露天岩風呂へ滝のように落ちる青白濁り湯 - 赤倉温泉 滝の湯

赤倉温泉 滝の湯
スキーで有名な妙高高原の赤倉には温泉もある。スキー旅行の宿泊先が温泉宿だった、あるいはスキー帰りに温泉で温まっていったことのある方も多いに違いない。このたび上越妙高方面への温泉めぐりを実行するにあたり、当然のように赤倉を候補に入れたのであった。

調べてみると「滝の湯」なる日帰りの露天風呂が見つかった。赤倉温泉観光協会が運営している施設のようだ。だったら通りすがりの旅行者が気軽に入れる雰囲気のはず。よし決めた、滝の湯にしよう。

内湯を持たない露天風呂のみの施設で風呂の広さは十分。お湯は白濁硫黄泉的な特徴だから旅情を含めての満足感は高い。ちょっと寄っていこうか、というノリに本当にぴったり。

赤倉温泉「滝の湯」へのアクセス

バス終点の足湯のちょっと先

鉄道で赤倉温泉まで行こうとすると在来線(北しなの線・妙高はねうまライン)の妙高高原駅から妙高市市営バスで20分。新幹線が停まる上越妙高駅で接続していれば便利だが贅沢は言えない。バス便があるだけでも恵まれている。終点の赤倉足湯停留所から滝の湯まで徒歩1~2分。

自分はレンタカー利用。前泊した糸魚川市の笹倉温泉龍雲荘をチェックアウトして国道8号→18号を走った。前半のR8は左手に見える真っ青な日本海がすばらしく、予定外に「道の駅うみてらす名立」で撮影休憩を取ってしまったほど。
道の駅うみてらす名立で見た日本海

駐車場あります

国道18号に入って内陸部へ進むにつれて雲が多くなってきた。あああ~、今日は山の景観については期待しない方がいいかもな。雨が降らなきゃいいや、くらいのつもりで温泉に集中しよう。

事前に頭の中でドライブコースのイメージを作らないまま、完全にカーナビの指示に頼りきりで走ったから、どこでR18を外れてどう通って赤倉温泉に着いたかはよくわからない。とにかく足湯公園の前まで来た。バスの終点ですね。ここに車を置いて歩くか?…いや、滝の湯にも駐車場があるかもしれない、行くだけ行ってみよう。

目論見通りに駐車場があった。自分の運転技量だと満車に近いときに空きスペースに割り込ませてもらうのは厳しそうな未舗装空き地風のスペース。当時はガラガラで助かったぜ。


大きい岩風呂に白濁の湯で旅気分倍増

ちょうどいい温度になる奇跡の湯

玄関の券売機で入浴券を買う。500円。受付で券を渡して入館すると目の前に100円戻らない式のロッカーがあった。貴重品を保管するために利用したところ、鍵が最後まで回らない!…いくら頑張ってもだめだった。こいつは昔のゲームセンターでいうところの吸い込み現象ですな。やむを得ず隣のロッカーに切り替えた。吸い込まれた100円はプチふるさと納税と思うことにしよう。

その先の廊下に女湯・男湯の並びでぞれぞれの入口があった。男湯の脱衣所へ入ると…ここにも貴重品ロッカーあるやん。慌てる必要は全然なかったな。

柱に貼ってある分析書には「カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉、低張性、中性、高温泉」とあった。なんだかいろんな成分が入っててすごそうだな。この手の成分にマグネシウムが書かれているケースがとても少ないせいか、見つけると妙に得した気分になってしまう。加水・加温・消毒なし、循環はあるかも。源泉地から引湯する間にちょうどいい温度になる奇跡の湯という説明。

広い岩風呂へ向けて落ちる湯滝

脱衣所から出ると、向かって左側にかけ湯、右側に3名分の洗い場。そしてすぐに露天風呂がドーンと控えている。かなり広い。30名は収容できるんじゃないか。

ふと見ると、右手前あたりにメインの露天風呂から仕切られた形で数名サイズの別区画があった。メインとは別口でお湯が投入されていて、そこからメインの方へ流れ込んでいるようにも見える。足先を突っ込んでみたらずいぶん熱かったのでパス。

ではいよいよメインの岩風呂へ入ります。うん、適温ですね。夏季だとちょうどいい温度のゾーンを超えて熱く感じられ、長く浸かり続けることは難しいと思われる。湯船の底が見える程度の青白い微濁りのお湯の中には白い湯の花がうじゃうじゃと。お湯をクンクンすると、腐卵臭まではいかない、甘い感じの硫黄香がした。

風呂を構成する各岩がなかなか大きくて立派である。中央にも大きいのがデーンと置かれている。そして高く積まれた岩の上から源泉が滝のように流れ落ちていた。だから滝の湯ってわけね。奥には休憩用のベンチとテーブルが設置されたスペースがある。

隣にプールがあるようだけど…

岩が目隠しの役割を果たしていて眺望はないものの開放感は十分だ。遠くの景色は見えないんだけど…岩の向こうの隣の区画にプール用すべり台がチラチラ見えるんですけど、あれは何?…滝の湯はプールを併設しているとのことで、本当にプールのすべり台だった。

しかしすべり台はかなりの寂れっぷりで、朽ちかけているように見える。岩の向こうまで行ってプールの状態を間近で確認しようという気にすらならなかった。コロちゃん以降は閉鎖してますと聞いても納得してしまうくらいの様子。プールをあてにするなら事前に確認しておいた方が無難でしょう。

滞在中の大半の時間が独占状態だった。誰もが喜びそうな特徴ある本格温泉を一人で楽しんじゃってすいませんね。どういうわけか人間のいる方へ・いる方へ、寄ってきては追いかけっこを見せつける数匹のシオカラトンボを眺めながらの湯浴みとなった。

 * * *

赤倉温泉は前から気になっていたので今回来ることができてよかった。広い岩風呂で白濁硫黄的なお湯に入れて料金も手頃だからいいんじゃないかな。スキーには縁がなくてなんの確証もないが、冬はスキー客でごった返しているのかもしれない。

お湯の効きめはかなりありそう。なぜなら入浴後しばらくすると妙に気分が鎮静したから(眠気はないので運転に支障はありません)。あれは不思議な気分だったなー。


おまけ:妙高高原スカイケーブルで山の上へ

滝の湯の後に赤倉のお隣り・池の平のいもり池へ行ってみた。ほら、やっぱり妙高山は雲の中だよ。赤倉に引き返して妙高高原スカイケーブルで高いところへ上るつもりだったけど今日はやめた。明日の天気に賭ける。
いもり池と妙高山
そして翌日は完璧な晴れあがりではないものの、スカイケーブルに乗った先で下界の景色を楽しむくらいのことはできそうだった。よし決行だ。
妙高高原スカイケーブル 山麓駅付近
往復2000円のゴンドラに乗って山頂駅へ。駅のまわりにはなにもない。レストランは閉鎖中。とりあえず5分ほど歩いたところに展望広場がある。
妙高高原スカイケーブル 展望広場
おおー。斑尾以外はどれが何の山かよくわかんないけど、いろいろ見えますな。遠くは霞んでしまっている。条件次第で志賀・鳥甲・苗場といったあたりが見えるようだ。

右寄りの方向に野尻湖も確認できる。実は前日赤倉温泉の後に訪れていたのだった。
野尻湖の展望
付近には妙高山登山口があるし、20~30分級の散策コースもある。時間と体力の都合を考えると自分にはガチすぎたんで、展望しただけであっさり下界へ戻った。