東御を遠見。ぶどう畑が広がる高台の温泉 - みづほ温泉 湯楽里館

みづほ温泉 湯楽里館
盛りだくさんだった春の信州グループ旅行もいよいよ最終日。田沢温泉からの帰りに上田近辺の温泉に立ち寄ることにした。候補はいくらでも考えられる。沓掛・別所・鹿教湯・霊泉寺・角間・戸倉上山田…だが今回は眺望の良い露天風呂をテーマに、上田の隣・東御市の日帰り施設「湯楽里館」を選んでみた。

ここは「誰かに車を運転してもらって行く」のがベストなスポットだ。なぜなら公共交通機関では行きづらく、車はほぼ必須。なおかつオラホビールという地ビールや東御特産のワインが強力に誘惑してくるからだ。

我々はお酒の誘惑を断ち切り、お風呂のみですませた。まあ仕方ないし、それだけでも十分。高台からの景色はたしかに一見の価値がある。

湯楽里館へのアクセス

湯楽里館のホームページによれば、鉄道利用の場合は、しなの鉄道・田中駅か大屋駅からタクシーと案内されている。路線バスや送迎バスはないってことだ。やっぱり気軽にとはいかなそうだね。

東京方面から車なら上信越道・東部湯の丸SA兼ICを出て10分かそこらで着く。千曲川やしなの鉄道や国道18号沿いの東御市中心部というよりは山側というか上信越道沿いの高台にある。周辺にはぶどう農園が広がっている。

我々は前泊地の田沢温泉・富士屋を出発して上田に入り、上田城址を見学しつつ、目的の湯楽里館へとやって来たのが昼過ぎ。週末とはいえ駐車場にはまだ余裕がある。この様子ならとんでもなく混雑してるという事態はあるまい。ひとまず安心。


湯楽里館の入浴体験記

新しさを感じる施設

入口の自販機で500円のチケットを買って入場。館内はおみやげコーナーや食事のできる休憩所があった。このあたり近年の日帰り温泉のフォーマットを踏襲している。施設全体はまだまだ新しさを感じさせ、枯れた鄙び感がないとヤダ!というこだわり君を除いた万人向けの雰囲気。

とりあえずさくっと奥の大浴場へ。脱衣所の様子は冒頭で安心したように、たしかに混雑しているわけではないが、ガラガラというわけでもなく(ガラガラじゃ経営が成り立たないんでそれはそれで問題だけど)そこそこの人口密度だった。

掲示されている分析書には「ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉、弱アルカリ性、低張性、高温泉」とあった。

パノラマの景色広がる露天風呂

浴室はわりと広め。洗い場はたくさんあるからふさがって困ることはないだろう。内湯はメインの大浴槽以外にもローズ風呂とかいろいろあるようだったけど、時間の都合で長居はできないため、優先度の高い順に試すべしと、いきなり露天エリアへ繰り出した。

そこには10名規模の岩風呂と休憩用のベンチがあった。その奥がちょっとした芝生になっており、その先はいきなり崖っぽくて下界の景色がどーんと広がる。当湯自慢のパノラマだ。見えるのはこんな感じ。入館前に当館のロータリー付近から撮影したものだ。
湯楽里館前から見えるパノラマ景色
ただし構造上、風呂に入りながら景色を楽しむわけにはいかない。露天エリアで立ち上がった体勢で崖の方にちょっと歩を進める必要がある。

熱めのお湯は暑い時期は厳しいかも

温泉に戻ろう。露天風呂のお湯は無色透明の微濁りでこれといった特徴はなし。匂いの方も温泉ぽい感じはしなくもないが印象に残る強い特徴はない。

そして熱め。別にそれでかまわないけど、自分がぬるめ好きなのと、たまたまこの日が暑いくらいの陽気で、屋根のない中で照りつける日差しもあって熱さをより厳しく感じた。同じくぬるめ好きのメンバーの一人は「ちょっと厳しい」と言って早々にベンチへ引っ込んでしまった。

もう少し寒い日だったら「あたたまりの湯」的にじっくりと楽しんだかもしれない。ちなみに露天風呂の人口密度は常時2〜3人てとこだった。

広い風呂を独占気分で入る内湯

続いて内湯へ。こちらのメイン浴槽は広い。20名以上いけるんじゃないか。そこに1〜2名くらいしか入ってないから余計に広く感じる。浴槽の一方の端からは滝のようにドバドバと勢いよくお湯が流れ落ちていた。

お湯の特徴は露天と同じ。悪天候や運悪く露天が混みあっているときは内湯でも十分かもしれない。こっちからでも大きなガラス越しに下界の景色は見える…は言い過ぎか。残念ながら、ガラスが結構ヘタってきており、半分曇りガラスのようになってしまっているのだ。なんにせよ広くてせいせいするのは間違いない。

以上ふたつの湯船を体験して入浴終了。あとでメンバーに「露天も内湯も熱めでしたね」と話すと、「ローズ風呂はぬるかったよ」とのこと。なにぃ?! そうきたか。温泉重視派としてはその手の変わり風呂はスルーする習慣になっていたから完全に裏をかかれたぜ。


入浴後のお楽しみ

東御市といえばくるみ、だからくるみそばを食す

館内で昼食を取ることになった。東御市はくるみが特産品になっているらしい。市内に「雷電くるみの里」なる道の駅があるくらいだ。その点を踏まえて当館の休憩所で提供される食事メニューの中から「くるみそば」をオーダーした。出てきたのがこれ。
湯楽里館 くるみそば
思ってたより量が多いぞ。山盛りになったそばは見せかけではない。上げ底とかそんなコスいことはしない。真に山盛りなのだ。山の頂上からそばをつまみ、くるみをゴマすりの要領で砕いて入れた麺つゆに浸して食す。おお、くるみの風味がきいている。

そばは固めでしっかりした歯ごたえがある。そして量が多い。確実に腹一杯になるし、その後の腹持ちもいい。実際のところ、約6時間後に帰宅してなお胃にそばが詰まってる感じがして、夕食をとる気にならなかった。

温泉付き・道の駅的なスポット

移動手段が車で、眺めのいい露天風呂を望むなら、湯楽里館へ立ち寄ってみてはいかがだろう。併設でオラホビールのレストランがあるし、東御特産品を並べた物産館もある。一種の道の駅としての使い勝手を提供してくれるスポットだ。


おまけ:上田城址公園に行ってみた

湯楽里館へ行く前に上田城跡公園に寄り道した。上田はここ1年あまりで3回目の訪問。上田城址公園の見学は2回目。

時期的にちょうど桜祭りをやっていた。しかし桜はもうすっかり終わっている。お堀のあたりも本来なら桜並木が見事だったんだろうなあ。
上田城址公園のお堀
また来たぜ、勝手知ったる上田城の門と櫓。前回は真冬だったが今回は緑が濃い。
上田城址 門と櫓
城址なので本丸や天守閣は残っていない。中に入るといきなり真田神社がある。徳川を2度退けた真田の知勇から、勝利と知恵のご利益があるようだ。受験なんかに良さそう。
真田神社
巨大な赤備え兜が置いてあるところは記念撮影スポットになっていた。
真田神社 赤備え兜のオブジェ
本丸跡は憩いの広場になっており、城マニアには物足りないかもしれないが、御朱印集めやパワースポットめぐり、真田のゆかりを訪ねる旅なら欠かせない場所だ。