごちそうさま」になった。急かされ気分になるほどの制限でなく余裕があるのは◎。
和洋中いろいろ試せる朝食
朝食は7時から9時までの間ご自由にとのこと。ただし8時前後は混み合うから時間をずらすといいですよ、とも。そこで7時開始直後に行ってみたらすでに長い行列が…でも順調に受付されていったからノープロブレム。
朝も中華メインながら和食やパン洋食の組み立ても可能な布陣。ライブキッチンでは小籠包や目玉焼きを提供。せっかくだから中華を意識して取ってきたのがこちら。
炒飯に焼鮭ってなんだよ。我ながら意味わからん。玉子が目玉焼き・温泉玉子・ニラ玉と3種もあるし…。椀物は味噌汁ではなく豆腐入りの牛だしスープ。最後に米をもうちょっと食べておこうと思い、白粥に明太子・めかぶ・しらす・大根おろし・梅干しなどを手当たり次第に乗せた「ぶち込み粥」を錬成した。完食後はコーヒーで終了。
レストランの客層を観察すると、やはりファミリーとシニアが多い中、一人旅風情もそこそこいた。広い会場に単身ぽつんと座ることに抵抗がないなら、バイキングはむしろ一人で気楽に食事するのに適しているんじゃないかな。
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こうしてウインターチャレンジの一発目は無事に成功した。まあたいがい大丈夫だろうとふんでいたものの、実際に大雪を降らせるような寒波が来なかったのは幸いだった。おかげで冬に白濁硫黄泉を堪能できたほか、今後の挑戦についても自信が深まった。
宿泊したオリエンタルガーデンはぬるめのお風呂があってよかった。栃木のぬる湯に心当たりが少ないので、あてにできる新たな候補として心強い。














