ご利益と絶景の周遊コース:榛名富士・榛名湖・榛名神社

榛名神社
晩秋のグループ旅行で伊香保温泉に行った。伊香保まで来れば榛名山は近い。というか、もう入り込んだようなもの。一泊した翌朝、榛名富士・榛名湖・榛名神社と車で回ってみた。

あいにく雲の多い天気で、山頂からの大パノラマとはいかなかったが、まあそれなりに楽しませてもらった。

とくに榛名神社は思い描いていた以上によかった。同行メンバーもみな同様の感想を口にしていた。一般的な平地の神社をスケールアップしたようなのを想像していたら、とんでもない、ずっと奥が深かった。

晩秋の榛名富士観光

伊香保から山道を上る

雲は多めだが天気は悪くない、さわやかな朝。伊香保温泉・森秋旅館をチェックアウトした我ら一行は県道33号を榛名湖方面へ進んでいった。

結構な上り坂と細かいカーブが連続する山道ながら片側一車線が確保されており、ペーパーあがりの自分の運転技術でも大丈夫。過度なスピードを出させないためか、路面に大きな凹凸のついた箇所がいくつかある。そういえば走り屋のマンガの舞台がここじゃなかったっけ。よく知らんけど。

途中の展望所から伊香保温泉方面を望む。霞がもうちょっと晴れていれば遠くの山々がきれいに見えたに違いない。
展望台から伊香保方面を望む

双子ゴンドラのロープウェイ

さて最初にやって来たのが榛名富士。榛名湖のそばにきれいな三角形がぴょこっと立ち上がっている。
榛名富士
もっと近寄るとロープウェイ乗り場があった。せっかく来たんだし山頂まで行ってみるか。当日は10~15分間隔の随時運行だったと思う。往復840円で券を買い、ちょうど出発する間際のゴンドラに乗り込んだ。
榛名山ロープウェイ
2台のゴンドラが連結されてペアで動く面白い形態。もちろんどっちに乗ってもいい。3分で頂上駅に着いた。

榛名富士山神社の待つ山頂へ

付近には売店やビジターセンターがあるわけじゃない。ここから徒歩で5~10分登って本当の山頂まで往復するのが基本コース。1400m近い標高のため一層ひんやりした空気の中、ひいこら言いながら登っていくと、山頂に榛名富士山神社があった。場所が場所だけに簡易的な社殿ですが。
榛名富士神社
山頂からは谷川連峰・武尊山・赤城山・関東平野・運が良ければ筑波山や富士山も見えるっぽいのだが、この日は厚い雲しか見えなかったので、撮影はあきらめた。かわりにロープウェイ乗り場から見下ろす榛名湖の写真を貼っておきますね。
榛名富士から見る榛名湖
榛名富士は以上で終了。ロープウェイで下りてくると、行きはガラガラだった駐車場がそれなりに埋まってきていた。近くに予備の駐車場もあるようだからキャパはまだまだ余裕があるはず。調べによると本気を出せば100台分のスペースがある。


榛名湖はちょっとだけよ

続いて榛名湖へ。ロープウェイ乗り場から1~2分で湖畔に取りつく。ひとまず手近な駐車場に止めて湖を見学する。想像していたよりは小ぶりだった。まあ諏訪湖や十和田湖じゃあるまいしね。
榛名湖
それでも周囲6kmもある。一周ドライブしてみようかという案も出たけれど、物言いがつき、協議の結果取りやめとなった。高速の上り渋滞が始まる前に帰りたい、その点をにらみつつ神社見学に多くの時間を割きたかったため。

うーん、榛名湖にどうしても見たい・遊びたい対象があったわけじゃないけど、ちょっと残念…。しかし何かを得るには何かを捨てねばならないのが人生だ。それにどうやら、この決断は結果的に吉と出たようだ。


景色もご利益もすごい榛名神社

渓谷沿いの参道

榛名湖に別れを告げて引き続き県道33号を進む。今度はずーっと下り坂で10分かからないくらいで榛名神社に着いた。予習なしで来たため、各観光地にある市営駐車場とか広い無料駐車場の類がどこにあるのかわからない(帰りにチェックしたところ、15分くらい歩かされそうな離れた場所にあった。高崎方面から来れば容易に見つかる)。

そうとは知らず参道を奥へ奥へ…ぎりぎりまで接近したところにあるお店の駐車場に止めた。帰りに店内で何か買うか飲食すれば無料でOKらしい。了解です。

拝観料的なものはとくになし。石畳の道を坂や階段でずーっと上り続けるから体力や時間の面で甘くみない方がいい。境内の前半は沢が並行して流れており、渓谷の遊歩道のような様相を見せる。まだ一部に紅葉が残っていた。
榛名神社 参道に並行する沢
珍しい岩を発見。鞍掛岩という名前で橋のような、やかんの取っ手のような形をしている。自然にこんな形になるもんなのかね。なんかご利益がありそうだ、ってことで、奇岩に祈願しておいた。
鞍掛岩
続いて三重塔。天に向かって鋭く伸びた岩を背にして立っている。立派なお姿だ。このあたりにはトイレや売店があって一休みできる。
榛名神社の三重塔

本殿への長い石段

ここから後半。しばらく進むと岩をくり抜いたトンネルがある。ワイルドですな。トンネルを抜けて赤い橋を渡ると、か細くも美しい滝が現れた。瓶子の滝(みすずのたき)というらしい。こりゃまた結構なものを見た。
瓶子の滝
以降は沢と別れて石段をひたすら上る感じになる。最初に多くの人が足を止めていたのが、迫力の大岩を背にした双龍門。自分も含めてみんな写真を撮りまくっていた。
双龍門
そしてついに到着した本殿。訪問時は左手側が工事中でシートを被っていた。列に5分くらい並んで参拝。
榛名神社の本殿
榛名神社は屈指のパワーポットらしいからな。ご利益お頼み申す。なにしろ温泉旅行以外の事柄がメタメタなんでね。どうにかしてほしいですわ。

最後の最後に絶景スポット

ここで引き返してはいけない。本殿の横へ回り込んでみよう。「おお、これは」と声があがるほどの絶景スポットになっている。本殿が岩の中にめり込んだようになっているのである。しかも。
榛名神社 御姿岩
岩の頂上が、やばくないか。指輪の台座に付けられたダイヤのような形、それがいつかゴロンと転がり落ちてきそうに見える。その圧倒的な姿形から、この岩(御姿岩)自体が信仰の対象だと思われ、実際に岩の内部に御神体が祀られているそうな。

あとは来た道をそのまま下って榛名神社の見学終了。ちゃんと駐車場のお店で買い物もしました。

ホントに何も予習してなかったから、これほどの絶景の数々を見られるとは思っていなかった。とくに最後の御姿岩については、なんだかエライものを見てしまったなあ…ルパンを追っててとんでもないものを見つけてしまった銭形警部の心境である。どうしよう。