旅のお供に。水戸近郊の好温泉 - ひたちなか温泉 喜楽里別邸

ひたちなか温泉 喜楽里別邸
水戸へ行ったら立ち寄ってみたい日帰り温泉があった。住所はひたちなか市だけどな。それが「ひたちなか温泉 喜楽里別邸」。過去に国立と川崎でお世話になった湯楽の里/喜楽里グループの施設である。

夏の福島旅行の帰路で水戸を通ることになったので、ちょうどいい機会だということで訪れてみた。平日の昼だったことも幸いして混雑は大したことなく、ゆっくり楽しめた。温泉使用風呂の中に夏向きのぬるめ設定があったのも良し。

当時ゲリラ豪雨の不安さえなければ休憩込みで長く滞在していたことだろう。

「ひたちなか温泉 喜楽里別邸」へのアクセス

旅の最終日、湯岐温泉・山形屋旅館をチェックアウトしてJR水郡線の磐城塙駅前まで送り届けてもらい、水戸行き列車に乗り込んだ。

水戸までは結構長い。2時間くらいの乗車になる。途中の袋田駅は、日本三大瀑布のひとつ・袋田の滝への最寄り駅であるのに加え、映画「男はつらいよ ぼくの伯父さん」(第42作)の冒頭シーンのロケ地でもある。列車内でお年寄りに席を譲るかどうかで高校生、じゃなくて当のお年寄りと寅さんが喧嘩になったんだよな。

※袋田の滝がある大子町をはじめとする水郡線沿線の各町に加えて水郡線自体も2019年台風19号で甚大な被害を受けた。1日も早い復旧をお祈りします。

水戸に着く頃には午後になっていた。旅に出る前の天気予報だと最終日はばっちり晴れるはずだったのに、空は暗いし、あちこちに怪しい雲が。こりゃあゲリラ豪雨あるかもしれん。

水戸駅から喜楽里別邸までは北口3番乗り場からの路線バス。新参者にはよくわからぬが水府町・ハローワーク・枝川を通るやつに乗ればいいみたい。運行本数に注意。あとSUICA・PASMOは使えません。いばっピなる独自ICカードのみ可。

10分ほど乗って筑波台停留所で降りた後、ほんのちょっと水戸駅へ戻る方向に信号機付きのT字路があるから、そこで横道に入る。するとバス停から5分も歩かないうちに下のような階段が現れる。階段を上れば当館の駐車場だ。
喜楽里別邸へ続く階段

温泉露天風呂と炭酸泉のツートップで楽しめる大浴場

一括精算方式でスムーズに

建物の様子からして敷地はかなり広そうだ。ちょっとこじゃれた雰囲気の入口がお出迎え。小学生未満のお子様は入館できないとのこと。
ひたちなか喜楽里別邸の入口
下足箱に靴を入れて鍵をかける。この鍵をキーとして…変な言い回しになってしまった…各種料金が加算される仕組み。退館の際にまとめて精算するまで基本的に財布を使うことはない。

受付で「シンプルコース」か「ゆったりコース」を申告する。どちらもタオルセットが付いてくる。後者だとさらに館内着が追加され、タオルが大判になる。今回はシンプルコースで。平日900円。

新しくてきれいな館内

中は新しくてきれいな感じ。裸足で歩いても全然抵抗のない廊下を、レストランや岩盤浴やボディケアや休憩所を通り過ぎつつ、奥へ奥へと進んで大浴場へ。館内はやはり広い。途中には温泉掘削ピットの展示があった。
温泉掘削ピットの展示
さて、脱衣所では適当に空いてるロッカーを使う。もちろん鍵付き。平日の昼にしては客がそこそこいるな。混雑というほどではないから、まあいいか。分析書を探すと「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」とあった。

浴室内に洗い場はたくさん。全部埋まることはないと思われる。敷地が広いと感じた第一印象に比べると浴場じたいの広さは控えめ。上に挙げた数々の付属施設もワンフロアの中に全部同居しているからでしょう。

泡強めの炭酸泉がある内湯

内湯はいずれも温泉ではない白湯。主役は4名規模の炭酸泉かな。どこの施設へ行ってもたいがい常時満員の炭酸泉だが、このときは「どうぞご自由に」状態だったから後述する露天風呂の合間に入ってみた。

温度計は37℃を指しており、心地よい湯加減。炭酸は強めで体中が泡だらけになる。はじける泡の清涼感も大変よろしくて長湯でリラックスできた。いつもなら混み具合を見ただけで戦意喪失してパスすることも多い炭酸泉、珍しくじっくり浸かったのが妙に新鮮だった。

その隣は3名規模のあつ湯。電気風呂って書いてあった気がするな。主目的は温泉だし熱いのが苦手なのでパス。その隣は深めのジェットバス。ここは…まあいいや、パス。他には2名規模の水風呂、サウナなど。

夏向きのぬるめがありがたい大露天風呂

温泉目当てなら露天エリアへどうぞ。4名規模と15名規模の浴槽が隣り合って並んでいる。小さい方が源泉かけ流し浴槽で大きい方が循環ありの浴槽。

少しだけ高い位置にある小浴槽からあふれたお湯は大浴槽へと流れ込んでいる。湯楽の里/喜楽里の温泉露天風呂ではおなじみの「上の湯&下の湯」パターンだな。

まず大浴槽=一望の湯へ入ってみた。お湯はクリアな黄褐色。ややヌメリがあって、塩化物泉によくある匂いも感じられる。循環といいながらも温泉の個性をうまいこと維持している。大したもんだ。

そしてぬるい。これは褒め言葉である。40℃に達していないと思われるお湯は夏向きだし、個人的な好みを言えば冬もこれくらいでお願いしたい。熱い風呂にちょっとだけ浸かるよりもぬるい風呂に長く浸かる方が満足度が高い。

源泉かけ流しの小露天風呂はやや熱い

温泉目当てで来たからには源泉かけ流しの小浴槽=源泉一望の湯が気になる。移動して入ってみたら、おっとっと、熱いぜ。ぬるい湯に体が慣れきった後に入ったから差異が強調されて感じただけかもしれないが、適温の範疇とはいえ決してぬるめではない。

ありがたみは非循環の小浴槽が確実に上。しかしながら当時の気分とシチュエーションだと、ぬるくて浴感もなかなかの大浴槽に注力したくなった。小浴槽は冷温交互浴的なアクセント、あるいは上がり湯的に使おうっと。

ところで男湯露天エリアからの眺望については、ちょっとした高台にある当館の露天エリアは目隠しの塀がなく開けているのだが、竹林風に竹がいっぱい生えていて見通しは悪い。枝葉の隙間から緑の田園風景がちらちらのぞく程度。とはいえ塀にすっかり囲われているわけではないから開放感はそこそこある。

あと露天エリアには10名分の寝ころび湯がある。こちらに流れるお湯も温泉。少しだけ試すつもりでいたら結構気持ちよくリラックスできたので10分以上も寝ころぶことになった。


雨雲さえ来なければ、もっといたかった

控えめにみて70分の滞在。もっと長くいたかもしれない。満足してあがった後は選択肢が二つ。(1)さっさと退出してまもなく来るバスで戻る、(2)乗るバスを1本遅らせてレストランで昼兼夕食を取る。…気持ち的には(2)。ビールとか飲んじゃったりして。

でも嫌な予感がしたので、スマホのお天気アプリで雨雲レーダーを確認すると、(2)だとちょうど帰る頃にゲリラ豪雨級の雲とかち合う危険があった。バス停までの歩きやバス待ちの間に豪雨に来られたらアウト。どうせ傘を差してもひどい目にあうんだろう。※水戸駅方面のバス停は屋根付きだと後に判明したが。

降り出す前に水戸駅へ到達しておくべきだ。と、やむなく(1)を選択、ちくしょー。おかげで食事面を体験することはできなかったけど、お風呂面は十分に堪能した。旅のいい締めができたと思うことにしよう。


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