のどかなマルチ・レジャー施設の黒湯 - カーニバルヒルズ

天然温泉リゾート美人の湯 カーニバルヒルズ
鹿島遠征の帰りは東関道を使うことにした。ついでに立ち寄り入浴するところはないかと、利根川を渡った先の千葉県側まで範囲を広げて探してみると、香取市に「カーニバルヒルズ」なる日帰り施設を見つけた。香取神宮にも行ってみたかったから同じ市内なのはちょうどいいね。※実際の両者は結構離れている。

横文字の名前から今風の雰囲気を想像するかもしれないけど、実際はのどかで昭和の懐かしさを感じさせるし、カーニバルというほどの熱狂や騒々しさにあふれているわけではない。むしろのんびり入浴できて吉。

今回の遠征で訪れた他の2湯と同様に、こちらのお湯も見事な黒湯のため、いうなれば黒い三連星、ジェットスパドリームアタックを食らった形。

カーニバルヒルズへのアクセス

基本的には車で行くところ

カーニバルヒルズの場所は香取神宮や佐原の街と成田空港の中間くらいで、最寄りと言えるような鉄道駅はない。なんとかして道の駅くりもとまで到達すれば、そこから約2km。成田空港を出て道の駅くりもとを通るバス便が一応あるようだから、うまい具合に近所にバス停があるかもしれない。ただし便数はかなり少ない。

他には佐原駅と道の駅を通る香取市コミュニティバスが走ってる。でも月木だけの実証運行ぽい。うーん。

その点、車があれば悩みはない。東関道大栄ICから10分程度。実際に当湯から帰る際は1つ東京寄りの成田ICから入ったが、それでも20分。

鹿島臨海工業地帯の海を見る

現地到着まで順を追うと、鹿島セントラルホテルをチェックアウトして、まず海と臨海工業地帯を見るために港公園へ行った。高くそびえる展望塔が非常に目立つ。ただし老朽化のため休止中で入れない。
港公園の展望台
ここで海というか港の一部を眺めた。肉眼だと工場と煙突がもっと間近に見える。夜景で有名なところだから本当は夜に来るべきかもしれない。
港公園から見た工場と海

人と車でいっぱいの香取神宮

お次は利根川を渡って千葉県に入り香取神宮へ。前日に鹿島神宮を見学したから香取神宮にも行っておかないと。で、何も考えず第1駐車場に着いたら、とんでもなく混んでいた! 特に整理員がいるわけではなく、動線の秩序もないため、出ようとする車と入ろうとする車のお見合いなどでややカオス。

どうにか無事に車を止めて500mほど総門前まで歩く。総門脇の第2駐車場には全然余裕があった。なんだこっちでよかったじゃないか。よっぽど近いし。知らないとみんなメイン通り沿いの第1へ行っちゃうんだろうね。

鹿島神宮の時と同じく妙に混雑しており、拝殿は長蛇の列が出来ていたため正式な参拝はスルーした。
香取神宮 拝殿
拝殿・本殿から少し離れた場所に奥宮や要石もある。要石は鹿島神宮にもあったな。地震を起こすナマズを抑え込むといわれる石でしょう。
要石
それから本題のカーニバルヒルズへ向かった。どうやらこの辺の丘陵地帯はぶどう栽培が盛んなようだね。あちこちにぶどう園の看板がある。


黒湯祭りの最後を飾るにふさわしい温泉

素朴な雰囲気+ごった煮スタイル

敷地内の駐車場は未舗装ながら広くて多くの台数を収容できる。当館の建物はどちらかといえば素朴な感じ。大資本でモダンにスタイリッシュにという雰囲気では正直ない。だがそれがいい。入館して下足箱に靴をしまい、下足箱の鍵と引き換えに脱衣所ロッカーの鍵をもらう。精算は退館時に行う。

大浴場へ行くまでに食堂を通過する。わりと多くのお客さんがいたなあ。定番的なメニューではあったが時間と胃袋に余裕があれば食べてみたい気はした(今回は条件がそろわず残念)。もっと奥には懐かしのスロット機やマッサージコーナーや散髪屋があった。この一風変わったごった煮スタイル、個人的に嫌いじゃない。

脱衣所には無料のロッカーが並び、受付でもらった鍵に対応する番号のを使う。壁に貼られた分析書には「ナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉、低張性、弱アルカリ性、冷鉱泉」と書かれていた。加水・加温・循環・消毒あり。

あるお客さんとスタッフさんの会話「水がおいしいね、なんでだろうね」「この地域は水道水じゃなくて井戸水を使ってるんですよ」を耳にしたので脱衣所の給水器の水を飲んでみた。とてもすっきりしている。あと冷え冷えで清涼感たっぷり。

しっかり本格的な黒湯が注がれる内湯

浴室内に洗い場は13名分…記憶が怪しいため自信なし。内湯浴槽はひとつのみで、細長い四角形に横並びで10名以上入れそうだ。お湯の見た目はしっかり濃いめの黒。凝縮した烏龍茶を連想させる色だ。浴槽の底はまったく見えない。

浸かってみるとややぬるめに感じた。いつまでものぼせず長く入っていられるから好きな温度だ。匂いは黒湯のイメージ通り、鉱物臭とモール臭の混ざりあったような特徴をアピールしてくる。また若干ぬるっとした感触もあり、温泉気分をばっちり味わえる。

浴室のつくりは町の銭湯や日帰り温泉でよく見かけるデザインとは違って、上半分は木造湯小屋のようにも見え(少なくとも男湯は)、なかなかに良いんじゃないの。

露天風呂はやや熱め

露天エリアにはいくつか休憩用のチェアが並び、ほぼ寝転がる体勢になれるみたいだった。ここでだらーっと脱力していられたら幸せな気分だろう。

露天風呂は5名サイズ。湯尻付近の仕切りにより、1名でも窮屈なくらいの区画が湯尻側にできていた。なんですかね。仕切りを越えてお湯はつながっているので温度差はない。湯船のどこを陣取っても全般に内湯よりも熱かった。熱めが好きな方は露天風呂へどうぞ。

ある種の泡付きを楽しめてしまう

そして露天風呂の方だけ、湯口側に泡の塊がぷかぷかと浮いていた。とっぷ・さんて大洋で見たやつと同じだ。なんとなく、腕に泡の塊を接触させて得意げになってしまうのであった。炭酸泉とは違った意味で泡付きを楽しめちゃうからいいんだよ。

塀に囲まれて眺望はなくても露天エリアのスペースに余裕があって屋根がない分だけ開放感は十分。今回初めて「人だらけで混みあった状態」ではないお風呂に入れたこともあって、は~、のんびりできたわ~。

黒湯三連発の最後を飾るにふさわしい温泉だったな。しかし温泉に食堂にマッサージに、あとネット情報だとカラオケ・整体・ドッグラン・バーベキュー・占いコーナー・オートキャンプ…かなり手広くやっている様子。こうして多種多様なサービスを並べると、文字通りカーニバルヒルズって感じがしてくるね。