2018年の暮れに京都某所での野暮用にかこつけて関西遠征を決行した。その旅は大阪の温泉めぐりもテーマのひとつであった。とはいえ、大阪の温泉ってまったく心当たりがないんだよね。日帰り施設でいいから、印象に残るような特徴のあるところ、ないかなあ。
と思ってネットで探したら見つけた。松原天然温泉「You, ゆ~」だ。有馬温泉を思わせる濃い褐色の強食塩泉はポカポカとよく温まる。しかも源泉かけ流し。
加えて1日中いられるような、いろんなコーナーが充実した館内。人気を集めるのも当然で、ひっきりなしに客が入る大盛況。「ぼちぼちでんな~」どころじゃない繁盛ぶりだった。
と思ってネットで探したら見つけた。松原天然温泉「You, ゆ~」だ。有馬温泉を思わせる濃い褐色の強食塩泉はポカポカとよく温まる。しかも源泉かけ流し。
加えて1日中いられるような、いろんなコーナーが充実した館内。人気を集めるのも当然で、ひっきりなしに客が入る大盛況。「ぼちぼちでんな~」どころじゃない繁盛ぶりだった。
(2023.11追記)2023年9月をもって閉店とのこと。いいお湯だっただけに残念。
旅の3日目の午後、野暮用を終えたおじさんは京都市内から京阪電車に乗り、京橋でJR大阪環状線に乗り換えて天王寺で下車、ほぼ乗換駅といえる近くの大阪阿部野橋駅まで歩いて、近鉄南大阪線で恵我ノ荘駅まで行った。長かった~。
恵我ノ荘駅からは歩き。普通はひとつ手前の河内松原駅に発着する送迎バスに乗るべきだけど、当時は30分以上の待ち時間ができる見込みだったため、最寄り駅から歩くことにした。最寄りといっても徒歩20分だがな。
送迎バスを利用するなら、地下鉄谷町線の終点・八尾南駅も選択肢に入る。なお、八尾南から歩くのはやめた方がいい。30分じゃ到底すまない距離だ。
エントランス前には源泉の湧出所があった。おお、お湯の通り道が派手な茶色に変色して、析出物がびっちりこびりついている。こいつは本物だぜ、と期待が膨らむ。
さっそく自販機で入場券を買い求めると、なぬ?! せ、1800円だとぅ…まったくの予習不足だった。当館はお高めのかわり、タオル・バスタオル・館内着のセットが付いてくるし、まる1日滞在できるだけの設備を備えている。東京でいうと、府中にある縄文の湯とか板橋のスパディオに似た運営スタイルだ。
ここまで来て引き返す選択肢はない。スケジュールの都合で1時間しか滞在しないつもりだが、コスパのことは頭から追い払って券を買い、入場した。
掲示された分析書には「ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩温泉、高張性、中性、高温泉」とあった。塩分と鉄分が濃い「河内の有馬温泉」ってところか。本格的すぎる泉質だから、みんな引き寄せられて混んじゃうのだろうか。
浴室はまず、洗い場にカランが数え切れないくらいたくさんあります。が、ほぼ埋まってた。とにかく人が多い。狭くて混んでるところはいくつか体験したけれど、広いのに混んでるのはちょっと記憶にない。
まあいい。見たところ透明で沸かし湯ぽいし、自分は温泉目当てだし時間も限られてるから、ここはパスだ。その先には2階へ続く階段。上がってみるとサウナ室が並ぶフロアだった。サウナも目当ての対象外。パスだ。
ならばと勇んで露天エリアへ躍り出た。うわあ、ここも人だらけだ。手前の右手に水風呂。ここだけは空いている。
手前の左手にはメイン格と思われるあつ湯の露天風呂。15名いけるサイズなんだけど、つねに10名超が浸かっており、「ごめんなすって」的に割り込んでいかなければならない。そうやってどうにか居場所を確保した。
前々日に親指に切り傷を作ってしまったのだが、塩っ気の強いお湯がその傷にえらいしみる。文字通り傷口に塩を塗るってやつだ。お湯がピチャっと跳ねて口元に付いたらしょっぱい味がしたな。あとそれなりの金気臭あり。
お湯の個性がはっきりと感じられるのは源泉かけ流しの賜物だろう。
ふと、客の視線が1点に注がれているのに気づいた。視線の先には大型モニターがあって、ちょうど競馬中継をやっていた。混んでた理由はこれだったりして。どうやらまもなく大きなレースが始まるようだ。
濃ゆいといっても慣れてくればいつまでも浸かっていられそうではある。せっかくだから大レースを見届けようと思ってじっと粘っていると、運命のゲートが開く頃には、かなりの人数が集まってきていた。レースの結果はすんなり人気通りに収まった模様。あちこちでため息が漏れる。穴党が多かったのだろうか。
なんだかんだで結構浸かったな。さあて、そろそろあがるとするか。ぬる湯槽のL字の右肩部分にあたる空間はどうなっているのかとのぞいてみたら、3名規模の寝ころび湯だった。当然のごとく満員御礼。
ほかにつぼ湯が3つか4つあったけど、当然のごとく満員御礼。ずっと独占されてて入れ替えチャンスの気配すらない。どのみちもうタイムアップだし、露天のメイン風呂2つだけで十分満足したので出ることにした。湯あがりは全身の温まりと肌のスベ感が半端ない。
あっという間の1時間だったな、と「You, ゆ~」を後にしようとした矢先、おそろしい大ポカをしてしまったことに気づいた。詳細は省くが、人生詰んでしまうかと思った。
青ざめてフロントに相談したら、いろいろと親身に対応してくれ、最終的には親切なお客さんのおかげで事なきを得た。いやあ助かった。1時間の滞在のつもりが3時間に及んでいたけど、終わりよければすべてよし。
大いに助けられた河内の人情に感謝したい。ホッとした気持ちで八尾南へ向かうバスの中で身も心もポカポカだったのは、温泉のせいだけではあるまい。
松原天然温泉「You, ゆ~」へのアクセス
河内松原と八尾南から送迎あり
松原天然温泉「You, ゆ~」は松原市にある。土地勘のない関東人にはピンと来ないが、近鉄バファローズ球場のあった藤井寺やPL学園の校歌にある羽曳野の近くである。旅の3日目の午後、野暮用を終えたおじさんは京都市内から京阪電車に乗り、京橋でJR大阪環状線に乗り換えて天王寺で下車、ほぼ乗換駅といえる近くの大阪阿部野橋駅まで歩いて、近鉄南大阪線で恵我ノ荘駅まで行った。長かった~。
恵我ノ荘駅からは歩き。普通はひとつ手前の河内松原駅に発着する送迎バスに乗るべきだけど、当時は30分以上の待ち時間ができる見込みだったため、最寄り駅から歩くことにした。最寄りといっても徒歩20分だがな。
送迎バスを利用するなら、地下鉄谷町線の終点・八尾南駅も選択肢に入る。なお、八尾南から歩くのはやめた方がいい。30分じゃ到底すまない距離だ。
レジャー施設が集まる一帯
高速道路沿いに立つ「You, ゆ~」は、大規模な総合レジャー区域の一部らしく、ゴルフ練習場・ボウリング場・パチンコ店が隣接している。当湯自体も館内にカラオケボックスやゲームコーナーを備え、遊び要素が満載だ。エントランス前には源泉の湧出所があった。おお、お湯の通り道が派手な茶色に変色して、析出物がびっちりこびりついている。こいつは本物だぜ、と期待が膨らむ。
さっそく自販機で入場券を買い求めると、なぬ?! せ、1800円だとぅ…まったくの予習不足だった。当館はお高めのかわり、タオル・バスタオル・館内着のセットが付いてくるし、まる1日滞在できるだけの設備を備えている。東京でいうと、府中にある縄文の湯とか板橋のスパディオに似た運営スタイルだ。
ここまで来て引き返す選択肢はない。スケジュールの都合で1時間しか滞在しないつもりだが、コスパのことは頭から追い払って券を買い、入場した。
熱気ムンムン「河内の有馬温泉」を体験
広い大浴場にたくさんの人
時間がもったいない、さっそく大浴場へ行こう。男湯の脱衣所は、うわあ、人がいっぱい。こりゃもう大混雑の部類だ。フロントで受け取った腕輪の番号のロッカーに服と荷物をしまう。幅が狭いかわりに人の身長分の高さがあるタイプのロッカーだった。掲示された分析書には「ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩温泉、高張性、中性、高温泉」とあった。塩分と鉄分が濃い「河内の有馬温泉」ってところか。本格的すぎる泉質だから、みんな引き寄せられて混んじゃうのだろうか。
浴室はまず、洗い場にカランが数え切れないくらいたくさんあります。が、ほぼ埋まってた。とにかく人が多い。狭くて混んでるところはいくつか体験したけれど、広いのに混んでるのはちょっと記憶にない。
どこもかしこも満員御礼
内湯は、手前から6名分の寝湯ジェットバス、3名規模の電気風呂、そして10名規模の人工炭酸泉。…って、ぜんぶ満員御礼やないか。入られへんわ、どないなっとんねん。まあいい。見たところ透明で沸かし湯ぽいし、自分は温泉目当てだし時間も限られてるから、ここはパスだ。その先には2階へ続く階段。上がってみるとサウナ室が並ぶフロアだった。サウナも目当ての対象外。パスだ。
ならばと勇んで露天エリアへ躍り出た。うわあ、ここも人だらけだ。手前の右手に水風呂。ここだけは空いている。
手前の左手にはメイン格と思われるあつ湯の露天風呂。15名いけるサイズなんだけど、つねに10名超が浸かっており、「ごめんなすって」的に割り込んでいかなければならない。そうやってどうにか居場所を確保した。
個性が強い“塩の湯”
この露天風呂のお湯は完全に濁りきった褐色系。有馬温泉で見たお湯はオレンジ色だったが、ここのは白みが強い黄土色をしている。色の違いはともかく、もう見るからに濃ゆいとわかるほどに、はっきりと主張してくる感じ。前々日に親指に切り傷を作ってしまったのだが、塩っ気の強いお湯がその傷にえらいしみる。文字通り傷口に塩を塗るってやつだ。お湯がピチャっと跳ねて口元に付いたらしょっぱい味がしたな。あとそれなりの金気臭あり。
お湯の個性がはっきりと感じられるのは源泉かけ流しの賜物だろう。
ふと、客の視線が1点に注がれているのに気づいた。視線の先には大型モニターがあって、ちょうど競馬中継をやっていた。混んでた理由はこれだったりして。どうやらまもなく大きなレースが始まるようだ。
ぬる湯槽があるのはありがたい
CMの間にもうひとつのメイン格・露天ぬる湯槽へ移動した。こちらはL字型の区画に10名ほどが入れるサイズ。やっぱり定員に近い人口密度。温度以外の特徴はあつ湯槽と同じ。ぬるめが好きな自分にはこちらの方がいい。濃ゆいといっても慣れてくればいつまでも浸かっていられそうではある。せっかくだから大レースを見届けようと思ってじっと粘っていると、運命のゲートが開く頃には、かなりの人数が集まってきていた。レースの結果はすんなり人気通りに収まった模様。あちこちでため息が漏れる。穴党が多かったのだろうか。
なんだかんだで結構浸かったな。さあて、そろそろあがるとするか。ぬる湯槽のL字の右肩部分にあたる空間はどうなっているのかとのぞいてみたら、3名規模の寝ころび湯だった。当然のごとく満員御礼。
ほかにつぼ湯が3つか4つあったけど、当然のごとく満員御礼。ずっと独占されてて入れ替えチャンスの気配すらない。どのみちもうタイムアップだし、露天のメイン風呂2つだけで十分満足したので出ることにした。湯あがりは全身の温まりと肌のスベ感が半端ない。
終わりよければすべてよし
当館は1階に軽食喫茶、2階と3階にレストラン・カラオケ・ゲーム・リラックスルーム・マンガコーナー・映画コーナーなどがある。本来ならこれらと風呂を行き来して1日楽しまないともったいないのだが、まあ仕方ない。あっという間の1時間だったな、と「You, ゆ~」を後にしようとした矢先、おそろしい大ポカをしてしまったことに気づいた。詳細は省くが、人生詰んでしまうかと思った。
青ざめてフロントに相談したら、いろいろと親身に対応してくれ、最終的には親切なお客さんのおかげで事なきを得た。いやあ助かった。1時間の滞在のつもりが3時間に及んでいたけど、終わりよければすべてよし。
大いに助けられた河内の人情に感謝したい。ホッとした気持ちで八尾南へ向かうバスの中で身も心もポカポカだったのは、温泉のせいだけではあるまい。