泡付き豊富な眺望自慢の露天風呂 - 甲斐大泉温泉 パノラマの湯

甲斐大泉温泉 パノラマの湯
梅雨時の道北遠征から早1ヶ月あまり。梅雨明け以降のクレイジーな暑さの中で企画されたのが、山梨へのグループ旅行。ちなみに梅雨入り前にも同じメンバーで山梨の温泉に行っている。

今回の趣旨は温泉がすべてではない。1泊目は温泉宿にこだわらず、八ヶ岳エリアのペンションで星を見ようという話だったのだ。ただし昼は湯めぐりでいいんじゃない、ということで、北杜市の温泉施設を探して決めたのが「甲斐大泉温泉 パノラマの湯」である。

褐色のお湯は、特に露天風呂が夏でもまあまあ長湯可能なぬるめの温度でよかった。山が雲に覆われる天気ゆえ、当館の売りである露天風呂からの絶景は多少パワーダウンしていたが、本気を出したらすごそう。

甲斐大泉温泉パノラマの湯へのアクセス

意外と駅近の温泉

パノラマの湯はJR小海線・甲斐大泉駅から徒歩5分という恵まれた立地。とはいえ小海線の運行本数を考えるとアドリブは危険。きっちり計算してスケジュールを組んで、いざという時のプランBとかも考えておかないといけない。

我々は2ヶ月近く前の石和温泉下部温泉ツアーと同じパターンを踏襲した。同じ時間・同じ場所に集合し、同じメンバー(1名は急な事情によりキャンセル)が同じ車に乗って、同じルートで山梨県を目指す。しかし高速の渋滞は今回の方がひどかった。夏の行楽シーズンに突入してたんでしょうな。

渋滞で時間的な余裕を削られたため、ランチは双葉SAで手早くすませてすぐ出発。しばらく走った先の長坂ICで中央道を下りた。あとは県道28号=北杜八ヶ岳公園線に入って北上する。

コンビニのご利用は計画的に

県道28号沿いはいかにも高原リゾート風で、優雅なライフスタイル層でないと縁がないようなお店…西欧料理のレストランがよく目についた…が並んでいる。ローカルな農産物直売や普通のコンビニなんかもあるけれど。

もしお酒やお菓子の買い出しを考えているなら、このあたりでコンビニは貴重な存在だから場所を把握しておくこと。我々の場合、途中で見かけたセブンイレブンの位置を覚えておいて、あとで買い出しのために寄ろうとしたら、駐車場がぎっちり詰まってて入れず。それくらいみんながあてにして押しかけるってことだ。※我々は結局プランBとして別途覚えていたローソンを頼った。

まあとにかく、長坂ICから県道28を10分ほど走ったら、甲斐大泉駅へ向かう道へ左折する。そして駅の手前でまた左折、100mほどでまたまた左折するとパノラマの湯に到着。


パノラマ絶景を期待して、いざ行かん

飲泉所を備えたなかなかの本格派

駐車場に空きはあるものの超余裕ではない。平日昼にしてはまあまあの客入りっぽいな。行楽ピークのタイミングだと結構混雑するかもね。そして入口付近には飲泉所があった。軽く飲んでみたら、スッと喉に入ってくる飲みやすさ。
飲泉所
入館するとすぐに食事処への通路が見られた。通路の向こうに食事処があり、さらには「いずみ荘」という宿泊施設へも通じているようだ。つまり当館を日帰り専門ではなく温泉宿の一部とみなすこともできるので、本記事を温泉宿への立ち寄りに分類した。

券売機で入浴券を買い(830円)、受付に提出して中へ。お土産コーナーにわりとスペースを割いている。
お土産コーナー
当時は湯あがり休憩所を挟んで右が男湯、左が女湯だった。1週間で男女が入れ替わるみたいね。湯あがり休憩所は畳+座卓ではなくて普通の床+長椅子。タレントの色紙が飾ってあったりマッサージ機が置いてあったりする。奥から出られる外のテラスは、天気次第でいい景色を拝めそうだ。
テラス

適温の内湯はまだ序の口?

では男湯へ。手前に暗証番号方式の貴重品ロッカーがあるほか、脱衣所内にも100円リターン式ロッカーあり。掲示されている分析書には「ナトリウム-炭酸水素塩泉、低張性、中性、高温泉」とあった。中性のところを弱アルカリ性と書いてる紙も見られる。加水・加温・循環・消毒あり。

浴室には洗い場が21名分設けられていた。これなら余裕でしょう。そして浴室奥に10名くらい入れそうな内湯浴槽。お湯はたぶん無色透明なんだと思うが、浴槽の内壁の影響なのか、若干緑がかって見える。浸かってみると適温だった。電光板温度表示は41.9℃なり。

内湯に入っているお客さんはあまりいない。みんなさっさと露天風呂の方に向かっていく。やはりそっちが主役なのか。自分も内湯を短時間で切り上げて(ぬる湯派にとって適温湯はあまり長くいられないのだ)、露天風呂へ。すまんな内湯氏。

ぬるめの露天風呂で泡付きを観測

外へ出るとまずサウナと水風呂。続いて岩風呂があった。かなり広くて30名入っても大丈夫じゃないかと思われる。通常の湯口のほかに、一部にボコボコとお湯を噴出させているかのような場所があり、循環装置に触らないで云々と書いてあった気がする。

露天風呂のお湯は若干褐色系に見えた。これは岩にこびりついた茶色い変色状態を反映しているのかな。で、浸かってみると内湯と比べてはっきりぬるかった。40℃未満じゃなかろうか。もともとぬるいのが好きだし、暑い時期にはなおさら歓迎だ。嬉しい誤算ってやつだ。

お湯の匂いを嗅いでみたら軽い塩素臭あり。うーん、仕方ないか、贅沢は言うまい。一方で湯の花らしき白い粒が漂ってるな…と思ったら、実は気泡だった。人工炭酸泉のように後付けでわざわざ気泡を加えるとは思えないから温泉自体の特徴だろう。しばらくすると二の腕などに細かい泡がたくさん付着し始めた。

やるじゃないか。温泉おじさんは泡付きのするぬるい温泉が大好物なのである。しかも炭酸水素塩泉らしく微妙にヌルヌルした感触もある。これで匂いが硫黄臭やアブラ臭だったなら…いずれも軽度といえど、ぬるい+泡+ヌルヌル+温泉臭で役満達成だよ。惜しいね。

富士山と南アルプスを望むパノラマの湯

露天風呂からの景色について書くのを忘れるところだった。高台から下界を望むタイプの景色ではなくて、遠くにそびえる山を楽しむタイプ。

向きは東寄りの南になるのかな。半分立ち上がる姿勢になると正面に富士山が見える。当時は中腹部が雲に隠れていたものの、例の山頂部はしっかり見えた。ただし白くはない夏山状態だし、天気の関係でボヤーッと黒い影が浮かんでいるような感じ。

右に目を向けると南アルプスらしき山々。こちらは稜線に雲がかかって微妙に残念だった。晴れは晴れでも雲がいやらしいところに発生して邪魔されてたなあ。そして八ヶ岳は向きが違うため見えず。まあそんな感じです。

繰り返しになるが予想外にぬるくて泡付きしてたのが嬉しい誤算だったパノラマの湯。絶景よりもそっちの方が印象に残っちゃった。来た甲斐があったよ。甲斐大泉だけに。