“じょんのび”入るにはちと熱い麻釜源泉 - 野沢温泉 湯宿 寿命延

寿命延の前にある大湯の足湯
異常過ぎる酷暑の中、グループ旅行で訪れた野沢温泉。そこに「湯宿 寿命延(じょんのび)」という旅館がある。野沢温泉のシンボル的な共同湯・大湯のすぐ目の前という恵まれたロケーションだ。

我ら一行が泊まったのは、さかや旅館という別の宿だったが、寿命延の風呂に無料で入れるサービスがあるというので、せっかくだから夜に入りに行ってみた。有名な麻釜(おがま)の源泉を引いてかけ流しにしているという風呂はとっても熱い。が、その分パワフルだともいえよう。

(※注)上の写真は寿命延の目の前にある「大湯の足湯」です。寿命延の写真を撮り忘れたのでかわりに貼っておきました

熱々の源泉との遭遇…「寿命延」入浴体験記

寿命延へ、いざ出撃

“じょんのび”とは新潟の方言で「ゆっくり」「のんびり」といった意味だそうだ。新潟に近い野沢温泉のあたりでも使われている言葉なんだろう。そこに縁起のいい漢字をあてて宿名にしたものと思われる。

宿泊先のさかや旅館では、夜9時頃までにフロントに申し出ると、寿命延の入浴チケットをくれる。そこで夕食後に一休みしてからチケットをもらい、寿命延へ出かけてみた。歩いてすぐそこの近さ。

入館すると、履物を脱いでスリッパを履くのかなという雰囲気の段差があるけど、風呂場までは土足で進んでいいみたい。フロントでチケットを渡そうとしたが、誰もいなかった。どうしよう。

フロントの左奥に目をやると洒落た感じのバーがあった。モボ・モガがアンニュイな表情でグラスを傾けていそうなやつ。まあ我らが座るような場所じゃない。

足元湧出泉がある…だと?(ただし女湯のみ)

やがて風呂場の方から若旦那的な方が現れたのでチケットを渡す。湯もみをしていたようだ。熱かったら水を足してくださいとのこと。

男湯の脱衣所ですでにモワッとした熱気。うむ、これは熱そうだ。さかや旅館のフロントでは「すごく熱いですよ」と予防線を張られていたな。麻釜おそるべし。壁の分析書には「単純硫黄泉、低張性、アルカリ性、高温泉」とあった。大釜・御嶽の混合泉と書いてあったと思う。

ちなみに女湯の方は麻釜でなく自家源泉、しかも足元湧出泉、つまり浴槽の底から直接源泉が湧き出している超新鮮なお湯だってことだ。ちくしょう、うらやましいぜ。

熱いお湯との格闘

浴室は正直さほど広くはない。露天風呂があるわけでもない。そういう要素を重視する方は大規模旅館へ行くべきだろう。ここにあるのは4名分の洗い場と4~5名規模の内湯浴槽だ。

源泉は流しそうめんみたいな樋を流れた後、数条の細い筋となって湯船に落下している。それでも温度は下がり切らず、厳しい熱さを保っているようだった。おそるおそる足を湯の中に入れてみると…あちい! だめだ入れないわ。

立てかけてあった湯もみ板を手に取り、草津で見た湯もみショーの光景を思い出しながら、自己流の湯もみを始めた。野沢よいとこ~いちどは~おいで~、はーどっこいしょっと。

だめだ、まだ熱い。やむを得ず最終兵器・加水ドバドバを発動した。蛇口全開の勢いで加水したら、ようやく蛇口近くなら入れる温度になった。そこを拠点に湯の中で腕を回して、ぬるくなったお湯を全体に拡散させるようなアクションを取ることによって、次第、に全体がいい感じになってきた。

麻釜のパワーを堪能せよ

ここのお湯は無色透明である。白濁していたりするわけではない。湯の花も見られないし、加水しまくったせいか匂いやヌルヌルといった強い特徴も記憶にない。それでも単なる沸かし湯とは明らかに違う浴感はあった。

スケジュールの都合でわりと早めにあがることになったのは残念だが、もっと粘っていたら、じんわり効いてくるのがもっとはっきりわかっただろう。

後述する通り、麻釜の源泉が湧出している場所は街なかにあるけど、観光客が立ち入ることはできない。離れた位置から見るだけ。その意味では、寿命延の風呂は麻釜源泉と直に触れあうことができる、貴重な機会とも考えられる。お湯が濁りなく透明で熱いってことは十分に新鮮だってことだし。

一方、ご婦人方におかれましては、超貴重な足元湧出泉を十二分にご堪能ください。ああうらやましい。


おまけ:野沢温泉街のお散歩ツアー

さかや旅館では夕方4時半から5時頃まで、ちょっとした温泉街お散歩ツアーを開催している。せっかくなので参加してみた。まず最初に足を止めたのが旅館の隣りにある大湯。うーん雰囲気あるね。
野沢温泉 大湯
それから急な坂を上がっていくと湯沢神社がある。たどり着くまでがしんどい。この暑さの中では余計にきつい坂だった。鳥居の奥まで進む余裕はなし。神社の隣には健命寺というお寺もあった。
野沢温泉 湯沢神社
そして有名な麻釜に到着。いかにもグラグラ煮立っていそうな熱湯がボコボコと湧き上がってくるように見える。うっすらと湯気も立っているし、天然湯沸かし器みたい。寿命延の風呂が熱々なわけだ。危険なので地元民でない一般の観光客は立入禁止。
野沢温泉 麻釜
土産物屋の前を通って無料の足湯コーナーへ。ここには温泉玉子を作る用の槽もあった。近くの店で生卵を買ってネットに入れて浸しておくわけだ。へえ面白そうじゃない。あと見晴らしがなかなか良くて、天気が良ければ黒姫・妙高の山々を望める。
野沢温泉 足湯コーナー
いったん大湯の前まで戻ってきて、最後に別の共同湯・河原湯へ。こちらの建物はかなり渋い感じだね。こうした共同湯が野沢温泉には13箇所もあるそうな。しかも全部お賽銭箱への寸志で利用できる。
野沢温泉 河原湯
以上でお散歩ツアーはおしまい。実際の温泉街はもっとずっと広範囲に展開している。本気でじっくり回ったら1日がかりだろう。

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