健康増進には鹿島灘を望む黒湯をどうぞ - とっぷ・さんて大洋

とっぷ・さんて大洋
メロン産地として思い浮かべることの多い鉾田市は茨城県鹿行地域に属し、鹿島灘沿岸であるため冬でも降雪はほとんどない。冬のピークを過ぎて、そろそろ車で遠征するかと思ったけど、まだまだ雪リスクが怖いので鹿島周辺を候補にした時に注目したのが、とっぷ・さんて大洋だ。

正確には健康増進を謳った複合施設「とっぷ・さんて大洋」の一部に含まれる「たいよう温泉・海ひばり」が目的地になる。お風呂の隣にはプールもあるんですね。

コーヒーのように真っ黒な、文字通りの黒湯が特徴だ。しかもよく温まるから冬にはぴったり。海風が気持ちよさそうなロケーションを生かした露天風呂もあり、なかなかの充実度であった。

とっぷ・さんて大洋へのアクセス

電車で行くなら駅からの足を確保すべし

大洗と鹿島を結ぶ鹿島臨海鉄道の鹿島灘駅が最寄りとなるが、2.5kmくらい離れている。とっぷ・さんて大洋のホームページで5kmくらい離れた大洋駅を案内しているのは、駅前でタクシーをつかまえられるかどうかの都合ではないかな。

東京方面から車で行く場合は出発地次第で常磐道もしくは東関道経由、いずれにせよ最後は国道51号を走ることになる。そして案内板の出ているところを海側の脇道へ曲がっていく。

道中で霞ヶ浦を見物する

自分は、せっかくなら日本で2番目に広い湖=霞ヶ浦を見たことがないから行ってみるかと、常磐道土浦北ICを出て下道を走り、霞ヶ浦展望スポットとして知られる歩崎に立ち寄った。まず小高い丘の上の歩崎観音へ。背後の木がまるで後光のように見える。
歩崎観音
帆船に乗っているようなお姿は、あゆみ地蔵。霞ヶ浦で帆引き船による漁が行われていたことを反映しているのかな。
あゆみ地蔵
そして境内の中に歩崎展望台がある。ここから霞ヶ浦を一望してみたかったのよ。
歩崎展望台
おお、やっぱり広いね。スマホの通常モードでは収まりきらないぜ。右手の対岸はJRA美浦トレセンのある美浦村かあ…(他意はありません)。
霞ヶ浦

昭和に一大ブームを巻き起こしたアレ

現地にはかすみがうら市水族館もあった。それほど大規模ではないし、お子様向けの科学教育面を意識した施設のように思われたけど、まあ見学してみることに。330円。
かすみがうら市水族館
お子様連れファミリーに混じって水槽の前を一人でうろうろするおじさん、どうみても挙動不審な“大きいお友達”だけど気にしちゃいけません。展示されていたのは淡水魚・カメ・ナマズ・カエルなどなど。珍しいところではウーパールーパーがいた。思ったより大きいな。100円だったかで申し込むとウーパールーパーに触らせてもらえるサービスをやってましたよ。
ウーパールーパー
では温泉に向かおうか。国道354号を東へ走っていると、鹿行大橋の手前に北浦温泉北浦荘という日帰り温泉を見つけた。冷鉱泉ながら源泉かけ流しの人気施設らしく、確かに駐車場は車でいっぱいだった。まあ今日はオーシャンビューを優先してとっぷ・さんてに行きます。


コーヒーのように真っ黒な温泉

プールの隣が大浴場

当館の建物はゆるい弧を描くような形をしており、中庭から見るとこんな風になっている。
とっぷ・さんて大洋の中庭
入館したら券売機で入浴券(850円)を買い、下足箱の鍵と一緒に受付に提出、右手の通路を歩いていくとプールに続いて男湯・女湯の入口。脱衣所の中は無料のロッカーが並んでいる。

張り出された分析書には「ナトリウム-塩化物冷鉱泉、等張性、弱アルカリ性、冷鉱泉」と書かれていたが、すぐ上の説明板だと「高張性、中性、低温泉」になっている。たぶん前者だと思う。加温・循環・消毒あり、加水有無はよくわからず。

黒湯の中の黒湯って感じ

浴室内にカランは11台。埋まってる率がわりと高い。サウナや水風呂を除くと内湯浴槽は2つ。奥の大浴槽は普通の沸かし湯に見えたので入ってない。手前の小浴槽は向かい合わせを許容すれば6名までいけるサイズ。投入されている温泉は見るからに真っ黒。烏龍茶のレベルじゃない、ブラックコーヒーだ。

浸かってみると適温だった。そして若干ぬるっとした感触がある。匂いはこの種の黒湯に典型的なモール臭。ただしそんなに強い主張ではなく、ちょっと感じますねっていうくらい。湯の花云々の状況はわからない。だってお湯が真っ黒だもん。浴槽の底は100%完全に見えず、ほんの数センチ先も見えないほどの濃い黒だから。なんだかすげーな。

6名パンパンだったり芋洗い状態ではないものの、つねに2~4名は入ってる様子で、独占になることがない。そういえば入館時の混雑状況パネルに「混」って表示されてたなあ。確かに大浴槽・小浴槽・洗い場を見るとなかなかの人口密度である。


オーシャンビューの露天風呂

海がばっちり見えるのが良い

露天風呂はL字形で、普通に入れる10名サイズの部分と、3名分の寝湯コーナーからなる。お湯の特徴は内湯小浴槽と同じ。場所による温度変化が大きく、湯口付近は熱め、遠く離れるとむしろぬるくなる。ぬるいのが好きなので湯口から遠い場所を陣取った。

こっちのお湯も本当に黒いな~。そして外に目を向けると今度は真っ青。視界を遮る囲いがなく、青い海と青い空がばっちり見えるのである。
鹿島灘の海
上の写真は帰り際に館外で撮ったものだが、ここまでオープンじゃないけど、露天風呂もそれなりのオーシャンビューになっている。

さらにコーヒーを連想させる泡

また、内湯との違いをいうなら、泡の塊が浴槽内をプカプカと浮遊している。お湯の中で肌に付着する炭酸だとか気泡なんかとは違う種類の泡だ。真っ白じゃなくて黄味がかっており、淹れたてコーヒーの表面に浮かぶクリーミーな泡に近い。

うーん、いいじゃないか。温泉と景色で癒やされるぜ。しかも泉質の特徴なのか、やけにぽかぽかとよく温まり、冬にはありがたい。露天風呂をたっぷり満喫した後は内湯を再体験して、適度に時間が経過したから出ることにした。

温泉のおかげでなんだか身体が軽くなった気がする。さんて=フランス語で健康。まさにトップな健康状態となって、大洋を背に颯爽と歩き出したのであった。