神がかり的な泡の量にびっくり。ある意味絶景 - 韮崎旭温泉

韮崎旭温泉
山梨県韮崎市にびっくりするほどすごい温泉がある。あちこちで紹介されているから知っている方は多いかもしれない。「韮崎旭温泉」だ。何がすごいって、とてつもない泡の付き方。アワアワ。

スーパー銭湯などによくある人工炭酸泉なんてもんじゃない。天然温泉にもかかわらずおそろしい量の泡がまとわりつくのだ。まさか平成末期の日本でバブルを体験できるとはね。

以前から行ってみたかったので大変満足した。あーすっきりした。たしかに評判になるだけのお湯だったし、おすすめですね。

韮崎旭温泉へのアクセス

自信を持って南宮神社前で降りろ

今回は鉄道利用の一人旅。韮崎旭温泉の最寄り駅となるJRの中央本線・韮崎へとやって来た。年末寒波に見舞われた冷え込みのきつい日だったが、朝一番でお隣の塩崎駅から「湯めみの丘」へ入浴しに行った後だったため、体は温まっており大丈夫。

韮崎駅前から大草経由甲府行きの路線バスに乗る。2時間に1本しかないから接続をしっかり調べておくべし。アドリブは危険。ちなみに駅前ロータリーに「ニコリ」なる市民交流センターがある。飲食・お土産・観光案内所もあるみたい。時間に余裕があればどうぞ(自分は行ってない)。
韮崎市民交流センター ニコリ
バスで10分ちょっとの南宮神社前で下車。ひとつ手前のバス停が若宮神社前という名前なので、「あれ? 記憶違いしてたかな? 南宮じゃなくて若宮神社だったっけ?」とちょっと焦ってしまった。若宮でなく南宮神社前でOK。

日本のへそから歩く

目的のバス停に降り立つと、向こうに社が見えた。あれが南宮神社だろうか。そして「日本列島のへそ」なる碑があった。ほほう、ここが日本のある種の中心なのか。正確には900メートル離れた場所のようだが。
日本のへその碑
バス停から韮崎旭温泉までは徒歩10分。ややこしい道ではないがスマホの地図アプリがあった方がいいと思う。田畑と住宅が並ぶ中、遠くに富士山を眺めつつ進む。

やがて老人介護施設あさひホームが見えてきた。あさひホームと旭温泉…意味するところはもうわかるな。ここを左に折れるとすぐ当湯に到着する。


本当に泡がスゴかった、噂の温泉を体験

昼間からなかなかの人出

中に入って自販機で600円の券を買う。受付のおやっさん(後ほど大活躍)が「貴重品はそこのボックスに入れるといいよ」と教えてくれたので従おうとすると、そばで休憩していたおばちゃんが「どこに入れたかわかんなくなっちまうぞ」とすかさずツッコミ。アットホームな雰囲気に和む。

男湯の脱衣所も服をしまうところは鍵付きロッカーになっているが、「こじ開け盗難注意、貴重品は外の貴重品ボックスへ」の張り紙があったから従っておいた。また分析書には「ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉、低張性、弱アルカリ性、温泉」とあった。

いよいよ中へ。…うわあ、やっぱり結構お客さんいますね。平日昼過ぎで6~7名。浴室の広さを考えれば空いてるとはいえない。評判を聞きつけて遠方から来た温泉ファンっぽい人もいれば地元の常連おじいさん風もいる。洗い場にカランは5台。

ぬるめの源泉が豪快にかけ流し

出入口扉付近のかけ湯槽にも源泉が注がれ、しかも湯口から飲泉できると書いてあった。試しに手のひらで受けて飲んでみると、まずくはない。ゲップが出ると評されるほどの炭酸は感じなかったな。鈍感なのかな。見てるとたいがいの客が飲んでたし、ペットボトルに汲んで帰る人もいた。

主浴槽はもちろんのこと、かけ湯のところも「源泉かけ流し」状態だから、床がオーバーフローしたお湯でびしょびしょ。半洪水状態。なかなか豪快なことになっとります。

浴槽はメインの内湯がひとつのみ。10名以上いけそうな広さだが、週末や時間帯によっては満員御礼になっちゃうんじゃないかな。満たされたお湯は鮮やかな緑色に見える。タイル床の色かもしれぬが気分は盛り上がる。

浸かってみるとぬるめ。いつまでも入っていられる系のはずだが、不思議なことにやたらとポカポカしてくる。炭酸泡の刺激が影響しているのだろうか。途中で休憩を挟もうかと思ったくらい。ぬる湯は数々体験してきたけどこんな特徴は初めてだ。

聞きしに勝る存在感の泡と戯れる

主役の泡の存在感はすごい。体を沈めた瞬間から、もう泡が付着し始める。わりと細かい泡だ。ものの数分で体中がすっかり泡に包まれた。バブルスーツを身にまとったとでも言おうか。これはヤバイ。

お湯の中をよく見れば細かい泡の粒が無数に漂っているのが見える。そして手足を動かすのにあわせて、払われた泡がブワーッといっせいに浮かび上がってくるのも壮観だ。なんじゃこりゃあ。

いくつか居場所を変えて観察したところ、どこも尋常でない量の泡なのは同じだとして、やはり湯尻よりも湯口寄りの方が相対的に泡付きに勢いがあるようだ。よって湯口狙いの客は多く、湯口の場所を取るのは簡単ではない。

ただし体に付く泡が本当にすごいのは湯口から少し離れたところだ。そばに近寄りすぎると、投入される源泉の勢いのせいか、泡が暴れちゃってかえって体に付かない。湯口のカオス感は別の意味ですごいね。

ガラス窓には温泉の特徴・効能・入浴法や当湯を紹介する新聞の切り抜き記事があちこち貼ってある。それらを読んだりしながら、のんびり浸かって約1時間ほどしてから出た。


湯上がり後に認識する韮崎旭温泉の実力

おやっさんの飲泉サービスとガイド

男湯を出ると、受付のおやっさんが「水分補給しなきゃいかんぞ。これ源泉だ。飲んでみな」と、冷やした源泉入りの湯のみを差し出した。いやーさっぱりするね。おやっさんは「風呂は泡がすごいだろ、泡が細かいだろ」と畳み掛けてくる。いやまったくその通りです。

そして温泉雑誌や自分も持ってる「日本一周3016湯」(高橋一喜、幻冬舎新書、2014)という本を示しながら、「ここに載ってるの、ウチの温泉だぞ」と嬉しそう。さらに廊下の奥にある温泉チャンピオン・郡司勇氏の記念のタオルなどを案内してくれた。

さらに、県外からのお客さんが多い、源泉はあさひホームの先代オーナーが掘り当てた、湧いてるのはあの辺りだ、風呂場は自分が毎朝3時間掃除している、などいろんな情報を教えてもらった。

もう見るからに旭温泉に愛着と誇りを持って仕事してるって感じ。おやっさんが湯守でいてくれる限りは安心ですな。

百聞は一見にしかず

売店はないが、多数のテーブルが並ぶ休憩室への飲食物持ち込みが可能。入浴→食事・休憩→入浴のパターンで2回入っていく客も少なくないそうだ。休憩室の壁にも切り抜き記事が多数。中には山梨の温泉でおなじみのO短大T名誉教授による解説文も。

休憩室の外のテラスは景色が良く、寒くなければいい感じでまったりできそうだ。富士山がきれいに見える。
韮崎旭温泉のテラス
百聞は一見にしかず。韮崎旭温泉はやっぱりすごかった。ぬる湯派の自分にマッチした特徴なのもうれしい。交通手段が電車+バスだと往復の時刻をきっちり考えておかなければならないのが難点とはいえ、韮崎へ行ったら欠かさず立ち寄りたいと思わせるクオリティであった。

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