夏の「ペンションうぉっちんぐ」と北杜市周辺の観光

ペンションうぉっちんぐ
夏の山梨グループ旅行の目的は半分が温泉で、半分は星空観察だった。なんとなくの直感で、星を見るなら北杜市の八ヶ岳に近いところ…JR小海線が通っているあたりの高原…に行けばいいんじゃないかと判断し、1泊目を甲斐小泉にある「ペンションうぉっちんぐ」とした。

お風呂は温泉ではないが料理が美味しいお得な宿。星空観察の客に慣れている様子なのは宿名からもわかる。結果的に気象条件があわず星見をあきらめたのだが、お泊り体験自体は満足いくものだった。

あわせて尾白川渓谷に行ったり、野辺山天文台を見学したりしたので、まとめて北杜市観光日記として公開する(野辺山は長野県南牧村だが)。

ペンションうぉっちんぐで星空観察する試み

期待と不安の入り交じる中

初日の朝、我ら一行は中央道を西へ向かっていた。渋滞を抜けて甲府盆地へ入ったところまでは順調。しかしお天気的には晴れの部類ながら、上空には薄い雲が広がっている。南アルプスや八ヶ岳の山々にはばっちり雲がかかっており、不安な予感と歩を合わせるかのように、立てたエビフライやバーバパパのような形をした入道雲があちこちでもくもくと湧き上がっていた。

こりゃー夜空はだめかもしれんね。でもまだあきらめたわけじゃない。ひとまず長坂ICを出て甲斐大泉温泉・パノラマの湯に立ち寄り入浴してから早めにペンションうぉっちんぐへチェックインした。
ペンションうぉっちんぐ

居心地の良いペンション

温泉宿レポートではないので短めにいきます。物腰柔らかいオーナー夫妻が切り盛りするペンションらしいペンションで、適度に放置してくれるのが個人的には居心地良い。客室は2階にあり、我々の部屋はこんな感じ。
ペンションうぉっちんぐの客室
トイレは共同。少なくとも部屋に一番近いところの1箇所は小1+シャワートイレ個室1からなる。同じ場所に洗面所もある。部屋に金庫と冷蔵庫はなかったと記憶する一方でWiFiはあった。このロケーションでも令和の夏はさすがに室内がムシっとした暑さになるため、エアコンが大活躍した。窓を開けて網戸越しに撮影した外の風景がこちら。
窓から見える景色
お風呂は1階に2箇所あって空いていれば自由に入れる。温泉ではない。自分はパノラマの湯で念入りに洗身洗髪したし、宿に落ち着いたらなんだか面倒になっちゃったから入ってない。利用したメンバーによると一般的な家庭風呂だったそうだ。

朝夕の食事は満足度高い

食事は1階の食堂にて。
吹き抜け式の食堂
夕食は18時。気取った洋食とかでないのがむしろ好感度アップ。なおかつボリューム十分。
ペンションうぉっちんぐの夕食
豚冷しゃぶについてる野菜が美味しかったな。シーフードの朴葉味噌も大変結構なり。ビールとともにいただけば、旅のワクワク感と共鳴して思い出がいっそう深まった。

朝食は7時半。わーい、野菜サラダがいっぱいだ。きのこたっぷりの味噌汁もうれしい。
ペンションうぉっちんぐの朝食
食堂にはセルフ方式の緑茶・ほうじ茶・紅茶・コーヒーが用意されていて、食事時以外もドリンクバーとして利用できるっぽい。朝食後にはコーヒーをいただいた。

星空観察は…なしよ

さて、肝心の星空観察は…だめだった。チェックイン時点でもう雲が優勢になっててゲリラ豪雨すら来そうな気配。日暮れ時になっても状況変わらず、というかさらに怪しくなっていた。ただでさえ分が悪いところへ山の変わりやすい天気ってやつが残念な方に出た。

あーだめだこりゃ。というわけで部屋でだらだら過ごして終わった。しかし後悔はしていないし無駄だったとも思わない。高原のペンションでのんびりリフレッシュしたと思えば元は取れてる。


南アルプスの天然水(一般名称)が流れる尾白川渓谷

神社と吊り橋を越えていく

翌朝チェックアウト後に向かったのは南アルプス甲斐駒ヶ岳寄りの景勝地・尾白川渓谷。後日よくよく考えたら、尾白の湯という日帰り温泉を訪れた際に見学してたわ。まあいいや。重複するのを承知で紹介しよう。

尾白川渓谷はJR・中央道・甲州街道よりも南、ここから南アルプスの山が始まりますくらいの場所だ。尾白の湯・名水公園べるが・竹宇駒ヶ岳神社を目指せばだいたい合ってる。登山道の入口やキャンプ場とも重なっているためか、朝から駐車場はわりと一杯に近かった。

駐車場から5分くらい歩くと竹宇駒ヶ岳神社が現れる。
竹宇駒ヶ岳神社
神社を抜けた先から始まる吊り橋を渡りましょう。
尾白川渓谷にかかる吊り橋
吊り橋の上から見た尾白川下流方向がこちら。水遊びしている親子が数組いた。水がとてもきれいなのだ。なにせ南アルプスの天然水(一般名称)だからね。
尾白川

神秘的なムードを発散する千ヶ淵

吊り橋のたもとの川辺でもう十分楽しめるけど、少し先の千ヶ淵まで行ってみよう。そこまでなら素人さんでも大丈夫。もっと奥はガチ登山級の険しい山道になるから自重します。

千ヶ淵までの5~10分の山道も決して甘くはない。アップダウンは結構きついし道が荒れている危なっかしい箇所あり。しかし行った甲斐はあった。エメラルドグリーンの水と神秘的なムードの滝壺に迎えられる。
千ヶ淵
どうにか滝の奥を写したくて遠くから撮影すると滝壺が暗くなっちゃうな。実際に行って肉眼で見るべし。
千ヶ淵 その2
ふと見ると、吊り橋の方から山道ではなく川沿いに歩いてきた人がいる?! えっ、通れたの? 帰りは川沿いを歩いてみたら、山道よりよっぽど整備されてて平坦で歩きやすい。なんだよ~。
千ヶ淵から少し下流地点
※水量の多い日は歩けないと思う。ご安全に。


星空ロマンを求めて野辺山へ

星空に一番近い踏切

尾白川渓谷を見学した後は再び八ヶ岳寄りに移動し、清里を過ぎて長野県に入った。次の目的地はJR鉄道最高地点で有名な小海線の踏切だ。清里駅と野辺山駅の中間にある。
JR鉄道最高地点の踏切
記念撮影スポットとしてもうちょっとわかりやすいのはこっちかな。踏切脇にあります。
JR鉄道最高地点の標柱
踏切を挟んで反対側にも記念碑がある。八ヶ岳をバックにキメたいところだったが雲が邪魔だな~。
JR鉄道最高地点の石碑
付近には公衆トイレに加えて農産物直売所やレストハウス、また八ヶ岳グレイスホテルなどがある。鉄ちゃんでなくても休憩がてら寄ってみる価値はあるだろう。

一般開放されている野辺山天文台

野辺山まで来たら天文台に行かなければ。星空観察ができなかった分、なおさら行かなければ。JR最高地点から向かう場合、安全策なら野辺山駅から回り込むルートがおすすめ。最短距離なら踏切脇の細い道からアプローチできるけど、途中不安になるほどの農作業道区間があるから覚悟の上でどうぞ。

現地には広めの駐車場あり。研究施設のわりにオープンな感じでさくっと入場できた。電波望遠鏡を扱うゆえ携帯電話をOFFまたは機内モードにすべき区域がある。
野辺山天文台 携帯電話OFFの注意喚起
一種のSF感あふれる雰囲気がたまりません。これらがミリ波干渉計なのかな。周辺の地面には干渉計を並べるのに使われていたレールが敷かれている。0.1ミリ精度で位置調整してたとか、怖いことが書かれているぞ。
ミリ波干渉計
なんとなく裏側も撮ってみたくなっちゃう。
ミリ波干渉計の裏側

制御テクノロジーが気になる「学びの部屋」

一般開放されている展示室へ入ってみると、まもなく「学びの部屋」なる説明会が始まるところだった。参加費600円。旅の目的を考えたら、丸尾くんじゃなくてもズバリ見逃すわけにはいかないでしょう。

3Dメガネをかけてスクリーンに映し出される星座や星の運行を鑑賞する。ただし世間一般のプラネタリウムではない。地球スケールから宇宙全体スケールまでシームレスに拡大・縮小して見せることができる特殊なソフトウェア+プロジェクション技術だった。あのソフト欲しい。

最奥最大の見せ場・45m電波望遠鏡

30分の鑑賞を終えて、最後に敷地の一番奥に鎮座する主役=45m電波望遠鏡まで歩いてみますかね。真夏の炎天下だとなかなかつらいけども。※パラボラアンテナが真上を向いてるのは観測オフシーズンのため。
45m電波望遠鏡
道中、右に視線を向けると、草地の向こうに電波ヘリオグラフなるミニ干渉計の一群がずらっと並んでいたけど、あまりの暑さであそこまで行くのはやめておいた。熱中症が怖いからね。
遠くに電波ヘリオグラフ
そしてとうとう着きました、45m電波望遠鏡。ミリ波観測では世界最大級だそうだ。さすがの圧倒的な大きさはガンダムってレベルじゃねーぞ。アンテナ重量700tだからね。コンバトラーVの体重550tをも凌ぐ。
45m電波望遠鏡
我々の目も可視光に限らず電波を感知できたなら…雲が出ていようが余裕で星空観測できたんだけどなあ。ロマンチックな光景と受け取れるかどうかは知らんが。