阿賀野川沿いに美湯・美味・美観の旅館あり - 咲花温泉 碧水荘

咲花温泉 碧水荘
温泉めぐりの道に足を踏み入れるきっかけとなった最初の旅行にて、行き先候補にあがっていたのが新潟の咲花温泉だった。ネットの口コミによれば、メシがうまい・エメラルドグリーンの硫黄泉・川が目の前・線路も目の前+駅近・静かな環境・おひとりさまも居心地良好。

なにそれ最強じゃん。かなりグラっと来たのだが、いろいろあって最終的には選に漏れた。その後は、どうせなら瓢湖で白鳥を見る冬ツアーとか、磐越西線3泊4日の旅とか、変に構想を大きくしてしまい、かえって実現が遠のいた。

そうやって数年にわたり迷走したあげく、梅雨どきの週末の朝、ついにシンプルな立場に落ち着いた →週末の1泊2日で咲花温泉を楽しむために行く。こう決め打ってしまえば話は早い。急いで「今日の」空室を探して見つけたのが碧水荘。評判も上々だ。幸先いいぞ、と速攻で荷物をまとめて家を飛び出した。

咲花温泉「碧水荘」へのアクセス

磐越西線でのんびりと

咲花温泉の最寄り駅はJR磐越西線・咲花。そのまんまですな。東京方面からだと上越新幹線で長岡または新潟へ出て、信越本線に乗り換えて新津へ。そこで磐越西線に乗り換える。新津から咲花までは30分プラスアルファ(列車交換の待ち時間次第)。

乗り鉄もしくはロマン派の方は郡山経由の磐越西線たっぷりコースも考えられる。郡山まで新幹線を利用するなら十分に実行可能。でも自分だったら途中で会津の温泉に1泊したいな。←そうやって話を膨らませるから実現が遠のくのだ。

実際のところは新津で途中下車してアブラの聖地・新津温泉へ立ち寄り、夕方遅めの時間に咲花駅に着いた。駅舎には高いところへ上る階段が設けてあり、しかし上っても特に何があるわけでもない。見晴台って感じでもなかったな。とりあえず去りゆく列車を撮ってみた。
咲花駅を出発する磐越西線の列車

温泉街の一番奥

線路と阿賀野川に挟まれた、広くはない平坦地に道路が1本。その道に沿って旅館が並んでいる。他にお土産屋さんが1軒あったかな。一般に温泉街という言葉でイメージされるほどの規模ではない。

碧水荘は旅館の並びの一番奥にあり、道路もここで途切れている。並走していた線路は「ここが限界」とばかりにトンネルの中へ潜り込んでいた。本当にどん詰まりの場所なのね。それでも駅から徒歩5分かそこらだから近い。

碧水荘へ入館する前に阿賀野川の近くへ寄ってみた。過去の水害の後に作られたであろう新しめのコンクリート堤防の結構な高さのところまで水面が来ている。ちょっと水かさ多くない? 梅雨の影響かな。
阿賀野川

雄大な阿賀野川が超近い客室

ではチェックイン。いくらか鄙びたレトロな旅館を想像していたのだが、とんでもない、和モダン風とも見えるなかなかしゃれた雰囲気である。ファミリーやカップルも安心だ。そういうテイストなのに週末(たぶん満室)におひとりさまを泊めてくれるなんて、太っ腹。

ちなみにロビーはこんな感じ。大規模ホテルではないからだだっ広いわけではない。窓の向こうは堤防と阿賀野川。どう見ても水面が高いよなあ。
碧水荘 ロビー
長ーい通路を経て案内されたのは2階の8畳+広縁の和室。おお、いいじゃないですか。管理が行き届いており、きっちりしている印象を受けた。金庫あり、別途精算のドリンク・酒が入った冷蔵庫あり。
碧水荘 客室
もちろんシャワートイレ・洗面所付きで、いずれも新しくて快適に利用できる。失礼ながら繰り返すが鄙びレトロ系を勝手に想像していたので、ハード面がここまでの水準だと、なんだか贅沢な気分になった。

WiFiはフリースポットが用意されていて客室でも利用可能。全室川側だと思うんだけど窓の外は雄大な阿賀野川。やっぱり水面が高いよなあ。
碧水荘 部屋から見る阿賀野川

エメラルドグリーンの源泉かけ流しに感嘆す

まずは内湯を体験

碧水荘の大浴場は一般の内湯と貸切露天風呂。どちらも源泉かけ流し。貸切の方は1回・45分だけ無料で利用でき、チェックイン時に希望時間を押さえる方式。遅めの到着だったため夜遅くの時間帯しか取れなかった。

そこで夕方は1階の奥まったところにある内湯へ行った。脱衣所は旅館相応の規模。通常のカゴの他、日帰り入浴向けと思われる鍵付きロッカーも設置されている。掲示された分析書には「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉、弱アルカリ性、低張性、高温泉」とあった。成分豊富ね。

浴室へ入ったとたん、もわっとタマゴ臭キターーー。こうでなくちゃ。左手にカランが4つ。正面には中央の仕切りで4名+4名サイズの区画に分けられた浴槽があった。たしかタイル張りだったかな。

熱めと適温に分かれた区画

最大の特徴はお湯の色である。本当に目にも鮮やかなエメラルドグリーン。青がいくらか混じったクリアな緑色は月岡温泉でも見たけれど、こちらの方がキラキラと輝いている。人工的に着色したんじゃないかと思えるほどだ。この色を見ただけでも来た甲斐があった。

ふたつある区画の湯口側は熱めで湯尻側がぬるいチューニングになっているんだろう。実際そうだった。湯口側はかなりはっきりと熱くて、ぬる湯派の自分は入る気にならなかった。

湯尻側はぬるくはないけどまあ適温。こちら専門で浸かることにした。泡付きとか湯の花はなかったように思うが、とにかく鮮やかなエメラルドグリーンと鼻をくすぐる硫黄香がすばらしい。見た目の物珍しさがあるし、珍しさを抜きにしてもすぐれたクオリティだ。

ついでに阿賀野川見物もできちゃう

時おり湯船を出て窓際の床に座り込んで休憩する。ガラス窓の向こうは例の堤防と阿賀野川。しばらくボーッと眺めたのち再びエメラルドグリーンの海へ。いやいや結構ですな。

たぶん満室のわりには芋洗いどころか利用中に他の客は0~1名。これほどのお湯をじっくり楽しめるなんて大満足である。

なお、翌朝入りに来たときにはお湯の色から青みが抜けて黄緑っぽい、かの国見温泉のライムグリーンに近い感じになっていた。一粒で二度おいしい思いをしちゃった。

貸切露天風呂を贅沢に独り占め

夜遅くの予約した時間に貸切露天風呂へ行ってみた。場所は半地階の食事処の奥。時間になったらフロントで「利用中」と書かれた札を受け取り、ドアの前にぶら下げて、中から鍵をかける。

入口や脱衣所が手前と奥とで2箇所あるように見えるけど、結局は中でつながっている。手前の方へ行くと湯船の前にテーブルと椅子が置いてあった。貸切風呂ではお酒を注文して飲むことができるから、そのときに使うんだろう。

この露天風呂には1名分の洗い場と、湯口側6名サイズ+湯尻側8名サイズに区切られた岩風呂があった。ひ、広い。一人で利用しちゃってええんですかい。

全体が屋根に覆われた全天候型で、外の堤防との間には板を張った目隠しの塀。この日は強風で板がガタガタと音を立てていた。

ぬるめのお湯で好感度Max

さて入ろう。湯口側はやや熱め。湯尻側は…やった、はっきりとぬるい! 好みのレンジ。内湯もこの温度で提供してくれてかまいません、って言いたいくらい。貸切風呂だと1回しか体験できないからね。

夜の闇でお湯の色は真っ黒にしか見えなかったものの、まあエメラルドグリーンでしょう。長湯を楽しみ、たまに湯口側へ浸かって再び湯尻側へ戻る冷温交互浴ごっこを楽しみ、割り当ての45分はあっという間に過ぎた。

美肌の湯だけあって入浴後は肌がつるつるになる。


期待通りのうまい食事

部屋でいただく夕食

碧水荘の夕食は部屋食。大広間に全員集合ではない。ぼっちのおじさんも安心だ。開始は18時組と19時組に振り分けられ、たぶん満室+遅めのチェックインだったせいで自分は選択の余地なく19時組。ある意味願ったり叶ったり。

風呂上がりにビールを飲んでいる間に運ばれてきたスターティングメンバーがこれ。
碧水荘 夕食その1
鍋物はタンシチュー。ほう、なかなかユニークだね。釜飯のように見えるのは魚沼産のコシヒカリ。白いお米を混ぜものなしでそのままに、自信の一品。

自信のタンシチューとコシヒカリがうまい

おいしくいただく間に、刺身・豆乳に投入した野菜・スープ・佐渡のもずく(ながもではない)が追加されて一気に賑やかになった。食べきれるかなあ。
碧水荘 夕食その2
やはりすごい量だった。どうにかやっつけてラスボス・タンシチューに取りかかる…肉が超やわらかくてうまい。タンといえば焼き肉のタン塩のコリコリした食感しか知らなかったからな。これはいい。和風旅館でタンシチューってどうなのと思ったけど、これなら納得。

胃袋はもう限界。しかし真のラスボス・コシヒカリが残っていた。こうなりゃ封印していたチャクラを開くしかない。限界突破で胃袋充填120%。さすがに米はうまい。完食は無理だったが大半はいただきました。もう本当に限界っす。

いろいろなおかずが付く朝食

朝食は半地階の貸切露天風呂の手前にある大広間のテーブル席で。希望を調整して7時半組と8時半組に振り分けられる。ぼっちのおじさんを一番隅っこの目立たない席にしてくれて助かった。中央の席だったら周囲からの好奇の目に晒されて(との思い込みが先に立って)落ち着かないからね。

おかずはいろんなものをちょっとずつのパターンで量的にも十分である。
碧水荘 朝食
あとトマトジュースか地元のヤスダヨーグルト社の飲むヨーグルトか、希望を聞いて出してくれる。


少人数で静かに過ごしたい方におすすめ

かつて咲花温泉がアンテナに引っかかったのはやはり間違ってはいなかった。あのエメラグドグリーンの見た目も中身も大変結構。碧水荘だとそれを源泉かけ流し、さらに貸切露天風呂ならぬる湯という絶好のコンディションで楽しめる。

最後に郷愁を誘う阿賀野川の夕焼け。ガラス窓越しですが。
阿賀野川の夕焼け
碧水荘ならびに温泉地全体が適度に静かで小ぢんまりしていて、騒がしい団体が大型観光バスで乗り付ける雰囲気じゃないのもいいですね。少人数または一人旅でゆっくりしたい方におすすめだ。

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