老いも若きも集うお湯の楽園 - 明礬温泉 さわやかハートピア明礬

さわやかハートピア明礬
温泉王国・別府温泉郷は「別府八湯」と呼ばれるように8箇所の温泉地からなる(別府・鉄輪・明礬・柴石・亀川・浜脇・観海寺・堀田)。我ら大分ツアーの面々は記念すべき初別府の1泊目に白濁硫黄系の明礬温泉を選んだ。

お世話になるお宿は、その名も清々しい「さわやかハートピア明礬」。事前調査によれば、近代的な設備・2種類の源泉を提供・なおかつリーズナブルなお値段、ここなら間違いはあるまいという見立てだった。

結果的にその判断は正しかったと思う。お湯の熱さで堪能しきれなかった部分はあったが、あくまで好みの問題だし、我々が厳しい残暑の中をあちこち湯めぐりしすぎてへばり気味だったこともある。客観的にトータルの水準をみれば文句なしだ。

さわやかハートピア明礬へのアクセス

当宿へJR別府駅から行くには路線バスを使う。手前の鉄輪地区までは複数系統で割と本数がカバーされているものの、明礬地区まで行くバスはそれほど多くないので注意。系統と時刻をよくチェックしておいたほうがいい。

30分くらいで紺屋地獄前というバス停に着く。別府温泉保養ランドという最強の泥湯で知られる名所が目の前にあり、さわやかハートピア明礬はそのお隣りさんだ。

実際の我々はレンタカーで移動していた。日中は地獄めぐりをしたり、あちこちに立ち寄り入浴してから夕方に到着。車を止めた駐車場の脇に露天風呂へと続く道の入口があった。本館と露天風呂は少し離れた位置関係にあるってことね。
さわやかハートピア明礬 露天風呂への通路

さわやかハートピア明礬の部屋

ふたつの顔を持つ施設

さっそくチェックイン。館内の雰囲気は民営ホテルというより公共の宿っぽい。さわやかハートピア明礬のホームページをいろいろ探ってみると、もともと厚生年金の施設だったところ、経営が変わって介護事業の会社が引き継いだみたい。

住宅型有料老人ホームとホテルを兼ねた施設なのだ。そういえばエレベータ乗り場の近くに「長期滞在棟」的なパネルの付いた仕切り扉があったな。もちろん一般の観光客がホテルとして利用するのはウェルカムだし、現地で老人ホーム的要素を意識させられることはなく、一般のホテルとなんら変わらない。

名所の橋を見上げる部屋

案内された部屋は3階の7.5畳+広縁。シャワートイレと洗面台あり。空の冷蔵庫と金庫あり。すべて新しめで清潔に管理されており、なんら不満はない。
さわやかハートピア明礬の和室
窓の外には高速道路の別府明礬橋を見上げる光景が展開している。風光明媚な場所にコンクリートの建造物ができると不粋だってことになるわけだが、突き抜けた規模が逆に名所的価値を持つパターンである。奥の方に見えるのが明礬の中心街。
別府明礬橋
なお、部屋まで案内された時に「よく聞かれるのですが無線LANは使えません。このへん全部そうなんです」と、ちょっとよくわからない説明をされた。ともかくWiFiが使えないのはたしか。なぜか冷蔵庫の上にソフトバンクの無線ルータが置いてあったけど、SBユーザーのメンバーが試したところ機能しなかったようだ。携帯電話は普通に使えたはず。


明礬温泉らしい白濁硫黄泉を楽しめる露天風呂

離れた場所にある露天風呂

さて風呂である。チェックイン直後はお隣の別府温泉保養ランドへ出撃して、おそろしくディープな特徴にあえなくノックアウト。しかもこの時点で1日4湯に入浴ずみ。数を稼ぐためのカラスの行水でなく、各所とも人並みの時間を費やしていたから、いくら温泉好きといってもさすがにへばってきた。

よって当宿の風呂へ行ったのは元気を回復した20時すぎだった。まず建物を出て露天風呂へ向かう。外へ出る際に下駄に履き替えるシステムになっていて、前日の宿の同じシステムで鼻緒ずれをやってしまった擦り傷に障る。早く温泉で治さねば。

湯小屋は男女別々でやや離れていた。脱衣所、とくに下駄を脱いでおく場所はそんなに広くない。客が集中する局面はほぼないってことかな。それならありがたい。実際に我々がいた時間も夜朝問わずほぼ独占状態。

壁の分析書には「単純硫黄泉(硫化水素型)、中性、低張性、高温泉」とあった。

温度差が大きかった屋内の風呂

浴室の扉の向こうはいったん内湯の浴室になっている。3名分の洗い場と6~7名規模の内湯浴槽がある。お湯は乳白色でいかにもって感じ。期待を込めて体を沈めると…あちい。これは熱い。適温のぎりぎり上限くらいの熱さ。

あつ湯好きならいいかもだけど、ぬる湯派の我々にはちときつい。ただし翌朝行ったときはかなりぬるくなっていた。この後に述べる露天風呂よりもぬるいくらい。なんだこの差は。まあぬるい分には文句を言う筋合いじゃない。お湯そのものはいい。

ともかく夜の時点では熱すぎたのですぐに露天風呂へ移動。この行き方がちょっと変わってる。内湯の奥の壁に大人が中腰でやっと通れるくらいの小さな木戸がついている。忍者屋敷みたい。木戸を開けてくぐると即、露天風呂の湯面だ。

ぬるめがうれしい主役の露天風呂

楕円形をした内湯浴槽に対して露天風呂は細長い四角形。横一列に並ぶと6~7名が入れる形状をしている。うれしいことにぬるめのお湯が供されていた。いやあ助かるわあ。

月明かりに照らされて(あれ? 月出てたっけ?)お湯はいっそう美しいミルキーホワイトをまとって目に飛び込んでくる。加えてほのかに甘みの感覚を刺激する硫黄の香り。いいよいいよー。

露天風呂は塀と植え込みの木に囲まれて眺望はない。ある狭い一方向だけ、下を覗き込むと沢の流れが見える。時折ザザーッと水がぶつかるような音がするのは雨じゃないし、沢の水か、源泉を扱う装置か排水か。

昼間は盛夏と変わらない陽気も夜になれば涼しげな風と秋の虫の音。リラックスしてのんびり浸かるこの露天風呂がやはりハートピアの主役でしょう。ポイント高いですね。


マイルドでやさしい系の内湯

万人向けに整った浴室

続いて館内に戻って本来の内湯へ行った。ホームページだと炭酸水素塩泉と紹介されているが、分析書には単純温泉と書いてある。中性、低張性、高温泉。いずれにせよマイルドなやさしい系だと予想される。

浴室内には我々の他に常時1~2名がいる雰囲気だった。長期滞在棟ユーザーにとってはこっちが「ふだん使い」の風呂なんだろうし、足腰の弱った高齢者ならこっちがメインになるんだろう。

ここはタイル張りの近代的な浴室で万人向けの安心感がある。手前には6つのカラン。奥に7~8名いけそうな長方形の浴槽。お湯は無色透明・無臭・湯の花はない。

お湯は熱い

では入ろうか。よいしょっと…あちい。なにこれ熱い。先の露天版内湯と同じ、いやそれ以上の熱さだ。浴槽の縁に腰かけて膝下だけ湯に浸かり、たまに全身浸かって、すぐに膝下モードに戻る、という繰り返しを余儀なくされた。

なんていうのは、ぬる湯派の感想であって、あつ湯派であれば問題ないというか、むしろ好ましいに違いない。とにかく我々には厳しくて短時間で切り上げた。翌朝再挑戦することはなかった。露天風呂だけで十分満足だった。


さわやかでハートフルな食事

いろんな食材のバランスがいい夕食

さわやかハートピア明礬の食事は朝夕とも1階の食事処で。部屋番号の札のあるテーブルに着席すると食事スタート。

夕食のスターティングメンバーがこれ。小鉢を含め、うまい具合に手を加えて上品に整えてきている。
さわやかハートピア明礬 夕食
大分に来て由布院・別府とまわってきて思ったのだが、このあたりは魚も肉も野菜も食材がいい。海も山も近いしバランスが絶妙に良い。過去の体験でいうと氷見や新潟や茨城に通じるものがあるね。内陸県を除けば日本全国どこもそうだろ、って突っ込まれればその通りだけども。

途中でそばや天ぷらが追加され、もうお腹いっぱい。パンパンですわ。
さわやかハートピア明礬 夕食
種類と量は十分すぎるくらいで、やっぱり締めのご飯はあまり食べられなかった。こういう事態を予想して昼を抜いたんだけどな。

いろいろ選べるバイキング形式の朝食

朝食はバイキング形式。取り方がみみっちいのは放っといてください。最初の見積もりをミスって変な取り方になってしまった。
さわやかハートピア明礬 朝食
もちろん写真にある以外の料理もたくさん提供されている。パン主体の洋風の組み立ても可能。大学いもと煮豆はデザートのコーナーにあった。まあたしかに甘いからな。

あたりを見回すと、ひとりで席についている客もいた。一人泊を受け入れているってことか。個人的にはポイント高いぞ。旅行手配サイトで調べると平日限定でおひとり様の予約が可能みたいだ。


さわやかハートピア明礬。いいんじゃないの。明礬中心街にある高貴な老舗旅館を王道とするならこちらは騎士道。誇り高きプロの仕事ぶりが光っていた。もし隠居する頃にひと財産築いていたら、ここのお世話になろうかな、なんてね。それまで騎士道を貫いて頑張ってほしい。


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