一畑電車に乗って出雲大社にお参りし、出雲そばを食べる

出雲大社 勢溜の鳥居
島根に来たらやっぱり出雲大社へは行っておかねばなるまい。おじさんがいまさら縁結びを祈願してもしょうがないけど、まあ一応。ついでに一畑電車に乗り鉄してみたいという野望もあった。

雨が降りそうで降らなそうで、結局ちょっとだけ降ったけどほぼノーダメージだったのは、はたして天に歓迎されていたのかどうなのか、微妙なところではある。そういうふうに結びつけて考える必要など、ないといえばないが。

日本有数の格式ある神社なのでガードが固くて近寄りがたいのかなと思ったら、わりとオープンで親しみやすい雰囲気だった(もちろん威厳がないわけではない)。一畑電車に乗り、出雲大社へお参りし、出雲そばを食べることができて、野望はひと通り果たされた。

出雲大社へのアクセス

山陰旅の最終日。松江しんじ湖温泉・松江ニューアーバンホテル別館への立ち寄り入浴を終えたところから話は始まる。残された最後のイベントが出雲大社への参詣。朝は晴れていたのに、いまや空はすっかり暗くなってポツポツ降り出してきた。

傘をさすか・ささないか、自然を相手に意地の張り合いをしながら徒歩10分弱、どうにか傘なしで一畑電車の松江しんじ湖温泉駅へ逃げ込んだ。この天気の急変は「来るな」という天のお告げか…いや、松江は雨でも出雲は雨じゃないかもしれない。まだだ、まだ終わらんよ。

ローカル情緒あふれる列車は宍道湖とつかず離れずで走っていく。途中の一畑口駅はスイッチバックになってるのね。川跡駅での乗り換えを含めて約1時間で終点の出雲大社前駅に到着。ホームにはオレンジ色のレトロな車両が止まっていた。展示用かな。
出雲大社前駅のホーム
駅舎もレトロモダンな感じ。天気は雨が落ちて来ないぎりぎりのラインである。
一畑電車 出雲大社前駅
駅から参道入口までは道の両側に各種店舗が立ち並ぶ中を数百メートル歩く。途中にある竹野屋旅館は竹内まりやの実家だそうな。縁結びの聖地で「けんかをやめて」のタイトルと歌詞を思い出すと、なにやら深いものがありますな。
竹野屋旅館

ぼっちおじさん、出雲大社の参拝ルートを行く

参道と池とうさぎ像

さあ入口(勢溜)に着きました。鳥居の奥は神々の界へ至る通路。当時のご時世かつ平日でもあって参拝客はかなり少ない。混んでなくて良かったと言っていいのかどうか。
出雲大社の参道
途中には浄の池がある。きれいに整えられた池で東屋もあり、季節によっては花を楽しむことができる。訪れた時は、かきつばただか菖蒲だかあやめだかわからんが、そっち系の青紫の花がいっぱい咲いていた。他にあじさいが見どころになるそうだ。ちょっと寄り道してみたいスポット。
浄の池
小さな橋を渡って中の鳥居をくぐると松の参道が続く。真ん中は通行禁止で左右のどちらかを通る。左側通行とかの作法があるのかどうかはわからない。とりあえず左を歩いてみた。
松の参道
道の外れに人がたむろしていたので行ってみると、うさぎさんの像がいっぱい。大国主大神といえば因幡の白兎ということで奉納されたようだ。それぞれにポーズが違う。また像があるのはここだけでなく境内のあちこちに見られる。探してみよう。
うさぎの像

いよいよ出雲大社の中心部へ

銅の鳥居の先に拝殿や御本殿がある。ついに来たか。
銅の鳥居
拝殿で厳かに参拝する。一般の神社は二礼二拍手一礼だが、出雲大社は二礼四拍手一礼だ。恥ずかしながら現地の説明案内で初めて知った。一般の作法でやってしまうところだった、あぶねー。それにしても注連縄が最大級に太いな…しかしこの見解は後にあっさり覆されることになる。
出雲大社 拝殿
拝殿の奥に八足門。この門の中に御本殿があるのだが一般人は立ち入れない。なんらかのルートで特別参拝を申し込む必要がある。このへんは伊勢神宮と同様ですね。たまたま門が少し開いて神職の方々が出てくるところに遭遇したことをもって良しとしよう。あと近くの別口から巫女さんの集団がうわーっと出てきたのも見た。ラッキー、なのか?
八足門
あとは摂末社が続く。南北の氏社や東西の十九社など。出雲では全国から神々が集う期間を神無月でなく神在月と呼ぶとはよく聞く話だが、その神々の宿所となるのが十九社。なので御祭神は八百万の神ということになる。主要国サミット会場のホテルとか全然目じゃないぜ。
東十九社
境内の一番奥に回り込むと一段高いところに現れるのが素鵞社。御祭神はヤマタノオロチ伝説のスサノオノミコト。へー。
素鵞社

神楽殿の豪快な注連縄

ひと通り見学して、こんなところかな、と思ったらさらに西側へ進めそうだったので行ってみると、小さな川を渡って神楽殿があった。ここの注連縄がとてつもなく太い。拝殿で見たのよりも明らかに太いし全長も凌駕している。これはすごい。
神楽殿
いやーびっくりしなたあもう。最後に神楽殿の奥の天満宮と鎮守社へ。ここにも、うさぎ像があった。
天満宮と鎮守社
写真の左側にあるのが天満宮。やっぱり菅原道真公を祀っているんですかね。いくつか社がある中で、ここだけ絵馬がたくさん掛かっていたり、うさぎさんが勉強スタイルだったり、なにやら特別感が大きい。

以上で出雲大社の見学完了。駅からの歩きを含めて約1時間。雨が降り出しそうでそわそわしたり、このあと名物のそばを食べる時間を確保しようと目論んだため、若干急ぎめだった。もし各所をじっくり見て回るなら1時間半。周辺の宝物殿・野見宿禰神社・古代出雲歴史博物館などへ立ち寄るとさらに時間がほしいだろう。余裕を持った計画を。


出遅れた男の出雲そば探訪

せっかくなので名物の出雲そば(割子そば)を食べてみようと思い立った。看板やのぼりに「そば」と書いてある店は多いから適当に入ればよかろうと思ったら甘かった。訪問した夕方近い時刻にはもう「本日終了」「完売」となっているお店ばっかり。

「本日休業」のパターンも少なくなかったから、このご時世の平日じゃ客がほとんど来ないし、店を開けとくだけコストの無駄という判断かもしれない。

うーむ困ったぞ。あきらめかけたその時、メイン通りから脇に入ったところに「神藏」というお店を見つけた。場所的に目立たないが「出雲そば」ののぼりが立っていたので気がついた。メイン通りに並ぶ、いかにも観光客向けの店というよりは地元の人が通いそうな雰囲気。

店内でさっそく割子そばを注文。3段に重なった器のそれぞれにそばが入ってる。薬味は3種類。こいつが噂の割子そばか。
出雲そば(割子そば)
3段完食。黒い色の素朴系のおそばでした。ふー満足したぜ。あきらめる直前に当店を発見し、帰り際に記念のストラップまでもらっちゃったのは、縁結びの効果がさっそく現れたかな。